↑ 池で遊ぶ、言葉の森の文鳥サクとブン(適当な名前ですが)
作文指導をしていて感じることが三つあります。
一つは、ほとんどの子が指導の初期に、見違えるほど上手になることです。苦手だった子がどんどん書けるようになるということで、先生も本人も感動する時期があります。
もう一つは、しかし、ある時期から進歩が停滞する子と、進歩が続く子がいることです。これは、あとで述べます。
そして、第三に、どんなに進歩が見えないような子でも、長く続けていると、必ず書くことに抵抗がなくなり書くことが好きになることです。
さて、
問題は、停滞する子と進歩する子の差です。その差は、ひとことで言えば読む力の差です。その学年にふさわしい読書をしている子(又は、音読や暗唱をしている子)は、その学年にふさわしい上達をしていきます。しかし、例えば、小学生のころは本をよく読み作文が上手に書けていた子でも、中学生になって中学生のころにふさわしい読書をしなければ、中学生としての作文力は伸びません。作文に要求される語彙力や思考力は年齢に応じて高くなっていくので、年齢に応じた読む力を育てていく必要があるのです。
読む力を育てるためには、これまでは多読と難読しかありませんでした。
本をたくさん読んでいる子、難しい本を読んでいる子は、例外なく読む力があり、考える力があり、作文も学年に応じて上達していきます。しかし、本をあまり読まない子に、「たくさん読みなさい」と言っても、「はい、そうですか」と読むようにはなりません。同じように、やさしい本ばかり読んでいる子に、「もっと難しい本を読みなさい」と言っても、すぐに読めるようにはなりません。
多読と難読は、正しい方向なのですが、それを実践する方法が漠然としていて実行できる人がほとんどいないのです。
そこで、多読と難読を補完するものとして考えられるのが暗唱です。
暗唱は、単なる音読ではありません。
目で文字を追いながら読む読み方と、空で読む読み方とでは、頭脳の使い方の質が違ってきます。暗唱で読んで、自分の手足のように自由に使える文章になったときに、初めてより深い理解力と表現力が育ちます。
また、暗唱は、単なる記憶ではありません。記憶力を育てるという発想をすると、記憶術のような方法で能率よく覚えた方がいいという考え方も出てきます。
文章を覚えることが目的なのではなく、文章を丸ごと把握する力をつけることが暗唱の目的です。
多読や難読が自然にできている子でも、暗唱の習慣をつければ更に理解力と表現力が高まります。多読や難読ができていない子では、暗唱以外に読む力をつける方法はないと思います。
作文の指導を一本の木を育てることと考えると、作文そのものを指導するのは枝葉や花を手入れすることです。読む力を育てるのが根を育てることです。受験までに時間がないというときは、枝葉だけの手入れだけで間に合わせるしかありませんが、長い目で考えれば、やはり根を育てることに力を入れていくことが勉強の王道です。
家庭でどのように暗唱と読書を定着させるかというと、毎日の生活時間に組み込むのがいちばんいい方法です。朝起きたら、まず音読や暗唱をしてから(場合によってはそのあとゲームを15分してよいことにしてから)朝ごはんを食べるようにします。そして、勉強が終わって夜寝る前には、読書を50ページ以上してから(そのあと、遊んでもいいし、そのまま読み続けてもいいし、寝てもいいということにして)自由に過ごすようにします。朝起きるときと、夜寝るときは、どんな日でも同じように過ごすことができるので、毎日の習慣を作るには最適の時間帯です。
勉強で最優先するのは、この音読、暗唱、読書です。
それ以外の勉強が何もできなくても、暗唱と読書だけは続けるという生活をしていけば、学力の土台はしっかりできます。この学力の土台ができた子は、いざ受験などで勉強する必要ができたというときになると、塾や予備校に通わなくても自力で成績をどんどん上げていきます。
作文力をつけるための読む勉強は、同時に学力全体を高めるための勉強にもなっているのです。
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保護者の皆様からいただいたご意見、ご要望に対するお返事の一部を紹介します。
