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言葉の森は、オンラインスクールを目指す――勉強の目的は、競争に勝つことではなく、自分らしい個性と創造性を生かして世の中に貢献すること as/4962.html
森川林 2024/02/03 14:02 


 言葉の森は、42年前に、作文教室としてスタートしました。

 私は、そのころ、普通の勉強などはだれでもできると思っていました。
 しかし、作文はひとりではできません。
 しかも作文は人間の思考力、創造力を伸ばします。
 そう考えて、作文教室を始めました。

 しかし、中学や高校や大学の作文小論文の入試こそ増えましたが、作文は、まだ学校の勉強の中心にはなっていません。

 その理由は単純です。
 作文の評価をするのが大変だからです。

 そこで、私は作文を評価する方法として、プログラミングで森リンという自動採点ソフトを作りました。(特許取得)

 しかし、世の中は新しいものを受け入れる余地があまりないので、今、この自動採点ソフトは、言葉の森の生徒の中だけで使っています。
▽森リンベストのページ
https://www.mori7.com/moririn/mori_best.php


 やがて、私は、問題は作文教育が普及しないことにあるのではなく、今の教育そのものに問題があるのだとわかってきました。

 今の教育の問題は、いろいろありますが、その第一が、勉強の目的が子供たちの成長にあるのではなく、受験の合格にあることです。
 受験に合格するためには、どうでもいい知識を詰め込むテクニックが必要です。
 そのために、今の教育のかなりの部分は、子供たちの実力を伸ばすことではなく、受験に高得点を取ることに向けられています。

 第二の問題は、子供たちの成長の中心は家庭であるべきなのに、家庭ではなく学校や塾が勉強の中心になっていることです。
 よく、受験勉強のために、夕飯を一緒にとることができない子供たちが問題になることがありますが、小学生が受験勉強のために夕飯を家族と一緒に取れないということが仕方のないことのように思われていることに問題があるのです。

 第三の問題は、子供たちの成長を、子供たちの人間の成長として見るのではなく、点数の成長として見る見方が普通になっていることです。
 思いやりとか勇気とか個性とか自立心とかいうものは点数になりません。
 点数になるのは、国語が何点、算数が何点、英語が何点という点数です。
 人間の成長に最も大事な人間の成長や文化の成長が忘れられ、点数だけで人間が評価されていることに問題があるのです。

 第四の問題は、競争です。
 人間にとっていちばん大事なものは、個性と創造性です。
 世の中が豊かになるのは、一人ひとりが自分の個性を発揮し、それを創造性にまで高めることによってです。
 しかし、今、大人も子供の、教育のいちばんの関心は競争に勝つことになっています。
 その典型が受験勉強です。
 相手を負かして、自分が勝つということが勉強の目的になっています。
 それをおかしいと思わない精神こそおかしいのですが、だれもがそれをやむを得ないこととして受け入れているように見えます。


 そこで、私は、思ったのです。
 教育そのものを変えない限り、今の歪んだ教育は変えられないということです。

 新しい教育の目的は、思考力、創造力、共感力を育てることです。
 すでに、人類の生産力は、人類全体の消費力を上回っており、人間は食うために働くのではなく、創造のためと喜びのために働くのが当然と思われる時代が来ます。

 今の子供たちは、その新しい時代の準備をしておく必要があります。
 それが、ひとことで言えば、競争の教育から創造の教育への流れなのです。


 言葉の森は、2020年に、作文専科教室から、オンラインスクールという方向へ舵を切りました。
 しかし、それは単に学習塾のような教育をすることではありません。
 もちろん、教科の成績を上げることは必要ですが、それは競争に勝つためではなく、自分らしい創造の土台を作るためです。

 言葉の森は、今、作文クラスのほかに、基礎学力クラス、総合学力クラス、国語読解クラス、算数数学クラス、英語クラス、プログラミングクラス、創造発表クラスを開いています。
 それらを今後、本格的に広げていきます。


 言葉の森には、なぜか優秀な子が多いです。
 クラスで1番とか2番とかいう子もよくいます。
 そういう子供たちが、単に競争に勝つための勉強をするのではなく、自分らしい創造を通して世の中に貢献することを目的とする勉強をしていってほしいと思っています。

この記事に関するコメント
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森川林 20240204  
今、小123年生対象の基礎学力クラスと、小456年生対象の総合学力クラスをやっているが、このあとは、中123年生対象の全科学力クラスを開く予定。1週目国語、2週目数学、3週目英語、4週目理科社会。
中学生の勉強は、これで十分。

