水仙のつぼみ
自分のことは自慢したくないのですが、情報が少ないためによくわからない人が多いと思うので説明します。
言葉の森は、日本で最初に作文教室を始めた教室です。
「作文教室」という言葉を最初に使ったのが40年以上前です。
そのころには、もちろん、作文を教えるという概念自体がありませんでした。
私が作文教室を始めたのは、勉強などは自分でやればいいしどこでもできる、しかし、作文は他の人に見てもらわなければわからない、そして、作文は、子供たちの創造性を育てる、と思ったからです。
そこで、古今東西の作文教育に関する本を、手に入れられるものはすべて読みました。
200冊は優に超えていたと思います。
海外の作文教育に関する本も、読めるものはすべて読みました。
それで、作文教室を始めたのです。
最初の生徒は、小1と小6の2人でした(笑)。
言葉の森が作文教室を始めてから、やがて生徒が増え、その後だいぶたって、大手の教育業者が同じような作文教室を始めました。
しかし、まもなく撤退しました。
今も、各地にいろいろな作文教室があります。
塾でも、作文指導を始めるようになっていると思います。
しかし、それらの教室は、昔ながらの赤ペン添削の方法か、もっと気のきいたところは、言葉の森のコピーです。
赤ペン添削は、誰でも考えつく方法ですし、文章力のある大人なら誰でもできる方法です。
しかし、赤ペン添削で上達する子はいません。
書いたものを直す指導ではなく、書く前の指導が必要だからです。
更に言えば、書く前に、読む力をつけなければならないのです。
言葉の森は、もともと40年以上前にマスコミを目指す大学生のための作文教室としてスタートしました。
当時は、マスコミに人気があったのです。
その後、小学生のための教室を開きました。そのときに来たのが、小1と小6の2人です。
だから、言葉の森は、小学生から、中学生、高校生、大学生までの一貫指導ができます。
本当は、社会人の生徒もいますが、教材を作るのが大変なので、募集は控えめにしています。
実は、最初は、社会人になってからも続けられる一生の作文教室にしたいと思っていました。
月に1回程度でいいので、その時々の時事的なテーマで作文を書き、ディスカッションをするという教室です。
そのうち、できると思います。
以上、いろいろ自慢のようなことを書きましたが、これが真実です。
検索エンジンで「作文教室」を探すと、いろいろな教室が出てくるかもしれませんが、その中で、最も確かなのが言葉の森だと思ってもらうといいと思います。
うちの子供が1歳か2歳のとき、三浦半島の海岸に遊びに連れていきました。
裸ん坊で、波打ち際で遊んでいる子供を見たときに、ふと、いまこのとき、地球が暗黒の宇宙の中を時速10万kmで飛び、地球自身も時速1700kmで自転しているのだということを思い浮かべました。
その地球の上で、ころべばすぐに怪我をするような子供が、砂浜で嬉しそうに遊んでいるのです。
そのときに、自分が地球の上に生きているという不思議さを実感しました。
今日、天気がいいので、庭の芝生の上に寝転んで空を見ていると、そのときの感覚を思い出しました。
そこで、ふと出た言葉が、「地球はいいなあ」でした。
隣の餌台では、メジロがみかんをついばんでいます。
雲が、西から東にゆっくり動いています。
人間が地球の上で暮らせるのは、お金では買えないほど貴重な恩恵です。
だから、せめて同じ地球の生き物たちには、できるだけ優しくしよう、
それが、たとえゴキブリであっても(笑)、
と思ったのです。
子供のころ読んだ本の中に、ひとつの物語がありました。
ある大きな村で、何かの裁判が行われるとき、みんなが黒と白の石を入れて有罪か無罪かを決めるのです。
そこで、ひとりの老人だけが、どんなときでも必ず白を入れるというのでした。
そのときに、「どんなときでも白」というのが、心に残りました。
中村天風の言葉に、こういうものがあります。
「太陽の光線は、美人の顔も照らせば、犬の糞も照らしている」
そりゃ、そうだ(笑)。
比較をしたり、評価をしたり、優劣をつけたりするのは、人間の小賢しい知恵です。
それによって、確かに科学と文明は発展してきたでしょう。
しかし、そういう人為的な工夫から卒業する時期がもう来ているのです。