ログイン ログアウト 登録
 Onlineスクール言葉の森/公式ホームページ
 
記事 4831番  最新の記事 <前の記事 後の記事> 2024/11/22
7月の森リン大賞(中1の部)――「カレーうどん」が面白い。聞いた話、調べた話が生きている作文。また、体験実例も個性的。書くことによって人間は成長すると感じられる。第4段落の意見の部分を長く書けるのは思考力があるから as/4831.html
森川林 2023/10/31 06:18 

ホトトギス

●動画:https://youtu.be/G8Ja1xtn31E

 中1のみさとさんの作文は、構成の見本のような文章です。(ただし、複数の理由ではなく、複数の実例になっていましたが。)

 お母さんに聞いた話のレベルが高いです。
 小学校高学年以上の生徒の保護者の方は、子供に似た話を聞かれた場合、子供の考え方のプラスになるような体験談や感想を話してください。

 調べた話は、その場で調べると時間がかかって大変ですが、この作文の神仏習合の例のように、中学生以上の人は、できるだけ身近な体験実例を離れた、より大きな社会実例を探していきましょう。

 第四段落の意見感想の部分を長く書けるのは、考える力があるからです。
 森リン点の思考語彙は、この感想部分の長さによって決まります。
 そのためには、日常生活の中で、親子で話をすること、説明文の本を読むことが大切です。

 作文は、単に書く技術ではなく、それまでの知識や経験が総合された勉強です。
 作文の力をつけるためには、豊富な体験、親子の対話、説明文の読書が必要です。

 タイトルと最後のひとことの「カレーうどん」が、笑えます。

私たちの個性~カレーうどん~
みさと

 日本人と呼ばれる私たちに求められている進化はなんだろうか。これまで私たちの祖先は、沢山の様々な文明を開花させてきた。現在世界で多く活躍している割合が高い欧米の方は、進化の過程の中で世界の中心に立ち始めた人たちを祖先に持っている方だ。ついこの間、G7サミットが広島で行われた。ここで驚くべき内容は、日本がG7、主要7か国に入っているという事だ。戦争後の高度経済成長期があったとはいえ、元から日本人の感性が素晴らしいものであり、戦争という悲劇から終結したみんなの力によってここまで成長できたのだと考える。昔から紛争が起こり、たくさんの命が重なっているこの地で生きる私たち1人1人には大きな課題が課されている。
 島国の日本からすると、他の地からくるものは珍しい。例えば会社などのロゴをかっこよくしたいと思ったら、英語の崩し字?のようなものをよく使う。外来語をいれるとなんだかかっこよくなるように感じるものだ。これは憧れもあるのだろうか。


 母にこの題材についてのインタビューをしてみた。すると、「単に憧れだけで外来語を使っているわけではないのでは?」と言った。昔の話になるが、平安時代などでは、公的な文章は中国語、つまりは漢文だった。日本独自の文字、かな文字は、女性の使う言葉だとされ、親しい人との会話などの、内向きな用途に使うという風になっていた。最近の若い世代の言葉も、「伝わればいい」という意識のもと、変化に抵抗がないのではという意見である。逆に言えば、だから英語が苦手な人が多いのでは?ということなのである。それはすなわち、コミュニケーションを大事にしているということでもあるのだ。


 先ほどの続きになるが、日本人というのは、チャレンジ精神が知らぬ間に身についているという風にも言えるだろう。強要されなくても、まず取り入れてみる、という日本人特有のアイデンティティ、つまりは柔軟さがあるだろうということだ。そして「みんなそうだろう」と思っているから、外国の人が「それは文化盗用だ!」と言ったときに、盗用されたと言われている張本人でも「え、そうなん?」と思ってしまう。
 それは、日本の宗教、神仏習合にも言えることである。神仏習合は、日本のアニミズムの考え方から生まれた神道と、中国から来た仏教が混ざった、これこそ日本特有の宗教である。実際は風土に合わせたら変わったというだけなのだが、あくまで神道だけではなく、「神仏習合」になったのだ。年末には除夜の鐘をうちに寺へ行き、正月には神社に行って手をあわせる。
 みんな大好きカレーうどんもそうだ。カレーという外国の文化と、うどん・出汁という日本の文化を合わせて、オリジナルの文化を創り出した。私たち日本人は、知らず知らずのうちにそのような意識が芽生えているのではないだろうか。