個々のお返事は、父母の広場に掲載しています。1件ずつ入れていますので、お返事が遅れる場合があります。
●「通学教室に通って意欲を持たせたい」という声に対して(小2保護者)
現在、通学教室を全国に作る方向で考えています。(が、まだ時間がかかると思います)
小学2年生の子が自宅で意欲的に取り組むようにさせるには、
1、毎日の暗唱や音読の自習を続け、言葉の森で作文の勉強をしているという意識が1週間続くようにする
2、暗唱や作文の結果について、お父さんと打ち合わせをしてときどき褒めてあげる
「おっ、なかなかうまいなあ」「やっぱり声を出して読んでいるからだね」「こんなによくがんばった」「本を読むのが好きなんだね」など簡単な一言で。
3、子供が「やりたくない」と言ったときも決して迷わずに、「この勉強だけは絶対に続けるんだから」とはっきり言っておく
そのうちに、
ほかの人や学校の先生などから褒められる機会があると、子供はだんだん自信を持つようになってきます。
自信を持たせるために、よく書けた作品はときどき小学生新聞などに応募されるといいと思います。
●「読み手の気持ちを考えて書けるようになってほしい」という声に対して(小3保護者)
年齢としては、小3から小4にかけての時期に、読み手を意識した作文を書くようになります。
ただし、その土台となるのは読む力です。語彙力が増えて、自分の言いたいことが自由に表現できるようになると、書くことが楽しくなります。
この時期は、コンクールなどにもどんどん応募して、表現の機会を増やしてあげるといいと思います。
しかし、作文の指導は、性急にやろうとすると、子供にとっては負担になります。
例えば、「書き出しの工夫」や「たとえ」や「声顔動作の様子」などは、表現の工夫の練習ですが、語彙力がまだ十分についていないうちは、どうしてもありきたりの書き方になります。
このありきたりの表現を個性的な表現にするのは、読む練習ですから、長い時間がかかります。作文指導の上だけで直そうとすると、子供は負担を感じるようになります。
子供にしてみると、言われていることはわかるが、どうしたらいいかわからないという状態だからです。
作文の力をつけるのは、スポーツや音楽の練習と同じで、長い時間がかかります。よいところを褒めて、暗唱や読書の自習を積み重ねていくことがいちばん近道になります。
できれば、もっとゆったりと見ていただけるといいと思います。
ただし、以上は、一般論です。
具体的なアドバイスは、作文そのものを見ないと何とも言えません。
よろしければ、作文を事務局にファクスで送っていただければ、より詳しいアドバイスができます。
FAX 0120-72-3987(24時間)
●「文学作品の暗唱も載せてほしい」という声に対して(小3保護者)
言葉の森の教材は、物語文よりも説明文に重点を置いています。
その理由は、物語文は普段でも読む機会が多いが、説明文はあまり読む機会がないからです。
そして、国語力の中心は、文学的な文章よりも論説的な文章の方にあるからです。
ただし、日本の国語の試験では、伝統的に物語文で心情を問うスタイルのものが多いので、文学的な文章を読む力ももちろん必要です。
教材については、今後バランスを考えていきたいと思います。
暗唱は、暗唱する教材も大事ですが、それ以上に暗唱の仕方を学ぶということが重要だと考えています。
言葉の森の長文で暗唱の仕方を身につければ、その方法で、自分の好きな文章を暗唱することもできます。また、中学生になれば、英語の教科書を暗唱することも抵抗なくできるようになります。
無理に覚えようとするのではなく、回数を決めて繰り返すことが暗唱のコツだと子供さんが実感できるようになれば、それが暗唱のいちばんの成果になると思います。
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保護者の皆様からいただいたご意見、ご要望に対するお返事の一部を紹介します。
個々のお返事は、父母の広場に掲載しています。1件ずつ入れていますので、お返事が遅れる場合があります。
●「電話があるので、作文に取り組める」という声に対して(小2保護者)
