https://youtu.be/UI1vWI7xQDs
●7月の「森からゆうびん」で学習グラフなどをおくりました
4月から、生徒の学習状況がわかるように学習グラフをつけた「森からゆうびん」を発行しています。
6月は、いったん休んでしまいましたが、7月は先日発送しましたので、もう届いていると思います。
より詳しい情報は、ウェブのページでごらんいただけます。
https://www.mori7.com/gs/
・作文については、字数がほんの少しずつでもいいので、伸びていることが勉強が進んでいる目安になります。
目標は、学年の100倍から200倍が標準です。
例えば、小学4年生であれば400字から800字書くことです。
・森リン点については、小6以上は、
86点56点以上取れればよくできています。
・読解検定については、平均点の60点以上になっていることが目標です。
読解検定は、言葉の森の生徒であれば誰でも受けられるので、機会があれば受検してみてください。(通常550円、国語読解、基礎学力、総合学力クラスの生徒は330円。国語読解、基礎学力、総合学力クラスの生徒はウェブでテストをするだけであれば無料)
読解検定は、大学入試の共通テストと同じ性格の問題ですから、読解検定で高得点が取れれば、大学入試の共通テストでも高得点が取れます。
ただし、読解力をつけるためには、問題の分析以前に、問題集読書をしっかりやって難しい文章を読む力をつけておくことが大事です。
●受験生は、過去問の結果をもとに重点的な学習を
夏休みは、自分で決めた重点科目に集中して取り組むことのできる時期です。
受験生は、すでに過去問をやり終えていると思いますが、もしまだ過去問をやっていないようであれば、夏休みの最初に必ず過去問を仕上げてください。
塾や予備校の先生は、過去問をやれなどということは言いません。
生徒が早めに過去問に取り組むと、一律の授業ができなくなるからです。
過去問は、家庭の責任でやっておくことが大事です。
●作文力はますます重要になる
総合選抜入試が一般化してくると、学力だけでなく、作文力が必要になります。
作文力はすぐにはつきませんから、毎週の練習で書き慣れておくことが大事です。
中学生以上の人は、毎週1200字以上の作文を書くことを目標にしてください。
●中学生以降の作文は、ChatGPTを利用して
13歳になると、Gメールのアカウントが取得できます。
メールアドレスがあると、ChatGPTのアカウントも取得できます。
作文を書くときに、社会実例を増やす必要がある場合など、ChatGPTを使えば、具体的な実例を見つけることができます。
言葉の森の教材には、データ集や名言集やことわざ集がついていますが、これはChatGPTなどの生成AIがなかった時代の名残の教材です。
これからは、自分でいろいろな実例や表現を見つけるようにしてください。
●国語読解の勉強は、読書、問題集読書、読検解説で十分に実力がつく
国語の勉強というと、問題集を解くような勉強を考えがちですが、問題集をいくら解いても力はつきません。
それは、勉強が、「当たった、外れた」というレベルで終始するからです。
国語の問題は、理詰めに解いて満点を取ることを目標にすることです。
そして、理詰めに解く以前の学力として、文章を読む力をつけることが大切です。
したがって、
1.中学生の読書は説明文を中心に毎日50ページを目標に。
小学生は、物語文でいいですが、文章がしっかり書いてある本をやはり50ページ以上を目標に。
2.問題集読書で問題文を毎日1~2編音読し、1冊の問題集を最後まで読んだらまた最初から読み直し、5回読むようにしてください。
3.読解検定の問題の正解を理詰めに分析する練習をしてください。
先日、あるクラスの生徒の話を載せました。
「国語読解クラスで成績急上昇の中学3年生。1年間でみるみる上達。」
https://www.mori7.com/as/5126.html
決められたことをしっかりやれば、誰でも実力がつきます。
これは、算数数学、英語でも同じです。
●創造発表は、これからの学力。
中根が担当している創造発表クラスは、小6から中3までの生徒がいますが、生徒の発表や質問感想を聞いていると、みんな個性的によく考えていると感心します。
学校での勉強は、答えが決まっている勉強なので、答えができるようになったらそれで終わりです。
