ログイン ログアウト 登録
 Onlineスクール言葉の森/公式ホームページ
 
記事 4768番  最新の記事 <前の記事 後の記事> 2024/11/29
競争の文化から協力の文化へ、更にその先の創造の文化へ as/4768.html
森川林 2023/06/16 12:04 

ミニトマト

 詩人の工藤直子さんが、「まるごと好きです」という自伝的な本の中で次のようなことを書いていました。

 勉強かスポーツかで何かをしているときに、ある先生が、「がんばるためには、自分よりひとつ上の人を目標にして、その人に勝つようにするといい」とアドバイスをしてくれたそうです。
 そのとき、工藤直子さんは、話はわかるけれど、全然ピンと来なかったと思ったそうです。

 私も、その気持ちはわかります。
 競争して相手に勝つということが、実感としてよくわからないのです。
 もし、そういう競争の場面があり、相手がすごくがんばっているなら、勝ちは相手に譲ってもいいとさえ思います。
 そんなに勝ちたかったら、勝ってもいいよ、という感じです。

 自分自身の大学入試のときも、合格はしましたが、そのために落ちた人がいるのはかわいそうだなあというのが最初に思ったことでした。
 そのことを、入試結果の報告のときに、ふと担任の先生に言うと、怒られました(笑)。

 競い合うことによって上達するということは確かにあります。
 しかし、「葉隠」には、次のようなことが書かれています。

 最初は、自分はまだだめだと思う。これは役に立たない。
 次に、人に勝つようになり、自分は強いという気持ちになる。これは役に立つ。
 しかし、更にその先に、勝ち負けを超えた無限の道があることがわかるようになる。

 世の中の多くの人は、人に「勝つ」ことができて、社会の「役に立つ」ことができるところまでを目標にしています。
 しかし、それは、まだ途中の段階です。
 その先に、勝ち負けを超えた無限の精進の世界があるのです。


 面白い記事を見ました。

▽「通信簿」を廃止した小学校が問うテストの点数付けや運動会の勝ち負けの意味
「負ける悔しさを味わわせてほしい」「競争も大事だ」という保護者の声に愕然
https://jbpress.ismedia.jp/articles/-/75591

====引用ここから====
(通信簿を廃止した校長先生の話)
「企業ではプレゼンして負けたらそれでお終いです」と勝つことの重要性を主張する保護者の声もいただきましたが、私が言いたいのは、一緒に働いているチームのメンバーは仲間だということです。そこでは、蹴落とし合いやランク付けはしない方がいい。得意なところを活かし合いながら助け合った方がいい。
====引用ここまで====


 言葉の森の指導方針は次のとおりです。

1.国語、数学、英語について、テストの点数はつける。しかし、100点が取れるまで解き直す。
 どうしても100点を取れないときは、先生が解法を説明する。

2.学期に1回の通信簿のようなものは出さないが、先生が、その生徒について気づいたことがあれば個別れんらく板で保護者に連絡をする。

3.成績はオープンでもいいと思います。
 大事なのは、他人との比較ではなく、自分自身の向上だからです。


 そして、「競争から協力へ」の先にあるのが、「協力から創造へ」の世界です。
 その話はまたいつか。

この記事に関するコメント
コメントフォームへ。

同じカテゴリーの記事
同じカテゴリーの記事は、こちらをごらんください。
教育論文化論(255) 

記事 4767番  最新の記事 <前の記事 後の記事> 2024/11/29
学校の役割は、家庭の役割と同じくらい重要 as/4767.html
森川林 2023/06/15 10:22 

イモカタバミと言うらしい。

 私は、これまで、子供が過ごす時間の多くが家庭で、学校は子供が過ごす時間の一部と思っていました。

 しかし、よく考えてみると、学校に、朝9時から15時までいるとすれば、学校の時間は約6時間です。
 家庭の時間を、夕方5時から夜10時までと朝の1時間とすれば、これも約6時間です。
 すると、学校に行って同じクラスの友達と一緒にいる時間の方が、子供の生活に大きな影響を与えるだろうということがわかります。