電話があることが勉強の取り掛かりやすさになっていると思います。
この状態を維持するために、電話のあとすぐに始めるといやり方をこれからも続けていってください。
何か用事があって、電話のあとすぐに書くのが難しいときも、「あとでじっくりやろう」とはせずに、「短くてもいいから今やろう」としていくといいと思います。
●「先生の子供に対する配慮が行き届いている」という声に対して(小2保護者)
言葉の森の指導の方針は、明るく楽しく、いいところを褒める、です。
褒めていると、子供は不思議とその褒め言葉に合うように上手になっていくようです。
●「作文を書いていて行き詰ったとき親がどうアドバイスをしていいかわからない」という声に対して(小2保護者)
行き詰って10分ほどたっているようでしたら、教室にお電話ください。追加の説明をするので、すぐに書けるようになります。教室の受付時間外でしたら、次のようにしてください。
小学2年生の字数の目標は200字から400字です。
行き詰ったときは、「何しろ200字までがんばろう」と言って、200字のところに線を引いて目標にしてください。
そして、アドバイスは、
「そのときの会話を思い出してみよう」
「『どうしてかというと』と続けてみよう」
「『もし……だったら』と考えてみよう」
などです。
この場合、文章の流れが多少不自然になっても全くかまいません。
それでも書けない場合は、大人が続きの文を言ってそのとおりに書かせます。少し書き出すとそれが呼び水になって、そのあと自分で書いていくことができます。
そして、目標の200字まで行ったら、「せっかくここまで書いたんだから、もう少しがんばってみよう」などとは決して言わずに(笑)、「わあ、すごい。できた! よかったね。お祝いしよう!」と親子でおいしいものでも食べるといいと思います。
どんなやり方でもいいので、成功体験を積み重ねるのがコツです。
●「長文暗唱の300字の区切りをわかりやすくしてほしい」という声に対して(小2保護者)
できるだけ使いやすい教材をめざしていきますが、
言葉の森の教材の考え方は、言葉の森以外のものにも利用できる「お箸のような教材」です。
言葉の森の長文で300字の暗唱ができるようになったあと、子供が別の本や、あるいは将来英語の本を暗唱するようになったとき、同じ要領でできるように、300字程度を自分で決めるというようにしています。
というのは、文章によっては、100字や300字でちょうど区切られないものもかなりあるからです。1日目は80字ぐらい、2日目は120字ぐらい、3日目は文の区切りが悪いので、読点までで終わりにするというような臨機応変な対応の仕方をする勉強も兼ねていると考えて取り組んでいってくださるようお願いします。
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父母の方から、「学年ごとにどんな本を読ませたらよいか」という質問をいただきました。
以下は、その質問に対してのお返事で、父母の広場に掲載したものです。
読書は多読と難読に分けられます。
多読で裾野を広げ、難読で頂上を高くしていくというのが読書の理想の姿です。
多読のためには、面白いものをたくさん読むことが必要です。
この面白いものの中には、漫画、漫画的物語(怪傑ゾロリなど)、軽い小説(中村うさぎの本など)があります。
大人が見ると一見面白いだけのやや品のない本のように見えますが、読書好きな子は、ほぼ例外なくこういう本も好きです。
面白い本を多読することによって、読書の楽しさを知り、読む力の土台がついてきます。
そして、現代の面白い本と並行して、昔からの名作を読み、更に幅広く読書の楽しさを味わうようにしていきます。名作は、多読と難読の中間に位置します。
名作を読むときの参考になるのが、シリーズ化されている本です。フォア文庫、偕成社文庫、講談社青い鳥文庫などは、これまで人気のあった本をシリーズ化しています。しかし、子供に本の選択をまかせると、書名や表紙だけで選んでしまいますから、親が中身をざっと見てあげる必要があります。
子供が自分では読まないというときは、親が読み聞かせをしてあげます。内容に興味がわいてくると、続きを自分で読むようになります。
