滑り台に登るゼルダ
●動画:https://youtu.be/oZlzusQydpY
30年ぐらい前のことです。私のうちの子供を連れて、海に行ったとき、波打ち際で裸ん坊になって遊ぶ子を見て、ふと思ったことがあります。
大きな暗黒の宇宙の中で、地球という星が一つ回っていて、その地球の光る側の海の波打ち際に、小さい子供が遊んでいると。
それが自分の世界観の一つの転換点だったように思います。
それから、道を歩いていても、平坦な道ではなく、丸い地球の上を歩いている感覚を、時々持つようになりました。
言葉の森の庭に、コスモスを植えたら、毎日のように、蝶が飛んできます。
時々、蝶以外の虫も来ます。
それらを見ていると、この地球の上で、日常的に奇跡が起きているのだと感じます。
また、庭に、小さな水槽を置いて、中にメダカと水草を入れました。
眺めていると、1センチほどの小さなメダカが、小さいなりに、懸命に泳いでいます。
それを見ていると、なぜか幸福な気持ちになります。
この幸福感は、多分、自分が小さい頃から、家に犬やチャボやアヒルがいたことと繋がっています。
私自身も中学生の時に、ジュウシマツを買ったり、近所の野良犬に餌をやったり、近くの川でカニを捕まえたりバッタを捕まえたりという経験を数多くしてきました。
それらが、自分の世界観や幸福感の土台になっているのです。
こういう子供時代の経験ができたことが、自分にとって一番の宝物です。
この経験から、私の子供がまだ小さい頃、なるべく早い時期に犬を飼おうと思いました。
近くでブリーダーを見つけたので、子供が小学1年生になるかならないうちに、1匹の犬を飼いました。
当時流行っていた「ゼルダの伝説」が、面白かったので、メスなのにゼルダという名前にしました。
それからは、どこに行くにも、犬と一緒です。
だから、犬が泊まれない宿泊施設には行けません。
それから、約15年間、ゼルダの思い出は自分の子供の思い出以上に、懐かしく思い出されます。
ゼルダは、キャンプに連れていくと、必ずテントの外の入口で寝ていました。
海に行って、沖で自分が潜ると、浜辺にいたゼルダが急いで飛び込み、自分を助けようとしたのか、潜ろうとした自分をひっかきました。
帰りの車の中では、日産のキャラバンの後ろにマットレスを敷いていたので、子供たちは、ケンタッキーフライドチキンを食べて、ゼルダと一緒に寝ながら帰るというパターンでした。
人間の幸福というものを考えるとき、何かを得る幸福というのも確かにありますが、それとともに、今いることの幸福というのもあると思います。
そのいることの中に、生き物と一緒にいるということがあります。
さらに言えば、自然の中にいるという幸福です。
翻って、今の子供たちを見ると、自然との接触が少なくなっているのいではないかと思います。
虫を見て、「わあ怖い」とか「気持ち悪い」とかいう子と、「わあかわいい」とか「面白い」とかいう子とでは、虫に対する幸福感が違います。
この感覚ができるのは、人間がかなり小さい頃です。
大人になると、虫嫌い、犬嫌いは固定化します。
周囲に好きなものがたくさんあるのが幸福な人生です。
そのためには、子供が小さい頃から、できるだけ自然の中で遊ばせることが大事ではないか思います。
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水草とメダカ
●動画:https://youtu.be/QcbLOc8qoCc
文章力と字数の間には、高い相関があります。
もちろん短くても、良い文章というものはあります。例えば、詩の文章、俳句や短歌の文章などがそうです。そういう例外はありますが、文章力と字数の間には、高い相関があるのです。
子供の作文の字数が、どういうふうに進歩しているかを見れば、その子の作文力が上達しているかどうかということが客観的によくわかります。
例えば600字を書いている子は、いつも600字の文章を書いています。
その子に800字まで書いてみようと言っても、なかなかできないことが多いのです。
つまり、普通に書くと600字までしか書けないというのが、その子の実力ということになります。
ある会社の入社試験で、字数を2000字だか3000字だかの作文を書くことが試験の内容というものがありました。
これは、ある意味でとても妥当な試験です。文章の内容よりも、まず何かテーマを与えられて、2000字、又は3000字書けるというのは、それだけ考える力、または題材の力、それから表現の力、主題の力があるということだからです。
最近の高校入試などで、作文の試験とは言っても、せいぜい200字程度の文章の試験が出されることがあります。
これは、全くと言っていいほど意味がありません。
表記のミスがわかるけれども、そこで、その生徒の文章を書く実力や考える力の実力がわかるということはまずありません。
かつて、大学入試の共通テストで150字の文章を評価するというような試みがなされたこともありますが、それも同じです。
