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これからの文化産業における工夫――日本の将来の輸出産業は、機械工業製品から、文化教育サービスの製品になる as/4843.html
森川林 2023/11/10 10:31 

メダカのいる池

●動画:https://youtu.be/WHqUFQvN3rA

 道を歩いていて、工事現場などを通りすぎるとき、そこで使われている機械や設備を見て、「よく、ここまで工夫して作ったなあ」と感心することがあります。

 これが、かつての日本の国際競争力の源泉でした。
 今も、日本の自動車産業などでは、それが続いています。

 しかし、それらの機械工業のあとのサービス産業の分野では、おもてなしなどの人間的な工夫はなされていますが、システムとしての工夫はまだ不十分なようです。

 例外なのは、受験教育産業の分野です。
 ここは、目的がはっきりしているので、機械工業のような発想で取り組むことができます。
 そこでは、工夫した教材だけでなく、偏差値や順位や合格可能性などが、子供たちの勉強の動機づけに使われています。

 もちろん、それは、それでいいのです。
 しかし、これからのサービス産業の新しい分野は、受験教育ではなく、もっと広義の文化教育の分野になります。

 この文化教育の分野では、システム上の工夫は遅れています。
 文化教育とは、受験という目標に必ずしも結びつかない分野です。

 この文化教育の分野で、人間力だけに頼らない新しい仕組みを作ることが、これから日本が発展する道です。

 やがて、日本の輸出の中心は、機械産業から文化産業に移っていくでしょう。
 そのときに、他国が簡単には模倣できないようなハイレベルの仕組みを作っていくことが大事になります。

 言葉の森の行っている教育は、主に文化教育の分野です。
 作文、創造発表、プログラミングなどは、点数や順位や偏差値ではなく、創造と発表の喜びに基づいたものです。
 また、国語読解、算数数学、英語も、できるだけ創造や発表の面を取り入れていきたいと思っています。

 例えば、授業の前のみんなの読書紹介や、授業のあとの一人一言の時間などは、勉強の能率を考えれば、無駄なように見えるかもしれません。
 しかし、この読書紹介や一人一言の時間の中で、みんなが創造的に発表する機会を持つことができ、それがその子の成長につながっていくのです。

 言葉の森の教育の目的は、思考力、創造力、共感力を育てることです。
 引き続き、この方向で、勉強の方法を工夫していきたいと思います。

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森川林 20231110  
 日本のこれからの国際競争力は、文化教育産業の分野で伸ばす必要があります。
 しかし、今はまだ「おもてなし」と同じように、人間の力に頼った競争力にとどまっています。
 それを、日本の機械工業製品と同じレベルにまで引き上げることが課題です。


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勉強と呼吸法――酸素の多い環境で勉強すること、時々深呼吸しながら酸素の供給量を増やすこと。これで脳機能が活性化し勉強がはかどる as/4842.html
森川林 2023/11/09 07:37 

カタバミ

●動画:https://youtu.be/YldU3TvB7YA

 勉強を能率よく進めるには、教材と学習法と時間配分が大切です。

 しかし、忘れられがちなのが、環境です。

 環境のひとつは、中学2年生まではリビングで勉強することです。

 中学3年生になると、子供は自然に勉強の自覚ができるので、自分の部屋で勉強することもできます。
 しかし、それまでは、みんなのいる中で勉強することが大事です。

 これは、すでに子供が自分の部屋で勉強するようになってからは、リビング勉強に戻すことは難しいので、小さいころから、勉強はみんなのいるところですること、と決めておくことです。

 リビングで子供が勉強する際、テレビやビデオやYouTubeなどの音声が出るものは、勉強の妨げになります。
 特に、日本人の脳は、ほとんどの音を左脳の言語脳で処理するので、音が出る環境では、それが自然の音であっても、集中力がとぎれます。

 家庭で、子供が勉強しているときに、家族がテレビを見る場合は、ヘッドホンで音が外に出ないように配慮してあげることです。
 機械文明の中では、機械の弊害が出ないように、別の機械を利用するという工夫が必要です。

 とりわけ、幼児期の子供に関しては、意味のある話しかけの音声は必要ですが、意味のないテレビやビデオの音声は、子供の人間的な脳の成長の妨げになります。
 だから、DVDの教材の聞かせっぱなしなどは、よくないのです。

 さて、もうひとつの大事な環境は、酸素です。
====
 脳は体の中で最もたくさんの酸素を必要とする器官で、その重さは体重の2%程度なのに、エネルギーの消費は全体の20%近くを占め、呼吸の際に吸い込む酸素の30~50%を消費しています。
(FUJIFILMからだサイエンスラボより)
====
 どのくらいのパーセントかは、研究によって異なりますが、大量の酸素を消費するということは共通しています。

