ノースポール
言葉の森では、これから、自習室の利用を進めていきます。
先日、Sさん(小6)から、ホームページの記事へのコメントがありました。
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いつもありがとうございます。
私はよく自習室を利用していますが、利用することで緊張感が高まり、はかどります。とても嬉しいです。
ですが、利用者があまりにすくないので、私ひとりということがあり、もったいないです。せっかくなので、他の人がいたほうが頑張ろうと思えます。
とってもわがままですが、上級生に、わからないことを質問などをしたいです。ぐぐるよりもいいと思います。わがままですが。
自習室感謝してます!
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ということです。
勉強は、家庭でするのが、時間もかからないし自由にできるので、最も能率がいいのですが、難点は、いざ勉強を開始しようとするときの気持ちのきっかけがつかめないことです。
オンラインクラスの授業の中では、勉強することのほとんどは、普段の家庭学習の結果の発表です。
だから、授業に出ること以上に、家庭学習を毎日しっかり続けておくことが大切です。
作文だったら、毎日読書をして、その週の課題を考えて、お父さんやお母さんに取材したり、ネットの情報を調べたりすることが勉強の中身です。
それを、授業の中で作文として書くのです。
国語読解の勉強だったら、毎日問題集読書を説明文読書(高学年の場合)を行い、読解検定を受け、毎週2問読検の解説を書く、というのが勉強の中身です。
また、長文をもとに短歌作りをすることもあります。
それを授業の中で、みんなの前で発表し、先生にチェックしてもらうのです。
算数数学の勉強も同じです。
毎日、問題集を1ページ解き、間違えていたところは解法を見て理解しておくことと、月に1回確認テストをやることが勉強の中身です。
また、オリジナルな問題作成をすることもあります。
それを授業の中で、みんなの前で発表し、先生にチェックしてもらうのです。
英語の勉強も同じです。
毎日、英文の暗唱をし、問題集を1ページ解き、答えを理解しておくことと、毎月の確認テストを解いておくことが勉強の中身です。
また、Google翻訳やChatGPTを使って、自由英作文をすることもあります。
基礎学力クラスも、総合学力クラスも同様です。
基礎学力クラスの場合は、月に1回暗唱のチェックをするので、毎日家庭で暗唱の練習を10分しておくといいのです。
しかし、家庭学習は、家庭の管轄になるので、やる子もやらない子もいます。
授業をいくら真面目に出ていても、家庭学習をしていなければ、実力はつきません。
ほとんどの子は、学校やじゅくから出された宿題をやることが家庭学習になっています。
しかし、宿題をこなすような勉強だけでは実力はつきません。
毎日、自分で決めた勉強を続けることが大事です。
その中には、毎日読書をすることも含まれます。
そこで活用できるのが自習室です。
この自習室で想定しているのは、主に小5から中2にかけての生徒です。
それは、小5から勉強が難しくなることと、中2まではなかなかひとりで勉強する自覚がわかない時期だからです。
もちろん、何年生の生徒でも自習室に参加できます。
しかし、小4までは読書を中心に家庭学習をしていれば十分ですし、中3以降は、自分ひとりでも勉強が進められるので、特に自習室を利用しなくても勉強ができると思います。
自習室は、言葉の森と家庭との連携でやっていくものです。
例として、家庭学習の中でも続けにくい暗唱の練習を例に挙げます。
次のような勉強は、家庭では続けにくいものです。
小学123年生の基礎学力クラスの暗唱や、小学456年生の総合学力クラスの英文暗唱や、英語クラスの英文暗唱や、作文クラスの長文音読や、国語読解クラスの問題集読書などは、家庭学習として続けにくい勉強です。
それは、なぜかというと、問題集を解くような形が残る勉強の仕方ではないので、張り合いがわかないからです。
また、暗唱や問題集読書は、学校や塾ではまず行われない形の勉強です。
だから、なかなか家庭学習として取り組めないのです。
そこで、家庭で子供に、「毎日○時になったら、自習室に入って、10分間暗唱の練習をすること」と決めます。
読書の進まない子だったら、「毎日○時になった、自習室で読書を30分すること」と決めてもいいと思います。
自習室には、カメラオン、マイクオフで入ります。
カメラは、外付けカメラとカメラアームで机上に向けておくのがいいと思います。
自習室に入ると、みんながそれぞれに勉強している様子が見えるので、自然に勉強を始めるきっかけが作れます。
勉強は、30分続けたら10分休むというふうに、時々リフレッシュしながらやったいきましょう。
10分以内の休憩は、自習時間に含みます。
知っている友達がいて、少し話をしたいときは、ブレークアウトルームに行き、お喋りをしてもいいことにします。
お喋りの時間は10分以内です。
このお喋りのような時間をなぜ認めるかというと、人間は、知識だけでなく他の人間や自然との関わりの中で成長するからです。
京都大学の前総長の山極さんも、教育における共感力の必要性を述べています。
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「共感力」―ゴリラ研究の第一人者山極壽一氏から見た、いま教育に必要なものとは?