しかし、本当の勉強は、自分の興味あることを深めていくものです。
こういう個性的な勉強が、これからの総合選抜(旧AO入試)時代の勉強になります。
「創造発表クラスの授業風景(小6と中学生)」
https://www.mori7.com/as/5111.html
●小学4年生までの本当の学力は読書力
小4までの勉強は、やれば誰でもできる基本的な勉強です。
この段階での成績の差は、本質的な差ではありません。
成績よりも重要なのは、読書の力です。
この読書力は、目に見えないように見えますが、読書力があれば、学年が上がるにつれて成績も上がります。
小学1、2年生で、自分から進んで本を読もうとしない場合は、お母さんが読み聞かせをしてください。
耳から入る読書が、目で読む読書の土台になります。
●小学1、2年生は、毎日の暗唱の習慣を
暗唱のよくできる子は、学年が上がるにつれて成績がよくなります。
小学1、2年生は、暗唱力が最もつく時期です。
小学校低学年の時期に、毎日の学習習慣として、朝ご飯の前の暗唱練習を決めておくといいと思います。
小学生時代に暗唱力がついた生徒は、中学生になって英語の教科書の暗唱も楽にできるようになります。
暗唱力は、記憶力だけでなく、読解力、表現力、思考力も伸ばします。
▼暗唱検定で5級の合格をした子が増えています。
https://www.mori7.com/askt/
●これから、個別れんらくなどで、保護者の皆様とのコミュニケーションに力を入れていきます。
保護者の方も、何かありましたら、お気軽に担当の講師や事務局にご連絡ください。
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https://youtu.be/QQbH5hEkOs4
大学入試で、総合選抜の割合が増えています。
総合選抜入試に臨むには、どういう準備が必要かという私なりの考えを書いておきます。
====
【大学受験】総合型選抜の効果を検証…文科省が報告書
https://reseed.resemom.jp/article/2024/04/30/8667.html
面接調査によると、大学が育成したい人材像、選抜したい人材像を明確にデザインし、学ぶ人材の多様性を担保するため「尖った人材」「伸びしろ(本質をとらえる能力)を感じられる人材」などに着目した選抜が展開されていた。入学後も丁寧に資質の深化、醸成に努めた結果、学生や就職先企業などの満足度が高いという事例報告があった。
====
大学側は、自主的、意欲的に学ぶ学生を採用したいと思っています。
そのために必要な基礎学力は、わざわざ入学試験を課すよりも、高校時代の成績を見れば大体わかります。
特によい成績を取る必要はありませんが、全教科バランスよくできていることが大事です。
大学側は、成績で採用を決めるのではなく、成績は学力の参考資料として見るからです。
大学は、入学したあとも、自分なりの問題意識を持って意欲的に学ぶ学生を採用したいと思っています。
そのための基準のひとつは、高校生時代に、どういうことをしてきたかということです。
ところが、高校生の生活は勉強中心ですから、自分らしい個性的な実績を示せるようなことをする余裕はあまりありません。
数学コンクールで入賞したとか、読書感想文コンクールで入賞したとかいうことであれば、これは実績になりますが、そういう実績のある人は限られています。
そこで、ひとつの方法は、クラブ活動の中で、自分の好きな研究を積み重ねることです。
その際のクラブ活動には、学問的な要素があることが必要です。
音楽やスポーツは、熱中して取り組めますが、学問的な要素がないので、総合選抜入試に生かせる経験にはなりません。
音楽やスポーツなどの趣味は、趣味としてやっていけばいいのです。
クラブ活動には、科学部、地学部、生物部、歴史研究会などがあると思います。
こういうところで、自分なりの研究を深め、フィールドワークの実践をすれば、それがそのまま自主的、意欲的な学力の経験になります。
その経験を生かして、コンクールに入賞するなどができれば、それは本人の実力を示す確実な資料となります。
しかし、コンクールなどでなくても、実績を示す方法はあります。
それは、自分の研究結果をもとに、自分のホームページを作ることです。
そのホームページに、YouTubeの動画などを入れ、自分の実績を発表することができれば、それはインパクトのある自己アピールになります。
