https://youtu.be/b7xSE8Ykj1g
受験が間近になると、新しい教材で新しいことをやりたくなるものです。
新しいことをすると、勉強がはかどる気がします。
それは、できる問題を解く時間が増えるからです。
しかし、いくら形が新しくなったとは言え、できる問題を解いているのでは力はつきません。
大事なことは、これまでやった勉強を反復し、特に数学ではこれまでにやった問題集を完璧に仕上げることを目標にすることです。
できなかった問題をできるようにするのは、できる問題を解くよりもはるかにくたびれるものです。
しかし、何冊もの問題集を8割から9割できるというのでは成績はあがりません。
1冊の問題集を100%できるようにすることが大事なのです。
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読売KODOMO新聞をとっている人がいると思います。
先日、読書紹介で、読売KODOMO新聞を紹介している子がいました(笑)。
現在、1月31日締切で、400字の作文を募集しています。
小学校低学年の生徒は、面白い題材でありながら短い作文になっていることが多いと思います。
その短い作文を400字にまとめて応募してみましょう。
応募方法は、画像をごらんください。
※なお、当然ですが、ほかのところに送ったことがあるものを送ってはいけません。
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https://youtu.be/QrsJ4cDr5-M
●受験のための勉強から、社会に出てから活躍する実力をつけるための勉強へ
昔は、いい学校に入ることが、いい仕事につくことにつながり、いい仕事につくことがいい生活につながっていました。
しかし、今は、そうではありません。いい仕事というゴール自体が、年々変化しています。
受験のゴールは一見魅力的に見えますが、本当のゴールは社会に出てから活躍することです。
勉強の目的は、そのための実力をつけることです。
●大事なのは、競争に熱中することではなく、思考力と創造力を育てること
スポーツでも、音楽でも、勉強でも、競争があれば誰もが熱中します。
特に、小中学生のころは、競争に熱中する時期です。
また、社会全体が、競争を必要以上に持ち上げる傾向があります。
しかし、大事なことは、競争の熱中から一歩距離を置き、自分の本当の実力となる思考力、創造力を育てることなのです。
●思考力を育てるのは読書と対話、創造力を育てるのは作文と創造発表
思考力を育てるのは、学校の勉強ではなく、読書、特に難しい説明文意見文の読書を続け、必要に応じて対話をすることです。
創造力を育てるのも、学校の勉強ではなく、作文を考えながら書き、自分の興味のある分野で研究や調査や実験や発表をする創造発表の時間を作ることです。
●小学生時代の生活の基本は、読書と暗唱と作文と対話と友達とお手伝い
小学生、特に低中学年のころは、生活と勉強の方向を決める大事な時期です。
この時期には、既成の宿題やテストや学校の成績に追われるのではなく、読書と暗唱と作文と対話と友達作りと毎日のお手伝いの習慣をつけることです。
それが、あとからの勉強と生活の基礎になるのです。
●勉強の中心となる場所は、学校でも塾でもなく家庭
学校や塾での授業は、みんなが同じことを一斉に学びます。
だから、できる子は退屈し、できない子は途中からわからなくなります。
家庭で自分のペースでやる勉強であれば、無駄のない勉強ができます。
勉強の中心は、家庭なのです。
●ChatGPTなどのAIを活用すれば、先生がいなくても勉強は進められる
これまでは、わからないところがあれば、先生に教えてもらいました。
これからは、ChatGPTなどのAIを活用すれば、先生以上に詳しく教えてくれます。
先生に質問をすると、同じことを何度も聞けないとか、あまり初歩的なことは聞けないとかいう遠慮が出てきます。
AIであれば、そういう制約はありません。
●言葉の森のオンラインクラスでは、毎回の読書紹介と一人一言の時間がある
これからの勉強では、読書と対話の力が必要になります。
