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保護者から、「小学生のカリキュラムまでしかない今の作文講座をやめて、高校生までの指導がある言葉の森の作文を体験したい」という話 as/5151.html
森川林 2024/08/18 10:37 


 ある日、小学校高学年の保護者の方から、
「小学生のカリキュラムまでしかない今の作文講座をやめて、高校生までの指導がある言葉の森の作文を体験したい」
という相談がありました。

 これは、大事なことです。
 小学生までの作文は、登山で言えば、麓(ふもと)近くのアプローチの部分です。
 なだらかな道が続くだけですから、まだ山登りでも何でもありません。

 だから、小学校低中学年の作文指導は、誰でもできるのです。

 しかし、この時期に書き慣れておくことが、次の中学生高校生の作文の勉強を続ける土台になります。

 小学生時代の作文は、その時代の勉強に意味があるのではなく、中学生高校生になったときの準備として意味があります。

 それなのに、小学6年生で作文のカリキュラムが終わったのでは、何のために勉強していたのかわかりません。

 小学4年生のころになると、読書力のある生徒は、作文もかなり自由にのびのびと書くことができるようになります。
 それを見ると、保護者の方は、「作文はもう書けるから大丈夫」と思ってしまうことが多いのですが、それは勘違いです。

 小学4年生で作文が上手に書けることと、中学生になって作文が上手に書けることとの間には、大きな質的な違いがあるのです。

 それは、森リン大賞の、小学生の作文と中学生の作文と高校生の作文を比べてみてもらえばわかります。
https://www.mori7.com/oka/moririn_seisyo.php?nenn=2024&tuki=07


 たまに、「うちの子はよく書けるから、学年の先取りで作文を書きたい」という保護者の方もいます。

 学年の先取りができるのは、数学や英語など知識として理解することのできる勉強だけです。
 作文のように思考力を必要とするものは、その学年にならないとできないのです。


 小学生までのカリキュラムまでしかない作文の勉強は、作文の勉強とは言えません。
 敢えて言えば、作文の準備段階の勉強です。

 本当の作文(小論文)の勉強は、中学生の意見文の勉強から始まるのです。

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7月の森リン大賞 as/5150.html
森川林 2024/08/16 11:56 


 7月の森リン大賞を発表します。
https://www.mori7.com/oka/moririn_seisyo.php?nenn=2024&tuki=07

 森リン大賞は、4週目の清書の週に、パソコン入力された作文の森リン点を基準にして、学年別ベスト10と学年別の代表作品を選ぶものです。

 ベスト10は、森リン点のみを基準としていますが、代表作品はその上位の作品の中から内容的にも優れたものを選んでいます。


 現在、いろいろな作文教室や作文通信講座がありますが、言葉の森のように、毎月、小1から高3までの優秀作品を掲載しているところはほかにはほとんどありません。
 これは、言葉の森が、小1から高3まで学年に応じた作文指導を行っていることと、森リンという自動採点ソフトを独自に開発しているからできることです。


 小学1、2、3年生は、自分でまだパソコン入力ができない生徒が多いと思います。
 その場合は、保護者の方がパソコンで入力してあげてください。
 ただし、4週目の清書をパソコン入力することは任意です。

 小学1、2、3年生の作文では、手書きだと漢字で書けない文字はひらがなで書いていることが多いと思いますが、パソコン入力する場合は、それらの文字も普通に漢字変換をして入力してください。


 小学4年生以上の生徒は、できるだけ自分でパソコン入力をしてみてください。
 その際、タッチタイピングができるように、毎日10分、「寿司打」などで練習するといいです。
https://sushida.net/
 私は、自分の好きな歌を1曲歌いながら、その歌詞を入力するというやり方で練習していました。


 感想文を清書する場合、要約の部分はカットして自分なりの実例や説明に書き直すようにしてください。
 要約の部分が入ると、森リン点がその生徒の実力よりも高くなってしまうことが多いからです。