ちなみに、言葉の森のプログラミングクラスでは、ホームページ作りの授業を行っています。
ロボット作り、ゲームづくりなどは面白い学習ですが、その学習だけで閉じています。
その学習から、コードプログラミングに進むことはできますが、プログラマーになるような方向を目指す人はまずいません。
むしろ、コードプログラミングは、ホームページ作りに生かしていくということが、これからのプログラミング学習の中心になると思います。
さて、話をもとに戻して。
今の大人の世代は、勉強第一の学生生活を過ごしてきた人が多いので、勉強以外のことについては、特にしたいことがないという人もいると思います。
そういう人たちは、社会に出ても仕事第一の人生を送ります。
もちろん、仕事第一の人生は、いいことですが、本当に自分のしたいことがないと、自分らしい人生を歩んだことになりません。
定年になってから自分のしたいことをするという人もいますが、ある程度の蓄積がないことは、心から熱中できない面があります。
では、どうしたらいいかというと、中学、高校生の若い時期から、自分のしたいことをしていくことです。
そのしたいことと学問分野を結びつけていけば、特に意図しなくても、総合選抜時代の準備をしていることになります。
言葉の森は、そういう勉強のきっかけになるものとして、創造発表クラスを開いています。
個性的な興味関心は、自分ひとりでやっているだけではすぐに行き詰まります。
個性的な学力を持続させるには、創造発表クラスのように毎週みんなの前で発表の機会を作ることか、高校のクラブ活動のように自分の好きな分野を友達と一緒に勉強する機会を作るとかの工夫が必要です。
これからの時代は、勉強は普通にできていればよい、そのかわり自分らしい自主的、意欲的なことができるかどうかが大事という新しい学力の時代になります。
これからの子育ても、こういう長期的な展望で考えていくことが大切です。
さて、もう一つ。
総合選抜時代の学力として必要なものは、基礎学力、自主的意欲的な学力のほかに、小論文の学力があります。
言葉の森の小学4年生までの作文は、生活作文ですから、小論文の学力ではありません。
小学5、6年生の作文は、説明文ですから、半分小論文の学力です。
中学生高校生の作文は、意見文ですから、これが小論文の学力です。
小論文を書く力をつけるには、長い時間が必要です。
なぜなら、文章を書くには、読むこと、考えることのほかに、書き慣れることが必要だからです。
今、言葉の森で作文の勉強をしている人たちにとって、いちばん大事なのは、毎週1本の作文を書くことによって、書き慣れる練習を自然にしているということなのです。
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小学1、2年生のころの作文は、誰でも教えられます。
また、今は作文の書き方という本もいろいろ出ています。
そこで、お母さんが教えることがあります。
お母さんが教えると、子供の作文はいったん上手になります。
しかし、しばらくすると、作文が嫌いになってくるのです。
もちろん多くの例外はあります。
しかし、お母さんが教えると嫌いになるというのは、大きな傾向としてあるのです。
その理由は、親はつい教えすぎてしまうからです。
これが、算数の勉強や国語の漢字書き取りの勉強であれば、教えすぎても問題はありません。
勉強そのものがあまり負担のあるものではないからです。
しかし、作文は、子供がそれなりに気合を入れて書くものです。
その書いたものに、あとからアドバイスを受けると、自分が一生懸命にしたことが否定されたように感じるのです。
そういうことを積み重ねているうちに、子供は作文を書くことが嫌いになってきます。
よく、親に、「次、どうやって書くの」と聞く子がいます。
そういう子は、それまで書いたあとに、すぐ注意されてきたので、注意される前に親に聞いておこうと思うようになったのです。
こういうことが続くと、やがて作文を書きたくなくなります。
そのときに、作文を習うということを提案しても、子供は、作文に対する拒否感があるので、なかなかやろうとしません。
だから、小学1、2年生のうちに、作文を習うことがいいのです。
そして、お母さんの役割は、作文を直すことではありません。
作文の題材作りを手伝ってあげることと、子供が作文を書いたあとは褒めることなのです。
