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記事 55番  最新の記事 <前の記事 後の記事> 2025/4/14
今学期の項目 ★マキの苗(中学校1年生相当)★ as/55.html
cynthia 2006/04/13 13:57 
  是非の主題 —私はAがよいと思う—

 よいか悪いかをはっきりさせて主題を考える練習です。書き方は「……がよいと思う」「……はよくないと思う」「……が大切だと思う」「……べきだと思う」のような形になることが多いでしょう。 世の中には、よいか悪いかをどちらか一方には決められないものが多いので、どちらにも絞れないというときもあります。そういうときも練習として、どちらか一つ(A)を中心にして、反対理解でもう一つの意見(B)を書くように練習していきます。
 例:(寄り道はよいか悪いかという題名で)私は寄り道はよい(A)と思う。それは……という理由だからだ。……(中略)。確かに、寄り道には悪い面(B)もある。それは……だからだ。しかし、私は、寄り道はよい(A)面の方が多いと思う。

  複数の理由一 —…の理由は第一に—
  複数の理由二 —…の理由は第二に—

 是非の主題の展開部分として理由を書く練習です。小学生までの指導では実例を考えればよいとしていましたが、中学生以降は、理由を考えて、その理由に対応した実例を考えるという書き方になります。しかし、理由を考えるということはものごとを抽象的に考えることなので、語彙の少ない中学生のころは書きにくいことが多いものです。先生の方である程度、見本を示して指導する必要があります。
 理由の考え方は次のようになります。 AがよくてBが悪いという意見の場合:(1)Aのよい理由、(2)Bの悪い理由、(3)Aでないのが悪い理由、(4)Bでないのがよい理由。 普通は、(1)(2)だけで間に合います。言葉の上での違いだけのようですが、実際に書いてみると、異なる理由と実例の展開になります。
 例:(あだなはよいか悪いかという主題について)あだなはよいと思う。その理由は第一に、あだなで呼ぶと親しみがわくことが多いからである。例えば……。

  体験実例 —自分らしい体験実例を書く—

 理由を裏づける体験実例を書いてみましょう。

  ユーモア表現 —ユーモアのある表現(笑)—

 読み手を笑わせるような表現を入れます。自分の失敗談を書いたり、物事を大袈裟に書いたりするとよいでしょう。

  反対意見への理解 —確かにBもよいが、しかしAが—

 四段落構成の結びの四段落目に、自分の意見とは反対の考えに対する理解を入れて書きます。およそ意見というものは、どんなに正しいように見えても必ず反対の立場というものがあります。中学生や高校生のころはまだ視野が狭いので、自分が心から正しいと思っている意見を書くときは、反対意見を全面否定するような形になることが多いものです。しかし、意見は一方的に書けば書くほど説得力を失う面があります。自分がどれほど正しいと思った意見でも、結びの段階で反対意見への理解に言及するようにすると、かえって説得力が増してきます。
 反対理解を書くことは、意見文の鉄則です。書き方で注意することは二つあります。一つは、反対理解をじっくり書きすぎると、意見が分裂したような印象になることです。反対理解は必要最小限にとどめてさらりと書くことが必要です。もう一つは、弱い反対理解を書いて済ませてしまう場合や、反対意見への理解ではなく反対事実の紹介で済ませてしまう場合があるということです。例えば、弱い反対意見の理解の例としては、「(漫画はよいか悪いかで悪いという意見を述べたあと)確かにくだらない漫画を読みたくなる気持ちもわかるが……」というような書き方です。漫画がよいという積極的な意見への理解ではなく、消極的な意見への理解になっています。反対事実の紹介の例としては、「(漫画はよいか悪いかで悪いという意見を述べたあと)確かにおもしろい漫画もあるが……」というような書き方です。キーワードは、「確かに」ですが、ほかに「もちろん」「なるほど」「もっとも」なども考えられます。

