思考語彙のうち、「たら」という言葉が、原形の「た」という言葉で集計されている例が多かったので、思考語彙からはずしました。
表現語彙のうち、「の」が名詞として集計されていますが、「の」と表示されてもわからないと思うので、表現語彙からはずしました。
ほかに、あらかじめはずしているものは、数字の1、2、3……などです。
以上の調整をしたあと、全学年のほぼ中間に位置する中1の1~2月の採点をし直し、新しい平均点と標準偏差の数値を作りました。
その新しい基準で、2月からの森リン点を採点し直します。
なお、それぞれの語彙の簡単な説明は次のとおりです。
・思考語彙……考える言葉、説明、意見、感想など。
・知識語彙……知識実例、調べた話など。
・表現語彙……話題の多様性。語彙の多様性。
・文化語彙……具体的な例。主に体験実例。
これらの語彙は、単純な個数の集計ではなく、種類の数の集計なので、同じ語彙がある場合は1つとして数えています。
どの語彙も多いほうがいいと思うかもしれませんが、多すぎるとかえってマイナスになることがあります。
・思考語彙が多すぎると……理屈の多い、読みにくい文章になる可能性があります
・知識語彙が多すぎると……難解な言葉や知識実例が多く、読みにくい文章になる可能性があります
・表現語彙が多すぎると……話題は豊富ですが饒舌で、考える内容の薄い文章になる可能性があります。
・文化語彙が多すぎると……身近な実例や体験実例が多く、浅い内容の文章になる可能性があります。
しかし、現在はまだ、特定の語彙が多すぎることによるバランス上の減点は行っていません。
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発表が遅くなりましたが、11月の森リン大賞を掲載しました。
https://www.mori7.com/oka/moririn_seisyo.php?nenn=2024&tuki=11
今が未来をつくる
中1 あかるら
私は今この瞬間を大切に生きるべきだと思う。この理由は二つある。
第一に、一時一時を豊かに生きることができるからだ。未来のためと言いながら永遠に今ある時間を捧げるのはどこか寂しい人生だ。この瞬間だからこそ可能なこともあるのだ。私が以前読んだことがある『モモ』からもこのことが言える。作中たくさんの人の時間を奪う時間泥棒達は灰色の服に黒い鞄を持った色のない、つまり個性がない人物と捉えることができる。しかしモモは違う。彼女は今を大切に生き、豊かで個性的な色や考えを持っている。だからこそ様々なものに喜怒哀楽を示し、果敢に挑戦する登場人物として描かれているのだ。私達の人生は川の流れのように一定に進み老化や死へと向かう。その中で、想像のつく未来のために今ある気持ちや好奇心を捨てる必要はないのだ。自分の気持ちに忠実に生活することで得られるものは「予定された未来」よりは遥かに多い。私の同級生に自分の得意な短距離走を続けたことで様々な大会で優勝をしている人がいる。またUpper LIFEというウェブサイトによると今この瞬間と向き合うマインドフルネス瞑想を定期的に行った生徒たちの算数の成績は、そうでない生徒たちに比べて15%も高いスコアを記録したそうだ。この瞑想にはストレス軽減やうつ症状の改善、集中力の向上、免疫機能の強化など、心身両方に多くの利点が報告されている。私達が漠然とした未来に向けて行動していること一つ一つが人生に彩りを与えているのだ。
第二に今が未来を作っているからだ。どんな過去や今の活動も振り返ると全て意味がある。私は小さい頃家族と共に様々な場所へ行き、多くの経験をした。当時としては一つ一つの楽しい思い出や遊びとしか考えていなかったが、今は違う。この幼いときのことが今の私の精神や知識と結び付いていると感じる。例えば私はよく近所の小さな郷土資料館に行き、タッチパネルのクイズで遊んでいた。これは一ステージごとに用意されてありクリアするとカードとスタンプがもらえるため長年参加していたことを今でも覚えている。ここに通うことによって地元の知識だけでなく挑戦する気持ちややり抜く心を培うことができたと考える。このことは今でも英検やボランティア活動に参加するたびに生かすことができている。私がこの資料館に通っていたのはその時に興味があったからだ。もしも幼い頃から先の学校生活だけを見据えて生活していれば、様々な力を得ることができなかっただけでなく、人生に楽しさを見出すことが難しかっただろう。
確かに未来を見据えた計画と行動は効率的だ。私自身、少し先の未来に向けて計画を立てることでやるべきことを明確になり、その目標を達成させることができた経験がある。しかし「私たちの人生は私たちが費やしただけの価値がある。」という言葉がある。どんな経験にもそれぞれ意義があり、これによって人間の生活が支えられているのだ。私はこれからも今自分がやりたいことをしっかりと考え向き合うことで一度しかない人生を豊かに、そして学びの多いものにしていきたい。このことから今この瞬間を大切に生きるべきだと私は考える。
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筑波大学附属高等学校・開成高等学校 S.K.さん
<担当講師より>
受験期間の2週間だけお休みされましたが、直前まで作文も粛々と取り組んでくれていました。ユーモアセンスがあり、鋭い視点で個性あふれる文章を書いてくれます。高校でのさらなる成長と活躍を期待しています。
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自由学園中等部 N.J.さん