毎回の読書紹介で、誰でも本を読む習慣ができ、読書のレベルも向上します。
みんなの前で発表する時間があると、人前で話をすることに慣れます。
この読書力とコミュニケーション力が、これからの学力になるのです。
●これから必要になる勉強は、国数英理社よりも、創造発表とプログラミング
これまでの学校の勉強は、答えのある勉強でした。
教えてもらって答えが合うようになればそれで勉強は完成でした。
これからの勉強は、答えのない勉強です。
創造発表やプログラミングで、自分にしかできない勉強をするのが未来の勉強です。
●国数英は、人に教わるよりも、AIを使って自分でやるのが最も能率がよい
国語、算数数学、英語などの勉強は、AIに教わることのできる勉強です。
人に教えてもらうよりも、AIに教えてもらう方が、より深く理解できます。
わからないところがあれば、わかるまでさかのぼって教えてもらうことができます。
これからの勉強は、AIを活用する勉強になるのです。
●小中学生の勉強は、進捗度をチェックする仕組みがあれば、家庭でできる
小中学生のころは、子供がひとりで勉強すると、無駄な遠回りをすることがあります。
そこで必要になるのが、勉強の進捗状況をチェックする仕組みです。
自習の記録、自習室の利用、確認テスト、問題集をもとにした質問などがあれば、家庭での勉強も軌道に乗るのです。
●中学、高校、大学の受験はゴールではなく、本当のゴールは社会に出てから
受験に合格することは、子供にとっては大きな夢です。
しかし、合格はゴールではなく、社会に出て活躍することが本当のゴールです。
勉強の目的は、自分自身を向上させることで、その結果のひとつとして受験があるのです。
●オンライン少人数クラスの教育は、対話と交流のある未来の教育
オンラインの少人数クラスであれば、同年齢同進度の生徒が、少人数で交流しながら勉強することができます。
人間の勉強は、単に知識を身につけるだけでなく、友達との交流の中で身につける必要があります。
友達と一緒に学ぶことで、勉強以外の要素生まれそれが人間を育てるのです。
●小学1年生から始められて、高校3年生まで続けられる勉強が本当の勉強
小学校低学年の勉強が、低学年の間だけで終わるのではもったいないことです。
高校生の勉強が、高校生になってから始めるのであれば根の浅い勉強になります。
作文の勉強を、小学1年生から高校3年生まで一貫したカリキュラムで勉強すれば、それが本当の文章力の実力になるのです。
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言葉の森の生徒以外の方がテスト送信できる体験ページを現在作成中です。
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勉強の基本は、家庭学習です。
しかし、今の子供たちは、学校や塾や予備校に頼ることが多すぎます。
塾によっては、生徒が通う学校のテストの過去問を用意してテスト対策をしてくれるところもあります。
そういう工夫を考えた塾はえらいと思いますが(笑)、そのお膳立てに乗ってしまうことには大きな問題があります。
それは、子供たちが、勉強の主体が自分だということを忘れて、上から言われたままに行動する姿勢を身につけてしまうことです。
近年、会社で、優秀な大学を卒業した新入社員に指示待ち型の人が意外に多いと聞いたことがあります。
現代の世の中は複雑になっているので、いったん指示を待つということは大切ですが、いつまでも指示を待つだけであったら、自分の役割はないことになります。
勉強は、自分の計画したことをひとりでやっていくのがいちばん能率がよく、また、時間をかければかけるほど、自分らしい勉強の仕方が身についていきます。
ただし、中学生のころまでは、まだ勉強に対する自覚がないので、ある程度の枠組みは必要です。
そこで、言葉の森が今やっているのは、基礎学力クラス、総合学力クラス、全科学力クラスで、週に1回ひとつの教科の進捗状況をチェックするという勉強の仕方です。
基礎学力クラスは、小学123年生対象で、国語、算数、暗唱、発表を1ヶ月でやっていきます。
総合学力クラスは、小学456年生対象で、国語、算数、英語、発表を1ヶ月でやっていきます。