150文章で、その生徒の文章力を評価するということは、まずあり得ないと思います。
せいぜい表記のミスがわかる程度で、短い作文の課題は何の意味もありません。
なぜ短い作文の課題が出されるかというと、採点が大変だからという、全く評価の本質に関係ない理由からです。
文章は、1200字以上書かなければ評価の意味が出てきません。
逆に1200字の文章を何本か書かせれば、その人の考える力は、かなりよくわかります。
字数力が1200字をコンスタントに超えるようになったら、次は森リン点を評価の基準にしていくということが考えられます。
森リン点の推移を見ると、その作文の長所や弱点がよくわかります。
例えば、長く書いているけれども、ほとんどが自分の身近な体験という実例で、主題の部分が短いというのは、小学生のころの作文としては上手だったとしても、中学生高校生の考える作文の力がまだないということです。
そういう人は、まず読書に力を入れることです。特に、説明文の読書です。
そして、常に1200字以上の文章を書くということを心がけていくといいと思います。
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ICレコーダ
●動画:https://youtu.be/kqnT-oKMx1s
今日は、「nottaで書く作文」ということで、作文の新しい書き方を説明したいと思います。
作文の本質というのは、考えることであって、文章を書くということは決して本質的なことではありません。
ただ、これまでの歴史の中で、ペンや鉛筆を持って文章を書くという期間が非常に長かったので、まるで作文というのは、「書くこと」と同じだというふうに思われてきたのです。
しかし、作文の本質は考えることです。さらに言うと、書くことによって新しいものを創造することです。
文章の要素として、構成、題材、表現、主題、表記というものがあります。
創造は、主に、題材、表現、主題の分野で生まれます。
第一に、題材を創造するとは、他の人がまだ経験していないような話を実例として述べることです。これが、一つ創造です。
第二に、表現の創造です。
新しいたとえの表現を使ったり、新しい自作名言を使ったりというようなことも含めて、まだ他の人が使っていないような表現で物事を表すことが創造です。
第三に、主題の創造です。
新しい考えを述べるということが主題の創造です。
題材の創造、表現の創造、主題の創造というのが、文章を書くことの本質的な価値です。
ここまでが、前提となる話で、次に、実際に作文を書くときに、この考え方をどう活かすかということを説明します。
中学生や高校生になると、文章書くことに、なかなか時間が取れないということがあります。
時間的に忙しいから書けないということが時々出てきます。
1200字の文章を書くときの時間は、大体60分から90分です。
しかし、単なる作業としての60分から90分ではなく、新しいものを創造しながらの60分から90分ですから、かなり大変です。
そこで、考えたのが、考える作業だけを作文の中心にして、書く作業は機械に任せるという方法です。
しかし、これは、ChatGPTに、「こんなことを書いて」という指示を出して書いてもらうというやり方ではありません。
考える作業は、人間の喜びですから、それを機械に任せてしまうというのは、方法を目的と取り違えていることになります。
では、どうしたらいいかというと、まず、構想図を書くのです。
構想図を書いてる時間というのは、自分が考えている時間ですから、時間はかかっても楽しい時間です。
1200字の文章を書くための構想図の時間は、大体15分ぐらいです。
そのあと、その構想図を見ながら、
ICレコーダに向けて内容を喋ります。
その音声を、テキスト化のソフトで文章にしてもらいます。
喋ることは、書くことよりもずっと負担が少なく、時間もかかりません。
テキスト化するためのソフトやウェブサービスは、いろいろあります。
今回使ったのは、
nottaという新しいウェブサービスです。
以前は、Googleドキュメントを使っていましたが、Googleドキュメントが、ICレコーダからの読み込みができなくなってしまったので、新しいサービスを使うことにしました。
notta(無料版もあるが、自分が使ったのは有料版)は、かなり高性能で、録音したMP3ファイルも読めるし、句読点も適度に打ってくれます。(Googleドキュメントは、句読点がつきません。)
ワードのディクテーションという機能でも、音声のテキスト化ができるようなのですが、やってみたところ、句点や「?」マークがあちこちについて、全く使えませんでした。(使い方が悪かったのかもしれませんが。)
今後、たぶんもっといいウェブサービスも出てくると思います。
しかし、今のところ、nottaというサービスがいちばん使えます。
nottaで音声入力をテキスト化したあと、ChatGPTで250字ぐらいに要約したもらえば、読み手の助けになります。
