小5の保護者の方から、「文章中に話し言葉があるので指導してほしい」というご意見がありました。
以下は、そのご意見に対してのお返事で、父母の広場に掲載したものです。
話し言葉を使うという場合、二つのケースが考えられます。
一つは、文章を書くのが好きな子が、ところどころに軽いノリで自由な筆致で書く結果、話し言葉になるという例です。これは実力のある子の場合ですから、問題はありません。すぐに直ります。
もう一つは、まともな書き言葉の文章の語彙が少ないために、話し言葉になってしまう場合です。
例えば、「ぼくは、おばあちゃんちでねちゃいました」などは、書き言葉の語彙が少ないために話し言葉で書いてしまう例です。「おばあちゃんのうちで」「ねてしまいました」という文章語を読む機会が少ないために、そういう言い回しがなかなか使えないので話し言葉になってしまいます。
この場合、
厳しく注意して直るかというと、そういうことはなく、直るよりも注意の繰り返しで書くことが嫌になってしまう方が多いのです。
注意する場合でも、「話し言葉で書かない」という一般的な注意ではなく、「この言葉は使わないこと」という一つか二つに限定した注意であれば効果はありますが、そのように限定すると、今度は指導する機会が少なくなります。
したがって、
話し言葉が多い子の場合は、まず文章的な言葉を読む量を増やしていくことが勉強の中心になります。
大人は子供の表記のおかしい点をよく心配しますが、幼稚な話し言葉のまま大人になる子はいません。どの子も、中学高校と学年が上がるにつれて文章的な言葉で書けるようになってきます。それは、学年が上がるにつれて、書き言葉の文章を読む量が増えてくるからです。
目につきやすい表記の面は、直接指導するよりも、読む量を増やすことによって気長に直すのが基本です。
目につきにくい表現や構成の面が勉強の中心になると考えていってください。
ただし、具体的に、「この言葉をこう使うのは気になる」ということがありましたら、担当の先生、又は事務局にご相談ください。
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小6の保護者の方から、「授業を休んで振替の授業を受けるときも、担当の先生に電話をしてほしい」というご意見がありました。
以下は、そのご意見に対してのお返事で、父母の広場に掲載したものです。
↑ 言葉の森のペット犬ユメとツバメのひなのツーちゃん
振替授業の先生が担当の先生でないのは、担当の先生という形を原則にすると指導の負担が大きくなってしまうからです。
しかし、普段の先生に説明を聞きたいという事情もよくわかりますので、今後は、インターネットの掲示板などを利用して次のような振替授業のシステムにすることを考えています。
1、生徒がインターネットから振替授業の希望の日時を送信する
2、それを見た先生が、振替が可能かどうかを送信する
3、生徒と先生の振替日時が一致すれば、その日時で振替授業をする
4、一致しない場合は生徒が別の希望を再度インターネットから送信する
できるだけ早く、そういうシステムを作りたいと考えています。
なお、以下の話は、父母の広場には書いていませんが、指導と運営についてウェブの活用をもっと進めていきたいと思っています。
今考えているのは、課題の長文をウェブで募集し、オープンソースの教材としてだれでも利用できるようにすることです。
小学1・2・3年生の読解マラソン集の長文は、現在、講師が分担して書いています。
長文の作成方針は、勇気と知性と愛のある説明文です。
勇気というのは、読んでいて元気が出るような話を中心に書くということです。知性というのは、単なる知識の列挙ではなく、物事の因果関係が科学的にわかり、知的な喜びが感じられるような話を書くということです。愛というのは、根本に人間愛がある明るい話を書くということです。
そして、できるだけ笑いのある文章を書くというようにしています。面白い表現があると、繰り返し読むときも飽きずに読めるからです。
また、習っていない漢字もルビをふって書くようにしています。
講師以外にも書き手がもっと多くなれば、こういう長文がたくさんできると思います。
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小6の保護者の方から、「よくがんばっているが、実力がどのくらいついているかわからない」というご質問がありました。
以下は、そのご質問に対してのお返事で、父母の広場に掲載したものです。
作文は、上手になったかどうかがわかりにくい勉強ですが、学年が上がるにつれて必ず上達しています。
しかし、小4のころの作文の方が上手で、小6のころの作文の方が下手になったと感じることはだれでもときどきあると思います。
これは、中学生になると更に顕著で、中学生になると、ほとんどの子が小学生のころよりも下手になったと感じると思います。
