土曜日の昼下がり、いつものように散歩をしていると、向こうからおじいさんがやってきました。
おじいさんは、杖をつきながらゆっくりゆっくり、やっとこさ歩いています。そして、歩き疲れたのか、植え込みのところに腰をかけました。
そのおじいさんの前を通りかかったとき、おじいさんは、ふと私に手をさしのべたのです。私とママは足を止めました。
おじいさんは、とてもうれしそうに私のことをなでてくれました。
ママは、「もうすぐ13歳のおばあさん犬なんですよ。」などと、聞かれてもいないのに私の年を明かしてしまいました。私は、心の中で「全く!!」と憤慨しましたが、おじいさんもかなり年を取っているようだったので、お互い様だから、まあいいかと思い直しました。
おじいさんは、ニコニコしながら「いい子だねぇ。」と言ってくれました。
ママがおじいさんにお礼を言って、おじいさんのもとを離れようとしたとき、
おじいさんは、突然私に向かって両手を合わせ、心の奥底からしぼりだしたような声で「ありがとうね。」と言いました。
私より年上(たぶん)のおじいさんに手を合わされるとは、本当に恐れ多いことです。
私の方こそ、おじいさんに前足を合わせたいくらいだと思いました。
しばらく歩いてから振り返ると、おじいさんは、またやっとこさ腰を上げ、私たちとは反対の方向にゆっくりゆっくり歩いていきました。
この記事に関するコメント
コメントフォームへ。
同じカテゴリーの記事
同じカテゴリーの記事は、こちらをごらんください。息抜き(19)
●動画:https://youtu.be/dwJVTaZ1nTw
日本の現状は、沈んでいく豪華客船です。
しかし、大きい船なので、乗客の多くはその危機に気がついていません。
船は徐々に沈みかけています。
ゆっくり沈みつつある船の中で、よりよい席を探してひとつでも上に行くことが多くの乗客の関心事です。
沈みつつあるのは、日本の船だけではありません。
世界中の船が、速い遅いの違いはあれ沈んでいます。
アメリカの船、中国の船、EUの船、ロシアの船のいずれも、内部で浸水が始まっています。
これまでの社会の進歩は、無知と貧困を発展のエネルギーとしていました。
真実がわからないからマスコミの情報に流され、自分たちが貧しいと思っているから物質的な豊かさを追い求めてきました。
しかし、その情報社会と物質社会の前提が静かになくなりつつあります。
真実は、インターネットを介して口コミで広まるようになりました。
豊かさは、外側の物質から、内側の生き方に変わってきています。
無数の大衆の海が変化しているために、世界中の船が沈みかけているのです。
このときに大事なことは、新しい海にふさわしい新しい船を作ることです。
そこで必要になるのが、個性と創造の学力です。
古い時代に必要だった学力は、成績の学力でした。
これからは、成績のための学力ではなく、個性と創造のための学力を育てていく必要があります。
それが、自分の船を作ることにつながります。
古い船から、今すぐ飛び降りる必要はありません。
沈み切るには、まだ時間がかかります。
しかし、目先の波の動きを見るだけでなく、遠くの水平線の先も見ることが必要になっているのです。
と、たとえ話のようなことを書きましたが、これからの教育は、答えのある知識を吸収し、それをテストのときに再現するようなものではなくなります。
今はまだ、人間の能力が、社会のよりよい枠の中に入ることに結びついていますが、その枠組み自体が沈みかけていることを自覚する必要があります。
だから、今は既存の枠の中に入るとしても、やがては自分の枠を新しく作ることを考えておくことです。
そのための勉強をする場が、言葉の森のオンライン少人数クラスです。
この記事に関するコメント
コメントフォームへ。
同じカテゴリーの記事
同じカテゴリーの記事は、こちらをごらんください。生き方(41) 未来の教育(31) 言葉の森のビジョン(51)
小学生の勉強法で大事なことは、家庭学習の習慣をつけることです。
そのためには、親が勉強の内容と方法について関わることが必要です。
よく、塾に行かせて、その塾から出された宿題をやらせているだけの勉強をしている人がいますが、これでは実力はつきません。
親の目の届かないところで子供は勉強をしているらしいという安心感があるだけです。
また、学校の宿題を家庭学習の中心にしている家庭もあると思います。