近い将来の作文の授業は、次のような流れになると思います。
課題のテーマ
↓
生徒どうしのディスカッション
↓
構想図を書く
↓
音声入力
↓
テキスト化
↓
要約
↓
発表して質問や感想を言い合う
このやり方なら、書く負担は少なくなり、考える楽しさと話し合う楽しさだけが残ります。
現在、中学生や高校生の人で、作文の勉強は続けたいが、時間がかかるのが負担だという人は、時代を先取りして、この方法で作文を書いてみてください。
▼参考までに、上の文章のChatGPTによる要約は下記のようになります。
(読みやすくするために、改行はこちらで入れました。)
====
作文の本質は考えることであり、新しいものを創造することにあります。
考え方を中心にし、書く作業はテクノロジーを利用して効率化する新しいアプローチを提案します。
まず、15分程度で構想図を作成し、それを基に文章を喋って録音します。
その録音を「notta」などのテキスト化ソフトで文章化し、ChatGPTを使用して要約を作成します。
この方法により、中学生や高校生でも時間を効率的に使いながら、作文の本質である「考える楽しさ」を追求することが可能となります。
近未来の作文はテーマ選定からテキスト化、要約までのプロセスが一連となり、よりアクセスしやすくなるでしょう。
====
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ニチニチソウとアゲハチョウ
●動画:https://youtu.be/CnDsgUYOlCo
国語読解の成績が上がる生徒は、読書傾向が違います。それがはっきりわかったのは、夏期講習の国語読解ディスカッションクラスの授業のときです。
ある文章を読んで、その文章について、自分の感想や意見を順に言ってもらうのですが、そのときに、読み間違いのある生徒が多いのです。
それは、もちろんやむを得ないことです。日常生活では見たり聞いたり話したりしたことのない語彙が、問題集の説明文では、次々と出てくるからです。
物語文は、難しい文章と言っても、日常生活の延長の語彙で書かれています。読む力の差が出てくるのは、物語文ではなく、説明文なのです。
ところが、説明文の読みで、読み間違いのほとんどない生徒もいました。
その生徒は、日常の読書生活の中で、そういう説明文の語彙のある文章を読んだ経験があるからです。これが読書力の差です。
国語の成績を上げるコツは二つあります。一つは、読解問題の理詰めの分析です。この理詰めに解くという方法がわかるだけで、国語の成績が急上昇する生徒が毎年何人もいます。
しかし、もう一つのコツは、問題の分析以前の文章を読む力で、この文章を読む力という前提が不十分だと解き方のこつを理解していても、成績は途中までしか伸びないのです。
だから、優しい文章では、高得点を取れるのに、難しい文章では得点が低くなる生徒というのは、解き方のコツ以前の、文章を読み取る力がまだないということなのです。
文章を読み取る力をつける一番の方法は、問題集読書を続けることです。
しかし、問題集読書を続けるというのは、実はあんまり張り合いのある勉強ではありません。もともと、読む力のある生徒は、問題集の1500字ぐらいの文章を楽しく読めるのですが、読む力のない生徒は、1500字程度の難しい文章を読むのに、飽きてしまうことが多いのです。
そこで、言葉の森のオンラインクラスが毎週行っている読書紹介で、中学生の場合は、毎週説明文の本も必ず読むことということを提案しました。
物語文の方はもちろん、いくら読んでもいいのです。物語文を通して、感動する気持ちを育て、感受性を豊かにすることがあるからです。
読書は、楽しい知的な娯楽ですから、物語文を読むということ自体はもちろんよいことです。
しかし、物語文しか読まず、説明文の本を読んでいないと、読書を通しての考える力がつかないのです。
説明文の本の選び方は簡単です。
一つは、図書館の児童書のノンフィクションコーナーに行って、自分の関心のある本を見つけてくることです。
しかし、図書館が近くにないと利用しにくいものです。
学校の図書室で、説明的な文章の本を選ぶ、ということもありますが、学校の図書室では、数が多いと言っても、読みたい本は限られています。
そこで、もう一つは、今のネット環境を利用するのです。
Amazonなどのネット書店で、説明文の中学生高校生向けの本を探すことです。
今のところ、ちくまプリマー新書や、岩波ジュニア新書というシリーズが、中学生高校生向けの本として出版されています。
これらの本を検索して、自分の関心のある分野の本を読むと、本の傾向に応じてさらにおすすめの本を探していくことができます。
読書については、かかる費用はもったいないと思わないことが大事です。
読書によって得た影響は、その読書が終わったあともずっと残ります。
だから、勉強のために費やす費用と時間以上に、読書のために費やす時間と費用を惜しまないことが大事です。
