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勉強に創造と発表を――答えのある勉強は誰でもできるが、これからは答えのない勉強を。「わて昨日うみに行ったんや。そしたら、タコが一匹おったわ。」 as/4841.html
森川林 2023/11/08 04:00 

シオン

●動画:https://youtu.be/3ISqTcALt6U

 答えのある問題に答えるのは、退屈な勉強です。
 それは、誰でも同じ結果になるだけだからです。

 しかも、大体答えられればいいものを、今は、1問単位で差をつけて、順位を決める教育が普通になっています。

 人間は、競争に弱いので、特に10代のころは競争に敏感な時期なので、競争状態に置かれると、競争に勝つことがいちばんの目的になります。

 しかし、大事なことは、同じ狭いルールの中で競争に勝つことではありません。
 広い世界の中で、自分らしい創造を作り出すことです。

 これまでの世の中で、競争が関心の中心になっていたのは、人間が欠乏の時代に生きていたからです。
 しかし、理屈の上では、すでに人類全体の生産力は、人類全体の消費力を上回っています。
 そのように見えないのは、無駄なところに生産力が使われているからです。

 理屈の上では、欠乏の時代は終わっています。
 現実がまだそれに追いついていない以上に、私たちの意識がまだそれに追いついていないだけです。

 では、欠乏から自由になったときに、人間はどこに喜びを見出すかというと、それは競争に勝つことではありません。
 多少の競争は面白いので、娯楽としての競争は、これからも続くでしょう。
 しかし、競争が人間の主要な関心事になる時代は、過去のものになります。

 人間の主要な関心は、競争から創造に移行するのです。


 言葉の森では、今、国語、算数数学、英語などの教科の勉強も教えています。

 しかし、私(森川林)は、個人的には、答えのある勉強など誰でもできるのだから、その勉強ができるようになったからといって、それがそれほど面白いことだとは思っていません。
 成績がよくなれば、それは嬉しいことですがそれだけです。

 そこで、私が担当している国語読解、算数数学、総合学力のクラスでは、4週目に、少し時間を割いてもっと面白い創造的な勉強の時間を作ろうと思いました。

 具体的には、国語読解クラスでは、問題集から自分の好きな問題文を選び、それを57577の短歌で表現する練習です。

 金曜日の国語読解クラス(中学生高校生)の作品例
====
中3の国語問題集P64の問題文から

間の文化
軽やかな家
仕切りなし
西洋の家
重苦しい仕切り

中3の問題集P62の問題文から

日本の常識
文化でつくられ
生活している
Why Japanese people?と外人さん
不思議さわかるよ

高1の問題集P46の問題文から

家庭での
仕事も食事も
変化して
生活時間
個人化してる

その他の問題集から

プロはすごい
でもはじめはみんな
同じライン
たいして差は
ないのでは

人間は
同じ行為で仲間入り
意識を向け
それからきっと
進化してきた

二つの自我
自分の都合が
いいように
自分の視野に
支配しようとする

 山頭火(さんとうか)の句を連想するような作品が多かったです(笑)。
====

 算数数学クラスでは、自分がこれまでに解いた問題を参考に、自分で新しいオリジナルな問題を作ってみることにしました。

 月と火曜日の算数数学クラス(中学生)の作品例
====
(2/3,-13)(108,631)の二点があるときこの二点を表す一次関数を求める。

図形の問題


原価1000円の品物にx割の利益を見込んで、定価をつけたが、売れないので定価のx割引きで売ったら、360円の赤字がでた。

問題 <1次関数>
2点(0,b),(a,0)を通る直線の式を表して下さい。ただし、a,bは0でないものとします。
答え y=-b/ax+b

図形の問題


 結構難しい問題もありましたが、作った人がわかりやすく説明してくれました。
====

 総合学力クラスの英語の授業では、Google翻訳を利用して、自分が日本語で言いたいことを英文で言えるようにしました。
 将来は、英語だけでなく、中国語や他の言語でも言えるようになるでしょう。

 火曜日の総合学力クラス(小4)の作品例
====
今日はシチューをたべました
I ate stew today.

私の好きな動物はモモンガです。特にあのモフモフな毛が大好きです。
My favorite animal is the flying squirrel. I especially love that fluffy fur.

 英語は、結局使えることが大事なので、自分が言いたいことを英語で言えるようにするのが、いちばんいいと思います。
====

 英語だけでなく、ChatGPTなら、方言に直すこともできます。
 例えば、
====
次の文章を大阪弁で表現して。
「僕は昨日海に行きました。すると一匹のタコがいました。」

「わて昨日うみに行ったんや。そしたら、タコが一匹おったわ。」

続いて、東北弁で言ってみて。

「わ、きのう海へ行ったんだ。そしたら、タコが一ぴきいたべ。」

横浜弁で。

横浜には特有の方言があるわけではありませんが、神奈川県の標準的な関東方言を使って表現すると以下のようになるかもしれません。
「俺、昨日海行ったんだよ。で、タコが一匹いたんだよね。」
====

 今はまだ、答えのある勉強が教育の中心ですが、将来は、答えのない勉強が教育の中心になると思います。

 その最先端の教育が、言葉の森のクラスで言えば、作文と創造発表とプログラミングのクラスです。

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森川林 20231108  
答えのある勉強から、答えのない勉強へ。答えのない勉強なら、誰でも勉強が好きになる。――教育の方向は、大きく変わりつつある。

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