 個人的な話ですが、うちの子が小学生のとき、ドライアイスの煙が出るのが面白く、そのドライアイスをこたつのなかに入れ、しばらくそのこたつに入っていましたが、そのうち、「頭が痛い」と言って出てきました。
 真似をしないようにしてください(笑)。

 酸素の少ない環境では、脳の働きが低下します。
 潜水作業で酸素が不足すると、単純な足し算などの計算もできなくなるという話を聞きました。
 また、高山病は、死に至ることもありますが、それは結局、体が機能しなくなるのではなく、体全体をコントローする脳が機能しなくなるからです。

 それだけ重要な脳を上手に活性化させるためには、豊かな酸素がある中で勉強や仕事をする必要があります。
 中村天風氏は、夜寝るときは、窓を少し開けておくことが大事だと言っていました。
 窓を締め切っていると、必ず酸素が不足してくるからです。

 現在、室内の二酸化炭素を測定する機械が出ています。
 私が、昔購入したのはこれですが、今は在庫切れになっているようです。
https://www.amazon.co.jp/gp/product/B091CHPB2G/

 これを室内に置いておくと、人がたくさん入ってきたり、又は、話が盛り上がったり、又は、卓上コンロで料理をしたりすると、すぐに二酸化炭素濃度が1000ppm以上になりアラームが鳴ります。
 それで、慌てて窓を開けると、通常の大気中の二酸化炭素濃度の420ppmぐらいに戻ります。

 この二酸化炭素濃度は、機械を使わなければわかりません。
 だから、締め切った部屋で一生懸命勉強していると、いつの間にか二酸化炭素濃度が高くなり、脳の機能が低下し、記憶力も理解力も低下してくるのです。


 この二酸化炭素濃度をいつも測定することとは別に、もうひとつ大事なことは、深呼吸によって自分の意識で脳に酸素を送ることです。
 実は、これが、いちばん大事なことです。

 塩谷信男さんの「自在力」という本があります。
 ここに、呼吸法の方法と効果が載っています。

 錦城ひかりさんの「正心調息法」の話も参考になります。
「正伝  塩谷式正心調息法」
https://www.youtube.com/watch?v=B1pvuHSNvlw

 呼吸法については、YouTubeでバシャールも言っています。
「脳波が上がる「意外な呼吸法」(バシャール)」
https://www.youtube.com/watch?v=Dizf68ctZPA

 ここからは、私(森川林)の推論ですが、脳に供給される酸素の量が少なくなると、人間の思考力などの高級な機能からまず酸素が供給されなくなり、次第に、人間の動物的な脳に酸素が供給されなくなるのだと思います。

 すると、逆に考えれば、脳に豊富な酸素が供給されると、人間の人間らしい高級な脳以上のもっと奥にある更に人間的な脳機能が活性化されてくるのではないかと思います。

 塩谷さんの「自在力」では、呼吸法によって病気が治ったとか、運がよくなったとかの話が実例入りで出てきます。
 この本を著した当時の塩谷さんは、確か96歳ぐらいでしたから、書かれていることはほぼ真実だと思います。

 なぜ、呼吸法だけで、健康になるとか、運がよくなるかというと、私の考えでは、脳が本来持っている人間の更に高度な脳機能が、酸素の供給によって活性化するからです。


 そこまで考えを進めなくてもいいですから、まず、子供が勉強する環境では、二酸化炭素濃度を測定し、常に酸素の多いところで勉強することと、できれば、定期的に深呼吸をして酸素を供給しながら勉強を進めることが大切だと思います。


 もうひとつ言うと、なぜ低学年のころの暗唱の勉強がいいかというと、暗唱を10分間していると、深呼吸を10分間しているのと同じ効果があるからです。

 暗唱は、幼長から小2までがいちばん抵抗なくできる時期です。
 もちろん、そのあとの時期でも暗唱はできますが、年齢が上がると、単純な音読ではなく、覚えようとする音読になるので、暗唱が難しくなるのです。

 低学年の時期に、暗唱の勉強を利用して、子供の脳機能を活性化していってください。

この記事に関するコメント
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森川林 20231109  
 勉強には、教材と学習法と学習時間の配分が大事ですが、もっと大事なのは、酸素の多い環境で勉強することです。
 ひとつは二酸化炭素測定器、もうひとつは深呼吸、もうひとつは低学年の場合は暗唱の練習。
 酸素で脳を活性化させて勉強していきましょう。

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