ログイン ログアウト 登録
 Onlineスクール言葉の森/公式ホームページ
 
記事 4842番  最新の記事 <前の記事 後の記事> 2024/11/21
勉強と呼吸法――酸素の多い環境で勉強すること、時々深呼吸しながら酸素の供給量を増やすこと。これで脳機能が活性化し勉強がはかどる as/4842.html
森川林 2023/11/09 07:37 

カタバミ

●動画:https://youtu.be/YldU3TvB7YA

 勉強を能率よく進めるには、教材と学習法と時間配分が大切です。

 しかし、忘れられがちなのが、環境です。

 環境のひとつは、中学2年生まではリビングで勉強することです。

 中学3年生になると、子供は自然に勉強の自覚ができるので、自分の部屋で勉強することもできます。
 しかし、それまでは、みんなのいる中で勉強することが大事です。

 これは、すでに子供が自分の部屋で勉強するようになってからは、リビング勉強に戻すことは難しいので、小さいころから、勉強はみんなのいるところですること、と決めておくことです。

 リビングで子供が勉強する際、テレビやビデオやYouTubeなどの音声が出るものは、勉強の妨げになります。
 特に、日本人の脳は、ほとんどの音を左脳の言語脳で処理するので、音が出る環境では、それが自然の音であっても、集中力がとぎれます。

 家庭で、子供が勉強しているときに、家族がテレビを見る場合は、ヘッドホンで音が外に出ないように配慮してあげることです。
 機械文明の中では、機械の弊害が出ないように、別の機械を利用するという工夫が必要です。

 とりわけ、幼児期の子供に関しては、意味のある話しかけの音声は必要ですが、意味のないテレビやビデオの音声は、子供の人間的な脳の成長の妨げになります。
 だから、DVDの教材の聞かせっぱなしなどは、よくないのです。

 さて、もうひとつの大事な環境は、酸素です。
====
 脳は体の中で最もたくさんの酸素を必要とする器官で、その重さは体重の2%程度なのに、エネルギーの消費は全体の20%近くを占め、呼吸の際に吸い込む酸素の30~50%を消費しています。
(FUJIFILMからだサイエンスラボより)
====
 どのくらいのパーセントかは、研究によって異なりますが、大量の酸素を消費するということは共通しています。

 個人的な話ですが、うちの子が小学生のとき、ドライアイスの煙が出るのが面白く、そのドライアイスをこたつのなかに入れ、しばらくそのこたつに入っていましたが、そのうち、「頭が痛い」と言って出てきました。
 真似をしないようにしてください(笑)。

 酸素の少ない環境では、脳の働きが低下します。
 潜水作業で酸素が不足すると、単純な足し算などの計算もできなくなるという話を聞きました。
 また、高山病は、死に至ることもありますが、それは結局、体が機能しなくなるのではなく、体全体をコントローする脳が機能しなくなるからです。

 それだけ重要な脳を上手に活性化させるためには、豊かな酸素がある中で勉強や仕事をする必要があります。
 中村天風氏は、夜寝るときは、窓を少し開けておくことが大事だと言っていました。
 窓を締め切っていると、必ず酸素が不足してくるからです。

 現在、室内の二酸化炭素を測定する機械が出ています。
 私が、昔購入したのはこれですが、今は在庫切れになっているようです。
https://www.amazon.co.jp/gp/product/B091CHPB2G/

 これを室内に置いておくと、人がたくさん入ってきたり、又は、話が盛り上がったり、又は、卓上コンロで料理をしたりすると、すぐに二酸化炭素濃度が1000ppm以上になりアラームが鳴ります。
 それで、慌てて窓を開けると、通常の大気中の二酸化炭素濃度の420ppmぐらいに戻ります。

 この二酸化炭素濃度は、機械を使わなければわかりません。
 だから、締め切った部屋で一生懸命勉強していると、いつの間にか二酸化炭素濃度が高くなり、脳の機能が低下し、記憶力も理解力も低下してくるのです。


 この二酸化炭素濃度をいつも測定することとは別に、もうひとつ大事なことは、深呼吸によって自分の意識で脳に酸素を送ることです。
 実は、これが、いちばん大事なことです。

 塩谷信男さんの「自在力」という本があります。
 ここに、呼吸法の方法と効果が載っています。

 錦城ひかりさんの「正心調息法」の話も参考になります。
「正伝  塩谷式正心調息法」
https://www.youtube.com/watch?v=B1pvuHSNvlw