難読の初歩は、ノンフィクションです。
書店には、子供向けのノンフィクションの本はあまり出ていないので、図書館を利用します。ノンフィクションというのは、理科の本、社会の本、説明文、意見文の本です。鉄道に興味のある子であれば、鉄道に関する本は多少難しくても読もうとします。同様に、動物の本、虫の本、恐竜の本、歴史の本など、
子供が興味を持っている説明文の本が難読のスタートになります。
説明文の本は事実に基づいているので、どうしても難しい漢字が出てきます。その漢字にルビがふってあれば、漢字を読む力が自然に育ちます。読書好きの子は、学校で習っていない漢字もよく読めるという共通点があります。
説明的な文章を読む力がつくと、成長して自然科学、社会科学、人文科学の本を読むことに抵抗がなくなります。
中高生の説明文も、最初の選択の基準はシリーズ化されたものです。ちくま少年図書館、岩波ジュニア新書、中公新書などで、奥付の印刷回数を参考にするといい本に出合う確率が高くなります。
読書感想文を書かせることには多くの批判がありますが、全国学校図書館協議会がすすめる毎年の課題図書は優れた内容のものが多く参考になります。その年の課題図書だけではなく、過去の課題図書を探すと読み応えのある本が見つかります。
ノンフィクションの本も、過去の課題図書も、書店ではなかなか見つかりません。しかし、図書館を利用して借りて読むだけでは何度も繰り返して読めません。
いい本は自宅に置いておき繰り返して読めるようにしておく必要があります。何度も読みたい本があったときは、アマゾンなどで中古の本を購入するといいと思います。
難読は、国語の入試問題を読む力になりますが、実際には、入試問題に出るレベルの本を自力で楽しみながら読める子はほとんどいません。そこで、国語力をつけるための読書として考えられるのが問題集読書です。読む力のある子は、問題集の問題文を読書のようなつもりで読みます。ただし、普通の読書のように何時間も読むというわけにはいきません。細切れの文章をいくつも読むというのは、一冊の本を通して読むよりも、ずっとくたびれるからです。毎日10ページ又は15分間などと決めて読んでいくと、国語の勉強を兼ねた読書ができます。
大学生になってからの読書の基本は、古典又は原典と呼ばれるものを読むことです。大学の教科書は、知識を整理するためのものです。
教科書以外の原典を自分で読まないと、本当の考える力は身につかないと思います。
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読書とは、言語を通して知識や経験を得ることですから、本を読むことに限りません。読み聞かせや対話も、広い意味の読書と言えます。
よく読み聞かせをしていると自分で本を読まなくなるのではないかと心配する人がいますが、そのようなことはありません。たっぷり読み聞かせをして言語経験を豊富にしていくことが、自分で読む読書につながります。その子にとって難しい本であっても、読み聞かせをしているうちに子供が内容に興味がわき続きを自分で読んでしまうということがあります。読み聞かせという形でなければ、子供が自ら決して読まなかったような本でもそういうことがあるのです。
しかし、そのためには、読み聞かせを楽しい雰囲気で行うことが大切です。子供が興味を持てるような本を楽しい雰囲気で読むというのが読み聞かせの基本です。
とは言っても、親もくたびれることがあります。読みたくもない本を子供のために読み聞かせるというのが毎日となると、やはり飽きることもあるのです。そのときのコツは創作です。親が自分で物語を創作して子供に聞かせるのです。人間は何かを創造しているときは飽きません。アドリブで物語を作りながらときどきギャグを入れるというのは、子供にとって楽しいだけでなく、親にとっても知的な楽しい時間の過ごし方になると思います。
私が子供によく聞かせた話は、次のようなものです。
子供:「ねえ、おもしろい話、して」
私:「よし、じゃあ、おもしろい話だよ。あるところに犬がいました。それは、真っ白な犬でした。手も白い、足も白い、背中も白い、お腹も白い、口も白い、鼻も白い、耳も白い、目も白い、何、目も白い? それじゃあ、死んでるだろー(笑)」