全科学力クラスは、これからスタートしますが、中学123年生対象で、国語、数学、英語、理科社会を1ヶ月でやっていきます。
基礎学力クラスや総合学力クラスに参加している生徒は、優秀な子が多いです。
しかし、家庭学習の習慣という点では、まだ不十分な生徒も多いので、今後は、自習記録をつけるかたちで、家庭学習を強化していく予定です。
自習記録は、自習室に参加しなくてもつけられるので、これからは自習記録を徹底させていきたいと思っています。
こういうやり方で、自分のペースで勉強すれば、毎日余裕のある生活ができます。
塾の宿題やテストに追われるのではなく、自分のペースで勉強を進めていけばいいからです。
私(森川林)が、このような勉強方法がよいと考えているのは、私のうちの子供2人が、塾にも予備校にも行かず、余裕のある中学高校生活を送り、大学に進学したからです。
大学生の友達からは、「よく塾に行かないで勉強できたね」と驚かれたそうですが、それだけ今の世の中は、塾通いが一般化しているのです。
塾の宿題やテストに追われなければ、生活時間に余裕が出てきます。
その余裕のある時間に、学校の勉強とは離れた、読書、創造発表、プログラミング、自分の趣味などに取り組んでいけばいいのです。
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中学1・2・3生の改訂版の教材が届きました。
▽標準的な教材
標準新演習 国語、数学、英語
▽発展的な教材
発展新演習 国語、数学、英語
どちらを選んでもいいですが、おすすめは、標準新演習を完璧に(数学はできな問題が1問もなくなるまで、国語と英語は5回繰り返し読んで)、できれば1年間先取りの学習をしていきましょう。
そのうえで、余裕があるなら、発展新演習も、同じく完璧に仕上げて、1年間先取りするように勉強していきましょう。
勉強は、家庭での自学自習が基本です。
このあと、「森からゆうびん」をお送りしますが、自習記録の欄があります。
自習記録は、自習室には必ずしも入らなくて構いませんから、毎日の記録をつけて勉強していきましょう。
また、確認テストは、今後、誰でも受けられるようにします。
毎月1回の確認テストで、自分の学力の位置を把握していきましょう。
後日、「森からゆうびん」を送ります。
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https://youtu.be/0oTNR4qXETc
下記は、私(森川林)が森リンを開発した当初に書いた記事です。
語彙に関する表現が、現在の森リンと異なっています。
強力語彙→現在は思考語彙
重量語彙→ 〃 知識語彙
素材語彙→ 〃 表現語彙
→新たに文化語彙
====
独自のアルゴリズムで文章力を評価
森リンは、日本で初めて実用化された文章解析ソフトです。
文章の上手さは、一般に語彙の豊富さと高い相関関係にあります。文章中の語彙は大きく分けて、文章の面白さと相関の高い素材語彙、内容の深さと相関の高い重量語彙、思考力と相関の高い強力語彙などに分類されます。森リンは、それらの語彙を抽出し数値としてわかるようにしました。
また、文章にはリズムがあります。森リンは、文章の持つリズムを、独自の非線形理論に基づき、音声化された文の長さの差の分布として数値化しました。
アメリカでは既に、複数の論文自動採点ソフトが開発され、その中の一つCriterion(e-rater)は、2001年の時点で全米の中学・高校を中心に200以上の機関で5万人の生徒に利用されています。日本でもJessというソフトがe-raterとほぼ同じ原理で開発されています。
このアメリカの自動採点ソフトの仕組みは、上手な文章が持つさまざまなパターンを基準とし、その基準からどれだけ隔たっているかによって文章の上手でない度合いを評価するものです。このため、上手でない文章の評価の妥当性に比べて、上手な文章の評価の妥当性が低いという面を持っています。また、アルゴリズム(コンピュータの計算手順)の性格上、評価の過程が複雑な数式の組み合わせとしてブラックボックス化され、人間は採点の結果を受け取るだけという立場に置かれがちです。しかし、これまで人間が長時間かけて行っていた論文の評価の前処理をソフトが行えるようにした功績は大きく、米国の中学高校の教育現場で文章表現の指導を容易にするという大きな成果を上げています。