 呼吸法については、YouTubeでバシャールも言っています。
「脳波が上がる「意外な呼吸法」(バシャール)」
https://www.youtube.com/watch?v=Dizf68ctZPA

 ここからは、私(森川林)の推論ですが、脳に供給される酸素の量が少なくなると、人間の思考力などの高級な機能からまず酸素が供給されなくなり、次第に、人間の動物的な脳に酸素が供給されなくなるのだと思います。

 すると、逆に考えれば、脳に豊富な酸素が供給されると、人間の人間らしい高級な脳以上のもっと奥にある更に人間的な脳機能が活性化されてくるのではないかと思います。

 塩谷さんの「自在力」では、呼吸法によって病気が治ったとか、運がよくなったとかの話が実例入りで出てきます。
 この本を著した当時の塩谷さんは、確か96歳ぐらいでしたから、書かれていることはほぼ真実だと思います。

 なぜ、呼吸法だけで、健康になるとか、運がよくなるかというと、私の考えでは、脳が本来持っている人間の更に高度な脳機能が、酸素の供給によって活性化するからです。


 そこまで考えを進めなくてもいいですから、まず、子供が勉強する環境では、二酸化炭素濃度を測定し、常に酸素の多いところで勉強することと、できれば、定期的に深呼吸をして酸素を供給しながら勉強を進めることが大切だと思います。


 もうひとつ言うと、なぜ低学年のころの暗唱の勉強がいいかというと、暗唱を10分間していると、深呼吸を10分間しているのと同じ効果があるからです。

 暗唱は、幼長から小2までがいちばん抵抗なくできる時期です。
 もちろん、そのあとの時期でも暗唱はできますが、年齢が上がると、単純な音読ではなく、覚えようとする音読になるので、暗唱が難しくなるのです。

 低学年の時期に、暗唱の勉強を利用して、子供の脳機能を活性化していってください。

この記事に関するコメント
コメントフォームへ。

森川林 20231109  
 勉強には、教材と学習法と学習時間の配分が大事ですが、もっと大事なのは、酸素の多い環境で勉強することです。
 ひとつは二酸化炭素測定器、もうひとつは深呼吸、もうひとつは低学年の場合は暗唱の練習。
 酸素で脳を活性化させて勉強していきましょう。

同じカテゴリーの記事
同じカテゴリーの記事は、こちらをごらんください。
勉強の仕方(119) 

記事 4841番  最新の記事 <前の記事 後の記事> 2024/11/21
勉強に創造と発表を――答えのある勉強は誰でもできるが、これからは答えのない勉強を。「わて昨日うみに行ったんや。そしたら、タコが一匹おったわ。」 as/4841.html
森川林 2023/11/08 04:00 

シオン

●動画:https://youtu.be/3ISqTcALt6U

 答えのある問題に答えるのは、退屈な勉強です。
 それは、誰でも同じ結果になるだけだからです。

 しかも、大体答えられればいいものを、今は、1問単位で差をつけて、順位を決める教育が普通になっています。

 人間は、競争に弱いので、特に10代のころは競争に敏感な時期なので、競争状態に置かれると、競争に勝つことがいちばんの目的になります。

 しかし、大事なことは、同じ狭いルールの中で競争に勝つことではありません。
 広い世界の中で、自分らしい創造を作り出すことです。

 これまでの世の中で、競争が関心の中心になっていたのは、人間が欠乏の時代に生きていたからです。
 しかし、理屈の上では、すでに人類全体の生産力は、人類全体の消費力を上回っています。
 そのように見えないのは、無駄なところに生産力が使われているからです。

 理屈の上では、欠乏の時代は終わっています。
 現実がまだそれに追いついていない以上に、私たちの意識がまだそれに追いついていないだけです。

 では、欠乏から自由になったときに、人間はどこに喜びを見出すかというと、それは競争に勝つことではありません。
 多少の競争は面白いので、娯楽としての競争は、これからも続くでしょう。
 しかし、競争が人間の主要な関心事になる時代は、過去のものになります。

 人間の主要な関心は、競争から創造に移行するのです。


 言葉の森では、今、国語、算数数学、英語などの教科の勉強も教えています。

 しかし、私(森川林)は、個人的には、答えのある勉強など誰でもできるのだから、その勉強ができるようになったからといって、それがそれほど面白いことだとは思っていません。
 成績がよくなれば、それは嬉しいことですがそれだけです。