 このように、日本という国に住む私たちは、これまで先祖たちが作ってきてくれた文化・文明、そして気付かないうちに身につく「意識」を続けていくべきである。それが、自分なりに消化してから、物事を取り入れることなのである。文化という大きな観点で見ると、風土に合うように変化を重ねているということ。これは、それぞれの国・地域の文化すべてに応用されることだが、それをたくさん応用しているのが日本人だ。島国に生まれ、島国に育つ。島の外の世界から入ってくるものは、もちろん数えきれないほどたくさんある。また、島の外の世界に憧れを持っているのも事実だ。完全にまねするのではなく、身内で一番「伝わる」ことを意識する。その分「海外進出」の可能性は低くなるかもしれないが、私たちには素晴らしい感性があるではないか。これは私たちの個性だ。カレーうどん。

この記事に関するコメント
コメントフォームへ。

同じカテゴリーの記事
同じカテゴリーの記事は、こちらをごらんください。
子供たちの作文(59) 森リン(103) 

記事 4830番  最新の記事 <前の記事 後の記事> 2024/11/22
7月の森リン大賞(小6の部)――実例の豊富な作文は、小学校時代にこそ書ける。結びの感想も高学年らしい。 as/4830.html
森川林 2023/10/30 08:40 

センリョウ

 プレゼントを工夫する喜びが伝わってくる作文です。
 実例の豊富な作文は、小学校時代にしか書けません。
 これからも、楽しい作文を書いていってください。

 結びのプレゼントについての感想は、高学年らしく書けています。
「人にとってプレゼントは、あげる人も、もらう人も、わくわくさせるものだ。あげる人にとっては、何をあげようかなと考える時間がわくわくするし、もらう人は、包みを開ける時、わくわくする。」
 こういう大きい感想を書けるのが、小学校高学年の作文力です。

人をワクワクさせるプレゼント
あかさほ

 私があげたプレゼントのリボンをほどこうとしている。私は、よろこんでくれるかなと胸がどきどきする。早く中を見てほしいけれど、どんな反応をするか、不安でもある。

 毎年クリスマスには、祖父母やいとこと集まってパーティーをする。それぞれにプレゼントの交換をするが、手作りのものやちょっとしたものを贈ることになっている。一、二か月前くらいから、だれに何をあげたら良いかな、これが良いかな、と考えて、ワクワクする。この前会って話したことを思い出したり、電話で聞いたりして、相手が喜びそうなものを一生懸命に考える。良いアイディアが浮かぶと、とてもわくわくする。私が去年、いとこの二人にもらったのは、好きなキャラクターのねこのししゅうが入ったランチョンマットだ。手作りのランチョンマットに、同じとしのいとこの柊君が下絵を描いて、そのお姉ちゃんの風優ちゃんがししゅうをしてくれたそうだ。祖母からは、毛糸で編んだ、十センチメートルくらいの、私に似ている小さな女の子のお人形をもらった。かわいいお洋服やくつ、ぼうしまで着ていた。本体の人形はもちろん、お洋服まで全て手作りだったそうだ。私が柊君にあげたのは、自分の部屋のドアノブにかけておく、名前の入ったドアプレートだ。本体はフェルトでできていて、アイロンビーズで彼の好きなマインクラフトというゲームの剣などのアイテムを作った。それを、母が縫い付けて、名前をししゅうした。柊君が、
「これ、すごく良いね。」
と、予想以上に喜んでくれて、びっくりしたくらいだった。柊君は、同じ十一歳だけれど好きな、ものや遊びがちがうので、プレゼントを選ぶのに家族の中でも一番苦労する。マインクラフトというゲームが好きなことは分かっても、そのゲームのキャラクターが好きかは分からない。そう考えると、そのキャラクターのグッズをあげて喜んでくれるか、心配になる。それに、あげようとしているものに似たなグッズをすでに持っているかも知れない。このように、次々と問題点が出てくるので、プレゼント選びが難しいのだ。祖父母には、私がデザインした似顔絵をししゅうした布のお守りをあげた。とても喜んでくれて、祖父はすぐにかばんにつけて、祖母はいつも見られるように冷蔵庫につるしている。本当に喜んでくれると、時間をかけてプレゼントを考え、作ったり、選んだりして良かったと思う。それに、プレゼントの包みが開くまで、喜んでくれるかドキドキするから、とても安心する。完成品ではない手作りのものをもらっても、味があるし、心がこもっている感じでとても嬉しく感じる。それに、手作りだからこそ、相手が一生懸命に作ってくれたのかなと、想像するから、より嬉しさが増す。風優ちゃんの大好物なので、祖父母は誕生日のプレゼントに2キロのもち米をプレゼントしていた。(笑)この時みたいに、家族だからこそ渡せる、嬉しいプレゼントがあるから、家族でのプレゼント交換は楽しいなと感じた。

