ログイン ログアウト 登録
 Onlineスクール言葉の森/公式ホームページ
 
記事 4850番  最新の記事 <前の記事 後の記事> 2024/12/5
学校の成績ではなく、社会に出てからの仕事で評価する文化を取り戻すことが大事――しかし、学校の成績は、オンライン少人数クラスの教育で簡単に改善できる――今日の教育問題を解決する道はオンライン5人クラスの教育 as/4850.html
森川林 2023/11/17 04:13 

ミニホテイアオイ

●動画:https://youtu.be/EJufJGfmmEY

 昔の世代の人たちの中には、学校に行くよりも社会に出て仕事を早く覚えた方がいいと考える人が数多くいました。

 法隆寺の宮大工として知られている西岡常一さんも、大学の工学部に進みたかったそうですが、そんなところに行っても何も身につかないといって止められたそうです。

 確かに、人生で大事なのは、社会に出て仕事をすることです。
 その準備として大学で勉強することはありますが、大学に行くことがゴールなのではありません。
 中には、西岡常一さんのように、大学に行くことがマイナスになるかもしれないという人もいるでしょう。

 しかし、今の社会は、大学がゴールになっている面が強いので、子供たちはそこで優越感を持ったり劣等感を持ったりしてしまいます。
 本来、能力を持った多くの子供たちが、不要な劣等感で勉強を避けるようになるのは、もったいないことです。

 学校の成績というものは、本気でがんばっても数ヶ月かけなければ成果は見えてきません。
 だから、ほとんどの子は、途中であきらめてしまいます。

 これが、今日の教育問題の背景にあります。

====
なぜ「無気力な生徒」が増えたのか…“低偏差値高校”から見える日本の教育の「大きな問題点」
https://gendai.media/articles/-/114206

「取り組まなくてはいけないのは、高校そのものの改革もありますが、まずは小中学校のほうでしょう。小中学校時代の教育を抜本的に変えていき、わからない分野を最低限理解できるまで丁寧に教えるという取り組みが必要です。

そのためには、1クラスあたりの人数を40人から半分の20人にする少人数クラス制を実施したり、教員の数を増やしたりすることが急務となります。もちろん、それでもすぐに解決できる問題ではないので、長期的な視座が必要となるでしょう。」
(児美川 孝一郎)
====

 「40人学級を20人学級にする」とか、「教育の数を増やす」とかいうことは、解決の方向のひとつですが、「すぐに解決できる問題ではない」ことは誰にでもわかります。

 この考え方の根底にある考えが、リアルな通学式の学校教育だからです。

 40人学級を20人学級にしても、それでは、全然少人数ではありません。
 1人の先生が、20人の生徒を個別に指導することはまずできません。

 トルストイは、「アンナ・カレーニナ」の中で、「幸福な家庭はどれも似たものだが、不幸な家庭はいずれもそれぞれに不幸なものである」と書きました。

 成績のいい子はどれも似たものですから、集団一斉指導ができます。
 成績の悪い子はそれぞれに悪いのですから、個別指導でしか対応できません。

 リアルの通学式の教室で、成績が同じ分野で同じように悪い生徒を20人集めて一斉指導をするということは、理屈の上ではできますが、現実にはそういうことはありえません。

 しかし、オンライン教育であれば、全国から、同じ分野で同じように成績が悪い子を集めることはすぐにできます。

 逆に、成績のよい子に関しても、全国から、同じ分野で同じように成績がよい子を集めることもすぐにできます。

 だから、オンライン教育が、教育の根本的な改善の鍵なのです。
 これが、今、言葉の森が実践していることです。

 オンライン教育であっても、先生が一方的に講義をするような教え方ではなく、生徒一人ひとりが主体的に参加する教育にするためには、人数は5人以内に絞ることが必要です。

 では、そのための先生の数は多くなるかというと、そういうことはありません。
 オンライン教育であれば、先生は、数多くの5人クラスを持つことができるからです。

 言葉の森では、今、数百人の5人クラスの生徒を、数十人の講師がそれぞれに教えています。
 しかも、オンライン教育なので、生徒は自宅から受講し、講師は自宅から指導をしています。
 だから、生徒も講師も、日本全国(海外も含めて)から参加できます。

 しかも、5人以内のクラスですから、生徒どうしの交流があります。
 これが、未来の教育の方向です。


 現在、世の中にあるオンライン教育の多くは、リアルな通学式教育をただコピーしただけのものです。
 リアル教育の劣化コピーであるオンライン教育では、今日の教育問題は解決しません。

 教育関係者の多くが、このオンライン教育の可能性に気づいていないことが、今日の教育問題のひとつの大きな原因です。


 もちろん、言葉の森のオンライン教育は、まだ完成したものではありません。
 その理由は、同じレベルの生徒が5人集まるクラスを作るためには、母集団の数がまだ少ないからです。