https://manabi-with.shopro.co.jp/manabico/2309/
現代の子どもたちは、知識は人や本から得るものではなく、インターネットの中にあると思い込んでいる節があります。ですが、そこにあるのは既存の知識。
一方で人から学べるのは、人間の外に出せなかった知恵や体験、まだ文字化されていない、未来につながる能力です。そういうことを、実践しながら身体で学ぶということをしないといけない。
身体を共鳴させながら学ぶということ、共感力をつかった学びの場をいたるところに作るということが大切なのです。
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これに関連して、オンラインクラスの授業の始まる前のちょっとした時間は、マイクをオンにして自由に友達どうしでお喋りをしてもいいことにします。
ちょうど、学校で、授業が始まる前に、みんなでお喋りをするのと同じです。
また、オンラインクラスの授業のあと、お喋りの続きをしたい場合は、自習室に入り直し、ブレークアウトルームでお喋りをしてもいいです。
これも、時間は10分以内とします。
自習室のメインルームは、静かに勉強する場、ブレークアウトルームは、自由にお喋りもできる場とします。
ブレークアウトルームは10か所作りますから、そのどこに参加してもいいです。
さて、家庭でお母さんやお父さんが、「子供がどんなことを自習したか」ということを見る場合は、
自習室の自習記録を参考にできます。
名前のところをクリックすると、本人だけの自習記録が、学年のところをクリックすると、その学年の自習の記録が表示されます。
「自習がどのくらい進んでいるか」ということを見る場合は、自習グラフを参考にしてください。
毎月の自習時間と、1日平均あたりの自習時間がグラフとして表示されます。
ブレークアウトルームのお喋りは、勉強のアドバイスとしても活用することもできます。
例えば、自分がわからないことや相談したいことがあった場合、メインルームのチャットで、「○年生の算数の○○という問題がわからないけど、教えてくれる人いますか。いたら手を挙げて、ブレークアウトルーム○番に来てください」という感じで呼びかけることもできます。
ただし、問題のほとんどは、解法をよく読めばわかるものですから、あまり人を頼りにしないことも大事です。
今後、家庭で、子供とお母さんお父さんが相談して、家庭学習の予定を決めやすいように、自習予定のフォームも、今後作る予定です。
パンジーとガーデンシクラメン
●動画:https://www.youtube.com/watch?v=2aQMZO-hHVQ
私は、過去を振り返らないことにしているので、言葉の森を何年も前からやっていたということはあまり言いません。
そんなことを自慢しても意味がないと思っているからです。
昔を懐かしんでも仕方ないので、何十周年記念なども企画したことはありません。
しかし、今回は、言葉の森に参加している人たちの参考までに、昔の話を書くことにしました。
私の学生時代、人気のあった就職先のひとつはマスコミ関係でした。
新聞、出版、テレビなどは、憧れの職業だったのです。
私は学生時代、自治会活動をずっとしていたために、就職活動に遅れ、気がついたときに残っている就職先はマスコミぐらいしかありませんでした。
マスコミの就職試験では、一般常識問題と作文試験問題があります。
一般常識をつけるために、図書館に行き、新聞の縮刷版を1年間分読みました。
これには、かなり時間がかかりましたが、そのおかげで時事問題はすべてできるようになりました。
作文試験対策については、毎日、すいている喫茶店に入り、自分の決めたテーマで1200字の作文を書くことにしました。
書き終えるまで店を出ないと決めていたので、勉強は能率よく進みました。