  名言の引用 —主題に合わせて名言を引用する —

 https://www.mori7.com/ki/meigenn/print.php">名言集から主題に合う名言をさがして、引用します。

  90分以内 —書き始めから書き終わりまで90分で—

 長文を読む時間、構成メモを考える時間などは入れずに、書き始めから書き終わりまでを90分以内で書いていきます。時間のかかる人は、全体で90分とだけ考えずに、段落ごとに途中経過時間の目安を決めておきましょう。
 
 https://www.mori7.com/mine/nae.php?yama=ma">マキの苗

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記事 54番  最新の記事 <前の記事 後の記事> 2025/4/14
今学期の項目 ★ハギの苗(小学校6年生相当)★ as/54.html
cynthia 2006/04/13 10:02 
  要約 —要約を200字ぐらいでまとめる— (感想文の場合)

 長文の要約の練習です。慣れるまでは、三文抜き書きと同じように考えて構いません。慣れてきたら、そこに自分の言葉を補いながらまとめてみましょう。

  書き出しの工夫 —会話・色・音・情景で書き出す—

 書き出しに、会話、色、音、情景を入れて、読み手を引きつけるような効果を出します。
 例:「やったあ。」僕は大声を出した。明日は休みだ。
 例:赤い夕日が西の空を染めている。やっと練習が終わった。
 例:ガーン。僕は目の前が真っ暗になった。
 例:窓の外から広い公園が見える。私の部屋は二階にある。

  体験実例 —自分らしい体験実例を書く—

 作文の場合も、感想文の似た話も、自分が実際に体験したことをくわしく書いてみましょう。

  たとえ —まるで…のよう—

 小学校高学年は、たとえが自由に使える学年です。このころになると、表現の要は、「たとえ」から「名言」に移っていきます。つまり、たとえを使って事実を個性的に表現する書き方から、名言を使って意見を個性的に表現する書き方に移行していきます。中学生以上になると、たとえを多用した文章はかえって幼稚な印象を与えるようになってきます。小学校高学年では、たとえの指導をするとともに、将来の名言の指導の前段階として「ことわざの引用」の指導をしていきます。

  ユーモア表現 —ユーモアのある表現(笑)—

 読み手を笑わせるような表現を入れます。自分の失敗談を書いたり、物事を大袈裟に書いたりするとよいでしょう。

  一般化の主題 —○○○は人間にとって…である—

 作文の結びに大きくとらえた感想を書く練習です。小学6年生以上は、ものごとを一般化して書く力がついてきます。例えば、「私の家族」という題名で作文を書いた場合、中学年では、「これからも楽しい家族でいたいです。」のようなまとめ方で終わることが多いものですが、高学年では、「家族というものは人間にとって、心のよりどころとなるものだと思う。」のようなまとめ方ができるようになってきます。しかし、この一般化の力はまだ充分ではありませんから、先生の方でヒントを指示してあげる必要があります。
 高校生以上で一般化の主題を書く場合は、構成メモの段階で先に一般化の主題を考えておき、その主題に合わせて実例を書くという書き方をしていくのが理想です。小学生では、そこまでは要求できないので、実例を複数書いてから、その実例に合わせて一般化したまとめ方をするように指導していきます。
 例:(私の友達という作文を書いたあと)友達というものは、人間にとってその人を映す鏡のようなものだと思う。類は友を呼ぶということわざがあるように、私も友達にふさわしい人間になっていきたい。

  引用はただし書きで —ほかの人の文章を引用するときは明示 —

 ほかの人の文章を引用するときはわかるようにしておく。

  一文百字以内 —一つの文が百字をこえないように —

 https://www.mori7.com/mine/nae.php?yama=ha">ハギの苗

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記事 53番  最新の記事 <前の記事 後の記事> 2025/4/14
読解マラソン 〜読解力をつけるための最短コース〜 as/53.html
cynthia 2006/04/12 22:31 
 港南台教室で、希望者対象に5月から読解マラソンを行います。
 読解マラソンの概略は次のとおりです。

(1)指定された図書(問題集)を自宅で音読します。(5回以上の復読が目標)
(2)教室で毎週読んだページを記録します。
(3)月に1回教室で簡単な問題を行います。