 そこで、私が担当している国語読解、算数数学、総合学力のクラスでは、4週目に、少し時間を割いてもっと面白い創造的な勉強の時間を作ろうと思いました。

 具体的には、国語読解クラスでは、問題集から自分の好きな問題文を選び、それを57577の短歌で表現する練習です。

 金曜日の国語読解クラス(中学生高校生)の作品例
====
中3の国語問題集P64の問題文から

間の文化
軽やかな家
仕切りなし
西洋の家
重苦しい仕切り

中3の問題集P62の問題文から

日本の常識
文化でつくられ
生活している
Why Japanese people?と外人さん
不思議さわかるよ

高1の問題集P46の問題文から

家庭での
仕事も食事も
変化して
生活時間
個人化してる

その他の問題集から

プロはすごい
でもはじめはみんな
同じライン
たいして差は
ないのでは

人間は
同じ行為で仲間入り
意識を向け
それからきっと
進化してきた

二つの自我
自分の都合が
いいように
自分の視野に
支配しようとする

 山頭火(さんとうか)の句を連想するような作品が多かったです(笑)。
====

 算数数学クラスでは、自分がこれまでに解いた問題を参考に、自分で新しいオリジナルな問題を作ってみることにしました。

 月と火曜日の算数数学クラス(中学生)の作品例
====
(2/3,-13)(108,631)の二点があるときこの二点を表す一次関数を求める。

図形の問題


原価1000円の品物にx割の利益を見込んで、定価をつけたが、売れないので定価のx割引きで売ったら、360円の赤字がでた。

問題 <1次関数>
2点(0,b),(a,0)を通る直線の式を表して下さい。ただし、a,bは0でないものとします。
答え y=-b/ax+b

図形の問題


 結構難しい問題もありましたが、作った人がわかりやすく説明してくれました。
====

 総合学力クラスの英語の授業では、Google翻訳を利用して、自分が日本語で言いたいことを英文で言えるようにしました。
 将来は、英語だけでなく、中国語や他の言語でも言えるようになるでしょう。

 火曜日の総合学力クラス(小4)の作品例
====
今日はシチューをたべました
I ate stew today.

私の好きな動物はモモンガです。特にあのモフモフな毛が大好きです。
My favorite animal is the flying squirrel. I especially love that fluffy fur.

 英語は、結局使えることが大事なので、自分が言いたいことを英語で言えるようにするのが、いちばんいいと思います。
====

 英語だけでなく、ChatGPTなら、方言に直すこともできます。
 例えば、
====
次の文章を大阪弁で表現して。
「僕は昨日海に行きました。すると一匹のタコがいました。」

「わて昨日うみに行ったんや。そしたら、タコが一匹おったわ。」

続いて、東北弁で言ってみて。

「わ、きのう海へ行ったんだ。そしたら、タコが一ぴきいたべ。」

横浜弁で。

横浜には特有の方言があるわけではありませんが、神奈川県の標準的な関東方言を使って表現すると以下のようになるかもしれません。
「俺、昨日海行ったんだよ。で、タコが一匹いたんだよね。」
====

 今はまだ、答えのある勉強が教育の中心ですが、将来は、答えのない勉強が教育の中心になると思います。

 その最先端の教育が、言葉の森のクラスで言えば、作文と創造発表とプログラミングのクラスです。

この記事に関するコメント
コメントフォームへ。

森川林 20231108  
答えのある勉強から、答えのない勉強へ。答えのない勉強なら、誰でも勉強が好きになる。――教育の方向は、大きく変わりつつある。

同じカテゴリーの記事
同じカテゴリーの記事は、こちらをごらんください。
教育論文化論(255) 
コメント1~10件
読解問題の解き Wind
面白かった 10/11
記事 4027番
長文の暗唱のた たろー
この世で一番参考になる 9/30
記事 616番
「桃太郎」を例 匿名
役に立った 8/15
記事 1314番
日本人の対話と 森川林
ヨーロッパの対話は、正反合という弁証法の考え方を前提にしてい 8/6
記事 1226番
日本人の対話と よろしく
日本人は上に都合がよい対話と言う名のいいくるめ、現状維持、そ 8/5
記事 1226番
夢のない子供た 森川林
「宇宙戦艦ヤマトの真実」(豊田有恒)を読んだ。これは面白い。 7/17
記事 5099番
日本人の対話と 森川林
 ディベートは、役に立つと思います。  ただ、相手への共感 7/13
記事 1226番
日本人の対話と RIO
ディベートは方法論なので、それを学ぶ価値はあります。確かに、 7/11
記事 1226番
英語力よりも日 森川林
AIテクノロジーの時代には、英語も、中国語も、つまり外国語の 6/28
記事 5112番
創造発表クラス 森川林
単に、資料を調べて発表するだけの探究学習であれば、AIでもで 6/27
記事 5111番
……次のコメント

