ログイン ログアウト 登録
 Onlineスクール言葉の森/公式ホームページ
 
記事 4870番  最新の記事 <前の記事 後の記事> 2024/11/28
音読の宿題は、飽きるのが普通。齋藤孝さんの「1分間速音読」も、続けられる子はいない。――続けられる方法は、単なる音読ではなく暗唱をすること as/4870.html
森川林 2023/12/03 07:17 

庭のスズメたち

●動画:https://youtu.be/zA5d2OZbcPg

 言葉の森が、発足当初から子供たちの家庭学習として推奨していたのが音読でした。
 音読は、ただ繰り返すだけでなく、同じ文章を日をおいて繰り返すことが大事です。
 何日も繰り返し読んでいると、その文章を半ば暗唱できるようになります。
 音読の効果は、この半ば暗唱できるところまで行って初めて出てきます。

 そこで、言葉の森が始めたのが暗唱検定® です。
https://www.mori7.com/askt/
 暗唱の指導をしてわかったのは、音読は続けるのが難しいが、暗唱は続けられるということです。
 なぜなら、暗唱は楽しくできるからです。


 音読の宿題などをするとき、子供は飽きるので、次第にいい加減に読むようになります。
 すると、それを聞いていたお母さんが読み方を注意します。
 音読をすると、いつでも注意が始まるので、子供はますます音読を嫌がるようになります。
 だから、音読は続かないのです。


 齋藤孝さんが、しばらく前に、「1分間速音読」を出していました。
 こういう本を作る人も、それを読もうと思う人も、音読というものがわかっていません。
 また、学校で子供たちに音読の宿題を出す先生も、音読がよくわかっていない人が多いと思います。
 それは、音読の繰り返しの回数が少なすぎるからです。

 「1分間速音読」では、10回読むという表がついていますが、この本で、最初のページにある「ごんぎつね」約500字を10回読む子はまずいません。
 そして、もし真面目に10回読んだとしても効果はありません。

 音読は、繰り返し読むことによって、それが身につくことが大事です。
 そのためには、貝原益軒が「和俗童子訓」の中で、素読の方法として「百字を百回読む」と述べたように、繰り返しの回数の目安を百回とすることが必要になるのです。


 言葉の森の暗唱の仕方は、貝原益軒の方法を現代化したものです。
 今の子供は、百字を百回読むというような練習はまずできません。
 だから、1日に読む量は、約百字を30回です。これなら10分でできます。

 30回音読すると、その日は、その百字の文章をほぼ暗唱ができるようになります。
 2日目は、次の百字も同じように30回読みます。
 3日目は、その次の百字も同じように30回読みます。
 4日目は、1・2・3の300字の文章を10回読みます。
 5日目も、6日目も、7日目も同じように300字を10回読むと、1週間で300字の文章が暗唱できるようになります。

 次の2週目は、別の300字も同じように暗唱できるようにします。
 3週目は、また別の300字も同じように暗唱できるようにします。

 4週目は、全部で900字の文章を毎日4回ずつ音読します。
 そうすると、1ヶ月で900字の文章を暗唱できるようになるのです。


 暗唱の勉強が、ただの音読よりも続けやすいのは、達成感があるからです。
 最初に100字の文章を読むときは、誰でも、「こんなの暗唱できるかなあ」と思います。
 しかし、30回読んでいると、25回目ぐらいから急に、元の文章を見ないでも読めるような気がしてきます。
 しかし、ここで文章を覚えようとは思わずに、もとの文章をしっかり見ながら音読を続けることが大事です。
 なぜ覚えようとしないかというと、見ないで覚えようとすると、「えーと、次は何だっけ」と思ってしまう瞬間があるからです。
 すると、暗唱の中に、「えーと」という待機時間が生まれるようになります。
 つまり、「えーと」も一緒に暗唱してしまうようになるからです。


 30回読み続けて暗唱ができるようになると、「やったあ」という感覚が生まれます。
 最初は、「できるかなあ」と不安に思っていたのが、最後は、「できたあ!」と喜びになるのが暗唱の持つ達成感の感覚です。
 江戸時代の素読が教育法として続いたのも、この達成感があったからなのです。


 言葉の森では、900字の文章(以下、わかりやすく約1,000字として計算)を3つつなげて、合計3,000字の文章を7分で暗唱することを最初の目標にしています。
 更に、その3,000字の文章を4つつなげて12,000字の文章を30分で暗唱できるようにするのが次の目標です。
 すでに、それに合格した子が6人います。