 しかし、すでに、同じ学年で同じように優秀な生徒が5人集まるクラスもできています。
 このオンライン少人数クラスが広がれば、生徒たちの勉強は楽しくなり、先生の仕事も楽しくなり、今の日本にある教育問題のほとんどは解決すると思います。

この記事に関するコメント
コメントフォームへ。

同じカテゴリーの記事
同じカテゴリーの記事は、こちらをごらんください。
教育論文化論(255) オンライン教育(0) 

記事 4849番  最新の記事 <前の記事 後の記事> 2024/12/5
教育の世界で、子供たちの中に残るものは何か――子供たちの勉強で大事なのは、知識を吸収することではなく、発表すること、対話をすること、時々脱線をすること as/4849.html
森川林 2023/11/16 15:51 

小菊

●動画:https://youtu.be/vS4kbpH5nno

 子供たちが、学校の勉強の中で、何を頭に入れ、何を記憶に残していくかということは、よく考えなければなりません。

 私(森川林)は、幼稚園と小学校1、2年生のころはよく覚えていますが、小学校3、4年生は、ほとんど全く記憶にありません。
 たぶんその時期、自分は学校生活の中で生きていなかったのだと思います。

 学校の生活が面白いかどうかということは、子供の成長に大きく影響しています。

 学校の勉強で、子供たちの中に残るものは、授業の内容ではありません。
 みんなの前で発表したこととか、友達と話をしたこととか、または先生の脱線した話とか、そういうものが残っています。

 勉強は、もともと自分ひとりでやればいいものです。
 昔の子は、塾にも予備校に行かずに、自分の家で勉強していました。
 そして、その人たちが成長して、日本の発展を支えるようになりました。

 今の子供たちは、確かに昔よりも成績は良くなっています。
 しかし、考える力は、かえって低下しつつあるように思うときがあります。

 子供たちの教育に何が必要かというと、まず、教育の目的を、大学入試のような近視眼的なところにではなく、社会に出て活躍するところに置くことです。
 社会生活が、本当のゴールだと考えることです。

 低学年から、何とか検定のように目標を持って勉強するのは、それなりに面白いことです。
 しかし、そういう勉強に力を入れるよりも、もっと大事なことは、読書をすことと遊びに熱中することです。

 読書は、考える力を育てます。
 遊びは、生きる意欲を育てます。
 思考力と意欲さえあれば、受験のための勉強は、必要になったときにすぐにできるようになります。

 勉強は、早めに先に進んでいればいいというのではありません。
 逆に、先に進ませようとしすぎて、子供が勉強に面白みを感じなくなってしまうことさえあります。

 教育の基本は、家庭学習です。
 そして、親子の対話です。
 そして、読書の習慣です。
 そして、子供が何かに熱中する時間があることです。

 言葉の森のオンラインクラスは、授業の中で学習のチェックはしますが、先生が講義をするのではありません。
 少人数のクラスで、ほかの生徒と一緒に勉強するところに意味があります。
 みんなで一緒に勉強をするので、ひとりだけさぼるわけにいきません。
 これが、少人数クラスのいいところです。

 また、生徒どうしの交流を深めるために、読書紹介や一人一言という全員発表の時間を作っています。
 そして、先生が時々脱線した話をします。

 子供たちに勉強として残るのは、家庭学習です。
 子供たちに人生の経験として残るのは、自分が発表したこと、他の生徒と話をしたこと、そして先生の雑談を聞いたことです。

 だから、私は時々子供たちの発言の中で、気になることがあると、時間はかかっても、あえてその場で言うようにしています。
 例えば、子供たちはよく先生の悪口を言うことがあります。

 しかし、私たち大人は、長年生きているので、みんなそれなりに苦労しているということを知っています。
 単純に悪い人というのは、世の中にはいません。
 そういうことを子供たちに言っておく必要があります。

 逆に、単純に言わなければならないこともあります。
 例えば、戦争の悲惨さのような話をする子がいた場合、問題なのは、戦争の結果ではなく、その戦争を起こした人がいたことだということを言います。

 言うべき内容に、マニュアルはありません。
 ある子についてAと言ったことを、ほかの子についてはBと言うこともあります。

 そのようなことを判断するのは、長年いろいろな経験をしてきたベテランの先生の直感です。
 幸い、言葉の森の講師は、長年作文教育を続けてきた優れた先生が揃っています。