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作文クラスと国語読解クラスを受講している中学3年生の生徒です。
中3になってから初めての定期テストで、国語がクラス2位、学力調査で学年3位だったそうです。
中学2年生のときに国語読解クラスに入りましたが、そのころは読解検定で8問中1問も正解にならないことがありました。
1年で、大きく変わったのです。
国語読解クラスで、ほかの生徒の問題の解説を聞いていると、解き方がわかったと言っていました。
その後、どんどん成績を伸ばし、今では満点を取ったり、ミスも1問か2問だったりと、実力が安定していると思っていました。
今回の飛躍的な成績の伸びには、本人も驚いていたようです。
読解検定の解説も上手になり、作文もかなり上達してきました。
国語読解クラスに入るまでは、家でほとんど読書をしなかったそうですが、最近は毎回よい本を上手に紹介してくれます。
思考力と表現力の伸びが著しいです。
これまでの経験では、作文や国語の成績がよくなるときは、他の教科の成績のすべてよくなっていることが多いです。
こういう例は、保護者のみなさんもいろいろ経験があるでしょうから、お名前は匿名でいいので、ぜひお子さんの例を紹介してください。
コメント欄か、個別れんらく板で、又はお電話で、又は担当の先生にお願いします。
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https://youtu.be/YqoYGKnXjXY
言葉の森の作文指導の特徴は、事前指導です。
学校などで行われる作文の授業は、とりあえず生徒に作文を書かせて、そのあとで添削をするというのが通常のやり方です。
書いたあとに添削をするので、生徒は、何のためにどう書いたらいいのかという目標がありません。
とりあえず自由に書いて、そのあとに添削を受けるのです。
これは、数回の授業であればできる方法ですが、毎回、このような事後添削だけの指導では、生徒には作文を書く意欲がなくなります。
褒められる子は、いつも褒められますが、ほかの生徒は、自分がどう書いたら褒められるのかわかりません。
それで、作文指導に熱心な先生に教わるほど、作文嫌いの子が増えるのです。
では、どうしたらいいかというと、子供に、事前の指導をすることです。
例えば、「会話を入れよう」とか、「たとえを使おう」とか、「書き出しを工夫しよう」とか、「書き出しと結びを対応させよう」とかいう指導です。
目標があれば、子供たちはがんばります。
そして、先生は、その目標ができたかどうかだけで生徒の作文を評価すればいいのです。
大人の人は、事前の目標以外のところで、子供の作文を評価しがちです。
「字をもっとていねいに書きなさい」とか、「漢字を使って書きなさい」とかいう評価がそうです。
事前の指導として、そういうことを言うのはいいのですが、事前の指導なしで、事後の評価だけがあると、子供はがっかりします。
だから、作文の指導は、事前指導が基本なのです。
言葉の森は、更に、自動採点ソフト「森リン」による評価があります。
これは、語彙の多様性を中心にした評価で、中学生や高校生は、この評価を基準にして自分の作文力を評価することができます。
▽学年別の森リン大賞
https://www.mori7.com/oka/moririn_seisyo.php
小学生の森リン点は、主に語彙の多様性です。
中学生、高校生の森リン点は、語彙の多様性に加えて思考語彙があることです。
このように文章力のある子供たちは、みんな勉強もよくできます。
将来、社会に出ても立派な仕事をしていくと思います。
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小学1、2年生の子供たちは、親のしていることを模倣しようとします。
この時期は、何事もそのままに吸収する時期です。
暗唱も、小学1、2年生の子供であれば、すぐにできるようになります。
小学3年生以上になると、暗唱は「覚えるもの」という意識ができてくるので、かえって暗唱はしにくくなります。
この小学1、2年生の何でも模倣できる時期に、親が見本を見せることが大事です。
その見本のいちばん大事なものは、読書です。
親が本を読んでいる姿を身近に見る子供たちは、自分も、ああいうふうに本を読む人になりたいと思うのです。
