今、子供たちが学校や塾で勉強している国語、算数、数学、英語、理科、社会などの学力のほとんどは、AI、特にChatGPTのような技術が効果的に処理してくれる時代に突入しています。
AIは膨大な情報を瞬時に処理し、適切な答えを導き出すことができます。
このような状況では、従来の知識詰め込み型の学習がどれだけ将来に役立つか、疑問を感じる人も少なくないでしょう。
中学生の子供たちが定期テストのために何日も前から一生懸命詰め込んでいる知識の大部分は、大人になったときにはほとんど役に立たなくなることが多いのです。
これまでの教育では、知識を暗記し、それをテストで再現することが重視されてきましたが、これからの時代に求められるのは、そのような受動的な学びではありません。
今後ますます重要になるのは、人から教わった知識ではなく、自分で作り出した知識や、自ら挑戦して得た体験です。
たとえば、言葉の森の創造発表クラスでは、一人ひとりが5分から10分の発表を行い、その後に質問や感想を述べ合います。
自分が発表した内容は、ただ暗記した知識とは異なり、子供たちの頭に深く刻まれます。
自分自身で考え、整理し、発表したことは、確実にその子の記憶に残り、将来的にも役立つ財産となるのです。
このように、創造力や発信力は今後の教育において中心的な役割を果たすでしょう。
これは作文や読書にも同じことが言えます。
自分の興味関心に基づいて、自ら考えたり、書いたり、読んだりしたことは、その子の知識や思考力の基盤となり、将来にわたって活用できる力となります。
読書を通じて得た知識や、作文を通じて培った表現力は、その子の思考の深さや幅を広げ、他者とのコミュニケーションを豊かにします。
未来の教育の中心は、創造力を活かした発表、作文、そして読書になります。
これらの活動を通じて、子供たちは単に知識を受け取るだけでなく、自分の考えを整理し、表現し、他者と共有する力を身につけていくのです。
もちろん、今の国語、数学、英語、理科、社会のような基礎的な知識も重要ですが、それは創造的な活動を支えるための予備知識として位置付けられるべきでしょう。
さらに、オンラインクラスで行う創造発表や作文、読書、そしてディスカッションは、国境を超えた学びを可能にします。
日本と時差が大体一致しているアジアの国々、例えばベトナム、インドネシア、フィリピンの子供たちと、日本の子供たちがネットを介して一緒に勉強する未来が現実になりつつあります。
このとき、言語の壁を超えてコミュニケーションを取るために、ポケトークのような翻訳端末や、AI翻訳を組み込んだオンライン会議システムが役立つでしょう。
ポケトークはすでに世界74か国語に対応しており、このような技術があれば、異なる言語を話す子供たちが互いに理解し合い、共に学び、創造的なアイデアを共有することができるのです。
これからの時代、教育の場においてもグローバルな視点が求められ、世界中の子供たちが個性を活かして共に学び合うことが、創造力をさらに高める鍵となるでしょう。
真面目にきちんとやっている子がいます。
しかし、勉強のスピードが遅いので、いろいろなことができません。
だから、ゆっくり本を読む時間がありません。
そういう子は、学年が上がるにつれて成績が下がっていきます。
成績が下がる教科は、国語だけではありません。
算数も理科も社会も、すべて成績が下がるのです。
読書は、日本語で文章を読むことです。
だから、日本語で考える力がつきます。
小学4年生までは、考える必要のない勉強です。
やり方がわかれば誰でもできる勉強なのです。
考える力が必要になる勉強は、小学5年生から始まります。
このときに、読書力の差が出てきます。
しかし、読書を始めてから、その効果が出るまでには半年かかります。
だから、気長に読書の習慣をつけておくことが大事です。
読書力による学力の差は、学年が上がるほど大きくなります。
小学56年生よりも中学生、中学生よりも高校生、高校生よりも大学生の方が、読書力による差が大きくなるのです。
だから、小学生時代の勉強の最優先は、読書の時間を確保することです。
読書の時間は宿題の時間よりも優先です。
宿題は、単なる作業ですから、何も身につきません。
できた問題は、やらなくてももともとできた問題で、できなかった問題はあとから繰り返しやるのでなければ、できなかっただけで終わります。
勉強の中心は家庭学習で、家庭学習の中心は読書なのです。