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作文を書くのに時間がかかる子 as/462.html
森川林 2009/04/21 02:11 
 作文を書くのに時間がかかる、ということで相談を受けることがよくあります。時間がかかるということについては、それなりの理由があります。
 第一は、時間のかかる子ほどよく考えているということです。一般に、長い時間をかけて作文を書く子は、書く力があることが多く、また考えながら書くのでさらに力がつくという傾向があります。その点では、長い時間をかけて書くということは、いい面もあります。
 第二は、小学校高学年から中学生にかけては、読解のための語彙力と表現のための語彙力の差が広がる時期なので、誰でも多かれ少なかれ作文が苦手になる時期だということです。そのために、どうしても書くのが遅くなる傾向があります。
 第三に、作文は精神的にエネルギーを使う勉強なので、作文のあとにすぐ次の勉強が待っているというようなスケジュールだと、途中で一休みしたくなるので、作文を書くのがなかなか終わらないということもあります。作文の勉強がある日は、ほかの勉強との間に休み時間を入れるなど勉強と休憩のバランスを考えておく必要があります。

 しかし、作文を書くスピードというのは、実はとても重要です。なぜかというと、一つには、作文の試験では必ず制限時間があるからです。もう一つには、速く書くのも作文の実力だからです。
 では、作文が速く書けない原因は、何でしょうか。
 いちばんの原因は、遅く書くのに慣れているということです。これは読書も同じで、一度読んだところをすぐに少し戻って読む戻り読みをする癖がついていると、本を読むスピードが遅くなります。同様に、作文も、考えながら書き、書いては消して、また考えて書くというな書き方をしていると、どうしても書くのは遅くなります。
 言葉の森の勉強では、構成や項目をあらかじめ指示しているので、速く書きやすい作文の勉強になっていますが、それでも書いている途中に考えてしまうというスタイルで文章を書く人がかなり多いのです。これを解決するためには、構成図をくわしく書いて、書き出す前に書き終わりまでの見通しを持って書くようにすることです。

 今後の具体的な提案としては、五つのことが考えています。
 第一は、今述べたように、構成図をしっかり書く練習をしていくということです。
 第二は、構成図を書き終えたあと、作文を書き始めてからの正味の時間を90分以内とすることです。全部書き終えることができずに途中で終了した場合でも、「つづく」など書いて、そのまま提出するようにします。もちろん、途中で休憩したり、翌日に持ち越したりするようなことは原則としてしません。
 第三は、書いている途中に消しゴムを使わないということです。また、途中で調べたり考えたり書き直したりするようなことも、原則としてしません。消しゴムを使う、調べる、考える、書き直すなどの作業は、作文の最後の残り10−20行ぐらいになってからするのはかまいませんが、書いてる途中には、そのようなことはしないようにします。不確かな漢字などはとりあえずカタカナで書いておき、作文を全部書き終えてからまとめて調べるというようにしていきます。
 第四は、今後の指導の項目の中で、時間制限をはっきりさせていきたいということです。(現在も既に時間制限の項目はありますが、必須の●印の項目にはなっていません)。当面、時間の記録を徹底させて、時間がかかる生徒については、先生の方から早く書き上げるような指導していきたいと思います。
 第五は、将来のことですが、音声入力でスピードアップする方法を検討しています。手で書く作文は1200字60分から90分かかるのが普通ですが、音声入力の作文では、1200字の文章でも10分から20分で仕上げることができます。これは、現在通学教室の中学生以上で行っていますが、将来、やり方を工夫して通信教室でも行えるようにしていきたいと思っています。
(この文章は、構成図をもとに音声入力した原稿をamivoiceでテキスト化したものです)
マインドマップ風構成図
 記事のもととなった構成図です。

(急いで書いたのでうまくありません)

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新しい学校生活スタートに向けて(その2) as/461.html
森川林 2009/04/20 13:36 
 前に、難しい学校に入った人とそうでない人との、これからの勉強の違いということについて書きました。

 人間は、周りの環境に左右されます。そういう点で、難しい学校に入った子は難しい勉強に適応するようになりますが、やさしい学校に入った子はやさしい勉強に適応するようになり学力があまり伸びません。
 そこまでのことだけを考えると、難しい学校に入った人に比べて、やさしい学校に入った人は、スタート地点でハンディキャップを背負っているように思われます。しかし、それは二つの意味でそうではありません。
 第一は、世界の中では、勉強をすることもできないような環境に置かれている人がたくさんいるからです。日本で勉強して進学できるというのは、世界的に見れば非常に恵まれた上位の0.数%のうちに入るようなことなのだと思います。そう考えると、いい学校に入るかどうかということ以前に、勉強するチャンスがあるということ自体がきわめて大きなチャンスだと考えなければなりません。
 第二は、学校生活中では、環境によって影響を受けるということが数多くありますが、社会生活に出れば、自分で環境を作り変えていくという必要がもっとたくさん出てくるからです。一生の間、与えられた環境に適応して先に進めるというような境遇の人は誰ひとりいません。皆、与えられた環境を、それがプラスの環境であれマイナスの環境であれ、自らの力で乗り越えて自分らしい人生を築いていくのです。そう考えると、学校時代にいい環境に適応して勉強してきたという人は、その延長で社会生活も考えてしまうために困難を跳ね返す力が乏しくなることもあると考えられます。学校生活に満足せず自力で運命を切り開く必要性を感じた人は、その考えを社会生活の中に出ても持ち続けることができます。
 学校生活の数年間は人生の中ではごく短い期間です。その間に、何かを学ぶことも大切ですが、いちばん大事なのは、生き方の姿勢を身につけていくことだと思います。そのような大きな展望で考えれば、いい学校に入れなかったということは、逆に将来プラスになる可能性の方が高いのです。「School of adversity」という言葉があります。これは「逆境という学校」という意味です。人間がどこでいちばん成長するかというと、やはり困難を克服する中で成長するのだということです。

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