 企画としてはシンプルなものですが、インターネットで自分の進歩の度合がわかるようにグラフ化し、楽しく勉強ができるようにしていきたいと思います。
 費用は、図書の実費のみです。
 ただし、この読解マラソンは、本人が自覚的に読むことが勉強の中心で、先生が手取り足取り教えるものではありません。
 勉強時間というものは特に決めませんが、大体1日15分ぐらいが目安になります。自分のペースで読んでいってかまいません。しかし、毎日継続することが大事ですから、どんなに短い時間でも必ず1日1回は読むというようにしてください。
 文章のリズムを味わいながら読むのが目的ですから、口の中で小さくつぶやきながら読んでいくようにしてください。
 当面、募集学年は、小3〜中3の範囲です。
 読解マラソンへの参加を希望される方は、お電話又は下記ホームページからお申し込みください。
 受付:4月20日まで
 期間:5月1日〜10月31日の6ヶ月間
 https://www.mori7.com/marason/">https://www.mori7.com/marason/

 読解マラソンは、当面港南台教室の生徒が対象ですが、夏ごろから通信生も受講できるようにしていく予定です。

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記事 52番  最新の記事 <前の記事 後の記事> 2025/4/14
今学期の項目 ★ナツメの苗(小学校5年生相当)★ as/52.html
cynthia 2006/04/11 17:26 
  要約 —要約を200字ぐらいでまとめる— (感想文の場合)

 長文の要約の練習です。慣れるまでは、三文抜き書きと同じように考えて構いません。慣れてきたら、そこに自分の言葉を補いながらまとめてみましょう。

  書き出しの工夫 —会話・色・音・情景で書き出す—

 書き出しに、会話、色、音、情景を入れて、読み手を引きつけるような効果を出します。
 例:「やったあ。」僕は大声を出した。明日は休みだ。
 例:赤い夕日が西の空を染めている。やっと練習が終わった。
 例:ガーン。僕は目の前が真っ暗になった。
 例:窓の外から広い公園が見える。私の部屋は二階にある。

  体験実例 —自分らしい体験実例を書く—

 作文の場合も、感想文の似た話も、自分が実際に体験したことをくわしく書いてみましょう。

  たとえ —まるで…のよう—

 小学校高学年は、たとえが自由に使える学年です。このころになると、表現の要は、「たとえ」から「名言」に移っていきます。つまり、たとえを使って事実を個性的に表現する書き方から、名言を使って意見を個性的に表現する書き方に移行していきます。中学生以上になると、たとえを多用した文章はかえって幼稚な印象を与えるようになってきます。小学校高学年では、たとえの指導をするとともに、将来の名言の指導の前段階として「ことわざの引用」の指導をしていきます。

  ダジャレ表現 —思ったことなどの中にダジャレを使う—

 ユーモア表現としてダジャレを入れる練習です。思ったことや会話の中などに、ダジャレを入れてみましょう。頭の体操にもなるはずです。

  わかったこと —理解したこと学んだこと発見したこと—

 作文の結びにわかったことを書く練習です。事実中心の作文から感想や意見中心の作文に以降する前段階の練習です。小学5年生になると、ものごとを大きくとらえる力が出てきます。何かの出来事があったときに、その出来事自体の描写で終わるのではなく、その出来事を通して自分なりに何を学んだのかとか、自分にどんな変化があったのかというまとめ方ができるようになります。
 例:(運動会の話のあとで)私は、やはりつらくても練習をしっかりやった方があとから満足できるのだということがわかった。
 キーワードは「分かった」「わかった」だけですが、ほかにも、「学んだ」「教えられた」「あらためて考えさせられた」などが考えられます。小学校5年生のころは、ものごとを大きくとらえる力がまだ充分に成長していないので、しばらくは教える先生の方で見本となるわかったことを説明する必要があります。

  漢字を使う、ていねいに書く —習った漢字を使いていねいに書く —

  常体で書く —した・だった・であるなどで書く練習—

 https://www.mori7.com/mine/nae.php?yama=na">ナツメの苗

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記事 51番  最新の記事 <前の記事 後の記事> 2025/4/14
今学期の項目 ★タラの苗(小学校4年生相当)★ as/51.html
cynthia 2006/04/10 14:26 
  三文ぬきがき —はじめ中おわりから文を三つ抜き書き— (感想文の場合)