 今年の六月の後半に、日光に修学旅行へ行った。お小遣いを持って行って、お土産を買っても良いことになっていた。父と母、祖父母にお土産を買って帰りたかった。好きなものなら喜んでくれると考えた。父はチョコレートが好きなので、おいしそうだった小さいチョコレートケーキを選んだ。母は、甘いものならなんでも好きなので、自分も好きなチーズケーキにした。祖父母はあんこが好きなので和菓子を買いたかった。でも、ぴったりとしたものがなかった。だから、母と同じチーズケーキにした。父と母、祖父母にお土産をわたしたら、とても喜んでくれた。自分も、だれかにプレゼントをもらったかのように、心が躍るみたいだった。仲良しのりんちゃんは、お父さんとお母さんにおはし、弟にりゅうが刀をもったかっこいいキーホルダーを選んでいた。みんなうれしそうに楽しそうに、お土産を選んでいた。みんなにとってもお土産やプレゼントを選ぶことは、楽しい、わくわくするものなのだろう。

 人にとってプレゼントは、あげる人も、もらう人も、わくわくさせるものだ。あげる人にとっては、何をあげようかなと考える時間がわくわくするし、もらう人は、包みを開ける時、わくわくする。

 今年のクリスマスには何を贈ろうかなと、楽しみにしている。

この記事に関するコメント
コメントフォームへ。

森川林 20231030  
小6のころは、お父さんやお母さんへの取材も自然にできるので、題材の豊富な作文が書ける。
しかし、中学生になると、ほとんどの子は突然親子の話をしなくなる(笑)。
もったいないけど、仕方ない。
せめて、小6のときに、たっぷり題材の豊富な作文を書こう。

森川林 20231031  
 中学生になると、それまで小学生のうちは、お父さんやお母さんにいろいろ面白い体験談を取材していた子が、急に親子の話をしなくなることがあります。
 しかし、そういう場合でも、お父さんやお母さんは、子供の作文の課題の長文を読んで、似た話の準備をしていいてください。
 大事なことは、さりげなくお父さんお母さん自身の生身の体験談を話してあげることです。
 それが、作文の中に生かされなくても問題ありません。
 親が子に、人生や社会についての微妙な話をしてあげる時間があることが大切なのです。

同じカテゴリーの記事
同じカテゴリーの記事は、こちらをごらんください。
森リン(103) 子供たちの作文(59) 
コメント1~10件
読解問題の解き Wind
面白かった 10/11
記事 4027番
長文の暗唱のた たろー
この世で一番参考になる 9/30
記事 616番
「桃太郎」を例 匿名
役に立った 8/15
記事 1314番
日本人の対話と 森川林
ヨーロッパの対話は、正反合という弁証法の考え方を前提にしてい 8/6
記事 1226番
日本人の対話と よろしく
日本人は上に都合がよい対話と言う名のいいくるめ、現状維持、そ 8/5
記事 1226番
夢のない子供た 森川林
「宇宙戦艦ヤマトの真実」(豊田有恒)を読んだ。これは面白い。 7/17
記事 5099番
日本人の対話と 森川林
 ディベートは、役に立つと思います。  ただ、相手への共感 7/13
記事 1226番
日本人の対話と RIO
ディベートは方法論なので、それを学ぶ価値はあります。確かに、 7/11
記事 1226番
英語力よりも日 森川林
AIテクノロジーの時代には、英語も、中国語も、つまり外国語の 6/28
記事 5112番
創造発表クラス 森川林
単に、資料を調べて発表するだけの探究学習であれば、AIでもで 6/27
記事 5111番
……次のコメント