 その12,000字の文章の中には、百人一首の3,100字も入っています。
 この百人一首を途中で止まらずに7分で読むというのが難しいところです。

 これには、コツがあり、五七五七七の最後の七を、次の句の最初の五とできるだけ続けるように読むのです。
 句と句の間には意味の上での関連性がないので、一つ読んで一息ついてしまうと、次の句を読むときに、「えーと」と思ってしまうからです。

 こういうことは、音読と暗唱を実際にやった人でなければわかりません。

この記事に関するコメント
コメントフォームへ。

森川林 20231203  
ブンブンどりむの監修者である齋藤孝さんは、よく知りもしないで、作文や読解や暗唱のことを書いていると思いました。たぶん、人に言われて、あちこちのコピーを寄せ集めて本を書いたのだと思います(笑)。

同じカテゴリーの記事
同じカテゴリーの記事は、こちらをごらんください。
暗唱(121) ブンブンどりむ(0) 

記事 4869番  最新の記事 <前の記事 後の記事> 2024/11/28
サービスの多い都会よりも、自然の多い田舎から新しいオンライン教育が始まる。――「東京、カッペね。大阪、イモね。」の時代 as/4869.html
森川林 2023/12/02 17:19 

ガーデンシクラメン

●動画:https://youtu.be/2thsjN0y9aI

 都会の小学生は、現在、私立中学受験がピークになっています。
 学校によっては、クラスの生徒の半数以上が中学受験をします。

 小学高学年の子供は、周囲の子供たちに影響されるので、友達が受験勉強をするなら自分も負けたくないと思います。
 それは、普通の感覚です。
 それで、誰もが中学受験の塾に行くのです。

 塾は、子供たちを合格させることが目的ですから、ひたすら詰め込みます。
 競争や点数で煽りながら、合格という狭い目標に向かって知識や答え方を詰め込むのです。

 勉強は、できる子にとってはそれなりに面白いものですが、そこで詰め込んだ勉強は、将来生きてきません。
 中学受験のためだけの限られた勉強だからです。

 私立中学の第一志望に受かった子と、それに落ちて第二志望校に行った子と、受験に落ちて公立中学に行った子が、結局同じ大学に行ったというのはよくある話です。
 小6までの勉強と、中学生時代の勉強と、高校時代の勉強は、密度が違うので、高校生になってがんばった子が最も力がつくからです。

 今の行き過ぎの中学受験は、やがて、問題が生じるときが来ます。
 すでに、勉強の詰め込み過ぎや競争のさせすぎによる弊害が起きていますが、それがまだあまり表面に出ていないだけだけす。


 中高一貫校の教育が、中学と高校を分けた教育よりも優れていたのであれば、公立中高一貫校をもっとたくさん作ればいいのですが、それは、たぶん私立中学の利権とぶつかるのでできないのだと思います。


 一方、大学入試は、一般入試から総合選抜入試に移行しつつあります。
 成績で1点差を争うような試験から、学力は8割程度でいいので、あとは思考力と創造性と意欲が大事だという試験に変わりつつあるのです。

 更に重要なことは、大学入試がゴールであった時代は終わり、これからは社会に出て自分らしく生きる時代、あるいは、独立起業を目指す時代になりつつあることです。
 独立起業というと、まだ多くの人にとって実感がわかないと思いますが、世の中は急速に変わっています。

 「飯の食える大人になる」という言葉を、昔、高濱正伸さんが言っていましたが、今後はベーシックインカムで誰もが飯が食える時代になります。
 飯を食うために嫌いな仕事を我慢して続ける時代は終わり、自分の好きなことをして生きる時代になるのです。
 そのひとつの例が、よく挙げますが「さかなクン」の生き方です。
 好きなことを追求しているうちに、それが自分の仕事になったのです。

 世の中はそんなに甘いものではないという考えの人もいると思いますが、今ある仕事の中でも、すでに社会的な意味はないのに給料だけは支払われているというものは数多くあります。

 例えば、昔は、「仕事がなくなったら、新聞配達をやろうか」とか、「ちり紙交換とやろうか」とか、「タクシーの運転手をやろうか」という考えが成り立っていましたが、今はその仕事自体がなくなりつつあります。

 もっと大きい例では、銀行の仕事や新聞・テレビ・出版の仕事も明らかに衰退しています。
 近い将来、AI技術の発達によって英語業界の仕事でも、人間のすることは少なくなります。
 公務員の仕事も、IT技術によってかなり簡素化されるようになります。

 だから、今ある社会を前提にするのではなく、どういう社会になっても生きていけるたくましい学力を育てることが大事なのです。


 ところで、都会では、従来の教育サービスが幅広く残っています。
 歩いて行ける範囲のところに、いろいろな習い事の教室があります。
 学習塾もあるし、英会話教室もあるし、スイミングクラブもあるし、プログラミングスクールもあるし、多種多様な教育サービスがあります。
 それは、それでいいことです。

