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頭をよくするガンマ型の文章(その1) as/491.html
森川林 2009/05/16 10:24 


 一昨日、外山滋比古氏の本を5冊読みました。いずれもおすすめの本です。

「頭のよい子は『ことば』で育つ」 PHP文庫 571円

「思考の整理学」 ちくま文庫 520円

「ちょっとした勉強のコツ」 PHP文庫 533円

「日本の文章」 講談社学術文庫 880円

「『読み』の整理学」 ちくま文庫 560円

 5冊全部足しても3000円ちょっとです。しかし、内容はその何倍も価値があります。



 これらの本の中で、外山氏は文章を三つの分類に分けて考えています。アルファ型の文章、ベータ型の文章、ガンマ型の文章の三つです。

 アルファ型の文章は、物事と直接結びついている言葉で、例えば家庭の中で、「そこにあるそれをとって」というような言い方の文章です。親子の会話はこういう形になりやすいのですが、こういう文章をいくらたくさん頭の中に入れても、考える力は育ちません。

 家族でニュースなどを見て、時事的な話を、親が自分の体験や感想を盛り込みながら話していくと、それが子供にとってアルファ型を超えたベータ型の文章になります。このような親子の対話が、実は中高一貫高の入試の作文試験などに対するいちばん大きな対策になります。

 一般に、子供との接触の多い母親はアルファ型の会話になりやすく、接触の比較的少ない父親はベータ型の会話になりやすい傾向があります。しかし、父親がベータ型の会話をする機会がない場合は、母親が子供との普段の会話の中で、意識的にベータ型が入るような話をしていくといいと思います。

 ベータ型の言い方の一つが、仮定や想像の話です。「もしそれがこうだったらどうなるだろう」「たぶんそれはこうだったからそうなのではないか」というような話をしていくと、会話の言葉が自然にアルファ型を超えたものになっていきます。

 また、低中学年の場合は、たとえを使って物事を表す練習もアルファ型を超える練習になります。例えば、お母さんが小学校低学年の子と散歩しているとき、目についたものを「まるで何とかみたいだね」というような言い方で表現していきます。お母さんがユニークなたとえを使っているのを聞いているうちに、子供のアルファ型を超えた思考力が育っていきます。

(つづく)

(この文章は、構成図をもとにICレコーダーに録音した原稿を音声入力ソフトでテキスト化し編集したものです)

マインドマップ風構成図

 記事のもととなった構成図のフォーマットです。




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国語が苦手な子へのアドバイス as/490.html
森川林 2009/05/15 09:14 

 今年中学生になった子のお母ささんから、勉強についての相談がありました。中学生になってからの最初のテストで、理科や数学は完璧なのに、国語だけB評価だったというのです。この子は、中学受験のときに学習塾に通っていましたが、やはり国語だけ成績が伸びなかったそうです。相談の内容は、中学受験は終わったが、今後大学入試で国語が足を引っ張るようになる気がするということでした。
 確かにこのままでは、国語は苦手なままでしょう。それだけでなく、大学入試の英語などは国語力がかなり必要とされるので、国語以外の教科もやはり、国語に足を引っ張られる形になると思います。
 そこで、アドバイスを、三つしました。
 第一は、国語の模擬試験などが帰ってきたときに、親が点数にとらわれず、必ず中身を見てその問題を解いてみるということです。実際に親が子供の国語の問題を解いてみると、子供がどこで間違えているのかということがわかります。現実の姿を見ることによって、その後の対策が具体的になります。
 第二は、解き方のコツを知ることです。これは言葉の森のホームページにいろいろな形で載っています。この国語の問題の解き方は、英語の問題の解き方とかなり共通性があります。また、小学生、中学生、高校生いずれにも共通するコツです
 第三にいちばん大事なことは、日本語の文章を何度も繰り返し読むことです。このための教材として最適なのは、やはり入試の問題集です。中学生でしたら、たとえ中学一年生であっても、全国の高校入試の国語の問題集の問題文を読んでいくということです。この際に大事なことは、繰り返し読むことです。繰り返し読むことで、本当の読む力がついてきます。

 読書の仕方で、速読という方法やフォトリーディングという方法があります。これらの方法の利点を一言でいうと、この方法を学ぶことが多読に結びつくということです。速読やフォトリーディングそのものに効果があるというよりも、その方法を使う過程で本を読む機会が増えるというところがいちばん大きな長所になっています。
 なぜかというと、読書量の多い生徒と国語の成績のよい生徒の相関はかなり高いのですが、その読書量の多い子のほとんどは、速読やフォトリーディングという方法を身につけているわけではないからです。大事なことは、読むことであって、読み方ではありません。しかし、読み方を学ぶことによって結果的に読む量が増えるというところに、読み方を学ぶ意義があります。しかし、実は読む「量」よりももっと大事なのが、何を読むかという読む「質」です。例えば、高校生で読書量はあるが、読んでいる本のほとんどが小説だという場合は、国語の成績はあまりよくはないはずです。

 さて、言葉の森での文章の読み方は、二つあります。
 一つは、長文を部分的に暗唱して、その文章を自分のものにすることです。国語の入試問題のうち、特に物語文は、一つの文を一回で深く味わって読むような読み方が要求されます。そのような読み方を身につけるためには、暗唱で一つの文を徹底的に自分のものにしていく必要があります。
 言葉の森で、もう一つ新しい読書の仕方として考えているのが、付箋(ふせん)を利用した再読型の読書です。これについては、また別の機会に具体的な話をしていきたいと思います。
(この文章は、構成図をもとにICレコーダーに録音した原稿を音声入力ソフトでテキスト化し編集したものです)
マインドマップ風構成図
 記事のもととなった構成図です。

(今回はわかりやすく、構成図のフォーマットを使いました)

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