毎日小学生新聞2024年2月9日号
毎日小学生新聞に、「クレオパトラの真珠」という話が載っていました。
この話の後半に、「サザエの殻を、食酢の中に入れて2晩つけておくと表面が溶けて柔らかくなりブラシでこすると真珠の光沢が表れた」と書いてあります。
YouTubeで見てみると、サザエやアワビでそういう実験をしている人が何人もいます。
手軽にできる実験なので、家庭でやってみると面白いと思います。
ただし、ちょっと時間がかかります。
こういう実験から、創造と学問へと進むのが、創造発表の勉強の大事なところです。
「お酢と貝殻がどういう化学反応をするのか」とか、「真珠の養殖を始めた御木本幸吉の生涯を調べてみよう」とか、学問的なことも併せて調べてみるのです。
実際の実験に裏付けられた知識は、生きた知識として定着します。
そして更に、手順どおりの実験をするだけでなく、自分で手順にはないことを創造的にやってみるのです。
しかし、創造的にやることは、大体失敗します(笑)。
大事なのは、結果ではなく、やってみようと試みることです。
創造発表の勉強のテーマは、「興味関心を学問に、学問を創造に」です。
自分の興味関心が最初の出発点です。
日本のロケットの父と言われる糸川英夫氏は、子供のころ、ベーゴマの戦いに勝つためには、ベーゴマを重くすれば勝てると思いつきました。
そこで、夜、両親が寝静まるのを見計らって、ひとりでそっと起き、ベーゴマに溶かした鉛を盛り込みました。
そのベーゴマは、その地域最強のベーゴマになったそうです(笑)。
(この話は、「私の履歴書」(日本経済新聞社)に書かれていると思ったのですが、探したらありませんでした。別の本だと思います。)
こういう創造性が、その後、戦闘機隼の改良やペンシルロケットの開発を生み出すことにつながったのです。
与えられた知識を覚えて、テストでいい点数を取るだけの勉強ではなく、与えられていないことを自分で見つけて、試行錯誤で創造を試みるということを、これからの子供たちはどんどんやっていくといいと思います。