 その反対に、田舎では、歩いていけるような範囲に、そのような多様な教育サービスがありません。
 中には、塾に行くのに1時間もかかるところがあります。
 地域によっては学校に通うのも、バスに乗って行かなければならないところもあるでしょう。

 そういう地方でも、人間のレベルはみんな同じですから、教育熱心な家庭は都会と同じ比率で存在しています。
 そういう田舎の子供たちの学習意欲の受け皿になるものが、通信教育やオンライン教育です。

 しかし、紙ベースの通信教育は、今後消滅の方向に向かいます。
 インターネットで、ビジュアルなサービスが無料で見られる時代に、有料の紙の通信教育は時代遅れだからです。

 また、今あるオンライン教育は、リアル教育のコピーがほとんどです。
 リアルな通学教育で行われている授業風景をただ動画にしただけのようなオンライン教育を見ても、楽しく勉強できる子はいません。


 だから、本当のオンライン教育は、都会で行われているリアルな教育と同じように、参加する子供たちが対話をしたり交流したりするようなコミュニティ機能があるオンライン教育です。
 そのためには、オンラインクラスの生徒数が5人以内に限定されていなければなりません。
 10人以上のオンラインクラスでは、結局先生による一方的な講義が中心になり、参加する生徒は受け身の形で参加するようになるからです。
 今のほとんどのオンライン教育は、10人どころか人数の制限が特にない大量生産型の教育になっています。


 したがって、言葉の森のオンライン少人数クラスの教育が効果を発揮するのは、多様なサービスに取り囲まれている都会よりも、むしろそういう雑音のない田舎の方です。

 そして、田舎で広がったオンライン教育は、やがて都会にも広がります。
 オンライン教育は国境がないので、日本以外のほかの国にも広がります。

 また、今、増えている不登校の生徒は、結局、現在の学校システムの犠牲者です。
 そういう行き場所のない子供たちも、リアルなサポート校を探すよりも、オンラインの教育で勉強面はカバーしていけばいいのです。
 言葉の森は、国語、算数数学、英語の授業もしているので、勉強面は心配いりません。
 また、言葉の森のオンラインクラスは、子供たちの交流があるので、勉強すること自体がコミュニティ活動になります。


 都会と田舎の教育を比較すると、都会は多様な教育サービスがあり便利なように見えますが、インターネット時代には、そういう比較は意味がなくなります。
 言葉の森は、作文、基礎学力、総合学力、国語、算数数学、英語、創造発表、プログラミングと、現在と未来の教育全体をカバーする指導をしています。

 作文教育は40年以上の実績があり、どこのリアルの教室よりも優れた指導をしているので、小学生から始めて高校生まで続ける子もいます。

 だから、言葉の森のオンライン教育をひとつの学校のように考えて参加していくことが、これからも子供たちの教育のひとつの方向になります。


 このように考えると、便利に見える都会よりも、不便に見える田舎の方で、実は新しいオンライン教育が最初に開花するのだということがわかります。

 実際に、私(中根)が教えているオンラインクラスの生徒の中で、勉強面も優秀で、創造発表的な学習に関しても個性的な発表ができる子は、なぜか都会よりも田舎に多い感じがしています。


 ちなみに、中根の父と母の実家は岐阜と名古屋ですが、私自身が生まれ育ったところは、横須賀、横浜です。
 横浜の人は、東京に対して微妙な劣等感と反発を持っているようで、1980年代、横浜モアーズがリニューアルオープンしたときのキャッチコピーは、「東京、カッペね。大阪、イモね。」でした。
 これが、大きな看板になっていたので、思わず笑ってしまいました。

 ITテクノロジーとAIテクノロジーに時代には、こういうキャッチコピーがさまざまなところで生まれます。
 オンラインを生かして、最先端の教育を田舎から作っていきましょう。

この記事に関するコメント
コメントフォームへ。

森川林 20231202  
「東京、カッペね」の広告。
https://www.mori7.com/izumi/gazou/2023/12021728580.jpg