ところが、多くの親は、仕事でくたびれて帰ってくると、スマホを見たり、パソコンでYouTubeを見たりしています。
すると、子供は、自分もそういう人になりたいと思うのです。
大事なことは、習い事をさせたり、宿題のプリントをさせたりすることではなく、家庭の知的な文化を作ることです。
家庭の知的な文化のひとつは、食事のときは、テレビやパソコンやスマホは消すということです。
食事の時間は、家族の対話の時間にするのです。
もうひとつは、読書の時間を作ることです。
例えば、夕飯のあとは、10分間の読書時間とするのです。
そのときは、お父さんも、お母さんも、10分間本を読みます。
本をまだ読めない幼児には、親が読み聞かせをする時間にします。
こういうことができるのは、子供が小学1、2年生の間です。
この時期に、家庭の文化を作るのです。
ただし、お父さんとお母さんで方針が異なる場合もあります。
大人は、自分の習慣を変えられないので、テレビを見ながら食事をする習慣があった人は、それを今更変えることができません。
そこは、ある程度の妥協が必要になります。
お父さんとお母さんが仲よく暮らすことも、家庭の文化だからです。
読書に関する記事がありました。
====
子供を本好きにする3つの柱とは 東大発1万人が読書にハマったメソッド【書評】
https://news.yahoo.co.jp/articles/13f586c3f7e345799467e1cc67e4cc183dcd2d05
2022年に行われた内閣府の調査では、小学生のインターネットの利用時間は1日あたり平均213.7分で、2014年に行われた同調査の83.3分と比べて3倍近く伸びているという。
つまり、本より手軽に楽しめる存在が身近にあることで読書をしなくなるのは現代では自然な流れであり、だからこそ子どもが本の魅力に気づける環境づくり、楽しく読んで読書を習慣化できるようサポートする必要があるという。
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インターネットを見ることが悪いのではありません。
読書をする時間を作ることが大事だということです。
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国語、算数数学、英語なら、答えがあるので、自分で評価することができます。
しかし、作文は、自分で自分の文章を評価することができません。
これまで、体験学習に来た子供たちに、作文が得意かどうかを聞いてみると、共通する傾向がありました。
「作文が嫌い」というのは普通に書ける子です。
「作文は普通」というのは、よく書ける子です。
「作文は好き」というのは、あまり書けない子でした。
作文力は、自己評価はできないのです。
答えのある勉強であれば、解答を見て自己評価ができます。
答えのない勉強は、他人に見てもらわなければ自分の実力がわかりません。
東洋経済オンラインに、わかりやすい記事がありました。
====
高3までに得たい「文章力」磨くための重要なコツ
「総合型選抜」「公募推薦」で難関大学目指すなら
https://toyokeizai.net/articles/-/662595
「なーんだ、そんなことは学校で習ったし、うちの子も学校で習っているはずだから大丈夫。日本語は書けるわけだし、問題ないでしょ」
とおっしゃる親御さんもいます。それでも、まずは一度、だまされたと思ってお子さんに文章を書かせて、それを見てみてください。十中八九、その期待は裏切られることになると思います。
この中でも特に注意が必要なのは、「『です・ます調』と『だ・である調』の混在と、「話し言葉や若者言葉」です。
====
「ですます体」と「である体」の混在の作文を書く子は時々います。
小学5年生以上は、「である体」で書くのが基本です。
小4までの課題は、「私の好きな食べ物」のような身近な課題が多いので、「ですます体」でいいのです。
小5からは、「読書の大切さ」のような説明と意見が中心になる課題が多いので、自然に「である体」で書くようになります。
「ですます体」は、話しかける文章で、「である体」は、内省する文章です。
「ですます体」は、手紙や志望理由書などのように、相手に語りかける文章のときに使います。
論説文を「ですます体」で書く人はあまりいません。