順序としては、家庭で決めた学習が第一で、学校の宿題や塾の宿題は第二、第三です。
なぜかというと、学校の宿題などを学習の中心にしていると、たくさんやるときと少ししかやらないときのムラが出てくるからです。
宿題がない日は勉強しないということになれば、学習の習慣はつきません。
まず、家庭の方針として毎日何をするかを決めておくことが大事です。
宿題の中で、あまり意味のないものは、親が代わりにやってあげるくらいでいいのです。
小学校低中学年のうちは、習慣をつけることが第一ですから、勉強の量は少なめにして、子供がすぐに取り組んで、すぐに終えられるぐらいにしておくことが大事です。
親は、つい長時間勉強をさせようと思いがちですが、本人にまだ勉強の自覚ができる前に長時間の勉強をさせると、集中力のない勉強の仕方になります。
勉強の自覚ができるのは、小学6年生の受験直前のときか、中学3年生になってからです。
小学生のときに勉強をさせられすぎた子は、中学生や高校生になると勉強に飽きてしまうことがあります。
逆に、小学生のときに、たっぷり自分の好きなことをして、読書もして育った子は、いざ勉強が必要な時期になると、猛烈に勉強するようになります。
そして、すぐに、先に進んでいた子を追い越してしまうのです。
勉強の開始時刻を決めておくと、習慣はつきやすくなります。
開始時刻は、朝ごはん前、学校から帰ってすぐ、夕ごはん前などがいいと思います。
平日の勉強時間の目安です。
小1~3年……30~45分
小4~6年……60~90分
中1~3年……90~120分
土日やテスト前や受験前は、もっと長くなりますが、平日の基本ができていることが大事です。
ただし、子供がくたびれているようなときは、読書○ページだけにして、それを勉強をした扱いにするといいと思います。
小学生の勉強法を知るのにおすすめの本がありましたので紹介します。
中学生の勉強法を書いている人と同じ著者です。
「小学生のうちに身につけたい! 「勉強」のキホン」
https://www.amazon.co.jp/dp/4866671092/
この記事に関するコメント
コメントフォームへ。
同じカテゴリーの記事
同じカテゴリーの記事は、こちらをごらんください。小学校低学年(79) 勉強の仕方(119)
●動画:https://youtu.be/vJq1CP2Lvu8
言葉の森の講師は、勉強ができる人が多いです。
だから、悪く言えば、勉強ができない人の気持ちがわかりません。
私も、そうでした。
「勉強は、自分でやればいいのだから、人に教わる必要はない」
という考えでした。
作文と創造発表とプログラミングに関しては、人の働きかけが必要なので、教わるか誰かと一緒にやるのがいいのです。
しかし、学校の普通の勉強である国語、算数数学、英語などは、いい参考書か問題集を1册用意して、それを完璧に学習すればそれで済むと思っていました。
しかし、子供たちの勉強の仕方を見ると、いろいろ無駄があることがわかりました。
よくあるのは、できる問題を何度も繰り返し解くような勉強の仕方です。
逆に、できない問題もできるまでやろうとせず、わかったつもりにして済ませてしまう人もいます。
また、小学校低中学年までは、勉強よりも読書の方がずっと大切なのに、そのことを逆に考えている人も多いことです。
読書力さえつけておけば、勉強は必要になったときにやれば、すぐできるようになります。
しかし、読書力がない生徒は、学年が上がり、中学生や高校生になると、勉強が伸び悩むようになります。
たまに、読書をしなくてもいい大学に行けたという人がいますが、そういう人は社会人になってから実力が伸びません。
読書は、今すぐの試験には間に合わないように見えますが、その人の思考力や教養のもとになるものです。
だから、その差は、年齢が上がるほど大きくなります。
さて、中学生の勉強法を知るのにおすすめの本がありましたので紹介します。
わかりやすく実戦的に書かれているので、生徒用と保護者用と2册買って、時々親子で読み直しながら勉強を進めていくといいと思います。
「学年順位アップ率96.6%! [くにたて式]中学勉強法」
https://www.amazon.co.jp/dp/4804763511/
同じ作者の本で、次のものもあります。
「成績アップ率96.6%! [くにたて式]中間・期末テスト勉強法」
https://www.amazon.co.jp/dp/4804763899/
