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貝原益軒を現代の教育に生かすには as/519.html
森川林 2009/06/10 09:19 



 貝原益軒の教育論は私たちがこれから考える教育の基本になりますが、しかし現代にはまた現代の情勢に合わせて加味するものがあるはずです。それを考えてみます。


 大前研一氏は、IT教育や投資教育や語学教育が、これからの教育には必要だと述べています。

 しかし、IT教育は、表面的な教育です。むしろ、日本語文字コードのShift_JIS、EUC−JP、UTF−8の並存状態を統一するような工夫をすれば、子供たちは遊びの中でITの世界を自然にマスターしていくはずです。日本のIT界のいちばんの問題は、文字コードの混乱のために最初の敷居が高くなりすぎ、小中学生が気軽にITの世界に入れないところにあります。


 投資教育は、経営学や人生論の一部として行うものであって、投資の世界だけを取り出して教育するほどの重要性はありません。


 外国語教育は、確かにこれからの時代の教育に必要な要素です。しかし、今の英語教育のようなやり方ではなく、もっと楽に取り組めるような方法を開発する必要があるように思います。日本人は、これまで、中国語を漢文として受け入れる文化を作ってきました。この伝統を英語教育にも生かせると思います。


 国際化が進む現代社会では、日本人の教育だけではなく在日外国人または移民の教育も重要になってきます。その要になるのは、やはり外国人にもすぐに取り組めるような日本語教育のノウハウです。

 このノウハウができれば、日本は世界に輸出するような日本の教育方法を作ることができます。


 また、教育そのものではありませんが、現代の社会では、様々な教育を阻む誘惑があります。その誘惑への防波堤を社会的に作っていくことも、教育の支えになります。

 例えばゲーム、テレビ、マスメディアなどは、日常的に接する時間をコントロールする必要があります。子供たちが、人間どうしの接触のほうがずっと魅力があるということに気がつけば、ゲームやテレビのようなバーチャル的な誘惑はほどほどに楽しむ程度のものになります。


 現代の社会では、少子化が進み、同年齢や異年齢の子供たちが直接に接する機会が減っています。子供たちが互いに協力するような機会を作ることも、これからの教育の重要な要素です。

 今はスポーツチームなどがその同年齢や異年齢の子供たちの交流の場になっていますが、スポーツチームに参加すると、勝敗にこだわりすぎる傾向がどうしても出てきます。

 子供たちが、スポーツもできる、自然とも接することができる、互いに協力もできるという、昔の青年団や少年団のような集まりがこれからの社会には必要になってきます。

 これらを実現するための具体的なイメージは、地域の学習塾+αのような形です。「+α」の部分は、しつけ、道徳、礼儀、そして、友達どうしの協力や交流、さらに自然の中での経験や、社会に対する実践や行動という要素です。

 歴史の風雪に耐えた貝原益軒の伝統的な教育論を土台に、現代の社会のニーズに対応した新しい教育を作ることが求められているのです。


(この文章は、構成図をもとにICレコーダーに録音した原稿を音声入力ソフトでテキスト化し編集したものです)

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小4の5月の読解問題への質問 as/518.html
森川林 2009/06/09 19:57 


 小4の5月の読解問題で質問がありました。


問4

 本文は、「おひげのあるさかなでもたべさせてはどうかな。……とうさんヒョウは、ジャングルの川へとんでいきました。めざすのは、もちろん大ナマズ。」となっています。(……は略の部分)

 Bの選択肢は、「とうさんヒョウは、ペポネにナマズを食べさせようとした」で○です。

 質問は、「本文には『大ナマズ』と書いてあるので、選択肢の『ナマズ』は×ではないか」ということでした。

 本文が「大ナマズ」で選択肢が「小ナマズ」だったら×です。また、本文が「ナマズ」で選択肢が「大ナマズ」だったら×です。

 しかし、大ナマズという概念は、ナマズという概念よりも小さいので、本文が大ナマズで選択肢がナマズの場合は○です。

 例えば、正方形と長方形は小さい概念で、四角形は大きい概念ですから、本文に「正方形がありました」となっていて、選択肢に「四角形はありましたか」となっていれば○です。


問5

 本文は、「ぼくが自分の部屋で模型飛行機の修理をしているとき……お父さんが指さす先には、……ハトが……うずくまっていた。」となっています。(……は略の部分)

 Bの選択肢は、「ぼくは、飛行機を作りかけのまま、窓からハトを見た」で○です。

 質問は、「『模型飛行機』は『飛行機』とは違うし、『修理する』は『作る』とは違うから×ではないか」ということでした。

 これは微妙なところですが、これも、「模型飛行機」は「飛行機」という大きい概念の一部と考えて○です。選択肢が「本物の飛行機」となっていたら×ですが、ここは文脈で本物の飛行機ということにはならないからです。

 また、「修理する」は「作る」の一部と考えて○としました。「作る」には、「こしらえる」「くみたてる」という意味があるので、本文中にある「水平尾翼を接着している」ことを「作る」と見なしたのです。

 しかし、「作る」には「新たに作り出す」というニュアンスもあるので、質問された方の言うように、「修理する」と「作る」は違うと考えることもできます。

 そこで、この問5のBの選択肢は×を選んだ人も正解としました。


 国語の読解問題は、このように微妙なところがあります。

 これからも、疑問に思われる点がありましたら、ぜひご意見ご質問をお寄せくださるようお願いします。


 なお、毎月第4週の読解問題は、小3以上はかなり難度の高い問題になっています。

 高校生の問題は、センター試験の現代文の問題と同じぐらいの難しさの問題ということで作成しています。つまり、本気で解けば満点も可能だが、普通に解くと6割ぐらいという難しさです。

 小中学生のみなさんは、点数が低くてもがっかりせずに、正解の理由を考えて力をつけていってください。

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