森リンは、上手な文章の定義を明確にすることから評価を始めます。これは、上手でない文章の基準を決めるところから評価を始めるアメリカのソフトの方法とは正反対のアプローチです。アメリカのソフトでは、評価の過程を外から見ることができませんが、森リンでは、評価の過程はすべてオープンです。このため、ソフトが出した評価の結果を人間が主体的に解釈し、それをその後の学習に生かすことができます。また、森リンはアルゴリズムの性格上、上手な文章になるほど評価が正確になるという特徴を持っています。
文章の評価には、多様な要素がからんできます。人間がアナログ的に行っているこの評価を、現在のコンピュータの水準で代替することはできません。森リンは、人間の評価を模倣するのではなく、独自のアプローチをすることによってこの問題を解決しようとしています。
森リンの作文指導への利用
森リンを、授業で利用することができます。
客観的な評価がすぐに出ることによって、子供たちは、文章を書くことに手ごたえを感じるようになります。また、森リンの評価は、なぜそういう評価が出たのかということが、書いた本人にもわかるように具体的に表示されます。このため、子供たちは、自分の力で文章をよりよくしようという意欲を持つようになります。
これまでの作文小論文指導では、達成感を感じるのは上手に書けて褒められる一部の生徒だけになりがちでした。そのほかの大多数の生徒は、上手な文章と自分の文章の間にギャップを感じるだけでした。森リンは、どのレベルの生徒に対しても、その実力に応じてどこに力を入れていくべきかがわかるような評価を出します。
森リンは、ウェブで動くソフトです。インターネットに接続できる環境があれば、自宅で作文小論文の勉強をすることもできます。
森リンでは、1週間に1編の割合で自分の書いた文章の評価がデータとして蓄積されます。この蓄積されたデータを見ることによって、個人の文章力がどのように進歩しているかがわかります。
また、森リンは、その団体の中で生徒どうしが作文を通して交流できるように、ベストテンなどのランキング表示機能を持っています。生徒は、一種のゲーム感覚で、互いの作文の長所を吸収し合うことができます。
これまでの文章指導では、指導者は添削作業に追われるような指導になりがちでした。しかし、誤字や誤表記の指摘は、生徒どうしの相互添削でもカバーできます。また、よりよい表現の工夫は、添削によるよりも、生徒自身がよい文章を読むことによって身につくものです。森リンを使うことによって、指導者は本来の文章指導に専念することができるようになります。
森リンの評価と人間の評価との相関
森リンは、文章中の語彙を、素材語彙、強力語彙、重量語彙の3種類に分けて集計します。
例として「お婆さんは川へ洗濯に行きました。すると、川上から大きな桃がドンブラコッコと流れてきました。」という文章を取り上げてみましょう。
素材語彙は、文章の中身を構成する言葉で、この場合は「お婆(さん)」「川」「洗濯」「川上」「桃」「ドンブラコッコ」「流(れて)」です。この素材語彙の種類が多いほど、中身の濃い文章になります。
逆に、素材語彙の種類が少ない文章は、語彙そのものが少ない文章か、密度の薄い文章になります。同じ文章を語彙の少ない形に書き直すと、「お婆さんが川へ行くと、桃が流れてきました。」となります。また、同じ文章を密度の薄い形に書き直すと、「お婆さんは、川へ洗濯に行きました。お婆さんが川で洗濯をしていると、川上から大きな桃がドンブラコッコ、ドンブラコッコと、洗濯をしているお婆さんのところに流れてきました。」などとなります。文そのものは長くても、同じ言葉が繰り返されることで長くなっているので、密度は逆に薄くなっています。
全体の文章が長くなればなるほど、素材語彙の豊富さは、その文章を書いた人の語彙力を正確に反映してきます。素材語彙の豊富さと密度の濃さが文章力評価の中心です。素材語彙の豊富さは、読書力と深い関連を持っています。