中学生、高校生の説明文読書は、今かなり効果を生み出しています。
言葉の森の
読書記録のページに行くと、同じ学年の生徒が読んでいる本のリストが出てきます。
その中で、自分も読んでみたい本があったら、それを購入して手に入れて、ぜひ読んでみてください。
読書を通して、みんなの思考力、読解力、作文力が向上していくことを期待しています。
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アメリカンブルー
10月から、新総合クラスを開設することにしました。
これは、小456年生対象で、
1週目、国語
2週目、算数
3週目、英語(主に英文暗唱)
4週目、発表
を行うものです。
理由は、
第一に、現在の小1234年の総合学力クラスの生徒で小4の生徒がいること、
第二に、現在の小123の生徒で学年が上がっても続けたいという要望を持っている生徒がいること、
第三に、小456年生も週1回ごとの国語・算数・英語・発表の科目別の授業で十分に対応できること、です。
同様に、今後、中学123年生対象の、全科学力クラス(国語・数学・英語・理科社会)も予定していますが、これはまだ少し先の話になります。
勉強は、家庭での自主学習が基本で、家庭で毎日決まったことをやっていくのが最も能率がよいのですが、家庭だけですと、けじめがなくなるとか、めりはりがなくなるとか、張り合いがなくなるとかいった問題が出てきます。
また、ひとりではどうしてもわからないところを質問したいときも、家庭では十分な対応ができません。
また、自己流で勉強しているスタイルが能率の悪いものであった場合も、それを指摘してくれる人がいないと、その能率の悪い自己流の勉強法が続いてしまいます。
言葉の森のオンライン少人数クラスは、生徒どうしが発表と対話をしながら、先生が確認テストや問題集のページ数などで学習状況をチェックし、必要に応じて生徒の質問や相談に答えアドバイスをするという新しい教育法です。
基本は家庭での自主学習ですが、それを側面から支えるものとしてオンラインクラスがあるという形の教育です
ですから、授業では、先生が全員に一斉に講義をするのではありません。
生徒の自主的な学習の進捗状況に応じて、その生徒に応じたチェックとアドバイスをするのが毎週の授業における先生の役割です。
また、その授業を活かすために、必要に応じて家庭との連絡を取り、保護者とのコミュニケーションを図るのも先生の役割です。
小456年生対象の新総合クラスの授業では、1週目の国語は問題集と確認テストと読解検定、2週目の算数は問題集と確認テスト、3週目の英語は問題集と確認テストと英文暗唱、4週目は自由な創造発表という形で進めていきます。
英語の暗唱教材は、小4は、「英語好きな子に育つ たのしいお話365」の英文
https://www.amazon.co.jp/dp/4416716311/
小5以上は、「英会話・ぜったい・音読 【入門編】の英文
https://www.amazon.co.jp/dp/477002746X/
で進めていきます。
小学生は、中学受験に対応した勉強というよりも、真の実力をつけるための勉強という位置づけで進めていきます。
中学受験をしてもいいし、公立中学に進んでもいいのですが、いずれにしても本当の実力をつける勉強ということでやっていきます。
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●動画:https://youtu.be/f77JVe5xHJI
9月末で、言葉の森の移転が完了しました。
ほぼ40年間の蓄積のある書類や荷物があったため、業者には頼めず、ほとんどすべて事務局内だけで作業をしたため、教室運営の改善の仕事が全くできませんでした。
しかし、これからは、新しい事務所で能率のよい経営ができるので、指導と運営を更に充実させていくことができます。
言葉の森の目指すものは、日本をよりよい国にするための、子供たちの思考力、創造力、共感力を高める新しい教育です。
こういう大きな展望が、現在のオンライン少人数クラスのシステムで現実的に可能なものになってきました。
まだ、運営面で不十分なことは多くありますが、それらは時間が解決します。
世の中ではまだ話題になっていませんが、これからグレートリセッションがあると思います。
今の世の中では、非効率な時代遅れの因習や利権がまだ数多く残っています。
それらが一掃され、新しいよりよい未来を作るのが、現代に生きる私たちの役割です。
言葉の森は、それを教育の面で実行していきたいと思います。
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●教室の移転
8月から教室を移転しましたが、40年間の蓄積のあるガラクタを処理するために、だいぶ時間がかかりました。
