日本水仙
●動画:https://youtu.be/QhQgVqVAlF4
小学4年生までの作文の勉強は、普通に読む力がある子であれば、その読む力に応じて普通に書けます。
あまりに普通に苦もなく書くので、お母さんの中には、「作文の勉強は、もうこれでいいや」と思ってしまう人も多いと思います。
しかし、小学5年生になると、作文の課題は、説明文の感想文中心になります。
すると、そこで、考える感想を書ける子と、小学4年生までの事実中心の作文しか書けない子との差が出てくるのです。
では、小学4年生のころに、小学5年生の課題を先取りすればいいかというと、それは年齢的にできません。
小学5年生は、物事を抽象的、構成的に考えることができますが、小学4年生ではまだそういうことはできないからです。
更に、中学生の課題になると、構成を考えて書く練習になります。
このときに、例えば、意見の裏付けになる理由を書ける子と、理由ではなく実例しか書けない子との差が出てきます。
この差は、抽象的な語彙力を持っているかどうかの差です。
しかし、教える先生は、だからだめだというようなことは言いません。
子供の成長には、時間がかかります。
年齢に応じて読む力をつけていけば、誰でも難しい課題を書く力がついてきます。
そのためには、説明文の読書を中心に読む力をつけていく必要があります。
そして、小学校高学年からの生徒は、自動採点ソフト「森リン」の点数をひとつの指標にしていくといいのです。
小学生までの作文指導しかできないか、中学生、高校生までの作文指導ができるかどうかが、作文の指導力の差になります。
今日、1月9日の朝日小学生新聞に、作文通信教育講座ブンブンどりむが広告を載せていました。
よくがんばっていると思いますが、この作文通信教室の対象は小学生までです。
小学3、4年生までの作文指導は、ある程度誰でもできます。
難しいのは、小学5、6年生になってからの作文指導と、中学生、高校生になってからの作文指導です。
ブンブンどりむの監修者である齋藤孝さんの「
こども文章力」を読むと、作文指導の中心が、小学校低中学年までになっていることがわかります。
この本に例文として載せてある作文も、小学3年生が書いた作文という設定になっています。
だから、このレベルの作文指導法をいくら読んでも、高学年の作文指導はできません。 まして、中学生、高校生の作文指導などは、遠い未来の話になってしまいます。
現在、小学3、4年生で、「もう作文は、大体書けるからいいや」と思っている人は、その先に続く作文の勉強を考えてみてください。
考える力をつける作文は、小学5年生から始まります。
そのため、小学4年生まで一応作文を書けていた生徒が、小学5年生になると急に書けなくなることがあります。
書けなくなるということは、考える力が必要になるということですから、小学5年生以降の作文の勉強をすることで、考える力がつくのです。
私は、人を批判することは好きではありませんが、学校の先生や保護者の方が、作文の勉強とはこういうレベルでいいのだと考えてしまうのは、子供たちの作文の質を低下させると思うので、あえて批判的なことを書かせていただきました。
反論があれば、ぜひどうぞ。
作文の書き方をいくつか見比べてみると、みな、言葉の森の指導方法を参考にしている様子が見受けられますね。初めにこれだけのアイデアを考えて体系化したこと自体が素晴らしいと感じます。
もし可能であれば、教材の一部をアップデートすることで、より効果的な学習ができるのではないでしょうか。
ナデシコ
●動画:https://youtu.be/kodUPfwdf7E
※最初にアップロードした動画は音声が割れていたので、新しく入れ直しました。
2月になると、学習塾の新しい募集が始まります。
小学校3年生、4年生の人は、塾に通うようになることが多いです。
現在の中学受験では、塾で詰め込まないと対応できません。
しかし、小学校低学年から受験を目指した塾に入れるのは、かえって子供の成長にとってマイナスになることが多いです。
ところで、小学校3、4年生から塾に行くようになると、これまでの習い事と、どう両立させるかという問題が出てきます。
結論を言えば、中学、高校まで長く続けられるような習い事ならば、塾が忙しくなっても両立させることがあとで生きてきます。
特に、作文は、現在でも、高校生まで続けている生徒が多いです。
それらの生徒のほとんどは、小学生から作文の勉強を続けてきた生徒です。
確かに、塾に通うようになると、生活時間は忙しくなり、ほかのことをする余裕がなくなります。
しかし、忙しくて大変だと思うのは、最初の数ヶ月の間で、やがて子供も親も、その塾のペースに慣れてきます。
だから、最初の大変な時期を工夫して乗り越えていくことが大事です。
なぜ習い事を続けることが、意味があるかということに関して、参考になる記事がありました。
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勉強ができる子の家庭ほど「塾以外の習い事」を大切にしている意外な理由