掲示板の記事1~10件
現在森リンベス 森川林
このあとの予定。 ・森リンベストを直す(直した) ・森リ 11/20
森川林日記
Re: 入会手 言葉の森事務局
 お世話になっております。  弟さんのみご入会が1週間 11/15
森の掲示板
入会手続きにつ やすひろ
お世話になっております。 個別掲示板を開けませんので、ここ 11/15
森の掲示板
Mr. 1
1 11/14
森の掲示板
Mr. 1
1 11/14
森の掲示板
Mr. 1
1 11/14
森の掲示板
Re: 項目の 1
> いつもありがとうございます。 > > こすほ 11/14
森の掲示板
Re: 項目の 1
> いつもありがとうございます。 > > こすほ 11/14
森の掲示板
Re: 項目の 1
> いつもありがとうございます。 > > こすほ 11/14
森の掲示板
Re: 項目の 1
> いつもありがとうございます。 > > こすほ 11/14
森の掲示板

RSS
RSSフィード

QRコード


小・中・高生の作文
小・中・高生の作文

主な記事リンク
主な記事リンク

通学できる作文教室
森林プロジェクトの
作文教室


リンク集
できた君の算数クラブ
代表プロフィール
Zoomサインイン






小学生、中学生、高校生の作文
小学1年生の作文(9) 小学2年生の作文(38) 小学3年生の作文(22) 小学4年生の作文(55)
小学5年生の作文(100) 小学6年生の作文(281) 中学1年生の作文(174) 中学2年生の作文(100)
中学3年生の作文(71) 高校1年生の作文(68) 高校2年生の作文(30) 高校3年生の作文(8)
手書きの作文と講評はここには掲載していません。続きは「作文の丘から」をごらんください。

主な記事リンク
 言葉の森がこれまでに掲載した主な記事のリンクです。
●小1から始める作文と読書
●本当の国語力は作文でつく
●志望校別の受験作文対策

●作文講師の資格を取るには
●国語の勉強法
●父母の声(1)

●学年別作文読書感想文の書き方
●受験作文コース(言葉の森新聞の記事より)
●国語の勉強法(言葉の森新聞の記事より)

●中学受験作文の解説集
●高校受験作文の解説集
●大学受験作文の解説集

●小1からの作文で親子の対話
●絵で見る言葉の森の勉強
●小学1年生の作文

●読書感想文の書き方
●作文教室 比較のための10の基準
●国語力読解力をつける作文の勉強法

●小1から始める楽しい作文――成績をよくするよりも頭をよくすることが勉強の基本
●中学受験国語対策
●父母の声(2)

●最も大事な子供時代の教育――どこに費用と時間をかけるか
●入試の作文・小論文対策
●父母の声(3)

●公立中高一貫校の作文合格対策
●電話通信だから密度濃い作文指導
●作文通信講座の比較―通学教室より続けやすい言葉の森の作文通信

●子や孫に教えられる作文講師資格
●作文教室、比較のための7つの基準
●国語力は低学年の勉強法で決まる

●言葉の森の作文で全教科の学力も
●帰国子女の日本語学習は作文から
●いろいろな質問に答えて

●大切なのは国語力 小学1年生からスタートできる作文と国語の通信教育
●作文教室言葉の森の批評記事を読んで
●父母の声

●言葉の森のオンライン教育関連記事
●作文の通信教育の教材比較 その1
●作文の勉強は毎週やることで力がつく

●国語力をつけるなら読解と作文の学習で
●中高一貫校の作文試験に対応
●作文の通信教育の教材比較 その2

●200字作文の受験作文対策
●受験作文コースの保護者アンケート
●森リンで10人中9人が作文力アップ

●コロナ休校対応 午前中クラス
●国語読解クラスの無料体験学習