●受験作文コースの勉強の仕方で重要なこと
通常の作文の勉強では、ご家庭では、子供の書いた作文を見て、いいところを褒めるだけがいいのですが、受験作文の場合は違います。
お母さんとお父さんが子供さんと一緒に、書き上げた作文を推敲します。
そして、もっといい実例はなかったか、感想をもっと深く書くにはどうするか、ということを検討します。
検討の結果、家庭で作文に赤ペンを入れ、推敲した作文を子供が毎日読めるようにします。
受験のときは、親が関わることが大事です。
子供も、受験のときは、そういう親の関わりを嫌がりません。
●読書のすすめ
中学生、高校生になると、本を読まなくなる子が増えます。
それは、小学生時代に物語文の本しか読まなかったために、中学生や高校生になっても読書というと物語文の本を考えてしまうからです。
物語文の本は、娯楽の本ですから、勉強が忙しくなると、自然に後回しになります。
しかし、説明文の本の面白さを知らないので、そのまま読書をしなくなってしまうのです。
対策としては、小学校高学年からは、物語文のほかに説明文の本を読む習慣をつけることです。
●いい本の選び方
全国学校図書館協議会のページに、例年の読書感想文の課題図書の一覧が載っています。
課題図書の今年の本ではなく、過去の本を見てみます。
https://www.j-sla.or.jp/contest/youngr/pastbook/612015.html
課題図書になっている本は、それなりに面白い本が多いです。
その本の署名をアマゾンで検索すると、多くが1円から数十円の中古品になって売られています。
中古品の本の送料は250円ですから、比較的手軽に良書を手に入れることができます。
近くにブックオフなどがあれば、そこで、過去の課題図書になったことのある本を選ぶこともできます。
子供には、良書をすすめることが大事です。
子供の好きな選択に任せていると、怖い本とか気持ち悪い本とかが中心になることがあります。
こういう商業主義で作られた本は、ほどほどにしておくことが大事です。
いずれ学校図書館協議会の本は全部リスト化して、スマホで検索できるようにしたいと思っています。
(GPTsを使うと、そういうことができるようなので)
●授業に遅刻、欠席する場合は連絡を
ほとんどの人が、遅刻や欠席の連絡を入れてくれます。
また、たまにどうしても事前の連絡ができず、あとから連絡を入れてくれる人もいます。
こういう連絡さえあれば問題ありません。
しかし、子供によっては、いつも漠然と数分の遅刻する子がいるようです。
日本の社会では、遅刻は信用をなくすいちばんの原因になります。
家庭でのしつけとして、遅刻や欠席をするときは必ず連絡を入れるということを子供さんに伝えておいてください。
●作文の準備をきっかけとして親子の対話を進める
小学3年生から、題名課題と感想文課題になります。
あらかじめ書く課題が決まっていますから、これを利用して親子の対話を進めることができます。
土日の家族のだんらんの時間に、次の週の作文の課題を子供に聞き、その課題について、お父さんやお母さんが自分の子供のころの体験談を話してあげるのです。
小学校中学年のころに、この親子の対話の習慣ができると、子供が小学校高学年になってもこの対話の習慣を続けることができます。
中学生になると、子供も反抗期になるので、対話はあまりできなくなりますから、小学校高学年のころの対話は貴重な機会になります。
この対話によって、子供の語彙力、思考力、題材力が育ちます。
作文の準備を生かして、親子の対話を進めていってください。
●子供の片付けと掃除の習慣作り
夏休みの宿題などで、早めに仕上げてしまう子と、ぎりぎりまで後回しをする子がいます。
私(森川林)は、ぎりぎりまで後回しにする子でした(笑)。
後回しにする子は、最後に爆発的な集中力で仕上げる力があることが多いのですが、社会生活では、いろいろ困ることが出てきます。
やらなければならないことは早めに済ませる習慣を子供のうちからつけておくと、生涯役に立つ習慣になります。
そのための方法としておすすめできるのは、掃除や片付けの習慣です。
「賢い子のそうじ力」
https://www.amazon.co.jp/dp/4534061072/
どこか、一か所でもいいので、毎日きれいに掃除をし片付けることを義務化しておくと、生活全体が早めに片付くようになります。
中学生高校生の定期テスト対策は、普通の子がテストの1週間前から勉強するところを、2週間前から始めることです。
掃除や片づけの習慣をつけておくと、こういう先取りの勉強が自然にできるようになります。
こういう習慣づくりは、小学生のできるだけ小さい時期から始めるといいと思います。
未来の教育は、思考力、創造力、共感力を育てる、参加者全員の発表を中心とした教育になります。
そのための教育のプラットフォームは、オンラインで4~5人の同学年同進度の子供たちがクラス単位で学ぶ教室です。
このような教育の目標とそのための方法を持っているところは、現在、言葉の森以外にはありません。
言葉の森は、作文という創造的な教育の分野で43年の実績があります。
そして、現在、作文以外のさまざまな教育の分野でも、新しい創造的な教育を進めています。
この教育には、まだニーズがほとんどありません。
それは、この教育の結果がまだあまり見えるものになっていないからです。
しかし、言葉の森の生徒のこれまでの
合格情報などを見るとわかるように、多くの子供たちが立派に育っています。
創造的な勉強は、単なる理想ではなく結果も出しているのです。
現在の教育は、行き詰まっています。
それは、学校に行きたがらない子供たちが増加していることにも表れています。
また、学校に行っている子供たちの多くは、勉強に追われているために、勉強以外の自分の新しい可能性を見つける機会がありません。
それは、読書をしない子供たちの増加にもつながっています。
しかも、子供たちの取り組む勉強の多くは、子供たちの将来の人生に役に立つとは思えない知識の詰め込みを中心とした勉強です。
それが、宿題やテストという強制と競争の中で行われているのです。
しかし、こういう教育に対する新しい展望を提案しているところは、まだありません。
これまでの多くの提案は、昔の牧歌的な学校教育を念頭に、道徳教育に力を入れ、先生が朝から晩まで熱心に子供に関わるようなイメージで教育の未来を語っています。
それらの教育観の前提になっているものは、教室と机と黒板(ホワイトボード)という昔ながらのイメージです。
教育の分野では、まだ古い器に古い教育が乗せられているのです。
まず、教育の器となるプラットフォームを変える必要があります。
そして、同時に教育の中身を変える必要があります。
それがオンラインの少人数クラスによる、思考力、創造力、共感力を育てる発表を中心とした教育です。
しかし、オンラインの少人数クラスが大きな効果を出すためには、同学年同進度の子供たちがひとつのクラスで学ぶ必要があります。
言葉の森のオンラインクラスでは、すでにそういうクラスが生まれています。
子供たちが友達意識を持って共通の勉強に取り組むクラスです。
しかし、こういうクラス作りを一般化するためには、より多くの生徒が参加する必要があります。
生徒数が多くなればなるほど、同学年同進度のクラス作りは進むからです。
言葉の森の目的は、明日の日本を支える、思考力、創造力、共感力のある子供たちを育てることです。
子供たちが立派に成長することによって、日本がよくなります。
そして、日本がよくなることによって、子供たちの活躍する場が広がります。
この日本をよくする要となるものが、新しい未来の教育です。
この記事に賛同される方は、ぜひこの話をほかの人にも拡散して伝えてください。
(おわり)