 要約の前段階の練習です。要約は、文章の内容として重要なところを抜き出してまとめることですが、このような全体の構成を考える力がつくのは小学5年生以降です。ところが、5年生から急に要約の指導をすると、ほとんどの生徒は抜き出すところが多くなりすぎ、長い要約になってしまう傾向があります。
 指導の仕方として、最初に長い要約を書かせて、徐々に短くまとめさせてゆくというやり方も考えられますが、言葉の森では、最初から短い要約を書く練習をさせていきます。5年生から指導する要約の全体の感じをつかむために、4年生では、文章全体から三文を選んで抜き書きする練習をします。
 重要なところを選んで抜き書きするように指導することは4年生では難しいので、文章の「始め」「中」「終わり」から一文ずつで合計三文の抜き書きをするように指導します。三文抜き書きという学習は初めてという生徒がほとんどなので、最初の数回は先生が見本を示します。「今から先生が言うところに線を引いてね。一番目は○行目の……。二番目は○行目の……。三番目は○行目の……。その線を引いた三つの文をそのままつなげて書いていくことが三文抜き書きです。線を引くところは、三箇所であればどこでもいいです」
 大事なところに線を引くということではなく、どこでもいから三箇所線を引くということが大事です。これによって、全体の感覚をつかみ抵抗なく三文抜き書きができるようになってから、徐々に大事なところに線を引く(選ぶ)ように指導を発展させていきます。

  書き出しの工夫 —会話・色・音・情景で書き出す—

 書き出しに、会話、色、音、情景を入れて、読み手を引きつけるような効果を出します。
 例:「やったあ。」僕は大声を出した。明日は休みだ。
 例:赤い夕日が西の空を染めている。やっと練習が終わった。
 例:ガーン。僕は目の前が真っ暗になった。
 例:窓の外から広い公園が見える。私の部屋は二階にある。

  自分だけがしたこと —自分だけがしたこと、初めてしたこと—

  作文の題材には、できるだけ自分のしたことを書くことが大切です。それはその方がその人らしい作文になるからです。例えば、サッカーの試合の話を書くときに、「Aくんがパスして、Bくんがシュートをして、1点を取った」というような書き方ではなく、「(ほかならぬ)ぼくがシュートをしようとして空振りした」というようなことを書いていくということです。たとえ、失敗をした話であっても、自分のしたことの方が書いていておもしろいと説明していくとよいでしょう。  これは、将来の意見文の中の体験実例につながっていきます。
 指導は一見難しいようですが、みんなと同じことを書くのではなく、自分だけがしたようなことを書いていくといいよと説明すると、小学校中学年の生徒はすぐに理解します。 評価は、自分のしたことが書いてあれば◎とします。

  たとえ —まるで…のよう —

 小学校中学年は作文の中にたくさんのたとえを使えるようになる学年です。このころにまだたとえの使い方がありきたりでいつも同じたとえばかり使う子は読む練習が不足しています。たとえが楽に使えるようになった生徒には、ただたとえを使うのではなく、自分らしいたとえを使うことを指導していきます。

  ダジャレ表現 —思ったことなどの中にダジャレを使う—

 ユーモア表現としてダジャレを入れる練習です。思ったことや会話の中などに、ダジャレを入れてみましょう。頭の体操にもなるはずです。

  心の中で思ったこと —口に出さないが心の中で思ったことを書く—

  思ったことを個性的に書いていく練習です。自分だけが思ったことは、ほかの人が思わないような思ったことでしたが、これは、口には出さない(出せない)思ったことを書く練習です。
 例:(先生におこられて)僕は、先生だって子供のころ、こういうことをしただろうになあと思いました。○
 例:(先生にほめられて)僕は、このぐらいで喜んいちゃだめだ、僕はもっと上を目指すんだからと思いました。◎