「第一志望合格率90.4% 〔くにたて式〕高校入試勉強法」
https://www.amazon.co.jp/dp/4804763716/
「小学生のうちに身につけたい! 「勉強」のキホン」
https://www.amazon.co.jp/dp/4866671092/
この記事に関するコメント
コメントフォームへ。
同じカテゴリーの記事
同じカテゴリーの記事は、こちらをごらんください。中学生の勉强(21)
●動画:https://youtu.be/zAZWqm9j2_U
低学年の作文のよくある結び方は、「とても楽しかったです。また○○したいです」です。
ここをもうひとひねりすることで、作文全体の印象が上がります。
感想を書く力は、語彙力です。
語彙力をつけるには、インプットとアウトプットが大切です。
インプットは、お母さんやお父さんが普段の生活の中で、豊かな語彙で話すことです。
お母さん自身が、子供と話すときに、「楽しかったね。またしたいね」で終わらないような、もうひとことを追加していくことです。
アウトプットは、作文の中で、感想を工夫することです。
これは、小学3年生から勉強する「自分らしい感想」という項目です。
文章の感想にもうひとことをつけ加えるためのキーワードは、「どうして」「たぶん」「もし……だったら」などです。
作文の全体の印象は、結びの数行で決まります。
結びの感想を豊かにすることで、作文全体の印象点が20パーセントぐらい上がります。
低学年での感想を書く力は、高学年での意見を書く力と同じです。
意見文や入試小論文も、結びの5行が全体の印象を左右します。
語彙力は、生活習慣の中で身につけるものですから、時間がかかります。
努力して心がけてから結果が出るまでに、半年ぐらいかかるのが普通です。
「ことわざ辞典」のような「感想を書くための辞典」があったとしても、そういう知識で身につくものではありません。
対話と読書によって、感想と意見を書くための語彙力をつけていきましょう。
この記事に関するコメント
コメントフォームへ。
同じカテゴリーの記事
同じカテゴリーの記事は、こちらをごらんください。作文の書き方(108) 小学校低学年(79)
●動画:https://youtu.be/D4lhtGZWTkA
これまでの教育は、学校で先生に教えてもらうという形がほとんどでした。
先生から出された宿題を家庭でやって学校に持っていくという形です。
学校では、ちゃんと宿題をやったかどうかをチェックして、時々テストをするというやり方が普通でした。
つまり、学校が中心で、生徒は学校で学んだことを家庭で補助的に学習するという形だったのです。
しかし、このやり方は、先生に教えてもらうという点で無駄がありました。
小中学生から高校生までの勉強は、答えがある勉強ですから、教科書や詳しい参考書があり、確認するための問題集があれば自分一人でできるものなのです。
先生の授業を聞いて教わるという形にすると、自分がすでに知っていることまで聞かなければなりません。
また、出される宿題も、普通の生徒を対象にしているため、できる問題もできない問題もランダムに出されるようになっていました。
できる問題を何度も勉強するというのは、極めて無駄のあるやり方です。
勉強は、できないことをできるようになるためにするものですから、できないことをするのが大事であって、できることをするというのは勉強ではなく単なる作業です。
ところが、昔は、学校に行かなければ教えてもらえなかったようなことが、今は、誰でも家庭でインターネットや出版物によって自由に勉強できるような時代になりました。
学校は、それぞれの生徒が自宅で勉強したことを持ち寄って、発表したり対話したり質問したりする場になったのです。
これが反転学習です。
しかし、こういう学習法を確立している学校は、まだほとんどありません。
言葉の森のオンラインクラスは、この反転学習を実行している数少ない教育機関です。
反転学習のような勉強で何が身につくかというと、まず1つは自分の興味関心や得意不得意に応じて勉強ができるということです。
もう一つは生徒どうしの対話の中で発言力やコミュニケーション力が育つことです。
言葉の森のオンラインクラスでは、実際に勉強する時間のほかに、生徒どうしが読書紹介をしたり発表したりする時間があります。
この発表する時間によって、相手とのコミュニケーションをとるという能力がついてきます。