それは、課題が難しくなったために、相対的にうまく書けなくなるからです。
そういうときでも、気長に自習を続けて褒めてあげていると、更に学年が上がったときにその自習が生きてきてまた上手に書けるようになります。
上達の目安は、項目とスピードと字数です。
小6以上の生徒の場合は、90分以内に1200字の作文を全部の項目を入れて書けるようであれば実力はついています。
時間がかかる、又は字数が伸びないという場合は、自習や読書などにもっと力を入れていく必要があります。
なお、父母の広場には書いていませんが、作文力と字数力、語彙力、漢字力の関係は、図のようになります。
作文力と相関の高いものから、順に、字数力、語彙力、漢字力となっています。
作文力と字数力の相関は、かなり高くなっています。特に、小学校中高学年から中学生にかけては、そういう傾向が強くあります。小学校低学年の場合は、作文力と字数力はあまり関係がありません。
作文力と語彙力の相関は、字数力についで高くなっています。もちろん、例外は多数あります。高校生になると、作文力と語彙力の相関は更に高くなります。
作文力と漢字力の相関も、ある程度まであります。難しい漢字を自然に使える子は、読む力もあり、作文力もあるということです。
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小6の保護者の方から、受験コースに関するご意見がありました。
以下は、そのご意見に対してのお返事で、父母の広場に掲載したものです。
受験コースと通常コースに、それほど大きな差はありません。
違うところは、過去問に合わせた課題で行うことと、先生の評価が厳しくなることです。
通常の作文では、項目を指示してよくできたところを褒めて実力をつけることが目的ですが、受験の作文では、上手に書いて合格することが目的です。
数ヶ月で実力は変わりませんから、実力をつけるのではなく、今ある実力でいかに勝負をするかという勉強になっていきます。
家庭でご協力いただくことは、次のようなことです。
1、課題を見て、似た例や感想などを親子で話して、作文に書く材料を増やしておくこと
2、誤字や誤表記は、二十回ぐらい実際に手で書いて二度と間違えないように覚えておくこと
3、課題として書いた作文を手直しして、同じ課題で同じように書く練習をすること
勉強の進め方についてご要望やご質問があれば、事務局までお問い合わせください。
なお、作文については自信があるという子は、次のような勉強をしていくといいと思います。
(1)書くときに消しゴムを使わずに最初から完成した文章を書くように心がけること
(2)勉強が忙しくなっても読書の習慣を維持すること
(3)表現の工夫として、たとえよりも自作名言を入れてみること、などです。
言葉の森新聞の自作名言の話
読書を続けていると、作文や面接の意外なところで、その読書が生きてくるということがよくあります。
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小5の保護者の方から、「作文を書くのに時間がかかる。短時間(1時間ほど)で書き上げられるようにするには、どうしたらよいか」というご質問をいただきました。
以下は、そのご質問に対してのお返事で、父母の広場に掲載したものです。
小5になると課題も難しくなるので、90分ぐらいかかる子が多いと思います。
早く書く力をつけるためには、根本的には読む力をつけて実力をつけることになりますが、当面は次のように対処していかれるといいと思います。
1、電話のあと90分以内(60分以内としてもいいです)という時間制限をし、時間が来たら途中であってもそこで終了とする
2、書いている間に消しゴムはできるだけ使わないようにする
3、最初に構成図を書いて全体の見通しを決め、作文を書いている間に詰まったら構成図を見て書き続ける(構成図については、9月に書き方の説明をする予定です)
それから、これは質問の趣旨とは違ってきますので、父母の広場には書きませんでしたが、構成図と音声入力で劇的に速く書くことができます。
音声入力は、今、通学教室の中学生以上の生徒を対象に行っています。まだ慣れていない子が多く、実際には普通に書くのと同じぐらい時間がかかっています。
しかし、このやり方に慣れてくれば、1200字の作文を書くのに、構成図10分+音声入力10分の合計20分で済みます。実際には、そのあと編集作業が入りますが、これは時間のあるときにいつでもできます。
たぶん、大学生や社会人になったときに文章を書く機会があれば、この方法を活用できるようになると思います。
音声入力の仕方
入試で、時間制限があるのにどう対応するかということについては、また別の機会に書きたいと思います。
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←巣から落ちた日