  漢字を使う、ていねいに書く —習った漢字を使いていねいに書く—

  段落三文 —段落の目安は三文ぐらい —

 https://www.mori7.com/mine/nae.php?yama=ta">タラの苗

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記事 50番  最新の記事 <前の記事 後の記事> 2025/4/14
今学期の項目 ★サツキの苗(小学校3年生相当)★ as/50.html
cynthia 2006/04/08 12:53 
  中心を決める —いちばん……なのは—

 作文の中心を決めて書く練習です。
 小学生のころは中心を決めるという意識が薄いことと、字数に気を取られることが多いことから、朝起きてから寝るまでの作文を書くような傾向があります。しかし、作文に取り上げた題名によっては自然に中心が決まる場合もあるので、一律に指導することが難しい面もあります。例えば、「僕のお母さん」という題名で書いた場合は、自然に中心が決まりますが、「動物園に行ったこと」という題名では、ほとんどの子が「次に○○を見て、そのあと□□を見て、そのあと……」という中心の決まらない書き方になります。 中心を決める指導は、この、中心が分散しがちな題名のときにも意識的に中心を絞れるように普段から中心を決めるキーワードを入れていく練習です。
 低学年などで、「いちばん」という言葉を指導しにくいときは、「自分がいちばん書きたかったところを○で囲んでおいてね」と指導します。要するに、生徒に中心を決めて書くことが大切だという意識ができるように指導していきます。
 例:昨日、動物園に行きました。たくさんの動物を見た中でいちばん面白かったのはペンギンです。(以下ペンギンを中心に書く)
 例:夏休み、田舎のおばあちゃんのうちに行きました。三日間いた中でいちばん心に残ったのは、二日目の朝にスイカ割りをしたことです。(以下スイカ割りの話を中心に)
 例:私は……を読みました。この本でいちばん印象に残ったところは、うらしま太郎がカメを助けたところです。(感想文の場合はこのように中心を決めると、あとが続けやすい)
 「私のお母さん」のように既に題名の段階で中心が決まっているものについても、「いちばん好きなところは優しいことです。」のようにキーワードを入れさせるようにすると指導に一貫性が出てきます。
  ※順位を表わすときでない「いちばん」はひらがな書きが正しいが、グーグルでは漢字の方が主流になっているので、漢字でもよいとする。

  もし…だったら —想像したことを書く—

 感想文などで似た話が書きにくい場合などに、想像した話を書いて題材をふくらませる練習です。  一つは自分になぞらえて書く書き方です。  例:もし私が桃太郎だったら……。  例:もし私がそのときの鬼だったら……。  もう一つは、事実とは異なる展開を想像して書く書き方です。  例:もし鬼が早めに謝っていたら……。  例:もし桃太郎がけちで、きびだんごをあげなかったら……。

  たとえ —まるで…のよう—

 小学生の表現項目の要です。「たとえ」「比喩」という言葉よりも、「まるで……のよう」「まるで……みたい」という言葉で説明する方がわかりやすいようです。小学校中学年は作文の中にたくさんのたとえを使えるようになる学年です。このころにまだたとえの使い方がありきたりでいつも同じたとえばかり使う子は読む練習が不足しています。たとえが楽に使えるようになった生徒には、ただたとえを使うのではなく、自分らしいたとえを使うことを指導していきます。

  自分だけが思ったこと —ほかの人が思わないような思ったこと—

 結びに書く思ったことを、ありきたりの思ったこと(「たのしかった」「おもしろかった」「またいきたいです」など)で終わらせずに、自分らしい感想として書いていく練習です。 一見指導しにくいように見えますが、小学校中学年の子は、「自分だけが思ったこと」「自分しか思わないような思ったこと」「自分らしい思ったこと」を書くように説明すると、すぐに理解します。指導の初期で説明のしくにいときは、「たのしかった、おもしろかったなどのありきたりのことを書かないように思ったことを書いてあればいい」と指導します。評価は、思ったことが書いてあれば◎。特によく書けているときに取り上げてほめると、だんだんコツがわかってきます。
 例:(カレーライスを食べて)僕はおいしかったなあと思いました。×
 例:僕は、こんな料理をだれが考えついたのかと思いました。○
 例:僕は、毎日朝ごはんがカレーライスでもいいと思いました。○
 例:僕は、カレーが王様だとすれば、ラーメンは女王様で、ハンバーガーは王子様ぐらいだなあと思いました。◎

