ログイン ログアウト 登録
 Onlineスクール言葉の森/公式ホームページ
 
記事 5093番  最新の記事 <前の記事 後の記事> 2024/12/5
デジタル教科書ではなく紙の教科書を。読書も、紙媒体の読書で読む力をつけるのが先 as/5093.html
森川林 2024/06/08 14:51 

ヤマボウシ
(ヤマボウシの名前は、4枚の白い花びらが、白い頭巾をかぶった法師(僧兵)に似ていることに由来する。 ●近縁種にアメリカヤマボウシ(ハナミズキ)があるが、これはは耐寒性が弱く、北海道ではほとんど使われていない。)



 紙の本と電子の本とどちらがいいかという記事がありました。
====
本を読むなら「紙」と「電子」、どっちが正解?
https://diamond.jp/articles/-/345052

……「内容を深く読み込む力については、電子よりも紙媒体の方が身につけやすい」といった見解がでてきます。
 したがって、「幼少期の絵本の読み聞かせなどは、デジタル媒体ではなく紙媒体でやった方が良い」とも書かれていて、実際にわが家でもこうした知見に基づいた子育てを実践してきました。
====

 言葉の森では、国語や数学や英語の問題集は、紙媒体で渡しています。
 デジタル化することはできますが、勉強は、紙媒体ですることが大事だと思っているからです。


 かつて、デジタル教科書という構想がありました。今でもあるかもしれませんが。
 これは、子供の勉強の仕方をよく知らない人の発案です。

 大人は、デジタルでもいいのです。
 しかし、それは、紙媒体で身につけた読書の蓄積があるからです。
 子供は、最初は紙媒体で読書を身につける必要があるのです。


 もちろん、単に知識や情報として読むだけのものであれば、紙媒体でも電子媒体でも変わりません。
 しかし、ずっと読み続けたい本や、教科書や参考書や問題集は、デジタルではなく、紙で読む必要があります。


 例えば、「はてしない物語」の本は、作者のミヒャエル・エンデが、挿絵にこだわりを持っていました。
====
wikipediaより
 父親が著名な画家だったエンデは自身も絵を描いており、本の装丁にもこだわりを持っていた。17年にわたりエンデの編集者を務めたローマン・ホッケは「エンデは、この本を『魔法の本』と言っていました。だから装丁も、中に独立した世界があるような、特別なものでなければならない、と」と語っており、出版された本はその言葉通り表紙に二匹の蛇が描かれた布張りの本として装丁され、物語に入り込む入り口としての装置となった。読者は自身が手にした本が、作中でバスチアンが読んでいるものと同じものであると悟り、主人公と一体化していくのである。
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%81%AF%E3%81%A6%E3%81%97%E3%81%AA%E3%81%84%E7%89%A9%E8%AA%9E
====

 教科書や参考書や問題集は、1回だけ読むものではなく、何度も繰り返し読むものです。
 何度も読むものは、読み返すときに、「あの話は、たぶんあの辺のページのあそこら辺に書いてあったなあ」という感覚で読み返すことができます。

 これがタンジブル(触れることできる)ということです。
 機械が情報を読み取るときは、情報をそのままコピーするので、タンジブルである必要はありません。
 しかし、身体を持つ人間が情報を読み取るときは、その情報の媒体にタンジブルに接する必要があります。

 大人の場合は、デジタルでもかまいません。
 しかし、子供の場合は、本はデジタルではなく、手で触れることのできる本として読んでいく方がいいのです。
 だから、教科書や参考書や問題集も、もちろん紙媒体である必要があるのです。

この記事に関するコメント
コメントフォームへ。

森川林 20240608  
デジタル教科書という考えがありますが、教科書とか自分の好きな本とかいうものは、デジタルな情報ではなく、触れることのできる(タンジブル)ものである必要があります。
ミヒャエル・エンデの「はてしない物語」は、昔はいい本だったのですが、その後、岩波少年文庫に収録されてから、安価で手に入りやすくなった分、情報中心の本になってしまった気がするなあ。


同じカテゴリーの記事
同じカテゴリーの記事は、こちらをごらんください。
教育論文化論(255) 勉強の仕方(119) 

記事 5092番  最新の記事 <前の記事 後の記事> 2024/12/5
国語読解クラスの勉強は、読書の記録、国語問題集の読んできたところを聞くこと、読解問題の×のところの説明をすること(その1) as/5092.html
森川林 2024/06/07 06:20 

