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ChatGPTを利用した作文教育――作文の本質は、書くことではなく考えること as/4701.html
森川林 2023/04/10 08:49 


●動画:https://youtu.be/IN4glnaGWRc

 ChatGPTを利用すれば、夏休みの宿題の感想文などはいくらでも書けます。
 だから、もうそういう無意味な宿題はやめた方がいいのです。

 大事なのは、学校の授業の中で作文の指導をすることであって、宿題として作文を書かせることではありません。
 授業の中で、先生が教えることが大事なのです。

 先日、近くのコンビニに寄ってみたとき、サンデー毎日という週刊誌に、「全国主要2409高校 有名110大学合格者数」が載っているのを見ました。
 この取材力は大したものですが、こういう記事に関心を持つのは日本の受験生の保護者だけだろうと思いました。

 つまり、国際的にはほとんど意味のない序列が、日本の国内では重大な関心事になっているということです。
 しかし、その関心が全国的に共有されているので、その幻想は社会的にそれなりの意味を持っています。

 そのときに、ふと、年末の紅白歌合戦やレコード大賞も、今は関心は薄れてきていますが、日本の国内のひとつの幻想として共有されていると思い浮かんだのです。

 それを、記事として書くほどのことはないと思いましたが、試しに、ChatGPTで次のようなプロンプトを入れてみました。
次のような構成で4段落1200字程度の文章を書いて。
第一段落は、コンビニで高校別大学合格状況を掲載した週刊誌を見たこと
第二段落は、日本のガラパゴス入試は、このような週刊誌などの情報で受験生に広く共有されていること
第三段落は、年末の紅白歌合戦も、大学入試と同じように、一種の幻想的な価値として国民に広く共有されていること
第四段落は、これからの国際社会では、意味のある価値を求めることが大切だが、日本の国内に限れば、日本独自の幻想的な価値はこれからも長く続くこと


 その結果、出力された文章が次のものです。
 私は最近、コンビニで高校別大学合格状況を掲載した週刊誌を見ました。入試をあおる記事や、受験生たちの不安を煽る内容が多く掲載されていました。日本の大学入試は、他国に比べて独自のシステムを持っていることがあります。しかし、その一方で、このような週刊誌などの情報が広く共有されているため、入試に関する情報やコラムが多数掲載されるようになりました。

 また、年末になると、多くの人々がテレビで紅白歌合戦を見ながら新年を迎えるという光景があります。このような行事は、日本人の文化や価値観に根付いているものであり、多くの人々にとっては大切なものです。大学入試と同じように、一種の幻想的な価値として国民に広く共有されていることが分かります。

 しかしながら、これからの国際社会では、意味のある価値を求めることがますます大切になっています。国際的な視野を持つことで、より多くの人々が世界中で活躍できるようになります。しかし、日本の国内に限れば、日本独自の幻想的な価値はこれからも長く続くことでしょう。大学入試や紅白歌合戦といった行事が、日本人の文化や価値観を支え、日本社会を形作っているからです。

 そのため、大切なのは、入試や紅白歌合戦をあおることではなく、その背景にある文化や価値観を大切にすることです。また、国際社会においても、日本独自の文化や価値観を理解し、尊重することが大切になってきます。これからも、日本の独自性を大切にしつつ、国際社会においても貢献できるよう、努力を続けていきたいと思います。


 それなりに、意味の通った内容になっています。


 そこで、Edgeにあたらしく搭載されたImage Creatorで、絵を作成してみました。
 Image Creatorは、まだ英語しか受けつけていないようなので、google翻訳で、次の文章を英語化しました。

コンピュータを利用して楽しそうに作文を書いている日本人の小学生の子を2色刷りの漫画風に


 英文はこうなりました。
A Japanese elementary school child happily writing an essay using a computer in a two-color cartoon style


