ムラサキツメクサ
作文が上手に書けるようになるには、まず書く力が必要です。
書く力は、書く練習をすることによってつきます。
だから、毎週、作文を書いていくことが大事です。
書く力がついたあとに、必要なのは、書き方です。
構成の仕方考え、表現の仕方を工夫し、主題を深め、題材を個性的なものにしていくことです。
小学生の場合は、題材の個性に、お父さんやお母さんへの取材が入ります。
似た話を取材すると、その対話の中で、子供の語彙力が伸びます。
語彙力のある子は、感想の部分を長く書くことができます。
語彙力のない子は、感想の部分が、
「とても楽しかったです。これからもやってみたいと思いました。」
のようなパターン化されたもので終わることが多いです。
作文を書く力の土台になるものは、読む力です。
「書くことがない」とか「書けない」とか言う子のほとんどは、本をあまり読んでいません。
読む量が増えれば、自然に書くことが楽になります。
ただし、もし本をよく読んでいるのに作文が苦手という子がいたら、それはそれまでの作文の勉強の仕方が悪かっただけです。
子供が書いた文章に、いろいろな注意をする先生やお母さんがいたということです。
そういう子は、言葉の森で勉強すれば、すぐに作文が得意になります。
学力の基本は、読む力です。
漢字の書き取りや計算の練習や英語の発音などは、学力ではなく、勉強的な作業です。
読む力をつけるためには、絵本や漫画だけでなく、字の多い本を読むことです。
また、物語文とともに説明文意見文の本を読むことです。
読む力のある子は、熱中して本を読みます。
小学生では、人が話しかけても気づかないくらい本を読むことに熱中していることがあります。
そういう子は、何の勉強をしてもすぐにできるようになります。
勉強する力の基本は、読む力なのです。
読む力があっても、国語の成績があまりよくない場合は、国語問題の解き方がわかっていないことが原因です。
言葉の森の読解検定で、×になったところを、お母さんと一緒に考えれば、解き方のコツがわかります。
国語の問題は、センスで解くものではなく、理詰めで解くものです。
しかし、大学入試レベルの国語の問題は、次第に科挙化しています。
それは、入試の国語は、実力を見るための国語ではなく、受験生に点数の差をつけるための国語になっているからです。
国語の実力を評価するためにいちばんいいのは、国語の問題ではなく、作文の問題を出すことです。
しかし、作文は、採点者が評価するのが大変なので普及していません。
国語力を評価するためのもうひとつの方法は、口頭試問です。
しかし、これも、評価が大変なので普及していません。
さて、ここまでが普通の話です。
ここからあとは、予測の話です。
将来は、AI技術によって、作文や口頭試問が、人間の手を借りずに行われるようになります。
人間が評価するのは、最終段階だけになります。
これは、今の段階の技術でもできることです。
しかし、その後は、オンライン教育の普及によって、入試自体がなくなります。
学校の定員がなくなるので、誰でも好きな学校に入れるようになるからです。
勉強は、どこかに合格するために行うものではなく、自分の成長のために行うものになります。
そして、勉強の目的は、社会に出て、自分らしい創造によって社会に貢献することになります。
と、ちょっと先の話を書きましたが、今、子育て中のお母さんお父さんは、目の前の成績だけでなく、こういう先の展望を考えて子供を育てていくといいと思います。
そのための勉強の優先順位は、第一に読書、第二に親子の対話、第三に作文、第四に創造発表、第五にいろいろな体験、第六に国語算数数学英語理科社会になると思います。