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国語読解クラスの勉強は、読書の記録、国語問題集の読んできたところを聞くこと、読解問題の×のところの説明をすること(その1) as/5092.html
森川林 2024/06/07 06:20 

クチナシ 八重咲き



 国語力とは、つまるところ読解力です。
 漢字を書く力とか、文法とか、古文とか漢文とかいう力は、知識の力ですから、国語力の本質とは少し異なります。
 難しい文章を読みこなせて、質問に的確に答えられるというのが国語力です。


 ただし、漢字を読む力は、読解力との相関が高いです。
 漢字を書く力は、漢字の書き取りの勉強をすることによって身につきます。
 しかし、漢字を読む力は、読書力のある子であれば、自然に身につくのです。

 将来、社会人になって必要なのは、漢字を書く力よりも漢字を読む力です。
 書く力は、今は、漢字変換ですぐに出てきます。
 しかし、読む力は、その言葉の意味がわからないということですから、国語力という点ではより重症です。

 試みに、中学生の子に、中学生用の国語問題集の問題文を読ませてみるとわかります。
 ほとんどの子に、漢字の読み間違いがあります。
 それは、そういう漢字のある文章を読んだことがないからです。
 つまり、難しい文章を読んだ経験がないということです。


 昔、「術語集(岩波新書)」という本が、高校生によく読まれていたことがありました。
 術語という言葉の意味は、「学術上、特に定義して使う専門語」です。
 要するに、難しい語彙の解説の本です。

 例えば、その中に「恣意的(しいてき)」という言葉がありました。
 これは、中高生の難しい国語の文章にはよく出てきます。
 しかし、「恣意的」という言葉の読み方も意味もわからないという中学生高校生は多いと思います。
 それでも、そのような語彙のある文章を読んでいると、大体のニュアンスはわかってきます。
 術語として覚えるよりも、文脈として理解することが大事なのです。


 現在、この「術語集」に似ているのは、語彙力の本です。
 検索すると、「語彙力図鑑」とか「語彙力アップ」とかいう本がいろいろ出てきます。

 もちろん、こういう語彙力の本を読むのはいいことです。
 しかし、語彙力の本を読んで、語彙力がつくわけではありません。
 語彙力は、知識として身につけるものではなく、文章を読み、その文脈の中で身につけるものです。


 ことわざなども、「ことわざ辞典」などでの意味は仮の知識です。
 本当のことわざの理解は、日常生活で、お父さんやお母さんが、あるいはおじいちゃんやおばあちゃんが普段の会話の中で使うことわざとして身につきます。

 国語力の根底には、読書と対話があるのです。


 だから、家庭でできることは、子供の読む本に、説明文や意見文の本を取り入れること、親子の対話で高度な話をすることです。

 高度な対話は、小学5年生からの感想文の課題に合わせて、親子で話し合う機会を作れば、自然にできます。
 小学5年生からの作文は、抽象的なテーマが出てくるので、急に難しくなるからです。
 小学5年生以降の作文の勉強は、親子の対話とセットにして進めるといいのです。
 その対話は、子供にとってだけでなく、親にとっても楽しい時間になると思います。
(つづく)

この記事に関するコメント
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森川林 20240607  
 国語力は、知識として身につけるのではなく、国語力を育てる生活の中で身につけるものです。
 国語力は、漢字の書き取りとか、語彙力の本とかではなく、読書と対話の中で自然に身につきます。
 対話については、小学校高学年の作文のテーマに関して、親子で楽しい話をすることが最も効果的です。

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森川林 2024/06/06 03:49 

ナンテンのつぼみ



 学校で行われる国語の問題は、易しいものが多いです。
 難しい面があるのは、国語の問題が先生の趣味で出されている場合があるからです。

 受験の国語は、長文を読ませるものが多くなります。
 学校の国語とは、レベルが違います。

 その受験の国語を解くテクニックというものが紹介されていました。
====
「国語ができない子ども」他の科目も伸び悩む根拠
英語・社会・数学…国語はすべての科目に通じる
https://toyokeizai.net/articles/-/757205?page=7
(読む必要はないです。)
====

 タイトルはいいのですが、中身は、単なる解き方のテクニックです。
 例えば、こういう説明です。
====
選択肢の中に「絶対」「例外なく」「必ず」なんて表現があったら、それは断定的な表現なので、×になることが多いです。
====
 このようなレベルで解ける国語の読解問題というのは、「ちょっと難しい」という程度の国語問題です。
 こういうテクニックを覚えても、国語の力はつきません。


