菜の花
小学4年生までの生活作文(事実文)では、書き出しの工夫と結びの工夫ができます。
高学年や中学生、高校生でも、書き出しの工夫と結びの工夫をすることができます。
書き出しの工夫がなぜ必要かというと、読み手を引き付ける効果があるからです。
YouTubeのタイトルやウェブニュースのタイトルなどを見ると、オーバーな表現が目立ちます。
引用するのが面倒だから、あえて書きませんが(笑)。
作文は、読んでもらう人を想定して書きますから、読み手の入口になる題名と書き出しは意味があるのです。
書き出しの工夫の方法はいくつかあります。
会話の書き出し、情景の書き出し、動作の書き出し、名言の書き出しなどです。
いちばんきれいに書けるのは、情景や動作の書き出しです。
私(森川林)が担当している小4の子の書き出しです。
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ささっと私はキャベツをお肉で巻きます。弟はぐつぐつしているなべの中のじゃがいもがやわらかくなってきたか、フォークでつついています。弟が
「もっとほしい。」
と言ってくれました。
(このあと、料理を作った話が出てきます。)
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もみじを抜こうとしたら、くきは固くて根もしっかりはっていました。公園を通った時に、もみじの木の下で五cmくらいのもみじを見つけました。お母さんが
「さくらは植えきばちで育てるとずっとぼんさいの大きさだよ」
と言っていたので、もみじでもできるかなと思って持って帰ってきました。
(このあと植物の話が続きます。)
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書き出しが直接の情景描写になっているので、読む人はすぐに作文の中身に入ることができます。
この短い情景描写のあとに、「いつ、どこで何がどうした」という説明を入れればいいのです。
書き出しの工夫と対応するのが結びの工夫です。
1200字の作文では、書くのには1時間ぐらいかかりますが、読む人は数分で読みます。
だから、読み手には、最後まで読んでも、最初の書き出しの印象が残っています。
そこで、書き出しの工夫に対応したキーワードが結びにもあると、読み手はなぜか心地よさを感じるのです。
これは、小説などでも同じです。
長い小説で、最初の方のページにさりげなく書いてあった何かが、後半に重要な意味を持つことになったという伏線のあるストーリーを読むと、読み手は、そこに気持ちよさを感じるのです。
しかし、小さくまとまっているものは、面白くありません。
書き出しと結びの間に、途中の広がりがあり、どうなるかわからないように見えながら最後にまとまるというところに快感を感じるということです。
結びの工夫をするためには、感想や意見のあとに、書き出しのキーワードを生かした文を書くことです。
先ほどの引用の書き出しの「もみじ」の作文の結びです。
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今もみじは葉が全部無くて、芽がふくらんできています。もうすぐ春です。
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「もみじ」という言葉がキーワードになって、書き出しとつながっています。
中学生や高校生は、意見文の課題になるので、書き出しや結びの工夫は関係ないと思うかもしれませんが、実はあるのです。
硬い意見文の書き出しに柔らかい情景の書き出しがあり、中身の題材と意見が充実していて、しかも、結びに、書き出しのキーワードに対応した工夫があると、その作文の内容以上に、読み手は、その構成のセンスに感動するのです。
中学生、高校生で、文章力に自信のある人は、そういう書き出しを結びの工夫を作文に生かしていってください。
椿
3月1週は、作文の実力テストです。
■字数
それぞれの学年で、目標の字数まで書けるようにしましょう。
小1は200字、小2は400字、小3は600字、小4は800字、小5は1000字、小6以上中学生高校生は1200字が目標の字数です。
普段、目標の字数まで書けない人も、この実力テストでがんばって長く書くように努力すると、不思議なことに、それがその後のその人の実力になります。
だから、何が何でもがんばって目標の字数まで書くということが大事です。
■項目
それぞれの学年ごとに、作文の中に入れる項目が、★の印で指示されています。
▼項目表
https://www.mori7.com/mine/nae.php
幼長・小1は、
★ はじめに絵をかく(構成)
★ 会話(題材)
★ たとえ、又は、★ □○□○、又は、★ ダジャレ表現(表現)
★ どうしてかというと(主題)
です。
途中の学年は、省略して、
高3は、
★ 予測問題の主題、又は、★ 書き出しの結び(主題)
★ 複数の対策一、かつ、★ 複数の対策二(構成)
★ 読書実例・長文実例(題材)
★ ことわざの加工、又は、★ 自作名言(表現)
です。
「又は」となっているところは、いくつかある項目のうち、どれかが入れてあればよいということです。
■項目マーク
その項目を入れたことがわかるように、印となる項目マークをつけておきましょう。
構成
題材
表現
主題
パソコンで書いている人は、作文の該当する箇所に次の文字列を入れておきましょう。
構成 < <構成> >
(全角の山カッコを2つ続ける。日本語キーボードで「ね」と「る」の位置)
題材 < <題材> >
表現 < <表現> >
主題 < <主題> >