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言葉の森の作文指導は、小1から始めて高3まで続けられる。小学生の低学年で終わる作文指導には意味がない。作文の勉強の本質は考えること。考える作文は小5から始まる as/4961.html
森川林 2024/02/03 12:34 


フキノトウ

 言葉の森は、作文教室としてスタートしました。
 42年以上前の話です。
 「31年の実績」などと言っているところとは違います(笑)。

 私自身、学習塾に行ったことはありませんし、うちの子供も塾や予備校に行ったことはありません。
 勉強などは、自分ですればいいと思っていたからです。
 答えのある勉強は、誰に教わらなくてもできるのです。

 しかし、作文は、自分ひとりではできません。
 それは、自分で自分の作文を評価することはできないからです。

 更に、難しいのは、作文はきわめて負担の大きい勉強だということです。
 数学や英語の勉強は、やろうと思えばすぐにできます。
 しかし、作文は、気合を入れないと始められません。
 だから、ひとりで黙々と独学ができるような勉強ではありません。

 作文は、さまざまな勉強の集大成です。
 書く技術だけでなく、読む力も、考える力も必要です。

 だから、言葉の森は、勉強の塾ではなく、作文の専科教室としてスタートしました。
 国語の教室というのは、それなりにニーズがあったのでしょうが、勉強を教えるということは考えもしませんでした。
 今は、希望する人に応じて国語読解クラスを開いていますが、それは4年ほど前からです。

 国語読解クラスを始めて驚いたのは、国語を教える教室というものがほとんどないことでした。
 算数や英語は誰でも教えられます。
 教わらなくても、答えを見れば、ひとりでできます。
 しかし、国語は、教え方がわからない人がほとんどなのです。


 言葉の森が作文教室を始めたあと、かなりあとから、ほかの通信作文教育講座などが始まりました。
 しかし、それらの教室の指導法は、昔ながらの赤ペン添削でした。
 赤ペン添削は、少し文章力のある大人なら誰でもできます。
 低学年の作文添削は、誰でもできるのです。

 だから、学校でも、小学校2、3年生ころまでは作文指導がよくあります。
 しかし、作文力が本当につくのは、小学5年生以降です。

 にもかかわらず、小学校高学年になると、学校の作文指導は少なくなります。
 更に、中学生や高校生になって、作文指導が最も必要な時期になるほど、作文指導はなくなります。

 なぜ学年が上がると作文指導がなくなるかというと、作文指導の理論と方法がないからです。
 言葉の森だけが、日本で唯一小学1年生から高校3年生まで系統的に作文指導ができる教室です。


 小学生対象の作文通信教育講座がありますが、これらの通信講座は、小学3年生ぐらいまでしか作文指導ができません。
 指導の理論や方法がなく、褒める赤ペン添削のようなことだけで教えている教室では、子供が飽きてしまうのです。

 作文の勉強が本当に大事になるのは、小学5年生以降です。
 小学5年生から、考える作文の勉強になるからです。
 小学4年生までの作文は、考える作文のための助走期間に過ぎません。

 しかし、小学5年生から作文の勉強を始めるというのは、子供にとってハードルが高すぎます。
 小学校低学年から作文を書くことに慣れておき、その勢いで小学5年生以降の考える作文につなげていくことが大事なのです。


 作文指導に関する本は、いろいろ出ていますが、どれを読んでも作文の書き方がわかるようなものは見当たりません。

 数年前の本で、齋藤孝さんの「こども文章力」という本がありますが、これは典型的に使えない作文の本です。
 この本で、穴埋め作文をいくら練習しても、作文は書けるようにはなりません。
 これで、齋藤孝さんが、ブンブンどりむという作文通信教育講座の監修をしているというのですから驚きます。


 作文は、作文を書くことで練習しなければ書けるようにはなりません。
 穴埋め作文の練習をいくらしても、それは穴埋めの文が書けるようになるだけです。
 こういう穴埋め作文の方法しか知らないのは、実際に子供たちに作文を教えた経験がないからです。
 これで、「31年の実績」をうたっているとしたら、31年間何を教えていたのかわかりません。


 と、少し厳しいことを書きましたが、作文の勉強は最初が肝心です。
 小1や小2の、だれもが指導できるような気がする時期こそ、先まで続く作文の勉強をしておく必要があるのです。

この記事に関するコメント
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森川林 20240203  
私は、人を批判するのは好きではありません。
大事なことは、批判ではなく創造だからです。
まして、レベルの低い人は批判するのは、何も意味がないと思っています。
しかし、大量の宣伝広告を見て勘違いしてしまう人がいるのは問題だと思い、あえて簡単な批判を書くことにしました。


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