強力語彙は、語句と語句の間を結びつける力の強い言葉で、「お婆さんは川へ……」の文章の場合は該当する言葉がありません。しかし、強力語彙に近い言葉として、「すると」があります。強力語彙が多いほど、その文章は考える要素が強くなります。事実中心の文章では、強力語彙はあまり出てきませんが、意見の多い文章になると、強力語彙が文章の重要な構成要素となってきます。強力語彙は、学年に比例して多くなります。
重量語彙は、難易度の高い言葉です。例えば、この文章の場合は、「洗濯」「川上」などです。「洗濯」という言葉を、小さい子供に伝える場合、「衣服などを洗うこと」という言葉で言い換える必要があります。同じく、「川上」は、「川の上の方」という言葉で言い換えることができます。重量語彙が多いほど、その文章は高度な内容を表しています。重量語彙も、学年に比例して多くなります。
森リンの得点は、素材語彙と強力語彙と重量語彙のそれぞれの得点と相互のバランスを考慮して決められています。
また、このほかに、文章の持つリズムを、文の長さの差の分布が作る指数関数曲線によって評価しています。
下の表は、森リンの評価と人間の評価を比較した結果です。小学生から高校生までの35編の作文を22名の採点者が独自の視点で評価しました。人間の採点者の平均と森リンを比較した結果は0.86という高い相関となっています。(X軸が人、Y軸が森リン)
森リンとカオス理論
デカルトは、世界にあるさまざまな事象を最小となる単純な要素にまで分解し、それらの要素間に働く関係を隈なく網羅すれば、全体が説明できるという方法論を提案しました。
ニュートンは、この方法論を、質量と力の関係という抽象的な力学系に当てはめて大きな成功を収めました。
しかし、世の中にある現象は、必ずしもy=f(x)という線形的な関数で表されるものだけではありません。それが明らかになったのは、自然科学が人間の等身大の世界を超えて、超微細な世界、超巨大な世界、超高速な世界、超短時間の世界を対象とするようになってきたからです。
xの値の関数としてyの値が一義的に決まるという線形的な発想の限界が明らかになると、実は、その限界こそが自然の本来の姿であるということわかってきました。等身大の世界においても、世界は線形的な関数の高度に複雑な組み合わせとして説明しきれるものではないということがわかってきたのです。
yはxと深い関連がある、しかし、yはxの関数ではないという現象は、世界のあらゆるところに見られます。例えば、夕焼けは明日の天気と深い関連があります。しかし、夕焼けは明日の天気の関数ではありません。夕焼け以外の気圧、温度、風力などさまざまな変数を考えられる限り網羅して組み合わせれば正しい関数の集合ができるかというとそうではありません。これまでの小論文自動採点の原理もやはり線形関数の膨大な組み合わせという発想に基づいています。
非線形的な考えは、yとxを独立した変数とは見ずに、yとxを含むより大きな全体の一部と見ます。したがって、yが変化すると、yは全体を変化させることによってxを変化させるとともに、y自身も変化させます。これがカオスと呼ばれるものです。この関係は、極微小の世界において位置と運動エネルギーが同時には測定できないという関係と同じです。
このカオスを測定するための方法は、yをxとの関連ではなく、全体との関連で関係づけられる関数を発見することです。森リンは、その非線形関数の一つとして、隣り合う文の長さの差とその出現頻度が指数関数を形成するという関係を仮定しています。
森リンの哲学的基礎
(文章、一部略)
語彙を一つの球形としてイメージすると、そこには、高さと広さと奥行きがあると見ることができます。
語彙の高さは、森リンにおける思考語彙(強力語彙)です。これは、文章の内部を強固につなぐ役割を果たす語彙群です。語彙の広さは、森リンにおける表現語彙(素材語彙)です。これは文章の豊かさや広がりを表す語彙群です。語彙の奥行きは、森リンにおける知識語彙(重量語彙)です。これは、文章の内容的な深さを表す語彙群です。
