ログイン ログアウト 登録
 Onlineスクール言葉の森/公式ホームページ
 
記事 4900番  最新の記事 <前の記事 後の記事> 2024/11/21
「頭のいい人ほど語彙力が豊か」という記事――語彙力があれば高精細で物事が見られるが、語彙力がないとおおまかにしか見られない。語彙力をつけるには、難読と復読による語彙の身体化 as/4900.html
森川林 2023/12/31 10:11 

タンポポモドキ?


●動画:https://www.youtube.com/watch?v=fWrZXkbKlu4

 面白いタイトルの記事があったので読んでみました。
====
なぜ頭のいい人ほど語彙力が豊かなのか…言語哲学者が説く「語彙力のある人・ない人」の見えている世界の差
https://president.jp/articles/-/76535
====
 筆者は、山口周(やまぐちしゅう)さんですから、面白いことは面白いのですが、前半は、ソシュールがどうしたというような専門的なことばかりなので、読んでいて退屈すると思います。
 ただ、結びの「多くの言葉を知っていればより精密な世界が見える」は、そのとおりだと思いました。


 一方、次のブログ記事も参考になります。
====
【気をつけて】よく喋るのに語彙力がない子の見つけ方
https://www.matsuejuku.com/entry/2023/12/29/%E3%80%90%E6%B0%97%E3%82%92%E3%81%A4%E3%81%91%E3%81%A6%E3%80%91%E3%82%88%E3%81%8F%E5%96%8B%E3%82%8B%E3%81%AE%E3%81%AB%E8%AA%9E%E5%BD%99%E5%8A%9B%E3%81%8C%E3%81%AA%E3%81%84%E5%AD%90%E3%81%AE%E8%A6%8B
====
 これは、よく喋る子は、考えがないからよく喋れる、という話です。

 例えば、小さい子は、ひっきりなしにいろいろなことを喋ります。
 考えていないから、いくらでも言葉が口から出てくるのです。

 これは、実は語彙力の問題です。
 浅い語彙は豊富にあるのですが、深い語彙はありません。
 だから、浅い語彙でいくらでも言葉が出てきます。


 しかし、ここが難しいところですが、深い語彙を使っているように見えても、表面的にしか考えていない人もいます。
 それは、使われている語彙が、教科書とか問題集のレベルで習得されたもので、実感を伴った身体的な語彙として身についていないからです。


 では、考える語彙を身につけるために、どうしたらいいかというと、第一は、1冊の難しい本を読み通すことです。
 1冊の本には、その本なりの世界観があります。
 その世界観の中で読んだ語彙は、実感を伴う語彙になります。
 だから、中学生以上の生徒には、説明文の難読が必要なのです。


 世の中には、手軽に語彙力をつけることをうたっている本もあります。
 かなり昔、「述語集」という難しい語彙だけを集めた本がありました。
 今でも、似たような本はあります。
 「語彙力が身につく本」のようなハウツーものの本は、知識としての語彙は増えても、考える力のもとになる語彙は増えません。

 大事なのは、語彙力をつける本を読むことではなく、語彙力が必要な本を読むことなのです。


 語彙力をつけるための、難読以外のもうひとつの方法は、繰り返し読むことです。
 繰り返し読むことによって、その語彙が実感を伴った生きた語彙になります。

 例えば、おじいちゃんやおばあちゃんが繰り返し言うことわざを聞いて育った子にとっては、そのことわざが実感のある語彙になります。
 これは、ことわざ辞典などで覚えたものとは違う、身体化されたことわざです。


 日本の素読教育は、語彙を身体化するための勉強でした。
 だから、貝原益軒は、「百字の文章を百回読む」と言いました。(「和俗童子訓」)
 言葉の森の暗唱の勉強も、100回読むような勉強です。
 この繰り返し読む言葉が、その子の考え方や感じ方のバックボーンになります。


 言葉の森の問題集読書も、繰り返し読む勉強法です。
 1冊の問題集を、少なくとも5回は読む必要があります。
 多くの人は、いろいろな問題集を1回ずつ読むような勉強法を好みます。
 しかし、それでは表面的な語彙の知識しか身につきません。
 1冊を繰り返し読むことが大事なのです。


 では、語彙が豊かになると、どうなるかというと、物事が高精細で見えるようになるのです。
 高精細でも、低精細でも、同じものを見ているので、表面的には何も変わらないように見えます。
 しかし、高精細で見る人は、物事の本質がより深く見えるようになります。


 年をとった人は、若い人よりも、考えが深いというのはよく感じることです。
 たとえ、若い人の方が学歴が高くても、本質を見る目は、年をとった人の方が鋭いことが多いのです。
 それは、なぜかというと、言葉を見聞きした繰り返しの回数が、若い人よりもずっと多いからです。
 だから、年をとった人の方が、世の中を高精細に見られるのです。