「ですます体」と「である体」を意識的に混在させて書く人もいます。
野坂昭如さんは、そういう文章を書いていたと思います。
しかし、作文試験で、「ですます体」と「である体」を混ぜて書くと、それだけでボツになります。
それは、読み返すときに、文末の違いがあったらおかしいと思うのが普通だからです。
つまり、作文力以前に、読む力がないとみなされるからです。
作文力に、正解はありません。
だから、他人に見てもらうことが必要です。
昔、慶應義塾大学に、志望理由書を書いて1回落ちた子が、2回目の挑戦のために志望理由書の添削を頼んできたことがありました。
一読して、自分のことしか書いていないことがわかりました。
相手にアピールするための文章ではなく、自分のために書いた文章になっているのです。
それで、内容を添削して直してあげたら、今度は無事に合格しました。
文章というのは、他人に見てもらわないとわからないのです。
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ヒルガオ
作文には、算数力が必要とする記事がありました。
これは、そのとおりです。
====
作文は「理系だと苦手」「文系が得意」という大誤解
算数が得意な子は大概「作文もうまい」納得理由
https://toyokeizai.net/articles/-/766692
2つの条件p, qについて、命題「pならばq」が成り立つ時、pはqの十分条件、qはpの必要条件である。
具体例として、「冷奴」で考えてみましょう。目の前になにかの料理があります。もし、この料理が冷奴であれば、その料理は豆腐料理ですよね。
つまり、「冷奴?ならば?豆腐料理」が成り立ちます。
……
逆に、目の前の料理が冷奴かどうかを判別したいとします。このとき、その料理が冷奴なのか麻婆豆腐なのか味噌汁なのかはわかりませんが、少なくとも豆腐料理であることが必要です。このことから、「豆腐料理」であることは、「冷奴」であることの必要条件だとわかります。
====
必要条件とか十分条件とかいう漢語で説明するからわかりにくいだけです(笑)
A→B。「十分条件=それは必ずそう言える」「必要条件=それは必ずしもそうは言えない」と和語で考えればいいのです。
しかし、こういう論理的な考え方ができない生徒が多いのです。
小学生のときまで、事実中心の楽しい作文を書いていた子が、中学生の意見文の課題になると、急に書けなくなることがあります。
「複数の理由を書く」という項目なのに、理由ではなく単なる実例を書いてしまう子が意外と多いのです。
それは、実例を理由というレベルまでに高めるための考える力がないからです。
例えば、「テストはよいか悪いか」というテーマの作文のときに、「私は・テストが嫌いです。この前……」と、実例を書いてしまうというようなことです。
同じようなテーマで、「宿題はよいか悪いか」「人助けはよいか悪いか」「ポイ捨てはよいか悪いか」「クジラを食べるのはよいか悪いか」などがあります。
そのときに、「私は、クジラを食べたことがありません」というような実例を書いてしまう子も多いのです。
どんな意見には、正解はありません。
どういう意見も、成り立ちます。
しかし、その意見の裏付けになる理由が必要で、また、その理由の裏付けとなる実例が必要です。
「意見←理由←実例」という関係です。
理由を述べる際に、「好き」とか「嫌い」とかいう言葉は、論理になりません。
ところで、話は変わりますが、女の子が愚痴をこぼしたとき、それ聞いている女の子は、その話に共感して対応します。
だから、話がはずみます。
ところが、女の子の愚痴を聞いた男の子は、原因や対策を考えるのです。
それで、話がつまらなくなります(笑)。
一般に、女の子がお喋りなのは、実例中心に話をしているからです。
男の子も、実例中心の話をしますが、本当は実例の話には飽き飽きしていることが多いのです。
ところで、また、話は変わりますが、ディベートという授業があります。
私は、日本人には、ディベートは必要ないと思います。
他人を論理で批判しても、なにも得るところはありません。
それよりも、他人の意見に共感して、その共感と自分の考えをすり合わせるのが日本文化です。
論理は必要です。
しかし、その根底に、異なる意見に対する共感が必要なのです。
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