掲示板の記事1~10件
現在森リンベス 森川林
このあとの予定。 ・森リンベストを直す(直した) ・森リ 11/20
森川林日記
Re: 入会手 言葉の森事務局
 お世話になっております。  弟さんのみご入会が1週間 11/15
森の掲示板
入会手続きにつ やすひろ
お世話になっております。 個別掲示板を開けませんので、ここ 11/15
森の掲示板
Mr. 1
1 11/14
森の掲示板
Mr. 1
1 11/14
森の掲示板
Mr. 1
1 11/14
森の掲示板
Re: 項目の 1
> いつもありがとうございます。 > > こすほ 11/14
森の掲示板
Re: 項目の 1
> いつもありがとうございます。 > > こすほ 11/14
森の掲示板
Re: 項目の 1
> いつもありがとうございます。 > > こすほ 11/14
森の掲示板
Re: 項目の 1
> いつもありがとうございます。 > > こすほ 11/14
森の掲示板

RSS
RSSフィード

QRコード


小・中・高生の作文
小・中・高生の作文

主な記事リンク
主な記事リンク

通学できる作文教室
森林プロジェクトの
作文教室


リンク集
できた君の算数クラブ
代表プロフィール
Zoomサインイン






小学生、中学生、高校生の作文
小学1年生の作文(9) 小学2年生の作文(38) 小学3年生の作文(22) 小学4年生の作文(55)
小学5年生の作文(100) 小学6年生の作文(281) 中学1年生の作文(174) 中学2年生の作文(100)
中学3年生の作文(71) 高校1年生の作文(68) 高校2年生の作文(30) 高校3年生の作文(8)
手書きの作文と講評はここには掲載していません。続きは「作文の丘から」をごらんください。

主な記事リンク
 言葉の森がこれまでに掲載した主な記事のリンクです。
●小1から始める作文と読書
●本当の国語力は作文でつく
●志望校別の受験作文対策

●作文講師の資格を取るには
●国語の勉強法
●父母の声(1)

●学年別作文読書感想文の書き方
●受験作文コース(言葉の森新聞の記事より)
●国語の勉強法(言葉の森新聞の記事より)

●中学受験作文の解説集
●高校受験作文の解説集
●大学受験作文の解説集

●小1からの作文で親子の対話
●絵で見る言葉の森の勉強
●小学1年生の作文

●読書感想文の書き方
●作文教室 比較のための10の基準
●国語力読解力をつける作文の勉強法

●小1から始める楽しい作文――成績をよくするよりも頭をよくすることが勉強の基本
●中学受験国語対策
●父母の声(2)

●最も大事な子供時代の教育――どこに費用と時間をかけるか
●入試の作文・小論文対策
●父母の声(3)

●公立中高一貫校の作文合格対策
●電話通信だから密度濃い作文指導
●作文通信講座の比較―通学教室より続けやすい言葉の森の作文通信

●子や孫に教えられる作文講師資格
●作文教室、比較のための7つの基準
●国語力は低学年の勉強法で決まる

●言葉の森の作文で全教科の学力も
●帰国子女の日本語学習は作文から
●いろいろな質問に答えて

●大切なのは国語力 小学1年生からスタートできる作文と国語の通信教育
●作文教室言葉の森の批評記事を読んで
●父母の声

●言葉の森のオンライン教育関連記事
●作文の通信教育の教材比較 その1
●作文の勉強は毎週やることで力がつく

●国語力をつけるなら読解と作文の学習で
●中高一貫校の作文試験に対応
●作文の通信教育の教材比較 その2

●200字作文の受験作文対策
●受験作文コースの保護者アンケート
●森リンで10人中9人が作文力アップ

●コロナ休校対応 午前中クラス
●国語読解クラスの無料体験学習