思考語彙(強力語彙)、表現語彙(素材語彙)、知識語彙(重量語彙)は、相互に拮抗する三つの変数です。この三つの変数の中核となるものは、広さを表す表現語彙(素材語彙)です。その表現語彙(素材語彙)の広さを散漫な広さにせずに高さへとつなぎとめるものが思考語彙(強力語彙)です。また、広さと高さを表面的な広さと高さにしないための奥行きが知識語彙(重量語彙)です。
これらの三つの変数の単なる和や積が文章の上手さを表すのではありません。どれか一つの語彙が突出して高い文章は、不自然な文章になります。例えば、思考語彙(強力語彙)だけが高い文章は、理屈の多い味気ない文章になる傾向があります。しかし、思考語彙(強力語彙)が適度な高さを保つならばそれは思考的な高さのある文章となります。知識語彙(重量語彙)だけが高い文章は、難解で読み手を拒む偏屈な文章になる傾向があります。しかし、知識語彙(重量語彙)が適度な奥行きを保つならばそれは密度の濃い深い文章となります。表現語彙(素材語彙)だけが高い文章は、冗長で脱線の多い文章になる傾向があります。しかし、表現語彙(素材語彙)が適度な広さを保つならばそれは話題に富んだ豊かな文章となります。三つの変数のバランスを伴った大きさが、森リンが高得点と評価する文章の特徴です。
さて、評価は方向を指し示しますが、方法を指し示しません。作文を正しく評価することは、作文をその評価した方向で上達させる前提ですが、上達への方法がなければ、評価は教育のための評価とはなりません。
言葉の森が提案する方法は、題材と表現の充実を、読む教育として行うことです。題材と表現は、従来は漠然と読書の中に位置づけられていました。読書の意義はもちろん時代が変わっても独自に存在しますが、その作文学習における意義は、題材と表現の充実として考えられます。
読書は、社会の共通の教養基盤を形成します。作文は、社会の共通の表現文化を形成します。言葉の森が描く未来は、読書と作文が新しい時代における文化として共有される社会です。
さて、世界の言語はその多様性にも関わらず、似通った本質を持っています。森リンの英語版が英語の文章を正確に評価していることを考えると、読書文化、作文文化は、民族性を保ちつつも地球的な文化となる可能性を秘めています。
今後、異なる言語間の壁は限りなく低くなっていきます。しかし、それだからこそ、それぞれの民族が持つ固有の言語はその重要性をますます増大させていきます。自分が生まれ落ちたときから接している言葉を大切に育てるという平凡なことこそが、実は、自分自身と社会を豊かに育てる道なのです。
言葉の森 中根克明
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生成AIの講評の方向性と、言葉の森の講評の方向性が同じであるところがすごいと思います。また、文科省の「初等中等教育段階における生成 AI の利活用に関するガイドライン」の方向性に合致していてこれもすごい!と思いました。「森りー」が学校の作文教育に使われるといいなと思います。
あおさん、ありがとうございます。
そんなオーバーじゃないものじゃないですけど(笑)。
今の学校の勉強で欠けているのは、思考力と創造力の学習です。
だから、AI森リンで作文の学習が日常的に行われるようになるいといいと思います。
これから取り組む予定は、AI読書検定です。
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広尾学園中学校 T.E.さん
<担当講師より>
Eちゃんは、作文と国語読解のクラスを受講し、いつどんな課題に対しても真摯にそして明るく楽しく取り組んできてくれました。読解問題の解説も丁寧、確認問題に関してはどの長文を選んでも「あ、これ。これはこういう内容で…」と、ほぼ見なくても説明できるほどしっかり理解しながら読めていて毎回感心していました。算数の点数を伸ばすためのアドバイスが欲しいということだったので「同じ問題集を5回繰り返してスラスラ解けない問題がないところまでもっていくこと」をお伝えしたところ、その通りに勉強して本番で全ての問題を解けたそうです。真摯な努力の積み重ねが嬉しい結果に結びついてよかったですね!合格おめでとうございます!!
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