これは、これからの学習でも、また社会生活でも重要になってくるものです。
対話の能力や発表の能力を伸ばす学習は、机上の勉強ではできません。
相手がいる中で発言をしたり質問したりすることが大事なのです。
オンラインクラスでは、勉強の中で発言や発表や対話をするということを重視しています。
「りせまむ」に、コミュニケーションに関する記事が載っていたので、それを紹介します。
やはり多くの人が、子供の能力として学力とともにコミュニケーション力を評価していることがわかります。
しかし、私は、コミュニケーション力以上に大事なものは、創造力だと思っています。
保護者が子供に求めるのは「コミュ力」大人の社会にも共通
https://resemom.jp/article/2023/04/13/71770.html
この記事に関するコメント
コメントフォームへ。
同じカテゴリーの記事
同じカテゴリーの記事は、こちらをごらんください。オンライン教育(0) 家庭学習(92)
●動画:https://youtu.be/7nQ2jy_zdRw
マスクには、害があると言われています。
特に、幼児や低学年の子供は、マスクによって呼吸がしにくくなります。
酸素は、脳の栄養にとって重要なものですから、子供は特にマスクをせずに呼吸する生活をするべきです。
また、マスクは、子供の人間認識を歪める可能性があります。
人間の顔では、口の表情も重要な要素です。
幼児期から、マスクをした顔ばかり見ている子供は、人間の表情を読み取りにくくなると思います。
よく言われていることですが、心理学の実験で次のようなものがあります。
「子ネコを出生直後から数ヶ月縦縞模様だけしか見えない環境で飼育すると、横縞に反応する細胞がほとんど無くなります。このような環境で育てたネコは縦棒を見せるとじゃれついてきますが、横棒を見せてもじゃれついてきません。」
http://web2.chubu-gu.ac.jp/web_labo/mikami/brain/21-2/index-21-2.html#anchor
人間の幼児に関しても、こういうことが起こっている可能性があります。
しかし、私がマスク着用に反対して、いつでもほとんどノーマスクを実行していたのには、強制に反対する気持ち以外に、次のことがありました。
それは、ワクチンを打たせるための下準備としてマスクをつけさせるという意図を感じたからです。
ワクチンは、今になって問題があることが次々と明らかになってきましたが、当初からワクチンの問題を指摘していた人は数多くいました。
少なくとも、私の知っているブログやSNSやYouTubeや著者のほとんどは、ワクチンに反対していました。
だから、私は、自分と同じように多くの人がワクチンの問題を知っていると思っていました。
ワクチンやマスクと同じ時期に広がった消毒には、また別の問題がありました。
それは、有用な微生物も殺菌してしまうことです。
人間は縄文時代から、何万年も、ワクチンもマスクも消毒もない人生をたくましく生きてきました。
それは、自然の治癒力と微生物との共生があったからです。
消毒は、人間の助けになる微生物との共生を断ち切ることになります。
せいぜい、外から帰ってきたら、手を洗うぐらいでいいのです。
私も、一度コロナにかかりました。
しかし、これは風邪と同じだと思ったので、そのまま放置していたら1週間ほどで治りました。
コロナについては、これで免疫ができておしまいです。
人類は、このように自分の力で免疫を作って生きてきたのです。
この記事に関するコメント
コメントフォームへ。
同じカテゴリーの記事
同じカテゴリーの記事は、こちらをごらんください。コロナ対応(0)
●動画:https://youtu.be/-vphcPyYxO8
子供の学力は、親の蔵書数に比例するという記事があります。
「親の学歴や年収より影響が大きい」子供の成績がぐんぐん上がる家庭にたくさん置いてある「あるもの」【2022下半期BEST5】
https://president.jp/articles/-/68063?page=1
これは、大きくは本当だと思います。
もちろん、例外はあります。
野口英世の母親は文盲でしたが、英世は立派な学者になり、生涯母親を尊敬していました。
しかし、多くの場合、子供の読書力は、家庭の読書環境の反映です。
