ホトケノザ
野口悠紀雄さんが、ChatGPTと勉強法の記事を書いていました。
ChatGPT「超」勉強法
====
頭のいい人とそうでない人の格差がますます広がっていく…ChatGPTによる「勉強革命」がもたらすもの
https://president.jp/articles/-/79393?page=1
――――
好奇心が満たされるのは楽しいことだ。勉強の楽しさは、まさにこの点にある。それまで知らなかったことや疑問に思っていたこと、あるいは、あやふやにしか理解していなかったことが分かるのは、とても楽しい。
ところが、これまでの勉強は、必ずしも好奇心を満たすものではなかった。教科書によって勉強すべき内容が与えられ、それを理解したり覚えたりすることを強制されるからだ。このため勉強が苦痛になる。
多くの子供たちが、学校の勉強を「つまらない」と感じているが、その理由は、学校で教えられていることが、自分の関心事や好奇心に関係のないことだからだ。だから、興味を持てず、勉強はつまらないもので、辛いものになってしまう。
ところが、ChatGPTを用いれば、勉強が本来楽しいものであることが実感できる。
====
答えのある勉強は、どんなにがんばっても100点しか取れません。
そして、100点を取る人は、たくさんではないにしても何人もいます。
100点を取るということで、自分の個性は発揮することはできません。
個性は、点数を超えたところで発揮するものです。
これは、勉強の成績に限りません。
スポーツの勝敗にしても、音楽のコンクールにしても、優勝したらおしまいです。
そして、1位になるのはたった1人で、のこりの何十人か、何百人かは、その他大勢です(笑)。
もちろん、その過程で、さまざまな努力があったり、成長があったり、出会いがあったり、感動があったりすることは当然ですが、その結果自体に個性が出ることはありません。
大事なことは、結果にも個性を出すことです。
これからは、多様な個性を持つ人が、それぞれに多様な個性を結果として表現する時代になります。
その身近な例が、YouTubeやクックパッドやSNSやブログや5ちゃんねるのような参加型のメディアです。
これからの勉強に必要なのは、従来どおりの基礎学力を積み重ねる勉強だけでなく、自分の個性を生かす勉強です。
しかし、個性を生かすためには、個性を育てる方法と、個性と表現する方法が必要です。
個性を育てるツールとして活用できるのがChatGPTです。
個性表表現するツールとして活用できるのがZOOMの動画レコーディング機能です。
13歳になると、Gmailのメールアドレスが作れます。
プロバイダとの契約によって、年齢に関係なくメールアドレスを作ることはできますが、将来プロバイダを変える可能性を考えると、Gmailなどのクラウド上に自分のメールアドレスを作っておく方がいいと思います。
自分のメールアドレスがあると、ChatGPTのアカウントが取得でき、ZOOMのアカウントも取得できます。
Gmailも、ChatGPTも、ZOOMも、無料です。
ChatGPTが使える勉強は、主に創造発表クラスと作文クラスとプログラミングクラスの勉強です。
勉強のアドバイザーとして利用するのであれば、国語クラス、数学クラス、英語クラスなどでも使えます。
国語、数学、英語などの教科の勉強は、点数という目標が勉強の動機になりますが、創造発表や作文やプログラミングは、発表するのが勉強の重要な要素になります。
創造的な勉強は、発表し合うことが動機になるのです。
発表するためのツールとして使えるのが、ZOOMのレコーディング機能です。
ZOOMで録画した数分の動画を発表室にアップロードすれば、それが客観的な目に見える発表作品となります。
自分で発表するのですから、あとで削除することも編集することもできます。
そこで、突然ですが(笑)、4月から、中学生以上の生徒のみなさんは、できるだけGmailとChatGPTとZOOMのアカウントを作るようにしてください。
もちろん、小学生でも、メールアドレスさえあればChatGPTとZOOMのアカウントは作ることができます。
ChatGPTは、勉強の内容を深めるために使います。
ZOOMは、勉強の結果としての作品を発表するために使います。
それぞれのアカウントの作り方は、ネットで検索すれば出てきます。
ChatGPTにアカウントを作ったあとは、ネットで検索するよりも、ChatGPTに聞くほうがわかりやすいこともあります。
