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作文の書き方——高校生の作文 as/536.html
森川林 2009/06/24 09:17 


作文検定凖2級レペル
高校生になったら、社会問題と原因対策を考えよう

▼ここが大切!

▽社会問題の主題

 現代社会の問題として主題を考えていく練習です。自分も当事者である社会問題だと考えていくと、問題意識が鮮明になります。

▽複数の原因

 社会問題の原因を考えます。横軸として社会的原因を、縦軸として歴史的原因を考えるとよいでしょう。原因は、同じものになりやすいので、裏づけとなる実例を多様に膏きましよう。

▽白作名言

 結びの意見に、自分でつくった光る表現を書きます。「○○はAではなくBである」という形で書くと、常識の背後にある逆説の莫理が明らかになります。

▼作文を書き終えたあとに

 大学入試の小論文試験対策として、自分で書いた実例や表現を蓄積しておくことです。書いた作文は保存しておき、自分なりによく書けていると思うところに赤線を引いておきましょう。小論文試験の本番では、これまでに書いたいい実例やいい表現をできるだけ盛り込むようにすると、実力を一〇〇%生かせる文章が書けます。

▼作文のお手本!

   専門と教養

 大学の進路を選択する時期になると、受験に必要な教科とそうでない教科の取り組みに差が出てくる。しかし、理科や数学の苦手な文系の人に、真に専門を深めた文系の学問ができるだろうか。同様に、古典や文学の苦手な理系の人に、真に社会に役立つ理系の学問ができるだろうか。現代の日本では、能率のために、幅広い教養を忘れがちなところに問題がある。

 その原因は第一に、これまでの教養主義が社会の進歩についていけなかったからである。福沢諭吉は、漢学を捨てて蘭学を志した。それまでの伝統ある儒教的教養だけでは、幕末の世界の情勢に対応できなかったからである。私も授業中ときどき、重箱の隅をつつくような勉強に疑問を感じることがある。学問の先端が急速に拡大している現代では、教養も大胆に精選させていくべきである。

 もう一つの原因は、私たちの中にある他人志向の風土である。私たちは一人ひとりが自立した全面的な人間であろうとするよりも.それぞれが得意な分野を狭く持った集団生活を営もうとしがちだ。それは、白分の専門分野に安住することであり、言葉を換えれば、苦手な分野を他人に依存した集団生活でもある。

 人間には、目も耳も手も足もある。もし、目だけの人間がいるとしたら、それは妖怪の父親だろう。しかし、現在の社会は分業で能率を高めるために、目なら目だけの一つの能力に専門化した人間を求める傾向がある。『モダンタイムス』のチャップリンは、工場でひたすらねじを締め続ける。確かに、人間は、何にでもなれる。しかし、それは人間がねじ回しになっていいということではない。学問を深めるためには、専門を掘り下げるだけでなく、教養を広げることが大切なのだと私は思う。


▼高校生の目記の書き方

 その日に思ったことを、「反対意見への理解」「自作名言」が入るように書きましょう。文章を書くためには、ある程度外からの強制力が必要です。開始時刻と終了時刻を決める、図書館に行って書くなど、白分なりに書きやすい条件を工夫していきましよう。

○月○日

 小学校からの英語教育が進んでいる。
 確かに、日本人は、もっと国際感覚を持つ必要がある。そのための手段として、英語教育を進めることは必要だ。しかし、その前に、母語である日本籍をしっかり見につけることも大切だ。
 言葉とは、単なるコミュニケーションの道具ではなく、その人のアイデンティティーの土台である。

▼書き終えたあとに

 高校生で学力も文章力もある人の書く文章中に、意外と小学校中高学年で習った漢字の誤字があります。手書きの場合、あいまいな漢字はとりあえずカタカナなどで書いておき、辞書で確かめるようにしましょう。

学年別作文感想文の書き方

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作文の書き方——中学生後半の作文 as/535.html
森川林 2009/06/23 02:24 


作文検定4級レペル
中学生の後半は、方法を考えて書こう

 中学生の後半は、象徴的な題名を主題にする書き方を身につけます。体験実例も社会実例もできるたけ個性的ほ書きましょう。字数の目標は六〇〇—一二〇〇字です。

▼ここが大切!

