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記事 467番  最新の記事 <前の記事 後の記事> 2024/12/2
作る学力と暗唱(その1) as/467.html
森川林 2009/04/27 09:51 
 解く学力と作る学力は、テストの学力と発表の学力と言い換えることもできます。また読む学力と書く学力と考えることもできます。
 これからの時代に求められるものは、読む学力ではなく、書く学力です。
 書く学力を構成する要素は三つあります。第一は、知識です。知識が書くための材料となります。第二は、思考です。材料となっている知識をただ伝えるだけでなく、その知識の組み合わせから新しいものを構想するのが思考の役割です。第三が、表現です。この表現は、単に右のものを左に移す伝達のような表現ではなく、新しいものを創造する表現です。
 新しいものを創造するために必要な知識は、単にテストのときに記憶を再現すればよいというだけの知識ではありません。考えるときに、いつでも自分の手足の一部のように使える知識となっていることが必要です。
 熱中して本を読むと、その本に書かれている内容や表現が、まるで自分のもののように使えるようになるということがあります。このときに、熱中して読んだ本の中で得た知識は、その本の文脈全体の中で把握されているので、自分の手足のように使える知識なのです。
 かつて日本では、歴史の学習は、人物の歴史を中心に学ぶようになっていました。その後、人物中心の歴史学習が科学的でないと批判され、現在の歴史学習は人物をあまり取り上げない味気ないものになっています。しかし、歴史の教科書や資料集に載っているような知識をいくら覚えても、そこから文章を書くときに使えるような生きた実例はあまり出てきません。それは、断片的に記憶する歴史の知識が、単にテストで再現するだけの知識となっていて、生きた知識になっていないからです。
 年をとった人の言葉は、何でもないように思えることの中にも深みを感じることがあります。同じことを若い人が言うよりも年とった人が言う方が説得力があるのは、老人の知識が、自分の生きた知識となって語られているからです。
 では、生きた知識とそうでない知識の違いはどこにあるのでしょうか。
(つづく)
(この文章は、構成図をもとに音声入力した原稿をamivoiceでテキスト化したものです)
マインドマップ風構成図
 記事のもととなった構成図です。

(急いで書いたのでうまくありません)

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作る教育と連休 as/466.html
森川林 2009/04/25 05:09 
 これまでの教育は、解く教育が中心でした。世間が多忙な時代には、それでもよかったのです。しかし、余暇が増える時代になると、解く必要がなくなった人の中には、暇を持てあます人が出てきます。そこで、消費によって暇をつぶすために、連休になると、レジャー、旅行、スポーツ、食事などで過ごすという発想が生まれてきたのです。
 作る教育が十分に行われていれば、暇なときには、作る余暇、又は作るために学ぶ(得る)余暇というような時間の過ごし方がもっと広がっていたと思います。
 学習に関して言うと、単なる得るだけの勉強は若い時期には必要です。しかし、年を取ってから、ただ学ぶことだけを目的にする学習は、勉強に対する回顧的な思いから来ているものだと思います。社会人の学習は、ただ学ぶことではなく、作ることや貢献すること、又は貢献するために学ぶことに意義があります。学ぶために学ぶという学習は、むしろ若者中心の学び方です。
 作る教育で行われる具体的な内容は、芸術、工作、思索などです。人間の恒久的な喜びは、消費の中にではなく創造の中にあります。つまり、手足や感情や言語や道具を使って新しいものを作り出すところに、人間でなければできない娯楽があるのです。

 今度の連休は、受験生にとっては、朝から晩まで学ぶ連休になると思います。創造的な人にとっては、作る連休、又は作るために学ぶ連休になると思います。それ以外の多くの人にとっては、遊ぶ連休になると思います。
 しかし、受験生でない学生のみなさんは、せっかく長い自由な時間があるのですから、英単語の暗記に挑戦するとか、気に入った文章の長い暗唱に挑戦するとか、古典の読書に挑戦するとか、有意義な時間の過ごし方を考えてください。
 一日中読書をするときは、次のようにすると飽きません。まず、面白そうな本を10冊ぐらい図書館から借りてきます。その10冊を並べて、1冊目を読んで飽きてきたら2冊目、2冊目が飽きたら3冊目と、次々と読んでいくのです。そうすると、多くの本を並行して読み進めていくことができます。しかも、たくさんの本を積んで読んでいるので、いかにも「がんばって読書をしている」という雰囲気になります(笑)。
 暇なときは、とりあえず読書をすると考えておくと、あとで必ずよかったと思うときが来ると思います。
(この文章は、構成図をもとに音声入力した原稿をamivoiceでテキスト化したものです)
マインドマップ風構成図
 記事のもととなった構成図です。

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