オンラインクラスでの毎回の読書紹介で、低中学年のうちから大きな差があります。
それを大きく分けると、こういう表になります。
┏━━━┳━━━━━━━┳━━━━━━━┓
┃ ┃絵の多い本 ┃字の多い本 ┃
┣━━━╋━━━━━━━╋━━━━━━━┫
┃物語文┃△スイミー ┃○怪傑ゾロリ ┃
┣━━━╋━━━━━━━╋━━━━━━━┫
┃説明文┃△サバイバル ┃◎残念な生き物┃
┗━━━┻━━━━━━━┻━━━━━━━┛
なお、低中学年でおすすめの説明文の本は、「理科好きな子に育つ ふしぎのお話365」です。
https://www.amazon.co.jp/dp/B08BCB3K69
本の名前はひとつの例です。
かなり偏った考え方だと批判する人もいるかもしれません。
読書は、楽しむものですから、どういう本でもいいのです。
これが基本です。
また、子供は、いろいろな本を並行して読みます。
やさしいくだらない本も読むし、難しいレベルの高い本も読みます。
それらを並行して読むというのが、普通の読書のあり方です。
だから、一概にくだらない本がよくないというのではありません。
真面目なお母さんの中に、くだらない本は読ませないという方が時々います。
それでは、読書の楽しさというのは味わえません。
ただ、読ませない方がいい本もあります。
それは、下品な本です。
子供たちは、気持ち悪いものや怖いものに興味をひかれます。
それは、人間の持っている無明(むみょう)の好奇心です。
そういうところを伸ばす必要はありません。
最近の本は、なぜかすぐに殺人とか死体とかいうものが出てきます。
そういうものでしか、読者の興味を引き付けられないのです。
物語文の本のよさは、心に静かな感動が生まれることです。
昔からの名作が入試問題によく取り上げられるのは、この感動の面があるからです。
小学校低学年の生徒の読書紹介を見ていると、総じて絵の多い本が多いと思います。
絵本には、読みやすく、面白いものや感動するものが多いので、つい手に取りたくなりますが、絵本では、読書力、読解力はつきません。
絵本を読むのとは別に、字の多い本も必ず読む必要があるのです。
ところが、字の多い本であっても、いかにも親が選んだだけのつまらない本を読んでいる子もよくいます。
「○○の名作」とか、「○○事典」とか、「○年生で読む本」とか、有名な著者の本のダイジェスト版とかです。
こういう本は、子供にとっては面白くない場合がほとんどです。
だから、熱中して読んで、話しかけても聞こえないというような本の読み方にはなりません。
本好きな子供が、熱中して本を読んでいるときは、話しかけても聞こえないことがあります。
つまらない本を読むときの子供の心理は、苦い薬を仕方なく飲んでいるようなものです。
こういう本の読み方では、子供には何も残りません。
読書の第一の条件は、面白い本を読むことです。
面白くてレベルの高い説明文の本を読めるようになることが、家庭での読書の第一の方針です。
ところで、問題集読書の文章には、つまらないがレベルの高い説明文の文章が多く載っています。
問題集には、語彙の豊富な物語文の文章も載っています。
この問題集読書を楽しめる子は、かなり読書力のある子です。
読書力のない子は、問題集読書をしていると眠くなるか、読むのを嫌がるかのどちらかになります。
しかし、問題集読書のいいところは、面白くないにも関わらず、勉強として繰り返し読むようにしていることです。
実は、難しい文章であっても繰り返し読んでいると、だんだんその文章のよさがわかってきます。
そして、語彙力も育ってくるので、作文力も伸びます。
作文の上達は、作文の上での工夫よりも、読書の向上によることの方が大きいのですが、そのことはしばしば見落とされています。
易しい本を10冊読むよりも、難しい本を1冊読む方が価値があります。
しかし、こういう考え方をしている人はあまり多くありません。
子供の読書傾向は、家庭の読書環境の反映です。
子供に本を読ませると同時に、親も毎日の読書をしている必要があります。
仕事が忙しいということは言い訳になりません。
読書をする人は、どんなに忙しい仕事をしていても、合間の時間に本を読んでいます。
そして、そういう親の後ろ姿が、子供へのいちばんの教育なのです。
この記事に関するコメント
コメントフォームへ。
同じカテゴリーの記事
同じカテゴリーの記事は、こちらをごらんください。読書(95) 小学校低学年(79)