<担当講師より>
読書好きで、語彙力、表現力に長けていることはもちろんですが、自分にしかできない体験を通して感じたこと、考えたことを、自分の言葉で伝えることができる聡明な生徒さんです。
願書作文では、入学への思いが伝わる文章をしっかりと書くことができました。
中根先生からも「願書の模範のような願書です」とお墨付きをいただいていました(^^
「平和・環境・人権を大切に学び、誰一人とり残されることのない社会を実現するために貢献できる人になりたい」という目標に向かって学びを続け、それを実現できる人になってくれると期待しています。
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森リンの思考語彙は、考える言葉がどれだけ使われているかで評価しています。
その語彙のうち、妥当性の低いものを取り消し、新たに思考語彙としてふさわしいものを追加しました。
2月の作文の評価から、採点をし直します。
思考語彙の点数が変わりますので、ご了承ください。
集計作業中、一時的に、思考語彙の点数が下がりますが、集計のあと、新しい標準偏差で点数を表示し直します。
なお、2月から、総合点は、全学年の基準で出すようにしました。
1月までは、学年ごとの点数でしたが、2月からは全学年の点数になります。
したがって、小学生の人はこれまでよりも点数が低くなり、高校生の人はこうれまでよりも点数が高くなる傾向になります。
全体の基準をもとに、点数が少しずつ上がるようにがんばってください。
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1月の小5の問2のBは、次のようになっています。
B すでに渡りを知っている鳥が未知の場所につれていかれると、これまで住んでいた地にもどろうとする。
これは、問題文の前半を読めば○ですが、後半を読めば×とも考えられます。
ですから、選択肢は3でも4でも、どちらを選んでも正解としています。
しかし、点数が正しく表示されていない人がいましたので、3を選んだ人の点数を調整しました。
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昨年の11月から開始した新しいAI森リンの点数は、学年ごとの点数としました。
すると、森リンベストの点数は、小学生でも最高が80点台、高校生でも最高が80点台となりました。
しかし、こういう点数では、学年が上がったときでも進歩のあとがわかりにくいという問題が出てきました。
そこで、2月からは、学年ごとの点数ではなく、昔の森リンのように全学年統一の点数とします。
その結果、小学生は、これまで80点台だった生徒も30点台や40点台となります。
高校生は、これまで80点台だった生徒が、90点台になることもあります。
中学生は、あまり変わりません。
2月からの点数が、新しい基準の点数ですから、この点数から少しでも点数が上昇するようにがんばってください。
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森リンによる作文の評価は、語彙力の評価を中心にしています。
人間の感覚で、「読み応えのある作文」と感じるものは、語彙の評価において点数が高いことと相関関係があります。
しかし、人間は、その感覚の理由を説明できません。
「何となく、こちらの作文の方がよく書けている」というところまでしか言えないのです。
しかし、森リンの語彙の点数を見ると、その「よく書けている」という理由が数値となって表されます。
それは、ほんのわずかの数値の差であることが多いのですが、それでも客観的な評価ができるので、今後の作文の勉強の方向がわかります。
ところで、語彙力は、すぐに伸びるものではありません。
数学や英語は、がんばればがんばっただけ成績が上がるのも早いのですが、作文や読解はそうではありません。
それは、作文力や読解力は、知識や方法によって身につける力ではなく、トータルな日本語の力によって身につけるものだからです。
日本語力の基本は、読書の量と質です。
作文や読解の勉強は、まず本を読むことから始まるのです。
しかし、知識や方法として作文や読解を上達させる道もあります。
作文の場合は、森リン点を参考にすることです。
■思考語彙は、説明や感想を書く力です。
作文のそれぞれの段落の結びに、自分なりの思ったことを書くとか、最後の段落の感想や意見を短く終わらせずにじっくり書くとかいう方法が役に立ちます。
■知識語彙は、調べたことや知識やデータを実例として取り込むことです。
調べなければわからないような実例は、難しい実例であることが多いので、難しい言葉が多い作文は、自然に知識語彙が高くなります。
■表現語彙は、多様な語彙を使うことです。同じことを説明する場合でも、同じ言葉ではなく多様な言葉を使って書くと表現語彙が高くなります。
表現語彙は、主に社会実例と関係があるので、硬い多様性とも言えます。
■文化語彙は、やはり多様な語彙ですが、主に体験実例に基づいた語彙と関係があるので、柔らかい多様性と言っていいと思います。
■字数は、学年の200倍が基準なので、小1は200字、小2は400字、小6以上は1200字を基準としてください。
字数がそれ以上長くても、語彙の点数には関係しません。
森リン点を上げることを目安にして、作文の勉強を進めていきましょう。
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