  それで少なく —それで・それからなどを使いすぎない—

  「それで」「そして」「それから」「そうしたら」などの接続語は、少ない方が文章が引き締まります。「それで」を続けて書く子には、「『それで』という言葉は一枚の作文用紙に一回だけは使っていいから、あとは読み返して消しておこうね」と指導します。

 https://www.mori7.com/mine/nae.php?yama=sa>サツキの苗

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記事 49番  最新の記事 <前の記事 後の記事> 2025/4/14
今学期の項目 ★カキの苗(小学校2年生相当)★ as/49.html
cynthia 2006/04/07 09:35 
  はじめに絵をかく —中心を決めるために絵をかく —

  作文を書く前に、書きたいことを絵で表します。低学年の生徒の場合は、絵をかくと何が印象に残ったのかが文章で表すよりもよくわかることがあります。文章が時系列的であるのに対し、絵は空間描写的です。文章で長く書こうとすると、朝起きてから夜寝るまでを時間の順番で書くことになりがちですが、絵をかいたところを中心に書くと焦点の絞られた作文になります。 はじめにかく絵は、色を塗ると時間がかかります。色を塗りたいときは、作文を書いたあとに塗るようにします。

  名前・数字 —名前や数字をくわしく書く—

  どこかに出かけたときなど、場所などの名前(固有名詞)や日時などの数字を書いていくと、正確な文章になります。一般に男の子は会話よりも数字や名前に関心が高く、女の子は数字や名前よりも会話に関心が高い傾向があります。数字や名前を正確に書くことは、作文の表現の面白さには直結しないので評価されることの少ない分野です。数字は縦書きで書くときは、漢数字を使うのが一般的です。

  たとえ —まるで…のよう—

  小学生の表現項目の要です。「たとえ」「比喩」という言葉よりも、「まるで……のよう」「まるで……みたい」という言葉で説明する方がわかりやすいようです。小学校低学年のときは、まだうまく使えない子が多いので、このころにたとえを使う文章を書ける子は表現力が豊かだと言えます。練習の方法としては、家庭の中でゲームのようにたとえを使うやり方が効果的で、大人も子供も楽しめます。

  思ったことを長く —結びに思ったことをくわしく書く—

  結びに思ったことを書く書き方が定着したあとに、思ったことをくわしく書く練習をしていきます。 これはそのあとの学年で、「自分だけが思ったこと」「心の中で思ったこと」を書く練習に発展していきます。  指導の仕方としては、「最後の思ったことは、できるだけ○○君だけが思ったことをくわしく書いてね」というように指導します。しかし、評価は、思ったことが書いてあればそれでよいとします。特によく書けている場合は、それを取り上げてほめるとだんだんとくわしく書くコツがわかってきます。

  縦書き漢数字 —縦書きのときは一二三……と書く—

  縦書きの数字は、漢数字で書きます。135人→百三十五人。年号などは二〇〇三年のように書きます。 横書きの数字は、算用数字で書きます。しかし、十人十色などは横書きでも算用数字にはせずにそのまま書きます。 子供に説明するときは、次のように。「縦書きのときに普通の数字で『1』『2』『3』のように書いても間違いではないけど、数字が『123』とか『1230』のように長くなると一マスに収まらなくなってしまうので、『百二十三』とか『千二百三十』のように漢字で書くといいんだよ」

  会話行がえ —会話は行をかえて書く—

  会話は行を変えて書きます。しかし、行を続けて書くことが間違いなのではありません。改行をするのは、その方が読みやすいからという理由です。 会話の二行目を一マス空けて書く書き方をしている出版物もありますが、これはレイアウトを読みやすくするための工夫ですので、子供たちが書く作文にも同じことを要求するのは無理があります。しかし、これも間違いではありません。

 https://www.mori7.com/mine/nae.php?yama=ka">カキの苗

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記事 48番  最新の記事 <前の記事 後の記事> 2025/4/14
今学期の項目 ★アカシア(小学校1年生相当)★ as/48.html
cynthia 2006/04/05 09:36 
  はじめに絵をかく —中心を決めるために絵をかく —

