舞岡の白梅
昨年2023年の夏休みに、中学生の生徒対象に、国語読解+ディスカッションの夏期講習を行いました。
テーマとしたものは、国語問題集に載っている説明文の文章です。
高校入試レベルの文章なので、抽象的な話題がかなりあります。
その文章について、ひとりずつ自分の考えを言ってもらうのですが、もとの文章をそのまま要約したような意見を言う生徒と、自分なりの体験を通した意見を言う生徒に、ある程度はっきり分かれました。
どちらも文章を読む力はあるのですが、自分なりの実例と結びつけた意見を言えるかどうかは、考える力の差だと思いました。
要約は、考えなくてもできます。
自分の似た実例は、与えられたテーマを自分なりに咀嚼しなければ出てきません。
これから重要になるのは、勉強ができるかどうかではなく、その勉強を自分なりに消化できるかどうかです。
では、こういう自分なりの考えは、どういうところで育つのでしょうか。
それは、ひとつには、読んでいる本の幅の広さによってです。
もうひとつは、親や友達とそういうテーマについて話をする機会を持つことによってです。
つまり、自分らし読書や対話の経験を通して、自分らしい意見が出てくるのです。
言葉の森の作文の課題は、小学5年生の感想文から、かなり抽象的なものになります。
その課題について、保護者と話ができれば、子供たちの考えは深まります。
考えの深さというものは、学校の勉強の成績にはあまり出てきません。
しかし、社会に出てから本当に必要になるのは、この自分なりに考える力の方です。
自分なりに考える力とは、自分なりに生きる力です。
学校教育の中でも、夏期講習のディスカッションのような授業ができれば、子供たちの考える力はもっと成長します。
しかし、数十人が一斉に授業を受ける今の学校のシステムでは、そのような授業は難しいと思います。
紅梅
進研ゼミの会員数が低下しているようです。
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進研ゼミの“会員離れ”が止まらない…「難関校を目指す塾」と明暗が分かれた理由
https://nikkan-spa.jp/1979262/
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この記事では、「難関校を目指す塾」と明暗が分かれたと書かれていますが、私は、紙ベースの通信教育が、家庭では対応しきれなくなったからだと思います。
通信教育では、子供が自分で勉強を始めなければなりません。
漢字の書き取りや算数の計算練習のような勉強であれば、親に言われればすぐに始めることができます。
小学校低学年のころの国語や算数や英語は、作業的な勉強なので、開始するときにそれほどのエネルギーを必要としません。
しかし、学年が上がるにつれて、考える要素が出てくるので、すぐに始めることがなかなかできなくなります。
作文の勉強は、それ以上に始めることが難しい勉強です。
始めるときの精神的エネルギーがかなり必要なのです。
夏休みの読書感想文の宿題が、最後まで残ってしまうことが多いのはそのためです。
小学1、2年生のころは、紙ベースの作文の通信教育でも、親の言うことを素直に聞いて作文を書き始めることができるかもしれません。
しかし、小学3、4年生になると、親に言われてすぐに始めるということがなかなかできなくなります。
だから、作文の勉強は、通信教育でやるのではなく、ほかの生徒と一緒にやるのがいいのです。
それができるのが、オンライン少人数クラスの作文です。
言葉の森のオンラインクラスでは、みんなで一斉に作文を書き始め、書いている途中で、先生が一人ひとりの個別指導を行います。
だから、未提出ということがありません。
そして、授業の前に一人ひとりの読書紹介があります。
毎週の読書紹介によって、どの子も、本をよく読むようになります。
読書記録のページを見るときに、学年のところをクリックすると、自分と同学年の生徒がどういう本を読んでいるかがわかります。
小学校高学年以上の生徒は、この読書記録を参考に、読む本のレベルを上げていくことができます。
言葉の森の作文の勉強は、幼稚園年長から始めることができます。
まだ字を書けない子であっても、親子作文というかたちで親子合作の作文を書いていくのです。
この親子作文を始めた子は、なぜかみんな作文が好きになります。
作文の勉強で大事なことは、小1や小2から始めた作文を高3まで続ける展望で勉強をしていくことです。
作文教室を選ぶときの基準のひとつは、学年が上がり、中学生や高校生になったときも、その教室で作文の勉強を続けていけるかどうかです。
小学校低中学年で終わる作文の勉強ではなく、その先の展望のある勉強を行っていく必要があるのです。
今日2月24日に、ぶんぶんドリムが、朝日小学生新聞に全面広告を載せていました。
大事なのは、外見ではなく中身です。
子供の作文力を育てるために、何が必要かということを、体験学習を通して判断していってくださるといいと思います。