 若い人は、難読と復読によって、物事を高精細に見る力を育てていく必要があります。
 これは、成績を上げるための勉強とは少し違った、もうひとつの新しい大切な勉強です。

この記事に関するコメント
コメントフォームへ。

森川林 20240101  
 語彙力をつける本などを読んでも語彙力はつきません。
 大事なのは、語彙力が必要な本を読むことです。

同じカテゴリーの記事
同じカテゴリーの記事は、こちらをごらんください。
語彙力(0) 

記事 4899番  最新の記事 <前の記事 後の記事> 2024/11/21
オンライン少人数クラスの教育が広がれば、現在の教育問題のすべては解決する――更に、教育の重点を、知識の詰め込み教育から、思考力、創造力、共感力の教育へ as/4899.html
森川林 2023/12/30 08:35 

スズメの集団


●動画:https://www.youtube.com/watch?v=uD-Mm6EJsZ4

 オンライン少人数クラスは、言葉の森が行っている授業の形態です。
 ただし、この場合の少人数とは5人以内の人数のことです。

 このオンライン少人数クラスの教育が広がれば、今の教育問題のすべては解決します。
 これで解決できない問題は、教育以外の問題です。
 教育の問題とは、例えば、落ちこぼれ、吹きこぼれ、不登校、知識中心の詰め込み教育などの問題です。


 オンライン少人数クラスの教育は、小規模の教育機関ではできません。
 同学年同レベルの生徒を5人以内の単位で集めることができないからです。

 しかし、オンライン少人数クラスの教育は、大規模の教育機関でもできません。
 それは、講師の臨時の休講や、生徒の臨時の振替出席に対応することが難しいからです。
 ここが、少人数クラスの教育が、集団一斉指導の教育とも、一対一の個別指導の教育とも違うところです。


 教育でこれから重要になるのは、生徒が先生に一方的に教えてもらうことではありません。
 知識の吸収は、先生に教えてもらわなくても自分でできるようになっているからです。

 大事なのは、生徒自身が創造的に発表することと、生徒どうしが相互に対話をし交流することです。
 これを私はコミュニティ教育と呼んでいます。

 このコミュニティの中で、知識的な学力だけでなく、思考力、創造力、共感力を育てていくことが、これからの教育の重点になります。


 ところで、言葉の森がオンライン少人数クラスの教育を本格的に始めたのは、2020年のコロナ禍のときからです。
 言葉の森は、作文の個別指導の教育に関しては、40年以上の実績があります。
 だから、小学1年生から高校3年生まで、苦手な子から得意な子まで、どんな生徒にも対応できます。

 しかし、オンライン少人数クラスによる教育に関しては、本格的に始めてから3年なので、運営の仕方にいろいろな改良が必要でした。
 ここに来て、ようやく運営の仕方が定着してきたところです。

 オンライン少人数クラスの教育は、国語、算数数学、英語などの学校で必要な教科を教えるだけではありません。
 創造的な学習である、作文、創造発表、プログラミングにも力を入れています。

 教科の学習は、よい参考書や問題集をもとにすれば、家庭でひとり勉強を進めることもできます。
 しかし、ひとりではできないこともあります。

 小4から中2にかけては、友達と一緒に勉強する方が、意欲的に取り組むことができ勉強の能率が上がります。
 また、日本人の弱点になりがちな、人前で発表する力も、このオンライン少人数クラスで身につけることができます。

 発表力は、学校の成績とは直接結びつかないので、この価値を気づいていない保護者も多いのですが、これからの総合選抜型の入試では、この発表力が合否を左右する力があります。

 教科の学習と異なり、作文、創造発表、プログラミングなどは、学年に関係なく、ほかの生徒との交流の中で学ぶ方が意欲的に取り組めます。
 ただし、そのためには、同学年同レベルの生徒のクラスが必要になるので、ここが運営の難しいところです。
 しかし、ここに来て、その見通しがついてきました。


 さて、オンライン少人数クラスがなぜ現在の教育問題を解決するかというと、落ちこぼれにしても、吹きこぼれにしても、同学年同レベルの少人数の生徒で少人数クラスを作ることで対応できるからです。
 子供たちの個性によるロングテールは、通学教室ではカバーできません。
 オンラインの教室であれば、ロングテールに対応できます。
 しかし、そのためには、少人数のクラスを維持することが必要です。


 このオンライン少人数クラスの教育を全国的に広げていくことが、今後の日本の教育の課題です。
 言葉の森は、その最先端のリーダーとしてこれからの教育に取り組んでいきたいと思います。