 そういう先生の力がよりよく発揮できるような教室運営をしていきたいと思っています。

この記事に関するコメント
コメントフォームへ。

同じカテゴリーの記事
同じカテゴリーの記事は、こちらをごらんください。
教育論文化論(255) 
コメント601~610件
……前のコメント
読書は学校の勉 nane
 低学年のころは、勉強をしている子としていない子の差が大きく 3/24
記事 4057番
読書は学校の勉 森川林
 読書力のある子は、難しい漢字も読めます。  ふりがなのふ 3/24
記事 4057番
「朝からオンラ 森川林
 「朝からオンライン」は3月25日で終了します。  学校の 3/23
記事 4056番
新型コロナウイ nane
3月20日ごろから考えて、いろいろな情報も参考にしたので、ノ 3/23
記事 4055番
新型コロナウイ 森川林
 新型コロナウイルスと、今後の教育のあり方についての話をYo 3/23
記事 4055番
4月の読解検定 nane
 読解力をつける方法はただひとつ、理詰めに読むことです。 3/22
記事 4054番
4月の読解検定 森川林
 読解力をつける方法とか、国語力をつける方法とかいう記事は、 3/22
記事 4054番
本日3月16日 森川林
 本日、朝からオンラインスクールの授業見学ができます。   3/16
記事 4049番
「朝からオンラ 森川林
 K君のお母さん、ご連絡ありがとうございました。  それは 3/13
記事 4047番
言葉の森のオン nane
 言葉の森のオンライン教育は、対話型オンライン教育です。 3/13
記事 4048番
……次のコメント

掲示板の記事1~10件
WinSCPの 森川林
ダウンロードとインストールは、特に問題なく、次々と進めて 12/4
プログラミング掲示板
Re: 標準新 森川林
 これは、確かに難しいけど、何度も解いていると、だんだん感覚 12/2
算数数学掲示板
標準新演習算数 あかそよ
3の1はできました。 2は、答えを見るとなんとか理解できま 11/23
算数数学掲示板
2024年11 森川林
●サーバー移転に伴うトラブル  本当に、いろいろご 11/22
森の掲示板
現在森リンベス 森川林
このあとの予定。 ・森リンベストを直す(直した) ・森リ 11/20
森川林日記
Re: 入会手 言葉の森事務局
 お世話になっております。  弟さんのみご入会が1週間 11/15
森の掲示板
入会手続きにつ やすひろ
お世話になっております。 個別掲示板を開けませんので、ここ 11/15
森の掲示板
Mr. 1
1 11/14
森の掲示板
Mr. 1
1 11/14
森の掲示板
Mr. 1
1 11/14
森の掲示板

RSS
RSSフィード

QRコード


小・中・高生の作文
小・中・高生の作文

主な記事リンク
主な記事リンク

通学できる作文教室
森林プロジェクトの
作文教室


リンク集
できた君の算数クラブ
代表プロフィール
Zoomサインイン






小学生、中学生、高校生の作文
小学1年生の作文(9) 小学2年生の作文(38) 小学3年生の作文(22) 小学4年生の作文(55)
小学5年生の作文(100) 小学6年生の作文(281) 中学1年生の作文(174) 中学2年生の作文(100)
中学3年生の作文(71) 高校1年生の作文(68) 高校2年生の作文(30) 高校3年生の作文(8)
手書きの作文と講評はここには掲載していません。続きは「作文の丘から」をごらんください。

主な記事リンク
 言葉の森がこれまでに掲載した主な記事のリンクです。
●小1から始める作文と読書
●本当の国語力は作文でつく
●志望校別の受験作文対策

●作文講師の資格を取るには
●国語の勉強法
●父母の声(1)

●学年別作文読書感想文の書き方
●受験作文コース(言葉の森新聞の記事より)
●国語の勉強法(言葉の森新聞の記事より)

●中学受験作文の解説集
●高校受験作文の解説集
●大学受験作文の解説集

●小1からの作文で親子の対話
●絵で見る言葉の森の勉強
●小学1年生の作文

●読書感想文の書き方
●作文教室 比較のための10の基準
●国語力読解力をつける作文の勉強法

●小1から始める楽しい作文――成績をよくするよりも頭をよくすることが勉強の基本
●中学受験国語対策
●父母の声(2)

●最も大事な子供時代の教育――どこに費用と時間をかけるか
●入試の作文・小論文対策
●父母の声(3)

●公立中高一貫校の作文合格対策
●電話通信だから密度濃い作文指導
●作文通信講座の比較―通学教室より続けやすい言葉の森の作文通信

●子や孫に教えられる作文講師資格
●作文教室、比較のための7つの基準
●国語力は低学年の勉強法で決まる

●言葉の森の作文で全教科の学力も
●帰国子女の日本語学習は作文から
●いろいろな質問に答えて

●大切なのは国語力 小学1年生からスタートできる作文と国語の通信教育
●作文教室言葉の森の批評記事を読んで
●父母の声

●言葉の森のオンライン教育関連記事
●作文の通信教育の教材比較 その1
●作文の勉強は毎週やることで力がつく

●国語力をつけるなら読解と作文の学習で
●中高一貫校の作文試験に対応
●作文の通信教育の教材比較 その2

●200字作文の受験作文対策
●受験作文コースの保護者アンケート
●森リンで10人中9人が作文力アップ

●コロナ休校対応 午前中クラス
●国語読解クラスの無料体験学習