そのときに、自分の書いた文章に使われている漢字を、すべて辞書で調べ直したので、漢字の書き間違いはなくなりました。
実は、小学生時代は遊んでばかりいたので、小学456年生で習ったはずの漢字で、間違えて覚えているものがかなりありました。
誤字がほとんどなくなるまで、ほぼ1年かかりました。
K出版社、A新聞社などを受けましたが、受験したA新聞社は、筆記試験が10倍、面接が10倍でした。
K社もA社も、筆記試験は楽に受かりましたが、面接で落とされました。
今考えれば、常識があまりなかったので、面接で落とされたのは仕方ないと思っています(笑)。
それまで試験で落とされたことがなかったので、かなりショックでしたが、すぐに立ち直り、マスコミに変わるものとして、教育を志そうと思ったのです。
それは、就職の動機が、言葉の力で世の中をよりよくしたいということだったからです。
そして、最初に始めたのが、マスコミ受験を目指す大学4年生を対象にした作文教室でした。
そのときに出した広告で、「のびのび文章教室」という名前を使ったのが、広告に載った日本で最初の作文教室の名前です。
これは、私が25歳ごろの話です。
生徒の大学4年生の中には、浪人している人もいたので、私と2、3歳しか年が違いません。
その人たちに、受講料を取って作文指導をしていたのですから、自分でもかなり自信があったのだと思います。
幸い、大手の出版社に合格した人もいました。
そのあと、作文教育の可能性を感じたので、小学生からの作文教室を本格的に始めることにしました。
しかし、小学生や中学生に教える作文教育の方法論は、当時もほとんどありませんでしたから、指導法はすべてオリジナルに作っていきました。
その中に、作文の自動採点ソフト「森リン(もりりん)」の開発もあります。
これは、特許を取得し、今でも子供たちの作文評価のひとつとして使っています。
機械による評価と人間による評価は、かなり相関が高いです。
人間が、2つの作文を見比べて、漠然と「こっちの作文の方が上手に思えるなあ。その理由はわからないけど」と思ったとき、森リンではそれが数値の差として出てきます。
もちろん、誤差はあるので、最終的な判断には人間が必要ですが。
しかし、将来、作文評価は、AI評価になります。
その方法は、かなり簡単です。
小1から高3までの子供たちの作文を大量にデータベースに読み込ませておけば、ある作文を評価するときに、その作文が何年生ぐらいのレベルに相当するかAIが判断できるようになるからです。
現在、OCR機能が発達しているので、将来は、手書きの作文をAIが評価する作文試験というものが行われるようになると思います。
受験生が、試験会場でパソコンのような端末を使えれば、機械による自動採点の作文試験は今でもできます。
作文教育の重要性が言われながらも、作文試験が普及していなかったのは、人間による評価に時間がかかっていたためです。
機械による自動採点ができれば、作文試験はもっと広がります。
将来、試験の中心は、作文と面接の2つになると思います。
ところで、話は変わりますが、今日の朝日小学生新聞に、小学生向け作文通信教育講座のブンブンどりむが広告を載せていました。
毎週2回のペースで、広告を出しているようです。
そのブンブンどりむは、31年の実績ということです。
ブンブンどりむの監修をしている齋藤孝さんが3年前に出版された「こども文章力」を見ると、小学校低学年向けの穴埋め作文の方法が載っています。
言葉の森の作文指導法とは、かなり違うと思います。
作文小論文試験の新しい評価の仕方は、AIによる評価です。小1から高3までの生徒の作文を大量に読み込ませておき、その作文が、何年生の何月ぐらいの作文のレベルかを評価させればいいのです。暇になったら作ろうかなあ(笑)。