チガヤ
子供が本を読んでいれば、お母さんお父さんは安心するかもしれませんが、その本の中身が大事です。
小学校低学年の子で、いつまでも絵本のような本を読んでいる子がいます。
ほのぼのとした内容で、いい本なのですが、それだけで終わっていては、読書力はつきません。
小学校低学年の子は、字の多い本を読む必要があるのです。
小学校高学年や中学生、高校生で、いつまでも物語文の本を読んでいる子がいます。
物語文は、楽しく面白く読めますが、それだけで終わっていては、思考力はつきません。
小学校高学年以上の子は、説明文、意見文の本を読む必要があるのです。
ところが、説明文、意見文の本を読むと、途端に読書量が低下する子がいます。
その理由のひとつは、読む力がついていないからです。
もうひとつは、読み方のコツを知らないからです。
物語文は、ストーリーに引っ張られて最初から最後まで読むことができます。
しかし、説明文、意見文は、ストーリーがないので、途中で読むことに飽きると、そこで止まってしまうことが多いのです。
説明文意見文の読書で大事なことは、面白くないところは飛ばし読みをして、面白いところだけを読むことです。
そして、できるだけ、いいと思ったところに傍線を引いて読むことです。
しかし、漠然と飛ばし読みをすると、どこまで読んだかわからなくなるので、結局最後まで読み切ることができなくなります。
付箋読書という方法は、説明文意見文の本を読むのに役立ちます。
この方法で読めば、複数の本を並行して読むことができます。
また、読みかけでしばらく読まなかった本でも、すぐに再開することができます。
▽「付箋読書の仕方」
https://www.mori7.com/as/1367.html
しかし、私は、いくらこういうことを説明しても、やる子はほとんどいないだろうという気がします。
人間は、習慣をなかなか変えられないからです。
例えば、話は変わりますが、玄関では靴をそろえて脱ぐということや、席を立つときは椅子をしまって立つというようなことは、簡単なように見えますが、定着させるのに子供でも1年近くかかります。
大人は、たぶん、ほぼできません(笑)。
そこで、将来的に考えているのは、読書クラスです。
難読クラスと言ってもいいと思います。
難読検定とセットにする予定です。
そのクラスでは、学年相応の難しい本をばりばり読んで、読んだあと、みんなでディスカッションをするのです。
ただ、そのための読書のリストを作るのに時間がかかるので、スタートは少し先になります。
いい本でも絶版になることがあるので、kindle化された本が中心になります。
そのうち、本のリストを作るための研究会を立ち上げたいと思っています。
オルレア
これは、面白い本なので、小学校高学年から中学生や高校生の子供たちにおすすめです。
もちろん、保護者の方にもおすすめです。
「
空想教室」
私の感想は、「もうこんな本が出てきたんだなあ」ということです。
私は、昔から、ずっと人間の勉強の目的は、独立して自分らしく生きることにあると思ってきました。
ただ、そういうことを言っても理解してくれる人はいないだろうとも思っていました。
しかし、時代は、少しずつ変化しています。
言葉の森は、受験対策もしています。
特に、作文小論文試験では、毎年多くの子が参加し、志望校に合格しています。
しかし、大学入試に合格することは、その先の長い人生を考えたらどうでもいいことです。
確かに、今の会社の就職試験は、大学の名前で学生を評価しています。
だから、いい大学に入っていれば、とりあえず安心です。
しかし、これからは、就職は、人生の到達点ではなくなります。
人間は、一生、自分らしい人生を創造して生きていくのです。
このことは、なるべく若いうちに気づいておくことが大事だと思います。