子供:「あはははは」
私:「そして、何とその犬は、尾も白かったのです。尾も白い、尾も白い、尾も白い。さあ、言ってみよう」
子供:「おもしろい」
私:「な、おもしろい話だったろ」
子供:「ううん。じゃあ、もう一個話をして」
私:「そうだなあ。では、あるところに、ロイさんという外人がいました。あるとき、ロイさんはたくあんを作ろうとしました。たくあんは、干した大根をたるのなかに入れて塩をまぜて上から大きい重たい石を乗せて作ります」
子供:「あ、わかった。重し、ロイだ」
私:「と思うだろう。それが違うんだよなあ」(とあわてて別のストーリーを考える)
子供:「……」
私:「そこで、ロイさんは、まず百済という国に行きました」(と「くだらない話」に切り替えようとする)
―以下略ー
私自身、子供のころ、母に「桃太郎」の話を何度も聞かせてもらいました。たいていは、話の途中で話している母が寝てしまうのですが、親が話してくれる物語というのは同じものを何度聞いても楽しいものでした。同じ話の反復というのは、言語能力の定着ということで暗唱の学習にも通じるものがあると思います。
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私は、桃太郎の話をアレンジして、毎回違ったストーリを作り、子供たちに聞かせていました。子供たちは、普通の桃太郎の話より喜んで聞いていました。
と、ここまで書いて少し不安が……。今度、子供たちに、本当の桃太郎の話を知っているかどうか確かめてみようと思います。(-_-;)
アレンジしたものの方が原作よりもおもしろいということはよくあります(笑)。特にお母さんがアレンジした場合は。
成長してから原作を読むと、新たな発見があると思います。
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↑ まだ小さいザクロの実
現代の日本のような豊かな社会では、勉強するための教材も至れり尽くせりのものが多くなっています。
教材以外にも、現代は、次々と目新しいものが人の興味を引くという状態が普通の生活になっています。コマーシャルなどを見ると、その流行りすたりのテンポの速さがよくわかります。また、余分なアクセサリーも多く、自動車や勉強机や携帯電話など日常の商品に様々なオプションが用意されています。
一方、勉強の基本は、同じことの反復です。貝原益軒は、100字の暗唱100回という勉強法を提唱しました。実際に100字を100回読んでみると、約30分かかります。岸本裕史氏は、算数の分野で100ます計算という方法を開発しました。要するに簡単な計算問題を100題やるということです。
このように
同じことを同じやり方で飽きずに続ける力というのが勉強の力です。食事でいうと、おかずは日々変わってもよいが、主食であるお米だけは毎日飽きずに食べ続けるということです。主食は、例えば玄米であれば、お米だけで完全栄養食品になるので、それさえしっかり食べていれば、おかずはおまけのようなものでいいということなのです。
100字100回の暗唱という勉強は、主食となる勉強です。この主食を補強するおかずとなる勉強が、いろいろな問題集を解く勉強です。
勉強の中身が同じことの反復であるように、勉強の方法も同じやり方を続けるのが基本です。子供が飽きないようにと新しいやり方を次々に用意してあげると、勉強の中身が身につかないばかりか、勉強の方法も身につきません。
勉強の中身によってやり方を変えるような教材をナイフとフォークの教材と呼ぶとすると、どの勉強も同じやり方で取り組むような教材は、お箸の教材と呼べるでしょう。
ナイフとフォークの延長には、スプーンがあり、大きいスプーンがあり、小さいスプーンがあり、グレープフルーツ用のスプーンがありと、次々と道具は細分化されていきます。細分化を文化の豊かさと考えることもできますが、ナイフとフォークの文化に属してしまうと、それらの道具がなければ物が食べられなくなってしまいます。教材がないと勉強できないというのが、ナイフとフォークの教材の特徴です。
