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「ほめて伸ばす作文添削」で、伸びるのは小学校低学年まで。学年が上がれば、事前指導をもとにした褒め方が必要になる。「何でもいいから褒める」のではなく、「○○ができたから褒める」という指導の方向性が大事 as/4941.html
森川林 2024/01/22 05:05 

白梅



 作文指導で大事なことは、「ほめて伸ばす」ことです。
 文章を書くのが得意な先生や保護者が、子供の作文指導をすると、最初はほとんどの人が、「ここは、もっとこうしたらいい」とアドバイスをしてしまいます。

 子供は、自分なりにがんばって時間をかけて書いた作文に、そういうアドバイスをされると、「自分の書いた作文はダメだったんだ」と思います。
 ここが、教える人と教わる人との感覚の違いです。

 そうして、アドバイスをされ続けて、やがて子供は作文が苦手になるのです。
 文章を書くのが得意なお母さんや、作文指導が得意な先生に教わると、多くの子が作文嫌いになるのはそのためです。

 では、どうしたら作文が上手になるかというと、その方法は三つあります。

 第一は、書き続けることです。
 長い間、作文を書き続けていれば、時間はかかっても、誰でも少しずつ上達します。
 早く上手にさせようと指導して、子供が作文を書くのをやめてしまっては元も子もありません。
 だから、褒める指導が大切なのです。

 第二は、読書に力を入れることです。
 書く力のもとになっているものは、読む力です。
 例えば、会話の改行のある本をまだあまり読んでない小学1年生に「会話の改行」のルールを教えるとしたら、それだけで1年近くかかることもあります。

 常体と敬体の区別がなかなかできない生徒は、常体で書かれている本をあまり読んでいません。
 小学校の教科書は、小4までは敬体中心で書かれていますが、小5からは常体で書かれている文章の方が多くなります。
 考える文章は、一般に常体で書かれています。
 そういう文章を読む経験の少ない子は、常体と敬体の区別がつきにくいのです。

 作文の体験学習のとき、小学校低中学年でも最初から常体で作文を書く子がいる一方、中学生や高校生でも、最初は敬体で書く子がいます。
 これは、その子の作文以前の読書のレベルを反映しています。
 作文を書く力のもとになっているものは、本を読む力なのです。

 第三は、作文の事前指導です。
 実は、これが、最も大事です。
 例えば、「たとえを使って書こう」とか、「身近な人に取材して、話を立体的にしよう」とか、「結びの思ったことは、自分らしく長く書こう」とか言えば、子供はその方向で努力します。
 それは、指導の内容が具体的だからです。

 子供が、褒められて嬉しいのは、自分の努力が認められたときです。
 ただ単に褒められたから嬉しいのではありません。
 褒めることの基本は、事前指導とセットになっていることです。

 作文の通信添削の弱点は、ほとんどの場合、指導する人と添削する人が別の人であることです。
 すると、添削する人は、事前指導なしに褒めることしかできません。
 子供は、自分の努力に基づかない褒め方をされると、最初はうれしく思うものの、やがて褒められることに飽きてきます。
 だから、事前指導なしの褒めることが通用するのは、小学校低学年までなのです。


 話は変わって、今日の朝日小学生新聞に、作文通信教育講座のブンブンどりむが、カラーの広告を載せていました。

 この広告でも、「ほめて伸ばす作文添削」となっています。
 確かに、これは、「直して伸ばす作文添削」よりも、ずっといい方法です。
 しかし、大事なのは、褒める前提としての事前指導があるかどうかということです。

 ブンブンどりむの監修者である齋藤孝さんの「こども文章力」という本は、斉藤さんの作文教育の最新の到達点だと思います。
 しかし、この本の中身は、穴埋め作文の解説です。
 穴埋め作文は、作文の事前指導とは違います。
 これは、斉藤さんが、小中学生の作文指導というものをしたことがないからです。
 少なくとも、一人の子の作文を数年にわたって教えた経験はないと思います。
 ▽参考記事
https://www.mori7.com/as/4864.html

 言葉の森の作文指導とは、小1から高3までの継続する指導です。
 事前指導があるから、長期間の指導ができます。
 同じような「褒めて伸ばす○○」とは言っても、中身は全然違うのです。

