言葉の森のオンラインクラスの1コマの授業時間は、約45分です。
オンラインクラスは、生徒どうしの発表と対話と交流を重視しているので、実質的な授業時間はもう少し短くなります。
なぜ、生徒どうしの発表と対話に、ある程度の時間を取るかというと、ひとつには、これからの時代には、発表力、対話力、コミュニケーション力が必要な学力になるからです。
もうひとつには、同じクラスの生徒どうしの交流によって、自分も勉強をがんばろうという意欲がわくからです。
ただし、がんばろうという意欲の前提になるのは、家庭での自主学習がしっかり行われていることです。
授業は、学習チェックと交流が中心になっても、中身となる勉強は、家庭でやっていくからです。
ところが、時どき、授業に出ることそのものが勉強で、家庭での自主学習をほとんどしていない生徒もいました。
その反対に、優秀な生徒は、授業のあとも、オンライクラスのブレークアウトルームに残って、何時間も勉強を続けています。
しかし、授業のあと、オンラインクラスにひとりで残るのは、抵抗がある生徒も多いのではないかと思いました。
そこで、今度、オンラインクラス一覧表の自習室の欄を改良しました。
自習室の欄は、自習記録というリンクになっています。
その自習記録のリンクをクリックすると、自習記録のページに飛びます。
https://www.mori7.com/teraon/js.php
自習記録のページで、自分が何時から何時まで何を勉強するかを記録します。
そして、自習室のZoomに入って勉強します。
(自習記録を送信しないと、自習室のZoomには入れません。)
自習室は、カメラはオフでいいので、気が散ることはありません。
そのかわり、ほかの人の勉強している雰囲気がわかるので、自然にやる気が出てきます。
何よりもいいのは、自分の毎回の自習記録が残ることです。
この自習記録をもとに、毎日の勉強を蓄積していきます。
夏休みなどは、家で勉強しようと思っても、環境が変わらないと気分を切り替えられないので、図書館に行って勉強する人も多いと思います。
それを、今度は、オンラインの自習室で勉強できるようになります。
図書館では、利用時間は午前9時ごろから午後5時ごろまでで月曜は休みなどというところも多いので、図書館に出かけるよりも、自習室で勉強した方が勉強を続けやすくなります。
事務局でも、自習室にアクセスしているので、マイクがオンのままの生徒などがいれば、すぐにオフにするように対応できます。
ただし、事務局が対応できる時間帯は、平日、土日とも8:00~20:00です。
もちろん、生徒は、その時間外も24時間いつでも利用できます。
オンラインの自習記録のページを利用して、これからの毎日の家庭学習に役立ててください。
自習室は、6月26日(月)から使えます。
特に、中学生は、平日の勉強時間1.5時間、土日の勉強時間2.5時間を目安にがんばっていってください。
定期テストの2週間前からは、平日3.5時間、土日8時間が目安です。
全教科、少なくとも80点以上を目指してがんばっていきましょう。
ガクアジサイ
上手な作文の重点は、学年によって変化します。
小学校低学年の作文の重点は、題材です。
小学校中学年は、題材とともに表現です。
小学校高学年からは、主題が重要になってきます。
中学生、高校生は、構成、題材、表現、主題のすべてが重要になります。
作文試験を受ける受験生は、ここに、字数とスピードが加わります。
小学1、2年生で、なぜ題材が重要かというと、この時期は自由な題名で書く作文課題だからです。
低学年のころの作文で、テーマを与えて書かせるのは早すぎます。
まだ、体験の種類が少ないので、テーマに合った実例を見つけられないことが多いからです。
自由な題名というと、子供の作文は、学校の話か、学童の話か、家族で日曜日に何かをした話になります。
作文の勉強は、書くことが中心の勉強なのではありません。
書く前の題材選びや題材作りが半分で、もう半分が書くことという割合の勉強です。
題材選びの工夫がないと、子供の作文は、多くの場合、「今日は学校で、こんなことをしました」という話になります。
しかし、そういう題材の多くは、「こんなことをさせてもらった」という話ですから、受け身の題材になります。
すると、誰が書いても同じような内容の作文になることが多いのです。
作文の中に、自分らしい個性があることが上手な作文の条件です。
だから、題材が重要になります。
しかし、題材のよさだけで上手な作文になるのではありません。
同じ題材でも、平面的な作文と、立体的な作文の違いがあります。
それが、語彙力の差です。
人間が読んで感じる違いは、「よく書けているけど物足りない」と、「よく書けていてしかも面白い」という言葉で言い表せます。
この違いは、実は、森リン点の違いです。
物足りない、つまり平面的だと感じる作文は、語彙の種類が多くありません。
面白い、つまり立体的だと感じる作文は、同じ字数でも、使われている語彙の種類が多いのです。
この語彙の種類の多少による違いは、小学生だけでなく、中学生でも高校生でも出てきます。
森リン点の上位になる作文は、語彙の種類が豊富なのです。
語彙の種類の豊富さを生み出しているものは、ひとつは親子の対話で、もうひとつは読書です。
特に、読書は文章語彙が豊富なので、本をよく読む生徒は、あることを表現するのに、それにふさわしい的確な言葉を使うことができます。
文章語彙の蓄積が乏しい子は、面白かった話の感想を書くときに、「面白かったです」とか、「とても面白かったです」とか、「とても、とっても、すごーく面白かったです」とかいう言葉しか出てきません。
中学生ぐらいでも、「やばい」という言葉で、すべてを表してしまう子がいるのと同じです。
同じようなことを体験していても、語彙力の乏しい子は、平面的な体験になり、語彙力の豊かな子は、立体的な体験になっているのです。
では、対話と読書を改善してすぐに成果が上がるかというと、そういうことはありません。
算数や英語であれば、がんばればすぐに成績が上がります。
必要な知識の範囲が狭いので、やれば成果がすぐ出てきます。
しかし、国語は、日本語の長い生活習慣の中で身につけたものですから、必要な知識の範囲が桁違いに広いのです。
毎日欠かさずに問題集読書を続けて、成果が出ることなどあきらめかけた半年ぐらいたってから、気がつくと語彙が増えていたというような上達の仕方です。
だから、国語や作文が苦手な子は、気長にやっていくことが大切です。
さて、では、小学校低学年で、すでに上手な作文を書いている子は、これからどういう方向で勉強を進めたらいいのでしょうか。
それは、高学年になって主題が重視される作文に対応できるように、親子の対話のレベルを上げることと、読書のレベルを上げることです。
もちろん、急にそういうことはできません。
少しずつ、親子の対話と子供の読書に、事実文に必要な語彙だけでなく、説明文や意見文に必要な語彙を追加していくようにするといいのです。