同じカテゴリーの記事
同じカテゴリーの記事は、こちらをごらんください。
オンライン教育(0) 
コメント341~350件
……前のコメント
ことわざ auso
凛々しい感じでよかったです。応援してます。 8/10
記事 4302番
オンラインとい 森川林
 大事なのは、オンラインそのものではなく、オンラインで目指し 7/24
記事 4286番
オンライン5人 nane
 「オンライン5人クラス」というのは、教育上の新しいコンセプ 7/22
記事 4282番
オンライン5人 森川林
 オンライン5人クラスの5人というのは、7人以上とは決定的な 7/22
記事 4282番
お散歩 森川林
 ありがとうございます。  いつも、何を考えているのだか( 7/22
記事 4280番
お散歩 auso
リードが可愛かったです。また何かカメラ目線でした。 7/22
記事 4280番
他人がつける成 nane
 子供が低い評価を受けたら、それは相手に人を見る目がなかった 7/21
記事 4281番
他人がつける成 森川林
 子供が受験生だと、子供以上に親が緊張します。  しかし、 7/21
記事 4281番
夏期講習でも行 nane
 リアルな教室で参加者どうしが親しくなるというのは、授業の行 7/20
記事 4279番
夏期講習でも行 森川林
 オンラインセミナーとか、オンラインホームステイとか、オンラ 7/20
記事 4279番
……次のコメント

掲示板の記事1~10件
標準新演習算数 あかそよ
3の1はできました。 2は、答えを見るとなんとか理解できま 11/23
算数数学掲示板
標準新演習算数 あかそよ
3の1はできました。 2は、答えを見るとなんとか理解できま 11/23
算数数学掲示板
2024年11 森川林
●サーバー移転に伴うトラブル  本当に、いろいろご 11/22
森の掲示板
現在森リンベス 森川林
このあとの予定。 ・森リンベストを直す(直した) ・森リ 11/20
森川林日記
Re: 入会手 言葉の森事務局
 お世話になっております。  弟さんのみご入会が1週間 11/15
森の掲示板
入会手続きにつ やすひろ
お世話になっております。 個別掲示板を開けませんので、ここ 11/15
森の掲示板
Mr. 1
1 11/14
森の掲示板
Mr. 1
1 11/14
森の掲示板
Mr. 1
1 11/14
森の掲示板
Re: 項目の 1
> いつもありがとうございます。 > > こすほ 11/14
森の掲示板

RSS
RSSフィード

QRコード


小・中・高生の作文
小・中・高生の作文

主な記事リンク
主な記事リンク

通学できる作文教室
森林プロジェクトの
作文教室


リンク集
できた君の算数クラブ
代表プロフィール
Zoomサインイン






小学生、中学生、高校生の作文
小学1年生の作文(9) 小学2年生の作文(38) 小学3年生の作文(22) 小学4年生の作文(55)
小学5年生の作文(100) 小学6年生の作文(281) 中学1年生の作文(174) 中学2年生の作文(100)
中学3年生の作文(71) 高校1年生の作文(68) 高校2年生の作文(30) 高校3年生の作文(8)
手書きの作文と講評はここには掲載していません。続きは「作文の丘から」をごらんください。

主な記事リンク
 言葉の森がこれまでに掲載した主な記事のリンクです。
●小1から始める作文と読書
●本当の国語力は作文でつく
●志望校別の受験作文対策

●作文講師の資格を取るには
●国語の勉強法
●父母の声(1)

●学年別作文読書感想文の書き方
●受験作文コース(言葉の森新聞の記事より)
●国語の勉強法(言葉の森新聞の記事より)

●中学受験作文の解説集
●高校受験作文の解説集
●大学受験作文の解説集

●小1からの作文で親子の対話
●絵で見る言葉の森の勉強
●小学1年生の作文

●読書感想文の書き方
●作文教室 比較のための10の基準
●国語力読解力をつける作文の勉強法

●小1から始める楽しい作文――成績をよくするよりも頭をよくすることが勉強の基本
●中学受験国語対策
●父母の声(2)

●最も大事な子供時代の教育――どこに費用と時間をかけるか
●入試の作文・小論文対策
●父母の声(3)

●公立中高一貫校の作文合格対策
●電話通信だから密度濃い作文指導
●作文通信講座の比較―通学教室より続けやすい言葉の森の作文通信

●子や孫に教えられる作文講師資格
●作文教室、比較のための7つの基準
●国語力は低学年の勉強法で決まる

●言葉の森の作文で全教科の学力も
●帰国子女の日本語学習は作文から
●いろいろな質問に答えて

●大切なのは国語力 小学1年生からスタートできる作文と国語の通信教育
●作文教室言葉の森の批評記事を読んで
●父母の声

●言葉の森のオンライン教育関連記事
●作文の通信教育の教材比較 その1
●作文の勉強は毎週やることで力がつく

●国語力をつけるなら読解と作文の学習で
●中高一貫校の作文試験に対応
●作文の通信教育の教材比較 その2

●200字作文の受験作文対策
●受験作文コースの保護者アンケート
●森リンで10人中9人が作文力アップ

●コロナ休校対応 午前中クラス
●国語読解クラスの無料体験学習