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自習室の利用を進めます。例えば、毎日の暗唱の練習は、自習室に入るかたちでできます。オンラインクラスで授業の始まる前の生徒どうしのお喋りはOK。授業後のお喋りは自習室のブレークアウトルームで10分以内に as/4940.html
森川林 2024/01/21 11:01 

ノースポール

 言葉の森では、これから、自習室の利用を進めていきます。

 先日、Sさん(小6)から、ホームページの記事へのコメントがありました。
====
いつもありがとうございます。
私はよく自習室を利用していますが、利用することで緊張感が高まり、はかどります。とても嬉しいです。
ですが、利用者があまりにすくないので、私ひとりということがあり、もったいないです。せっかくなので、他の人がいたほうが頑張ろうと思えます。
とってもわがままですが、上級生に、わからないことを質問などをしたいです。ぐぐるよりもいいと思います。わがままですが。
自習室感謝してます!
====
ということです。

 勉強は、家庭でするのが、時間もかからないし自由にできるので、最も能率がいいのですが、難点は、いざ勉強を開始しようとするときの気持ちのきっかけがつかめないことです。

 オンラインクラスの授業の中では、勉強することのほとんどは、普段の家庭学習の結果の発表です。
 だから、授業に出ること以上に、家庭学習を毎日しっかり続けておくことが大切です。

 作文だったら、毎日読書をして、その週の課題を考えて、お父さんやお母さんに取材したり、ネットの情報を調べたりすることが勉強の中身です。
 それを、授業の中で作文として書くのです。

 国語読解の勉強だったら、毎日問題集読書を説明文読書(高学年の場合)を行い、読解検定を受け、毎週2問読検の解説を書く、というのが勉強の中身です。
 また、長文をもとに短歌作りをすることもあります。
 それを授業の中で、みんなの前で発表し、先生にチェックしてもらうのです。

 算数数学の勉強も同じです。
 毎日、問題集を1ページ解き、間違えていたところは解法を見て理解しておくことと、月に1回確認テストをやることが勉強の中身です。
 また、オリジナルな問題作成をすることもあります。
 それを授業の中で、みんなの前で発表し、先生にチェックしてもらうのです。

 英語の勉強も同じです。
 毎日、英文の暗唱をし、問題集を1ページ解き、答えを理解しておくことと、毎月の確認テストを解いておくことが勉強の中身です。
 また、Google翻訳やChatGPTを使って、自由英作文をすることもあります。

 基礎学力クラスも、総合学力クラスも同様です。
 基礎学力クラスの場合は、月に1回暗唱のチェックをするので、毎日家庭で暗唱の練習を10分しておくといいのです。

 しかし、家庭学習は、家庭の管轄になるので、やる子もやらない子もいます。
 授業をいくら真面目に出ていても、家庭学習をしていなければ、実力はつきません。

 ほとんどの子は、学校やじゅくから出された宿題をやることが家庭学習になっています。
 しかし、宿題をこなすような勉強だけでは実力はつきません。
 毎日、自分で決めた勉強を続けることが大事です。
 その中には、毎日読書をすることも含まれます。


 そこで活用できるのが自習室です。
 この自習室で想定しているのは、主に小5から中2にかけての生徒です。
 それは、小5から勉強が難しくなることと、中2まではなかなかひとりで勉強する自覚がわかない時期だからです。

 もちろん、何年生の生徒でも自習室に参加できます。
 しかし、小4までは読書を中心に家庭学習をしていれば十分ですし、中3以降は、自分ひとりでも勉強が進められるので、特に自習室を利用しなくても勉強ができると思います。


 自習室は、言葉の森と家庭との連携でやっていくものです。
 例として、家庭学習の中でも続けにくい暗唱の練習を例に挙げます。

 次のような勉強は、家庭では続けにくいものです。
 小学123年生の基礎学力クラスの暗唱や、小学456年生の総合学力クラスの英文暗唱や、英語クラスの英文暗唱や、作文クラスの長文音読や、国語読解クラスの問題集読書などは、家庭学習として続けにくい勉強です。

 それは、なぜかというと、問題集を解くような形が残る勉強の仕方ではないので、張り合いがわかないからです。
 また、暗唱や問題集読書は、学校や塾ではまず行われない形の勉強です。
 だから、なかなか家庭学習として取り組めないのです。