それに対して日本の食事文化では、お箸だけで、つまむ、はさむ、切る、指す、様々な料理に対応できます。お箸の文化に属していれば、山登りをするときでも、1組のお箸で間に合います。
教室や先生がいなければ、または教材を買わなければ、勉強できないというのでは、飽きずに長期間続ける勉強はできません。
そのような教材ではなく、一つの方法さえ覚えていれば、どこでも、だれでも、いつでも、無料でできるというのが理想の勉強法です。
これまでの社会で、ナイフとフォークの教材が主流だったのは、教育の中心が読む学力だったからです。読む学力は、他人と比較して評価する学力であり、競争し合う学力です。それは、ある一つの順位や点数を奪い合う学力とも言えます。
これに対して、
書く学力は、比較する学力ではなく、発表する学力です。そして、競い合う学力ではなく、表現し合う学力です。それは奪い合う学力ではなく、認め合う学力です。
しかし、その先に作る学力というものがあります。作る学力は、表現するだけではなく、創造する学力です。それは、認め合う学力にとどまらず、与え合う学力になります。リナックスというOSは、多くの人が無償で自分の新しい創造を付け加えることによって、商用製品よりも優れた面を持つようになりました。
未来の社会で求められている学力は、読む学力から書く学力へ、書く学力からさらに作る学力へと進歩していきます。その学力を育てるツールは、これまでのようなナイフとフォークの教材ではなく、もっとシンプルなお箸のような教材になっていくと思います。
(この文章は、構成図をもとにICレコーダーに録音した原稿を音声入力ソフトでテキスト化し編集したものです)
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昨日、一昨日に引き続き、父母の皆様からいただいたご意見、ご要望を紹介します。
このあと、1件ずつお返事を書いていきます。
関連するご質問やご要望がございましたら、父母の広場に続けてお書きください。
↑ 道端に咲いていたヤブカラシの花
●現在の指導者の方には満足しています。振替のときも、できれば担当の先生に対応していただけると助かります。(小6保護者)
●文章が大人びてきました。学校内では、書いた作文が学年代表として選ばれるようになりました。来年1月、公立中高一貫校を受験する予定です。今度もご指導どうぞよろしくお願いいたします。(小6保護者)
●毎週、電話で先生から言葉をかけてもらえるところが良いと思います。毎週、新聞が送られてくるので、理念の内容が伝わってとても良いと思います。2年目に入っているのですが、力がついているのかどうかが明確に表れるわけではないので、少し不安です。(小6保護者)
●感想文と説明文の書き方の違いをもう少し本人に教えてほしいです。(小6保護者)
●何よりも、書く意欲をうまく引き出している点で満足しています。受験コースに期待しております。(小6保護者)
●自分で選んだ本の読書感想文指導のようなものもやっていただけたらと思います。(小6保護者)
●全く本を読めなかった息子が本を読むようになりました。文を書くようになりました。(小6保護者)
●指導はとてもていねいですが、成果がよくわかりません。(小6保護者)
●子供のレベルに合わせて指導していただけるところがよいと思います。名古屋市にも通学教室があればよいのですが……。他社の教室がありますが、問題になりません!(小6保護者)
●非常にいい先生に担当していただき、感謝しています。先生のおかげでなんとか続けていられると思っています。インターネットのユーザーインターフェースがもう少しわかりやすいと助かります。(小6保護者)
●文章力、国語力がついたと感じています。言葉の森新聞やテキストの文章はとても魅力的で、先生も優しいです。前回の作文のフィードバックの方法を考えていただきたいと思います。清書は、当月の3回分の中から1つを選ぶシステムですが、先生からの返却がおそく、1つしか返っていないことがあります。前月分からも選べるようにしていただければと思います。(小6保護者)
●先生の説明がていねいで分かりやすいです。自分のペースで作文を書けるように、週一回のペースで、曜日を決めず、自分の都合のよい日に作文を書きたいです。(小6保護者)