 子供の生活は、学校の担任のクラス運営の仕方で左右されるということになるのです。


 クラスというものの意義がわかりやすく書かれた本がありました。

「クラスはよみがえる:学校教育に生かすアドラー心理学」
https://www.amazon.co.jp/dp/4422111272/

「アドラー心理学でクラスはよみがえる:叱る・ほめるに代わるスキルが身につく」
https://www.amazon.co.jp/dp/442211641X/


 これを見ると、競争的なクラス運営ではなく、協力的なクラス運営によって、子供たちが生き生きと勉強や遊びをしていくことがわかります。


 言葉の森のオンラインクラスは、時間的には子供の生活のごく一部ですが、協力的なクラス運営ができるように工夫していきたいと思っています。

この記事に関するコメント
コメントフォームへ。

同じカテゴリーの記事
同じカテゴリーの記事は、こちらをごらんください。
教育論文化論(255) 
コメント71~80件
……前のコメント
自習室が利用し aeka
いつもありがとうございます。 私はよく自習室を利用していま 1/19
記事 4936番
言葉の森の作文 森川林
 作文小論文試験の新しい評価の仕方は、AIによる評価です。小 1/19
記事 4939番
【合格速報】秋 らっこ
合格おめでとうございます。  目標を定め、決めたことを必ず 1/15
記事 4926番
ChatGPT 森川林
 世界では、ChatGPTを使って学生がレポートなどを作らな 1/13
記事 4930番
プログラミング 森川林
 プログラミングクラスに参加する子は、男の子がほとんどなのは 1/11
記事 4929番
【合格速報】秋 sasa
 合格おめでとうございます!  小学校二年生から作文を担当 1/10
記事 4926番
小学3、4年生 kaze
作文の書き方をいくつか見比べてみると、みな、言葉の森の指導方 1/9
記事 4916番
小学3、4年生 森川林
 私は、人を批判することは好きではありませんが、学校の先生や 1/9
記事 4916番
短文を書く練習 森川林
反論は、いつでもどうぞ。 1/8
記事 4911番
森川林
「作文の勉強は高校生まで続けよう」という記事の動画の音声が割 1/8
記事 番
……次のコメント

掲示板の記事1~10件
標準新演習算数 あかそよ
3の1はできました。 2は、答えを見るとなんとか理解できま 11/23
算数数学掲示板
標準新演習算数 あかそよ
3の1はできました。 2は、答えを見るとなんとか理解できま 11/23
算数数学掲示板
2024年11 森川林
●サーバー移転に伴うトラブル  本当に、いろいろご 11/22
森の掲示板
現在森リンベス 森川林
このあとの予定。 ・森リンベストを直す(直した) ・森リ 11/20
森川林日記
Re: 入会手 言葉の森事務局
 お世話になっております。  弟さんのみご入会が1週間 11/15
森の掲示板
入会手続きにつ やすひろ
お世話になっております。 個別掲示板を開けませんので、ここ 11/15
森の掲示板
Mr. 1
1 11/14
森の掲示板
Mr. 1
1 11/14
森の掲示板
Mr. 1
1 11/14
森の掲示板
Re: 項目の 1
> いつもありがとうございます。 > > こすほ 11/14
森の掲示板

RSS
RSSフィード

QRコード


小・中・高生の作文
小・中・高生の作文

主な記事リンク
主な記事リンク

通学できる作文教室
森林プロジェクトの
作文教室


リンク集
できた君の算数クラブ
代表プロフィール
Zoomサインイン






小学生、中学生、高校生の作文
小学1年生の作文(9) 小学2年生の作文(38) 小学3年生の作文(22) 小学4年生の作文(55)
小学5年生の作文(100) 小学6年生の作文(281) 中学1年生の作文(174) 中学2年生の作文(100)
中学3年生の作文(71) 高校1年生の作文(68) 高校2年生の作文(30) 高校3年生の作文(8)
手書きの作文と講評はここには掲載していません。続きは「作文の丘から」をごらんください。

主な記事リンク
 言葉の森がこれまでに掲載した主な記事のリンクです。
●小1から始める作文と読書
●本当の国語力は作文でつく
●志望校別の受験作文対策

●作文講師の資格を取るには
●国語の勉強法
●父母の声(1)

●学年別作文読書感想文の書き方
●受験作文コース(言葉の森新聞の記事より)
●国語の勉強法(言葉の森新聞の記事より)

●中学受験作文の解説集
●高校受験作文の解説集
●大学受験作文の解説集

●小1からの作文で親子の対話
●絵で見る言葉の森の勉強
●小学1年生の作文

●読書感想文の書き方
●作文教室 比較のための10の基準
●国語力読解力をつける作文の勉強法

●小1から始める楽しい作文――成績をよくするよりも頭をよくすることが勉強の基本
●中学受験国語対策
●父母の声(2)

●最も大事な子供時代の教育――どこに費用と時間をかけるか
●入試の作文・小論文対策
●父母の声(3)

●公立中高一貫校の作文合格対策
●電話通信だから密度濃い作文指導
●作文通信講座の比較―通学教室より続けやすい言葉の森の作文通信

●子や孫に教えられる作文講師資格
●作文教室、比較のための7つの基準
●国語力は低学年の勉強法で決まる

●言葉の森の作文で全教科の学力も
●帰国子女の日本語学習は作文から
●いろいろな質問に答えて

●大切なのは国語力 小学1年生からスタートできる作文と国語の通信教育
●作文教室言葉の森の批評記事を読んで
●父母の声

●言葉の森のオンライン教育関連記事
●作文の通信教育の教材比較 その1
●作文の勉強は毎週やることで力がつく

●国語力をつけるなら読解と作文の学習で
●中高一貫校の作文試験に対応
●作文の通信教育の教材比較 その2

●200字作文の受験作文対策
●受験作文コースの保護者アンケート
●森リンで10人中9人が作文力アップ

●コロナ休校対応 午前中クラス
●国語読解クラスの無料体験学習