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勉強の種類――知識の勉強、理解の勉強、身体化の勉強 as/5198.html
森川林 2024/10/31 12:42 


 現代の勉強の性格は大きく変わりつつあり、従来の知識中心の学びから理解、そして身体化へとシフトしています。
 この変化は、時代のニーズやテクノロジーの進化によるものです。
 勉強には大きく3つの種類があります。
 それは「知識の勉強」「理解の勉強」、そして「身体化の勉強」です。
 これらは、それぞれの時代において異なる役割を果たしてきましたが、今後は身体化の勉強が中心となっていくと考えられます。

 まず、「知識の勉強」とは、従来の教育における基本的な学びの形態であり、単に情報や事実を記憶し、知識を蓄積することが目的です。
 かつては黒板と教室、そして教師がこの学びの中心でした。
 しかし、インターネットの発展により、知識の習得はより効率的かつ迅速に行えるようになりました。
 例えば、オンライン辞書や動画講義、Eラーニングプラットフォームなど、様々なツールを使うことで知識を手軽に得ることができる時代になっています。
 その結果、知識の勉強が個人の生活や仕事の基盤であった時代は終わりを迎えつつあります。

 次に、「理解の勉強」とは、単なる知識の暗記に留まらず、情報を自分の中で整理し、納得することを目指す学びです。
 特に、数学や理科のような科目では、理解が深まることで初めて応用力が身につきます。
 この理解の勉強において、重要なツールは詳しい解法の書かれた参考書や個別指導の先生です。
 しかし、近年ではAI(人工知能)の導入により、理解の学び方も変わりつつあります。
 AIは24時間365日対応可能で、初歩的な質問から高度な質問まで受け付けてくれるため、学習者が「分かったふり」をする必要がありません。
 さらに、AIはどれだけ同じ質問をしても、常に丁寧に答えてくれるという利点があります。
 このような環境での学びは、学習者の遠慮や恥ずかしさを軽減し、より深い理解を促進することが期待されています。

 最後に、「身体化の勉強」とは、知識や理解を超えて、習得したことを自然な行動や習慣として身につける学びです。
 スポーツや音楽、図工といった分野はこの身体化の勉強の代表例です。
 これらの分野では、知識や理解だけではなく、身体を使って経験を通じて学びます。
 ここで重要なのは、日本語力の身体化です。
 特に抽象的な概念を自然に使いこなすことができるようになることが、思考力の向上に繋がります。
 言い換えれば、日本語力を身体化することは、他の勉強をする上でも重要な基礎となります。

 このように、現代の勉強は「知識」から「理解」、そして「身体化」へと段階的に進化しています。
 知識を学ぶだけではなく、それを理解し、さらに自然に使いこなせるようになることが求められているのです。
 身体化の勉強は、反復練習と時間の積み重ねが欠かせません。
 具体的には、日々の読書や暗唱、発表、そして対話を通じて、自分の中に取り込んでいくことが大切です。
 これからの時代、勉強の中心となるのは身体化であり、日々の実践が重要な役割を果たします。
 したがって、これからの学習者は知識の蓄積に留まらず、理解を深め、さらにその理解を身体化することに努めていくことが必要になるのです。

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2024年10月保護者懇談会資料 as/5197.html
森川林 2024/10/22 02:53 
2024年10月保護者懇談会資料

ムラサキシキブとリンドウ

●サーバー障害のお詫び

 9月下旬から10月にかけて、サーバー障害によりホームページの閲覧や送信が大幅に遅れるようになりました。
 ご迷惑をおかけしましたことをお詫び申し上げます。
 原因は、海外からのDDOS攻撃という手法で、膨大なアクセスを言葉の森のサーバーに送りつけサーバーをダウンさせ、サーバーの中に入ろうとしていたということのようです。
 対策として、遅いクエリを修正することと、新しいファイアーウォールを設定することで、対応しました。

●11月から新しいサーバーに移転――しばらくの間、一部のページしか使えません

 11月から新しいサーバーに移転します。
 OSも、プログラム言語も新しいバージョンになるので、直すところがかなりあります。
 現在、全ファイルの修正を行っているところですが、複雑な作業になるため、11月からは、一部の必要なページだけを稼働することになりそうです。

 とりあえず、現在ほぼ直っているところは、
・ホームページの表紙・オンラインクラス一覧表・個別れんらく板・検索の坂
までです。

 このあと、
・作文の丘・山のたより・発表室連絡・読書記録・自習記録・確認テスト・暗唱検定・教材注文・森リンベスト・絵の実・森の掲示板・受講案内・体験学習
などのページを直す予定ですが、1日に2つぐらいずつしか直せないので時間がかかります。

 10月29・30・31日は、サーバー移転のため、言葉の森のページはどこも使えませんので、この期間に振替授業に参加される方は、27日までに予習メモ、読書記録などをアップロードしておいてください。作文の送信は、11月1日以降にお願いします。