●総合的な学力を身につけることができた。作文だけでなく、国語力、スピーチなどもできるようになった。「考え方」そのものを作り上げるメソッドであると思う。(中1保護者)
●子どものやる気を伸ばすような指導をしていただけることが長続きの秘訣のようです。(中1保護者)
●短時間で、ある程度書けるようになりました。文法的に正しい文章を書く力、漢字の力が身につけられるようになるとありがたいです。(中1保護者)
●中学生になり、忙しくなったため、振替が多くなりましたが、振替の先生は、いつもより簡単な指導になるようです。(中1保護者)
●「センター試験国語の解法」で、消去法の考え方を理詰めで説明してくれる先生に教わって……とありますが、言葉の森では、希望すれば、直接指導していただけるのでしょうか? (中1保護者)
●親と担当の先生との意見交換の時間があるといいと思います。(中1保護者)
●暗唱がなかなかできません。こちらをしないと、やはり子供の伸びはないのでしょうか?(中1保護者)
●大変明るい先生で、子供の良さを引き出そうという気持ちが、返ってきた作文のそこかしこからうかがえるので、親としては満足しています。先生の気持ちにこたえられずにいる子供をはがゆく思い、作文を書く時間がかなりかかっているのを見ると、どうしたらよいものかと考えてしまうことが多いのですが、どうしたらよいのでしょうか。(中1保護者)
●作文嫌いだった子どもでしたが、読書感想文に入賞し自信をつけたようです。学習全般に対する意欲も増して、感謝しています。(中1保護者)
●振替の先生の説明が丁寧ではなかった。ホームページが重く、開くのに時間がかかってしまう。(中2保護者)
●子どもに作文は大切なことと位置づけてくれて、少しずつですが文章がうまくなってきています。子どもも実感してきています。毎週作文を書くことが日課のようになり、苦もなく進められているところです。とにかく書く力がついてきているので、ありがたい教室です。(中2保護者)
●具体的にどのような話をしているのか分かりませんが、電話指導で前回の作文の具体的な講評、今回の作文に関する体験例の中身に踏み込んだ議論などはあるのでしょうか。時間をフルに使っている様子ではありません。(中2保護者)
●作文にも読解問題にも一生懸命取り組んでいます。子供の日ごろの成果を検定以外で、年に1~2回保護者あてに知らせていただきたいです。(中2保護者)
●期待されることが明確で取り組みやすい。ほめ方がうまい。指導方法が一貫していてシステマチック。年に数回程度、親に対して個別のフィードバック(子供の何がどのお程度進歩しているか、今後の課題など)をレポートしていただけると、より有難いです。(中2保護者)
●通信教育は、続けるのがなかなか難しいのですが、毎週お電話をいただけるので続けることができて、ほっとしております。また、指導も10分と、とても短いので、子供も集中して聞くことができます。ありがとうございます。長期休暇(夏休み等)中に、通信制も通学して講習等を受けられれば面白いなと思います。通学生もあると後に知りましたが、違いがよくわかりません。学習効果の違いがあるのではと感じています。休みのときの振替に、同じ講師の方が担当していただけるとうれしいです。(中2保護者)
●作文の構成や具体的な例などの詳しい説明があって、わかりやすい。森リン(作文採点ソフト)の棒グラフ、折れ線グラフをもう少しわかりやすくしてほしい。名言集で、誰の名言か示してほしい。(中2保護者)
●講師の方は、大変粘り強く指導してくださり、感謝していますが、結果がなかなか現れてきません。今は、慣れてきましたが、当初、しくみ(やり方)がわかりづらく戸惑ったので、もう少しわかりやすくしていただければと思います。(中2保護者)
●定期的に年2回以上など)、現段階での状況などを教えてもらえるといいと思います。(中3保護者)
●長文の内容がすばらしいです。悪いところの指導も、積極的にしてほしいと思います。(中3保護者)
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