  作文を書く前に、書きたいことを絵で表します。低学年の生徒の場合は、絵をかくと何が印象に残ったのかが文章で表すよりもよくわかることがあります。文章が時系列的であるのに対し、絵は空間描写的です。文章で長く書こうとすると、朝起きてから夜寝るまでを時間の順番で書くことになりがちですが、絵をかいたところを中心に書くと焦点の絞られた作文になります。 はじめにかく絵は、色を塗ると時間がかかります。色を塗りたいときは、作文を書いたあとに塗るようにします。

  名前・数字 —名前や数字をくわしく書く—

  どこかに出かけたときなど、場所などの名前(固有名詞)や日時などの数字を書いていくと、正確な文章になります。一般に男の子は会話よりも数字や名前に関心が高く、女の子は数字や名前よりも会話に関心が高い傾向があります。数字や名前を正確に書くことは、作文の表現の面白さには直結しないので評価されることの少ない分野です。数字は縦書きで書くときは、漢数字を使うのが一般的です。

  たとえ —まるで…のよう—

  小学生の表現項目の要です。「たとえ」「比喩」という言葉よりも、「まるで……のよう」「まるで……みたい」という言葉で説明する方がわかりやすいようです。小学校低学年のときは、まだうまく使えない子が多いので、このころにたとえを使う文章を書ける子は表現力が豊かだと言えます。練習の方法としては、家庭の中でゲームのようにたとえを使うやり方が効果的で、大人も子供も楽しめます。

  思ったこと —結びに思ったことを書く—

  低中学年の作文で結びに思ったことを書く練習です。 これは二つの目的があります。 一つは、結びを「楽しかった」「おもしろかった」「うれしかった」などの単純な感覚でまとめずに、自分なりに思ったことを書いてまとめるということです。子供の中には、「たのしかったと思いました」などと書いてしまう子も出てきますが、一応それでもよいとします。 もう一つの目的は、将来意見文を書くときの構成に合わせて、結びには感想や意見を書くという位置付けをしておくということです。
 指導者によっては、「思った」「思いました」などのありきたりの言葉は使わずに、思ったことが自然ににじみ出るような書き方をするべきだという指導をする人もいます。例えば、「『また来たいと思いました』と書くよりも、『僕はいつまでも遠ざかっていく景色を見ていた』と書きなさい」というような指導です。しかし、これは子供の作文を小学校の低中学年の段階で完結して考えることにつながります。表現の工夫自体は必要なことですが、それよりも大事なことは子供の作文を将来への発展の過程として見ることです。
 結びに思ったことをしっかり書く練習をしたあとに、「いろいろな思ったこと」を書く練習をしていく方が子供の成長に合っています。

  行を続ける —行は続けて書く(段落の前段階の練習)—

 小学4年生ごろから段落をつける指導をします。 段落をつける前段階の指導として、会話以外はすべて行を続けて書く練習をします。行を続けて書くことが定着してきたら、三文を目安に段落をつけて書くという指導をします。 学校などでは反対に、最初から一文ごとに行を変えて書く指導をしているところが多いようです。

  会話行がえ —会話は行をかえて書く—

  会話は行を変えて書きます。しかし、行を続けて書くことが間違いなのではありません。改行をするのは、その方が読みやすいからという理由です。 会話の二行目を一マス空けて書く書き方をしている出版物もありますが、これはレイアウトを読みやすくするための工夫ですので、子供たちが書く作文にも同じことを要求するのは無理があります。しかし、これも間違いではありません。

 https://www.mori7.com/mine/nae.php?yama=a">アカシアの苗

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●本当の国語力は作文でつく
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●最も大事な子供時代の教育――どこに費用と時間をかけるか
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●公立中高一貫校の作文合格対策
●電話通信だから密度濃い作文指導
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●子や孫に教えられる作文講師資格
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