クチナシ 八重咲き



 国語力とは、つまるところ読解力です。
 漢字を書く力とか、文法とか、古文とか漢文とかいう力は、知識の力ですから、国語力の本質とは少し異なります。
 難しい文章を読みこなせて、質問に的確に答えられるというのが国語力です。


 ただし、漢字を読む力は、読解力との相関が高いです。
 漢字を書く力は、漢字の書き取りの勉強をすることによって身につきます。
 しかし、漢字を読む力は、読書力のある子であれば、自然に身につくのです。

 将来、社会人になって必要なのは、漢字を書く力よりも漢字を読む力です。
 書く力は、今は、漢字変換ですぐに出てきます。
 しかし、読む力は、その言葉の意味がわからないということですから、国語力という点ではより重症です。

 試みに、中学生の子に、中学生用の国語問題集の問題文を読ませてみるとわかります。
 ほとんどの子に、漢字の読み間違いがあります。
 それは、そういう漢字のある文章を読んだことがないからです。
 つまり、難しい文章を読んだ経験がないということです。


 昔、「術語集(岩波新書)」という本が、高校生によく読まれていたことがありました。
 術語という言葉の意味は、「学術上、特に定義して使う専門語」です。
 要するに、難しい語彙の解説の本です。

 例えば、その中に「恣意的(しいてき)」という言葉がありました。
 これは、中高生の難しい国語の文章にはよく出てきます。
 しかし、「恣意的」という言葉の読み方も意味もわからないという中学生高校生は多いと思います。
 それでも、そのような語彙のある文章を読んでいると、大体のニュアンスはわかってきます。
 術語として覚えるよりも、文脈として理解することが大事なのです。


 現在、この「術語集」に似ているのは、語彙力の本です。
 検索すると、「語彙力図鑑」とか「語彙力アップ」とかいう本がいろいろ出てきます。

 もちろん、こういう語彙力の本を読むのはいいことです。
 しかし、語彙力の本を読んで、語彙力がつくわけではありません。
 語彙力は、知識として身につけるものではなく、文章を読み、その文脈の中で身につけるものです。


 ことわざなども、「ことわざ辞典」などでの意味は仮の知識です。
 本当のことわざの理解は、日常生活で、お父さんやお母さんが、あるいはおじいちゃんやおばあちゃんが普段の会話の中で使うことわざとして身につきます。

 国語力の根底には、読書と対話があるのです。


 だから、家庭でできることは、子供の読む本に、説明文や意見文の本を取り入れること、親子の対話で高度な話をすることです。

 高度な対話は、小学5年生からの感想文の課題に合わせて、親子で話し合う機会を作れば、自然にできます。
 小学5年生からの作文は、抽象的なテーマが出てくるので、急に難しくなるからです。
 小学5年生以降の作文の勉強は、親子の対話とセットにして進めるといいのです。
 その対話は、子供にとってだけでなく、親にとっても楽しい時間になると思います。
(つづく)

この記事に関するコメント
コメントフォームへ。

森川林 20240607  
 国語力は、知識として身につけるのではなく、国語力を育てる生活の中で身につけるものです。
 国語力は、漢字の書き取りとか、語彙力の本とかではなく、読書と対話の中で自然に身につきます。
 対話については、小学校高学年の作文のテーマに関して、親子で楽しい話をすることが最も効果的です。

同じカテゴリーの記事
同じカテゴリーの記事は、こちらをごらんください。
国語力読解力(155) 
コメント51~60件
……前のコメント
低学年の作文の 森川林
低学年の作文でいちばん大事なことは、題材選びです。 その題 3/3
記事 5001番
作文における書 森川林
 作文で大事なのは中身です。  しかし、中身はなかなか進歩 3/2
記事 4999番
これからの新し 森川林
 今はまだ、勉強のゴールは、大学入試になっています。  大 3/1
記事 4996番
上手な作文とそ 森川林
 上手な作文とそうでない作文の差は、語彙力の差です。  そ 2/29
記事 4997番
ChatGPT 森川林
 創造発表の勉強のネックになるのは、個性的なテーマであればあ 2/28
記事 4955番
夏期講習でのデ 森川林
 国語の勉強の方法としていちばんいいのは、ディスカッションで 2/25
記事 4993番
教育論に欠けて 森川林
 ボタンの掛け違いは、最後になるまでわかりません。  最初 2/18
記事 4981番
教育論に欠けて 森川林
 しっかり勉強して、いい学校に入り、成績を上げて、目指す大学 2/18
記事 4981番
創造発表クラス 森川林
創造発表の勉強は、知識的にやるのではなく、実験的にやることが 2/5
記事 4966番
齋藤孝さんへの 森川林
私は、ブンブンどりむのようなレベルの低いものは誰もやらないだ 2/4
記事 4964番
……次のコメント