 今回も、中学1年生の上位の作文のいくつかは、要約の文章が入っていたので、代表作品の対象になりませんでした。


 ワードで作文のパソコン入力をする人は、ワードは、見た目だけの段落をつける仕組みになっているため、ウェブに送信すると、段落の1マスがない作文になってしまいます。
 ワードの設定を変えておくと、ワードで打ち直したあと、改めて段落の1マスを空けるようにして送信してください。
▼ワードの設定の仕方
ワードのファイル→その他→オプション→表示→「画面に表示する編集記号」→「スペース」にチェック

 本当は、日常的な文章入力は、ワードのようなワープロソフトよりも、TeraPadのようなエディタを使う方がいいと思います。


 手書きの原稿の場合、段落は改行して次の行の行頭を1マス空けるようにしていました。
 しかし、この書き方をウェブの画面でも同じようにすると、行間がつまって読みにくくなります。
 ウェブに文章を送信するときは、段落は2行空けるようにするといいです。
 しかし、これはまだルール化されていないので、外部の作文試験をパソコン入力で受験する場合は、この限りではありません。

■7月の森リン大賞 優秀作品

「障害」という名の個性
                       あおふね 中2

 まず、困っている人や障害者のように壁がある人々に手を差し伸べていくことは大事である。なぜなら、障害者はもちろん一人の人間であり、差別を受けてはならないからである。少し前に、僕の学校に障害者の方が来て、講演をして下さった。その方によると、障害者の身として、できないことは確かにあるという。例えば、駅のホームの階段を上ること。しかし、そんな登れない人たちを放っておくことは、立派な差別である。だから、こういう時に手を差し伸べることが重要だと言っていた。ちなみに、講演に来てくれた障害者の方は、三、四人の力を借りて登っていたという。このように、障害者には普通の人たちと平等に生きる権利があり、自由がある。その権利や自由を尊重して手助けをすることは大事だと思う。だから、手を差し伸べることは大事であると考える。

 しかし、チャレンジ精神も大事である。障害者は人間ではあるけれども、どうしても壁にぶつかることもある。僕はその壁を乗り越えようとする姿勢はとても大事であると思う。でも、これは障害者だけではない。この世に生きているすべての人間において大事なことである。障害のない僕でも、チャレンジ精神によって乗り越えてきたことは多くある。例えばそろばん。小学校二年生のころから始めたそろばんだが、三級への昇格審査から、試験会場で受けることになった。僕はそれに九回連続で受け、その九回でそろばん一級にまで上がった。しかし、そんな僕にも大きな山場があった。それは準二級からであった。準二級の審査には無事合格し、ひと段落ついたと思うと、すぐに二級試験の申込書が僕の手元にやってきたのである。正直受けるか迷ったが、チャレンジして受けることにした。休む暇なくそろばんを触り続け、何とか二級も合格した。しかし、またすぐに準一級試験の申込書が手元に来た。僕は、ここもチャレンジして試験を受けることに。僕は、そこから毎日練習したが、正直あまり本番では手ごたえがなく、とても心配であった。僕は、「不合格」かなぁ、と思い、教室に結果を見に行ってみると、なんと合格!僕はとても驚いた。そして、チャレンジが実った経験だった。このように、チャレンジは失敗しても成功しても自分にとって良い経験となる。だから僕は「チャレンジ精神」というものは大事だと思う。
 
 確かに、手を差し伸べて多くの障害者や困っている人々を救うことは大事だ。しかし、チャレンジ精神を大事にして、様々なことに挑戦することも大事である。一方で、ロックの殿堂入りを果たした歌手、ボブ・ディランさんは、このような言葉を残している。「僕にはヘンな癖があるけど、捨てなかった。それがぼくの個性だから。」というものである。この言葉のように、前者も後者も大事だが、最も大事なのは、個性を尊重する事である。我々にも個性はあるし、障害も個性の一種である。だから、これからは様々な人々の「個性」を尊重していけるように努めたい。

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