4月から新しい創造的な勉強に取り組んでいきましょう。
→
その1
オオイヌノフグリ(別名星の瞳)
野口悠紀雄さんが、ChatGPTと勉強法の記事を書いていました。
ChatGPT「超」勉強法
====
頭のいい人とそうでない人の格差がますます広がっていく…ChatGPTによる「勉強革命」がもたらすもの
https://president.jp/articles/-/79393?page=1
====
この記事の前半部の話ですが、野口さんの提唱する勉強法はみんなの参考になると思うので、紹介します。
1.基礎から積み上げるのではなく、早めに全体を捉えて、そのあと部分を理解する。
言葉の森の課題の長文からの引用ですが、アインシュタインは、バイオリンの練習が嫌でたまりませんでした。
教える先生が厳しかったからです。
しかし、自己流で自分の好きな曲を弾くことにしてから、どんどん上達しました。
(「アインシュタイン―科学の巨人」より)
基礎からの積み上げは退屈です。
しかし、全体から取り組めば、その過程で基礎も学ぶようになります。
プログラミングクラスは、Scratchなどのビジュアルプログラミングから、JavaScriptなどのコードプログラミングに移るときに、急にハードルが高くなります。
JavaScriptの最初の勉強は、足し算をしたり引き算をしたりループの練習をしたりするだけで退屈なのです。
だから、今度からHTMLで簡単に全体が作れるプログラミングを始めることにしました。
全体ができてから、細部に移っていけばいいという考えです。
これが、HTMLエネルギー運動というものの本質です。
====
「昔のインターネット」の精神を取り戻す、HTMLエネルギー運動
https://www.technologyreview.jp/s/325142/recapturing-early-internet-whimsy-with-html/
====
基礎から積み上げるというのは誰でも考えつくことです。
しかし、それは、山登りで言えば、長いアプローチです。
明るい尾根にたどりつくまでに飽きてしまうことも多いのです。
だから、まず明るい尾根という先の展望に接してみることが大事です。
2.数学の問題は自分で考えて解くのでなく、解き方を暗記して、様々な問題に当てはめればよい。
数学の勉強法に限らず、あらゆる勉強法の基本が、この答えを理解する勉強です。
私(森川林)は、高校生時代、数学の難しい問題をずっと考えながら夜の街を何時間も歩いたことがよくありました。
昔は、それがいい勉強法だと思われていたのです。
しかし、それは、実は、最も能率の悪い勉強法でした^^;。
受験勉強のような答えのある勉強は、すぐに解法を見て理解することが大事だったのです。
人間が本当に考えるべき勉強は、答えのない勉強です。
岡潔さんは、数学の問題を考えるときに、何時間どころではなく、何か月も同じ問題を考えて続けていたそうです。
古くは、釈迦が考えていた問題も、答えのない問題でした。
釈迦は、人間が幸福に生きるためには何が必要かという答えのない問題を考えていたのです。
時間をかけて考えるのは、こういう答えのない問題です。
答えのある問題は、考えるのではなく、答えを理解すればいいのです。
3.何が重要かを把握し、努力をそこに集中すべき。
あらゆることを漠然とやるのではなく、重点を決めてやることです。
受験勉強でいちばん大事なのは、受験する志望校の過去問をまず解いてみることです。
過去問は、答えを見ながら解いていけばいいのです。
しかし、ほとんどの生徒は、過去問を解く勉強を秋の終わりごろになってから始めます。
学習塾や予備校でも、そうさせているところがあります。
私は、作文を教えている高校生に、いつも、過去問を早めにやるようにと言っていました。
しかし、これまで、それを実践した子は、ほぼ0パーセントでした(笑)。
なぜ志望校の過去問が大事かというと、勉強の重点がおのずからわかるようになるからです。
合格するために平均点が70点必要だとすると、80点の科目を90点にするよりも50点の科目を60点にする方がずっと楽です。
同じ10点の差であれば、楽なものから先にやることが作戦になります。
勉強を始める前の作戦が大事なのであって、勉強が一段落した秋になってから過去問をやっても、気休めにしかなりません。
勉強は、中身が大事です。
勉強している外見を気にする必要はありません。
まず自分にとっていちばん大事だと思うところを重点にしていくことです。
その2