 その結果、作られた画像のひとつがこういうものです。


 単に、「笑顔で作文を書いている日本人の小学生の子を2色刷りの漫画風に」のプロンプトで作成された画像がこれです。


 これらを更に発展させれば、四コマ漫画を作ったり、背景に音楽を流したりすることもできます。
 もちろん、絵は自分でかいてもいいし、音楽も自分で作ってもいいのです。


 そこで、結論は、こういうことです。

 私は、昔から、作文の本質は考えることであって、書くことではないと思っていました。
 書くというのは単なる作業ですから、時間がかかります。そして、面白くありません。
 考えることは、時間が短いことも長いこともありますが、それなりに面白いことです。

 だから、作文の勉強は、考えることを中心にしていくといいのです。
 書くことは、その考えたことの結果です。


 したがって、未来の作文の勉強は、このようになります。
 生徒は、構想図を使って、手書きで自分の考えたことを書きます。
 考えることは、手で書くことと深く結びついています。

 構想図を書きながら考えたあと、それを四行の詩のようなかたちでまとめます。
 詩は、散文とは違って、短い文の中にあるリズム感が必要です。
 俳句や短歌のような感覚です。

 その四行詩をChatGPTに入れて、1200字程度の文章を作ります。
 その文章の背景として、Image Creatorで絵を入れます。
 ただし、絵をかくのが好きな人は、その絵も自分でかきます。

 それらがひとつのセットになっていますが、作品として打ち出すものは四行詩と絵が中心になります。
 一目で全体を見ることができるからです。

 1200字の文章は、その四行詩と絵の補完説明のような形になります。
 その文章をもとに、書いた人が、自分がどういうことを言いたかったかということをYouTubeなどの動画で説明します。

 これらがひとつの作文という形になるのです。

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中学生からの作文の勉強が、思考力を伸ばす――長文を読んで意見文を書く練習ができるのは言葉の森だけ as/4700.html
森川林 2023/04/09 16:27 


 言葉の森を卒業して、社会人になった生徒が、自分の中学生時代の作文を見て、こんなことを言っていました。
「僕は、中学生のころ、すごくよく考えていたんですね。今、こういう文章を書けるかなあ」

 これは、誰にでもあてはまります。
 言葉の森の作文は、小学4年生までは、事実を中心とした生活作文です。
 このころの作文の勉強は、学校で書く作文とあまり変わりません。
 変わるとすれば、実例と表現と感想を個性的に書くことです。
 ただ書くのではなく、自分らしく書くということが大事な目標になります。

 小学5年生からは、課題自体が抽象的になり、感想の部分を、自分個人の感想を超えたより一般的な感想として書くようになります。
 例えば、「私の友達」という課題で書く場合、自分にとっての友達という感想でなく、人間にとって友達とは何かという感想として書くのです。

 中学生になると、この感想の部分が作文の中心になります。
 小学生のころは、実例が先にあり、その実例の感想を書く形でしたが、中学生の作文は、意見が先にあり、その意見の裏付けとして実例を書くという形になります。
 それも、ただ実例を書くのでなく、意見の理由として書くとか、意見の方法として書くとかいう構成の仕方が重要になります。

 高校生になると、この意見中心の作文の構成の仕方が更に発展し、課題の文章が更に高度になります。
 構成の仕方は、理由や方法以外に、原因や対策を考えて書くようになります。

 このように、構成を意識して書く作文指導をしているのが、言葉の森の特徴です。
 中学生からの意見文は、そのまま大学入試の小論文に応用できます。

 言葉の森では、高校生から作文を始める人は、小学6年生の課題からスタートします。
 小6の構成の仕方である「複数の実例と一般化の主題」も、大学入試の小論文で十分に使えるからです。
 更に、中学1、2、3年生での意見文の書き方を身につければ、どのような小論文の課題にも対応できるようになります。

 中学生からの作文の練習は、考える力を必要とします。
 作文は、思考力を伸ばすのに最も効果的な学習なのです。

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