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曇りを取る教育(その2) as/477.html
森川林 2009/05/03 09:07 
 これまでの学校の役割は、人類が獲得した膨大な知識を順序よくかみ砕いて教えるということでした。例えば、足し算を学んだあとに掛け算を学ぶ、ひらがなを学んだあとに漢字を学ぶ、というような流れが作られていれば、学び方はスムーズになります。
 もしこれを独学で学ぶとすると、足し算の前に掛け算を学ぼうとしてしまったり、ひらがなの前に漢字を学ぼうとしてしまったりすることも起こります。それは、能率が著しく悪いので挫折の可能性も高まるということです。
 そこで、教育を担う制度として学校が必要になったのですが、この必要というのはあくまでもやむを得ず必要になったということです。その自覚がないと、勉強というのは習わないとできない、先生に教えてもらわないとできない、というような錯覚に陥ってしまいます。
 湯川秀樹は、5、6歳のときの家庭教育で、論語の素読(そどく)をさせられました。これは、ひらがなを教えたあとに漢字を教えるというな段階的な方法ではなく、最終的に学んで欲しい原文をそのまま直接に教えるという乱暴な方法でした。しかし、そこには、途中の過程はともかく、とりあえず丸ごと把握してしまえば、結果は同じになるという発想があったのです。
 山に登るのに、なだらかに迂回して登る軟弱なコースと、何しろ最短距離で登る直登(ちょくと)に近いコースとがあります。この直登コースの方法論が、丸ごと身につける学力なのです。
(つづく)

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教育論文化論(255) 

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暗唱用簡易カウンター as/476.html
森川林 2009/05/03 08:59 
 貝原益軒は、暗唱の方法として、100字の文章を100回というやり方を提唱しています。
 しかし、現在はどこの家庭にもタイマーがあるので、「正」の字を100回書くよりもタイマーで10分間計った方が楽だと思い、言葉の森では、100字を10分間(回数にすると約30回)暗唱するというやり方にしています。
 しかし、タイマーがない状態で暗唱することもあると思います。そのときの簡易カウンターの作り方を以前HPに載せました。
 今回、自分で字数の制限のない暗唱に挑戦してみたとき、タイマーよりもこの簡易カウンターの方がやりやすいことがわかりました。
 そこで、簡易カウンターの図を再掲します。チラシの紙などを使って作ってみてください。この折り方でやると、片道15回往復30回で、ちょうど100字の文章を往復の30回音読すると10分ほどの時間になります。回数で数えた方が早口で言うようになるので覚えやすいという効果もあります。

※もっとセンスのいい簡易カウンターを考えたら教えてください。

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暗唱(121) 

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曇りを取る教育(その1) as/475.html
森川林 2009/05/02 04:46 
 現在の教育の問題は、教育の方法が複雑化しすぎているところにあります。
 この複雑化というのは、教育以外の分野にもあります。近代の医療は、特定の現象に名前をつけて特定の対策をセットにする形で問題の解決を図ってきました。これは、デカルトの「問題点を細分化して考える」という分析の方法で、これが有効な時代も確かにありました。しかし、現在はその弊害の方が大きくなっているように思います。
 というのは、医療において、医学が発達し、治療法が改善され、病名や原因などがより詳しくなっているにもかかわらず、ある時期から病人が減らなくなってきたからです。現在ではむしろ、医療費の上昇に反比例する形で病人が増えている感じさえあります。
 教育においても、様々な教材が開発され、様々な教育方法が生まれていますが、ある時期から、子供たちが賢くならなくなったようです。そのうち、教育費の上昇に反比例する形で学力低下が広がっていくのではないかと思います。
 これらの原因の根本にあるのは、複雑化です。教育では、細かい教科や単元に分ける教え方でなく、もっと学問の根本に立ち返る必要があるのです。いわば、ソクラテスやプラトンの時代の学そのものを学ぶというような姿勢を見直す必要があるのではないかと思います。もちろん、人によって得意な分野や好みの分野を研究することは大切ですが、その前提として、総合的にあらゆる分野に精通しているということが必要なのではないかと思います。
 教育の複雑化というのは、年々、教科書に盛り込まれるべき内容が多くなるというところにも見られます。大学でも、細分化された隣接分野で対話が困難になるというような状況が生まれているそうです。しかし、これはやはり不自然なことです。学問の複雑化に人間が対応できないのは根本的に何かが間違っているのです。
(つづく)
(この文章は、構成図をもとに音声入力した原稿をamivoiceでテキスト化したものです)
マインドマップ風構成図
 記事のもととなった構成図です。

(急いで書いたのでうまくありません)

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