掲示板の記事1~10件
WinSCPの 森川林
ダウンロードとインストールは、特に問題なく、次々と進めて 12/4
プログラミング掲示板
Re: 標準新 森川林
 これは、確かに難しいけど、何度も解いていると、だんだん感覚 12/2
算数数学掲示板
標準新演習算数 あかそよ
3の1はできました。 2は、答えを見るとなんとか理解できま 11/23
算数数学掲示板
2024年11 森川林
●サーバー移転に伴うトラブル  本当に、いろいろご 11/22
森の掲示板
現在森リンベス 森川林
このあとの予定。 ・森リンベストを直す(直した) ・森リ 11/20
森川林日記
Re: 入会手 言葉の森事務局
 お世話になっております。  弟さんのみご入会が1週間 11/15
森の掲示板
入会手続きにつ やすひろ
お世話になっております。 個別掲示板を開けませんので、ここ 11/15
森の掲示板
Mr. 1
1 11/14
森の掲示板
Mr. 1
1 11/14
森の掲示板
Mr. 1
1 11/14
森の掲示板

RSS
RSSフィード

QRコード


小・中・高生の作文
小・中・高生の作文

主な記事リンク
主な記事リンク

通学できる作文教室
森林プロジェクトの
作文教室


リンク集
できた君の算数クラブ
代表プロフィール
Zoomサインイン






小学生、中学生、高校生の作文
小学1年生の作文(9) 小学2年生の作文(38) 小学3年生の作文(22) 小学4年生の作文(55)
小学5年生の作文(100) 小学6年生の作文(281) 中学1年生の作文(174) 中学2年生の作文(100)
中学3年生の作文(71) 高校1年生の作文(68) 高校2年生の作文(30) 高校3年生の作文(8)
手書きの作文と講評はここには掲載していません。続きは「作文の丘から」をごらんください。

主な記事リンク
 言葉の森がこれまでに掲載した主な記事のリンクです。
●小1から始める作文と読書
●本当の国語力は作文でつく
●志望校別の受験作文対策

●作文講師の資格を取るには
●国語の勉強法
●父母の声(1)

●学年別作文読書感想文の書き方
●受験作文コース(言葉の森新聞の記事より)
●国語の勉強法(言葉の森新聞の記事より)

●中学受験作文の解説集
●高校受験作文の解説集
●大学受験作文の解説集

●小1からの作文で親子の対話
●絵で見る言葉の森の勉強
●小学1年生の作文

●読書感想文の書き方
●作文教室 比較のための10の基準
●国語力読解力をつける作文の勉強法

●小1から始める楽しい作文――成績をよくするよりも頭をよくすることが勉強の基本
●中学受験国語対策
●父母の声(2)

●最も大事な子供時代の教育――どこに費用と時間をかけるか
●入試の作文・小論文対策
●父母の声(3)

●公立中高一貫校の作文合格対策
●電話通信だから密度濃い作文指導
●作文通信講座の比較―通学教室より続けやすい言葉の森の作文通信

●子や孫に教えられる作文講師資格
●作文教室、比較のための7つの基準
●国語力は低学年の勉強法で決まる

●言葉の森の作文で全教科の学力も
●帰国子女の日本語学習は作文から
●いろいろな質問に答えて

●大切なのは国語力 小学1年生からスタートできる作文と国語の通信教育
●作文教室言葉の森の批評記事を読んで
●父母の声

●言葉の森のオンライン教育関連記事
●作文の通信教育の教材比較 その1
●作文の勉強は毎週やることで力がつく

●国語力をつけるなら読解と作文の学習で
●中高一貫校の作文試験に対応
●作文の通信教育の教材比較 その2

●200字作文の受験作文対策
●受験作文コースの保護者アンケート
●森リンで10人中9人が作文力アップ

●コロナ休校対応 午前中クラス
●国語読解クラスの無料体験学習