▽生き方の主題

 象徴的な題名を白分の生き方に結びつけて書く練習です。象徴的な題名とは、「窓」「道」「空」などという題名です。その題名から連想して、どんな生き方をしたいかという形で意見を考えます(「私は、窓のように心を開いた生き方をしたい」など)。

▽複数の方法

 意見を実現するための方法を書きます。心構え的な方法と、社会的な方法の両方から考えてみましょう。

▽社会実例(伝記)

 社会実例として伝記から実例を選ぶ練習です。本を一冊読んでおくと、その一冊からいろいろな実例が引用できます。『福翁自伝』(福沢諭吉)、『フランクリン白伝』(フランクリン)、『氷川清話』(勝海舟)などを読んでおきましょう。特に明治時代は近代日本の原点を形成した時代ですから、その時代の伝記を読むと応用が広がります。

▽詩の引用

 多くの人に知られている詩、短歌、歌の歌詞などから表現を引用し、意見に合わせて加工して書く練習です

▼作文を書き終えたあとに

 中学生の後半は、小学五年生のころから続いた作文のスランプにようやく出口の見える時期です。中学生の後半に書く作文の中には、大人になったときに読み返しても感動するような優れたものがよくあります。それだけ、白分の言葉で物事を深く考えられるようになったということでしょう。しかし、書いている本人は、よく書けたという自覚がないことが多いので、周囲の人が温かく評価してあげることが大切です。

▼作文のお手本!

   森

 先日、田舎の祖父の家に行った。祖父の裏山にある森は、春にはタケ/コが出るし、秋にはクリやキノコが採れる、生きた白然のある森だった。確かに、都会の公園にも自然はある。しかし、生きたものという感じがしないのは、やはりそこに多様性がないからだろう。私は、白然の森のように多様なものを許容できる人間になりたい。

 そのための方法としては、第一に、外見だけで相手を判断しないことだ。私は昔スズムシを飼っていたごとがある。ある日、母と一緒にスズムシが鳴いているのを見ていたとき、かごの横をゴキブリが通った。そのとき、母は、「スズムシちゃん、いい声ねえ」と言った声のボリュームを急に上げ、「きゃあ。ほら、スリッパ」と、ゴキブリをたたこうとした。しかし、よく考えてみれば、スズムシもゴキブリも、同じ地球の仲間なのだ。

 多様性を持つ第二の方法は、互いの意見を交流させることだ。今、世界には、民族や宗教の紛争が続いている。その根底にあるのは、異なる価値観を持った人どうしの対話の不足である。人間は、意見の異なる人とこそ話を交わすべきなのだ。幕末の江戸城明け渡しの立役者、勝海舟と西郷隆盛は、それまでに一度しか会ったごとがなかった。しかし、その二人の対話が江戸を戦火から救ったのだ。

 確かに、白分の考えを純粋に貫こうとすることは尊い。しかし、それが白分とは異なるものを拒否することであってはならない。森のよさとは、多様なものを認めるよさである。「ミミズだって、オケラだって、アメンボだって」という歌がある。その歌詞の延長には、やはり「ゴキブリだって」森の中て楽しく生きているはずなのである。


▼中学生後半の日記の書き方

 その日に思ったことを、「したい」「なりたい」「べきだ」「問題だ」などと意見化し、「反対意見への理解」が入るように書きましょう。感想と説明だけの殺風景な日記にならないように、情景描写も工夫してみましょう。

○月○日

 今日は、久しぶりにいい天気だった。青く広がる明るい空に、筆でかいたような白い一筋の雲が浮かんでいた。
 私は、ごの空のようにいつも明るい心で生きていきたい。
 確かに、暗い現実があるときにそれを直視するごとは大切だ。社会の進歩は、否定的な現実を変革することで生まれる。しかし、そのときに、心まで暗くしてはならないと思った。

▼日記を書き終えたあとに

 中学生は、文章を書くことがスランプになりがちな時期ですが、中学生後半になると次第に自分の考えが確立してきます。意見や実例の材料となるものは、やはり読書です。書くことがないときは、無理に書こうとするのではなく、まず読むことに力を入れていきましょう。

学年別作文感想文の書き方

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