●ChatGPTを活用した新しい勉強法

 今後の勉強は、AIを活用したものになります。
 ChatGPTは、まだ検索の代わりに使うような利用が多いと思いますが、実は、あらゆることを教えてくれる一流の家庭教師のような存在です。しかも、無料です。
 より高度な利用をするなら月額20ドルの有料になりますが、普通に使うだけなら無料でいいです。
 将来、中学生や高校生などで、学校の定期テストや志望校の模擬試験を、ChatGPTを使って作るような子も出てくると思います(笑)。
 これまでの過去問を読み込ませれば、そういうこともすぐにできます。

 また、自分が苦手な分野の問題と似た問題を、ChatGPTを使って大量に作ってもらうこともできます。
 英語などでは、音声でChatGPTとやりとりをして、そのあと、自分の話のどこを直したらいいか教えてもらうこともできます。

 言葉の森でも、サーバー移転が一段落したら、AI森リンをはじめとして、AIを利用した学習システムを作っていく予定です。

 13歳からは、Gmailでメールアドレスを作れるので、そのメールアドレスで、ChatGPTの無料アカウントを作っておくとよいと思います。
 13歳未満でも、保護者の監督のもとで生徒個人用のメールアドレスを作ることはできます。

 今後、AIの利用によって、勉強の仕方は大きく変わってきます。
 子供たちの適応力は高いので、新しい技術には早めに対応できるようにしていくといいと思います。

●吸収する勉強から発表する勉強への転換

 これまでの勉強は、知識を吸収しそれをテストで再現するという勉強でした。
 今でも、多くの学校の試験は、そのパターンです。
 すると、記憶力のいい子か、勉強時間を長くかけた子が、いい成績を取るようになります。
 昔は、そういう勉強にも意味がありました。
 しかし、これからは、そうではありません。
 大学入試の総合選抜、高校の授業の探究学習などに見られるように、勉強の方向が大きく変わってきています。

 同じようなことを言っている人がいました。

「東大の入試問題を見れば「頭のいい子」の条件がわかる…名門進学校の教諭が最も重視する"学力以外"の能力」
https://president.jp/articles/-/86772

 ここに書いてあることは、簡単に言えば、「吸収するよりも発表すること」「読むよりも書くこと」が大事だというようなことです。

 東大の入試は、確かに国語の選択問題は1問もありません。すべて記述問題です。
 選択問題は、大学入試共通テストまでです。
 読む力、選ぶ力よりも、書く力、表現する力が評価されるようになっているのです。

 しかし、発表型の勉強は、優秀で意欲的な生徒でないと、かつてのゆとり教育のような勉強になりがちです。
 また、子供自身も、発表型の勉強よりも吸収型の勉強の方が、勉強した気がする面があります。

 言葉の森では、今後、子供たちが意欲的な発表ができるような仕組みを作っていきたいと思っています。
 その主なやり方は、表彰システムを大幅に拡大することです。

●家庭での自学自習が勉強の基本――自習室を活用しやすくする方法を検討中

 勉強は、学校や塾でするよりも、家庭で自分ひとりでするのが最も能率のよいやり方です。
 しかし、小学生や中学生は、まだ勉強の自覚がないので、ひとりではなかなか勉強に取り組めません。
 そこで、自習室をもっと活用しやすくし、先生がその子の勉強の様子を見て、自習室での勉強を指示するというようなこともしていきたいと思っています。

 国語、算数数学、英語の確認テストを見ると、成績の悪い子が時どきいます。
 今後、それぞれのクラスの授業を受けない人でも、問題集さえ購入すれば確認テストができるようにして、勉強のトータルなアドバイスをできるようにしたいと思っています。

●読書のレベルが、将来の学力のレベルになる

 中学生や高校生で、読書の質が低い生徒がいます。
 また、物語の本しか読んでいない子もいます。
 逆に、小学校高学年で、読書の質が高い生徒もいます。

 子供たちは、学校の勉強を第一に考えがちですが、あとになって残るのは読書の力です。
 読書の質が低い、または、読書の量が少ない生徒は、学年が上がるにつれて成績が上がらなくなります。

 それは、読書とは、思考力をつけるものだからです。
 そのためには、難しい本を読む必要があります。

 小中学生のころは、勉強にまだ考える要素が少ないので、勉強さえしていれば成績が上がるように思いがちです。
 しかし、高校生、大学生になると、考える力がなければ、勉強だけしていても成果を上げることはできなくなります。

 中学生以上の生徒は、やさしい本や物語の本だけでなく、できるだけ難しい説明文意見文の本も取り入れて読むようにしていくことが大事です。

 ただし、難しい本を読ませようとして、読書量が低下しては、かえって読書力がつかなくなります。
 複数の本を並行して読むような方法で、読書量は低下させずに、少しずつ難しい本を読むことに慣れていくといいと思います。
 複数の本を読むには、付箋読書が役に立ちます。
https://www.mori7.com/mori/hp_senn_husenn.php?table=beb_article

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