この記事に関するコメント
コメントフォームへ。

同じカテゴリーの記事
同じカテゴリーの記事は、こちらをごらんください。
オンライン教育(0) 言葉の森のビジョン(51) 
コメント1~10件
読解問題の解き Wind
面白かった 10/11
記事 4027番
長文の暗唱のた たろー
この世で一番参考になる 9/30
記事 616番
「桃太郎」を例 匿名
役に立った 8/15
記事 1314番
日本人の対話と 森川林
ヨーロッパの対話は、正反合という弁証法の考え方を前提にしてい 8/6
記事 1226番
日本人の対話と よろしく
日本人は上に都合がよい対話と言う名のいいくるめ、現状維持、そ 8/5
記事 1226番
夢のない子供た 森川林
「宇宙戦艦ヤマトの真実」(豊田有恒)を読んだ。これは面白い。 7/17
記事 5099番
日本人の対話と 森川林
 ディベートは、役に立つと思います。  ただ、相手への共感 7/13
記事 1226番
日本人の対話と RIO
ディベートは方法論なので、それを学ぶ価値はあります。確かに、 7/11
記事 1226番
英語力よりも日 森川林
AIテクノロジーの時代には、英語も、中国語も、つまり外国語の 6/28
記事 5112番
創造発表クラス 森川林
単に、資料を調べて発表するだけの探究学習であれば、AIでもで 6/27
記事 5111番
……次のコメント

掲示板の記事1~10件
現在森リンベス 森川林
このあとの予定。 ・森リンベストを直す(直した) ・森リ 11/20
森川林日記
Re: 入会手 言葉の森事務局
 お世話になっております。  弟さんのみご入会が1週間 11/15
森の掲示板
入会手続きにつ やすひろ
お世話になっております。 個別掲示板を開けませんので、ここ 11/15
森の掲示板
Mr. 1
1 11/14
森の掲示板
Mr. 1
1 11/14
森の掲示板
Mr. 1
1 11/14
森の掲示板
Re: 項目の 1
> いつもありがとうございます。 > > こすほ 11/14
森の掲示板
Re: 項目の 1
> いつもありがとうございます。 > > こすほ 11/14
森の掲示板
Re: 項目の 1
> いつもありがとうございます。 > > こすほ 11/14
森の掲示板
Re: 項目の 1
> いつもありがとうございます。 > > こすほ 11/14
森の掲示板

RSS
RSSフィード

QRコード


小・中・高生の作文
小・中・高生の作文

主な記事リンク
主な記事リンク

通学できる作文教室
森林プロジェクトの
作文教室


リンク集
できた君の算数クラブ
代表プロフィール
Zoomサインイン






小学生、中学生、高校生の作文
小学1年生の作文(9) 小学2年生の作文(38) 小学3年生の作文(22) 小学4年生の作文(55)
小学5年生の作文(100) 小学6年生の作文(281) 中学1年生の作文(174) 中学2年生の作文(100)
中学3年生の作文(71) 高校1年生の作文(68) 高校2年生の作文(30) 高校3年生の作文(8)
手書きの作文と講評はここには掲載していません。続きは「作文の丘から」をごらんください。

主な記事リンク
 言葉の森がこれまでに掲載した主な記事のリンクです。
●小1から始める作文と読書
●本当の国語力は作文でつく
●志望校別の受験作文対策

●作文講師の資格を取るには
●国語の勉強法
●父母の声(1)

●学年別作文読書感想文の書き方
●受験作文コース(言葉の森新聞の記事より)
●国語の勉強法(言葉の森新聞の記事より)

●中学受験作文の解説集
●高校受験作文の解説集
●大学受験作文の解説集

●小1からの作文で親子の対話
●絵で見る言葉の森の勉強
●小学1年生の作文

●読書感想文の書き方
●作文教室 比較のための10の基準
●国語力読解力をつける作文の勉強法

●小1から始める楽しい作文――成績をよくするよりも頭をよくすることが勉強の基本
●中学受験国語対策
●父母の声(2)

●最も大事な子供時代の教育――どこに費用と時間をかけるか
●入試の作文・小論文対策
●父母の声(3)

●公立中高一貫校の作文合格対策
●電話通信だから密度濃い作文指導
●作文通信講座の比較―通学教室より続けやすい言葉の森の作文通信

●子や孫に教えられる作文講師資格
●作文教室、比較のための7つの基準
●国語力は低学年の勉強法で決まる

●言葉の森の作文で全教科の学力も
●帰国子女の日本語学習は作文から
●いろいろな質問に答えて

●大切なのは国語力 小学1年生からスタートできる作文と国語の通信教育
●作文教室言葉の森の批評記事を読んで
●父母の声

●言葉の森のオンライン教育関連記事
●作文の通信教育の教材比較 その1
●作文の勉強は毎週やることで力がつく

●国語力をつけるなら読解と作文の学習で
●中高一貫校の作文試験に対応
●作文の通信教育の教材比較 その2

●200字作文の受験作文対策
●受験作文コースの保護者アンケート
●森リンで10人中9人が作文力アップ

●コロナ休校対応 午前中クラス
●国語読解クラスの無料体験学習