 そこで、家庭で子供に、「毎日○時になったら、自習室に入って、10分間暗唱の練習をすること」と決めます。
 読書の進まない子だったら、「毎日○時になった、自習室で読書を30分すること」と決めてもいいと思います。

 自習室には、カメラオン、マイクオフで入ります。
 カメラは、外付けカメラとカメラアームで机上に向けておくのがいいと思います。

 自習室に入ると、みんながそれぞれに勉強している様子が見えるので、自然に勉強を始めるきっかけが作れます。

 勉強は、30分続けたら10分休むというふうに、時々リフレッシュしながらやったいきましょう。
 10分以内の休憩は、自習時間に含みます。

 知っている友達がいて、少し話をしたいときは、ブレークアウトルームに行き、お喋りをしてもいいことにします。
 お喋りの時間は10分以内です。

 このお喋りのような時間をなぜ認めるかというと、人間は、知識だけでなく他の人間や自然との関わりの中で成長するからです。


 京都大学の前総長の山極さんも、教育における共感力の必要性を述べています。
====
「共感力」―ゴリラ研究の第一人者山極壽一氏から見た、いま教育に必要なものとは?
https://manabi-with.shopro.co.jp/manabico/2309/

 現代の子どもたちは、知識は人や本から得るものではなく、インターネットの中にあると思い込んでいる節があります。ですが、そこにあるのは既存の知識。
 一方で人から学べるのは、人間の外に出せなかった知恵や体験、まだ文字化されていない、未来につながる能力です。そういうことを、実践しながら身体で学ぶということをしないといけない。
 身体を共鳴させながら学ぶということ、共感力をつかった学びの場をいたるところに作るということが大切なのです。
====

 これに関連して、オンラインクラスの授業の始まる前のちょっとした時間は、マイクをオンにして自由に友達どうしでお喋りをしてもいいことにします。
 ちょうど、学校で、授業が始まる前に、みんなでお喋りをするのと同じです。

 また、オンラインクラスの授業のあと、お喋りの続きをしたい場合は、自習室に入り直し、ブレークアウトルームでお喋りをしてもいいです。
 これも、時間は10分以内とします。

 自習室のメインルームは、静かに勉強する場、ブレークアウトルームは、自由にお喋りもできる場とします。
 ブレークアウトルームは10か所作りますから、そのどこに参加してもいいです。


 さて、家庭でお母さんやお父さんが、「子供がどんなことを自習したか」ということを見る場合は、自習室の自習記録を参考にできます。
 名前のところをクリックすると、本人だけの自習記録が、学年のところをクリックすると、その学年の自習の記録が表示されます。

 「自習がどのくらい進んでいるか」ということを見る場合は、自習グラフを参考にしてください。
 毎月の自習時間と、1日平均あたりの自習時間がグラフとして表示されます。


 ブレークアウトルームのお喋りは、勉強のアドバイスとしても活用することもできます。
 例えば、自分がわからないことや相談したいことがあった場合、メインルームのチャットで、「○年生の算数の○○という問題がわからないけど、教えてくれる人いますか。いたら手を挙げて、ブレークアウトルーム○番に来てください」という感じで呼びかけることもできます。

 ただし、問題のほとんどは、解法をよく読めばわかるものですから、あまり人を頼りにしないことも大事です。


 今後、家庭で、子供とお母さんお父さんが相談して、家庭学習の予定を決めやすいように、自習予定のフォームも、今後作る予定です。

この記事に関するコメント
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aekawa 20240124  
自習室はどんどんと進化していきますね!!助かります。ありがとうございます!!

森川林 20240124  
 自習室は、ほぼ24時間開いています。
 ブレークアウトルームは10個あり、友達と話をしたい人はどこのブレークアウトルームにも移動できます(ただし10分いない)。
 それから、時間のところをクリックすると、累計時間のグラフが表示されるようにしました。
 これで、1日の平均勉強時間を確保するようにしていくといいです。

aekawa 20240128  
ブレークアウトルームが表示されないです^^;確認お願いします(⁠・⁠o⁠・⁠;⁠)
ごめんなさいm(__)m

森川林 20240129  
ごめん、ごめん。
うっかりブレークアウトルームの設定を忘れていました。
今日はちゃんとできています。

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