 もうひとつ、こういう記事もありました。
====
【超人気国語講師が教える】子どもの「国語力」をあげるために親がすべきことベスト・1
https://news.yahoo.co.jp/articles/05647ab61955a56a8132aa5dbeefd17973f18114
(これも、読む必要はないです。)
====

 この記事には、こういうことが書いてあります。
====
 ちなみに、「本を読まない子」でも中学受験の国語は突破できます。
 お子さんが読書をしないということで心配される親御さんが多いのですが、中学受験の国語に関しては、「教材」をしっかり勉強すれば充分合格できます。
 中学入試では「1万字を読む力は必要」とされていますが、これはおよそ新聞の1面に相当する文字数です。
 さきほどお伝えした「言葉に触れる環境作り」でこのレベルにまで到達していれば、「中学受験の国語」を戦う土台はあると考えてOKです。
 あとは講師がしっかりテクニックを教えれば結果はついてきます。
 「1万字を読む力」は育むべきですが、「数万字の本を1冊読み切る力」はマストではありません。
 お子さんが読書することはもちろんよいことですが、読書体験を重ねることが国語力アップの最短ルートではないという点は意識したほうがいいでしょう。
====

 この記事を書いている人は、国語力不足に悩んでいるお母さんやお父さんを安心させてあげたいという気持ちで書いていると思うので、いい人だとは思います。


 しかし、私がいつも疑問に思うのは、子供が何のために勉強するのかという原点が、「成績を上げるため」や「受験に合格するため」になっていることです。

 大事なのは、子供が人間として成長することです。
 その途中の過程で、成績を上げることや合格することが目標になります。
 もちろん、受験のときには、それは当然目標になっていいのです。

 しかし、本当に大事な国語力とは、考える力をつけること、感じる心を育てること、表現する力をつけることです。
 これらの国語力が、国語以外の、数学、英語、理科、社会の勉強にも生きてくるのです。

 そのためのいちばんの近道は、読書と対話と作文です。
 そういう近道が遠回りだと思って(変な言い方ですが)、解き方のテクニックを先に考えるのでは、道の行く先が違ってきます。

 解き方のテクニックなどは、ほんの数時間で身につきます。

 私が昔、高校3年生の子供たちに、大学入試共通テストの解き方を説明したときは、数時間の説明で、次の週からほとんどの子が、平均点から満点近くになりました。

 中学3年生の国語が苦手という子に、国語の解き方も教えたときもそうでした。
 その子は、そのうち国語がいちばん得意と言うようになりました。

 しかし、本をあまり読んでいない子は、解き方のテクニックを教えても、ある程度の点数までしか成績が上がりません。
 解き方のコツがわかっても、もともとの読む力がないと、ある段階までしか成績が伸びないのです。

 では、読む力をつけるためには、どうしたらいいかというと、それは難しい説明文や意見文の本をばりばり読むことなのです。

 「読書をしなくても国語の成績は上がる」というのは、少しは上がるかもしれない、ということです。
 こういう安易な記事に惑わされずに、本道の勉強をしていくことが大事です。
 本道の勉強とは、難しい文章をしっかり読むことです。


 もうひとつ、面白い記事がありました。
====
子どもの読解力は家族との会話の中で養われる
https://www.newsweekjapan.jp/stories/world/2024/06/post-104669_3.php
(特に読まなくてもいいです。)
====

 対話と国語力には、幼児期や小学校低中学年の時期には、特に高い相関関係があります。

 小学校低学年の子供たちの作文課題は、自由な題名です。
 小学校中学年の子供たちの作文課題は、身近な事実文です。
 この時期に、その作文の準備として、親子でたっぷり話をするのです。

 その話とは、親の体験談をおもしろおかしく話してあげることです。
 だから、お母さんやお父さんの小学校時代の失敗談などを話してあげるといいのです。

 この親子の対話の中で、子供たちの語彙力と思考力が育っていきます。
 それが、その後、中学生や高校生になってからの子供の読書力につながっていくのです。

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森川林 20240606  
「国語力をつけるために、特に読書をする必要はない」という耳あたりのいいことを言う人がいます。
 その国語力とは、結局、国語の成績を上げたり、受験に受かったりするためだけの国語力です。
 そんな国語力は、社会に出てから、何の役にも立ちません。
 本当の国語力は、難しい本をしっかり読むことでつくのです。

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