特に、本が大量にあり、ほとんどに傍線が引いてあるのでブックオフに出すこともできず、まとめて廃棄業者に持っていきました。
新しい教室は、かなりコンパクトになりました。
生徒は、すべてオンラインで、今は、通学生はいないので、これまでのように駅近くの便利なところに教室を置くという必要はなくなりました。
今度の教室は、近くのJRの駅からは徒歩30分のところです(笑)。
そのかわり、自然に恵まれていて、近くの山と水田のある広い公園があります。
教室の庭のサンショウの木には、毎日のように、アゲハチョウが卵を産みに来ています。
移転の作業が一段落しつつあるので、これから、ホームページの更新と指導運営の充実に力を入れていきます。
●低中学年の子育て
小学3年生までは、子供は親の言うことをよく聞きます。
しかし、この時期に、子供をコントロールしすぎないことが大事です。
子供は、小4のころから次第に自立を始めます。
大事なことは、子供が自立するようになっても、親子の対話が続けられることです。
そのためには、小3のころまでに、子供の自主性を尊重していくことです。
親のペースでやらせた方が能率がいいと思っても、親が指示するのではなく、子供の意向を汲みながらやっていくことが大事です。
勉強は、小3までは、難しいことは何もありません。
勉強の内容よりも、毎日同じ時間に同じ家庭学習をするという習慣をつけることです。
勉強よりも大事なのは読書です。
勉強は、学校でやっていれば十分と考え、家庭では読書中心の生活をしていってください。
読書をしている子は、学年が上がるにつれて学力が伸びていきます。
●高学年、中高生の子育て
高学年や中学生になると、親が子供の勉強を見ることは難しくなるように思いがちです。
塾などで勉強をしていると、親が見ても、すぐにはわからないことをやっているように見えます。
しかし、その場合でも、保護者は時々、子供の勉強の中身を見てください。
そして、子供ができなかった問題を、答えを見ながら一緒に解いてみるということもしてください。
テストの結果の点数を見るだけではなく、テストの中身を見ることが大事です。
小学5年生から、勉強に抽象的な要素が入ってきます。
国語も算数も理科も社会も、知識の勉強だけでなく考える勉強になります。
作文の課題も、小学5年生から急に難しくなります。
しかし、作文は、保護者が最も関わりやすい勉強です。
毎週の作文の課題をもとに、保護者が自分の体験をもとに似た話をしてあげてください。
作文の予習を通して親子の対話を続けると、子供の語彙力と思考力が向上します。
語彙力と思考力は、作文の勉強だけでなく、すべての勉強の分野に生きてきます。
高学年や中学生になると、勉強の量が増えるので、読書は後回しになりがちです。
小学生時代は、学校でも読書指導が行われますが、中学生以上になると、学校では読書指導はなくなります。
しかし、中学生、高校生の読書は、子供の思考力と感受性を伸ばす最も大事な学習です。
特に、中学生以上の生徒は、物語文だけでなく、説明文意見文の読書を進める必要があります。
読書については、子供が使える毎月の予算を決めて、ブックオフやアマゾンで自由に本を買えるようにしておくといいです。
今は、近所に書店がないところも多く、図書館を利用するのも不便なことが多いです。
学校の図書室を利用するのが、最も便利ですが、子供の興味関心が個性化してくると、図書室だけでは物足りなくなります。
子供時代の学習の基本は、学校での勉強とともに、家庭での読書と、さまざまな体験です。
社会人になったとき、学校の勉強はほとんど残りませんが、読書と体験は子供の人間形成として残ります。
子供に読書と体験を勧めるように、保護者も、日々新しい読書と新しい体験に挑戦するようにしてください。
●受験生の取り組み
受験勉強で大事なのは、志望校の過去問に取り組み、過去問の傾向を知り、今後の勉強の対策を立てることです。
しかし、子供のほとんどは、自分では過去問に取り組みません。
過去問は、家庭で、保護者がある程度強制して子供にやらせる必要があります。
過去問は、傾向を知ることが目的ですから、答えを見ながら解いてかまいません。
また、保護者も、過去問を、答えを見ながら一緒に解いてみてください。
そうすると、今後の勉強の方向がおのずからわかってきます。
そして、全教科の平均点が65%から70%を超えるようになるためには、どの教科に力を入れていくかを考えるのです。
受験勉強は、総合点が基準になるので、得意教科を伸ばす勉強ではなく、苦手教科を克服する勉強です。
人生は、得意分野を伸ばすことが大事ですが、受験は苦手分野をなくすことが大事です。
保護者が協力して、受験勉強の大きい方針を決めていくようにしてください。
そして、模試は毎月1回は受けるようにして、おおまかな合否可能性を把握するようにしてください。
重要度の順位は、第一に過去問、第二に模試です。
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