(日米で学習塾を経営し25年間で延べ5000名以上のバイリンガルを育成しているTLC for Kids代表の船津徹氏)
https://news.yahoo.co.jp/articles/a73fdfa7e91273c32ebd6125484963723b0347e9
どんな習い事でも、上手になるには長い時間と根気が必要です。試行錯誤を重ねた末、ついに結果を出せて「自分はできる!」という自信がついた――。習い事でこんな経験ができれば、同じように努力と忍耐が必要な受験勉強でも、必ず活かせます。
優秀な子が育つ家庭で習い事を大切にする理由は、子ども時代に勉強と習い事を両立するという困難を乗り越えさせることで、失敗や挫折に屈しない強靭な「メンタルタフネス」、そして、何事にも向上心を持って「やり抜く力」を育むことができるからです。
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実際に、忙しい時期にも、何らかの習い事を続けてきた生徒は、入試でも、最後の踏ん張りがきくことが多いです。
「自分は忙しいときでもやり続けたんだから」という自信がつくからです。
逆に、忙しくなったからやめるということを簡単に決めると、子供は忙しいときや大変なときはやめてもいいのだという感覚を持つようになります。
すると、その後の人生でも、大変だからやめようという発想を簡単にするようになることが多いのです。
だから、目先の合理的な判断でどちらがよいかという基準で決めるのではなく、子供の人間力を成長させるためにどういう選択がいいかという長期的な基準で決めることが大切です。
そういう姿勢は、日常生活のさまざまな面で表れてきます。
それが子供を真の意味で成長させる条件になるのです。
実際に、言葉の森の作文で高校生まで続けている生徒は、たとえ途中は細々ととしか続けられない時期があったとしても、また、途中でやむを得ずやめる時期があったとしても、高校生まで続けたことによって生き方の自信ができているように思います。
では、それぞれの学年の作文で何が大きく変わるかを見てみましょう。
小学1、2年生は、楽しく書く中で、正しく書く力を身につける時期です。
この時期に、毎週作文を書く習慣ができます。
この習慣ができると、多少大変な時期があったとしても、長く勉強を続ける姿勢ができます。
小学3、4年生は、表現豊かに、個性的な作文を書く時期です。
この時期に、小学校時代の記念に残る傑作が生まれます。
実際に、作文の字数が最も長く書けるようになるのは、小学5、6年生ではなく小学4年生です。
小学4年生は、生活作文の完成の時期にあたるのです。
小学5、6年生は、感想文の学習が増えます。
この感想文のもとになる長文は、中学入試の難しい説明文と同じレベルの文章なので、読むだけで読解力がつきます。
また、この難しい説明文をもとに、子供が両親に似た例を取材する機会を作れば、その対話を通して思考力、語彙力が飛躍的に伸びます。
そのためには、保護者が、できれば次の週の感想文の課題に事前に目を通しておき、土日の家族の団欒(だんらん)の時間に、作文の課題についての話をする習慣を作ることをおすすめします。
中学生になると、学校での作文の授業がなくなるところが多いです。
それは、中学生の作文を指導する方法も、そのための時間も、今の中学にはないからです。
中学生の作文になると、小学生まで上手に書けていた子が、急に書けなくなることがあります。
それは、作文の構成の仕方という新しい概念が、最初は理解しにくいからです。
しかし、中学生の3年間で書く作文の書き方を身につけると、それはそのまま大学入試の小論文を書く力になります。
大学入試の小論文は、すべて中学生の作文の構成の仕方で書くことができます。
ただ、中学生は学校のテストや部活などで、最も忙しくなる時期でもあります。
そこで、時間を有効に使って作文の勉強を続けるために、ChatGPTを利用した作文の勉強の講習会を行うことにしました。
こういう新しい技術を生かして、毎週、難しい文章を読み、考え、書くという練習を続けていくようにしてください。
高校生の作文は、意見文ですが、構成の仕方が高度になります。
また、感想文のもとになる長文も、かなり難しくなります。
高校生の感想文のもとになる長文は、大学入試の現代文の説明文のレベルですから、現代文の読解の練習になります。
この高校生の作文の課題を毎週1200字以上書くと、他の勉強では得られないような思考力、語彙力が身につきます。
これは、大学入試の小論文だけでなく、社会に出てからも役に立つ能力になります。
さて、では、子供が時に弱気になって、「つまらないから作文をやめたい」とか、「忙しいから作文をやめたい」と言ったときは、どう対応したらいいのでしょうか。
そういうときこそ、お母さんやお父さんは、自信を持って、「作文だけは大事な勉強だから続けるんだよ」と言えばいいのです。
そのひとことで、ほとんどの子供は納得して勉強を続けるようになります。