数日前、言葉の森の教室に上がる階段の踊り場にツバメのひなが一羽落ちていました。元の巣に戻そうとしましたが、もともと狭い巣で、また落ちてしまいそうです。ツバメのひなが巣から落ちるのは、ひなが大きくなって中に入りきれないので、仲間から落とされてしまうということもあるそうです。
そこで、このひなにツーちゃんというあまり深く考えていない名前をつけて、成長するまで教室で育てることにしました。
言葉の森の読解マラソン集で、鳥には草食の鳥と肉食の鳥がいるということを読んだことがありました。ツバメは肉食です。すると、草食の鳥のひなとは食べ物が違います。
最初に、かつお節をお湯でといてやろうとしましたが、考えてみるとツバメは普通カツオは食べません。
次に、青虫を探してこようかと思いましたが、ツバメがキャベツ畑で青虫を食べているのを見たことがありません。だから、ミルワームなどもやはりツバメの食べるものではないのでしょう。それに買ってくるのが面倒です。
ツバメでよく見るのは、田んぼの稲の上を何度もグルグル回って飛んでいる姿です。空中に飛んでいる小さい羽虫を食べているのだと思います。
イヌイットは、肉食だけですべての栄養をまかなっています。生の肉は、ビタミンも含んでいるので野菜は摂らなくてもいいのです。
そう考えると、ツバメのひなもかつお節のようなものよりも、丸ごとの方がいいはずです。そこでスーパーでシラスを買ってきて水に漬け塩分を抜いて与えることにしました。これも、ツバメが本来食べるものとは違いますが、すぐに手に入るのがいいところです。
←シラスを食べる
また、羽虫のような昆虫には殻があります。これはキチン質でできているので、小エビで代用することにしました。
前に文鳥のひなを育てたときの残りのえさがあったので、それも混ぜました。
ビタミンが不足するといけないので、人間用の総合ビタミン剤を少し入れました。
普通の親ツバメは10分ぐらいの間隔でひなにえさをやっているようですが、人間はそんなに頻繁にはできません。人間の目につくところに置いておき、ピーピー鳴いたらえさをやることにしました。
最初は、割り箸の先端を削ってやっていましたが、シラスや小エビを指でつまんで口に入れてやる方が簡単だとわかりました。
何かが近くを通ると親だと思ってすぐにピーピー鳴きます。試しにペット犬のユメ(ミニチュアシュナウザー4ヶ月)を近づけてみたら、やはり親だと思って口を開けました。ユメもえさだと思って口を開けて食べようとしたので急いで止めました。
文鳥にも近づけてみました。文鳥の方が遠慮していました。
↑ 「えさちょうだい」「なんだこいつ」「口でかいなあ」
さあ、秋になって、無事に南の国に帰れるでしょうか。
(この文章は、構成図をもとにICレコーダーに録音した原稿を音声入力ソフトでテキスト化し編集したものです)
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以前、学力と年収の関係を調べた調査がありました。グラフはきれいに相関(比例)していました。しかし、これは、相関関係があるということであって、因果関係があるということでは必ずしもありません。
多くの人は、親の年収(A)が原因で、子供の学力(B)が結果だと考えていますが、実はその間に、A→C、C→Bという流れがあるのです。
このCを調べることが、今後の調査に求められることです。学力と年収の間に相関関係があるということがわかったところまでは、まだ物事の半面で、なぜそういう相関関係が生まれているのかを調べなければなりません。では、そのためには、どのような調査をしたらよいのでしょうか。
一つは、(1)年収は低いが学力が高いという子の調査です。もう一つは、(2)年収は高いが学力が低いという子の調査です。(1)がわかれば、(2)は補助的な調査になると思います。
私が考えている仮説は二つあります。
一つは、親から子への会話の量と質と楽しさが学力に関係しているのではないかということです。
もう一つは、それに加えて、読書の習慣が学力に関係しているのではないかということです。
年収と学力の相関関係が問題になってきたのは最近です。昔は、貧しい家庭から多くの優秀な子が生まれていました。逆に、裕福な家庭の子は、「売家と唐様で書く三代目」というような言われ方をされるようなことも多かったのです。
年収の少ない家庭は、昔も今も変わりなく存在します。問題は、その質が変わっていることです。
昔と今の社会環境の違いを考えると、次のことがわかります。
まず、親が貧しければ、子供の教育にお金をあまり使うことができません。これは、昔も今も変わりません。だから、これが学力格差の原因ではありません。
次に、親が貧しければ、余裕がなくなり、夕方子供とゆっくり接する時間がとれません。しかし、これは、一部は合っていますが、一部はそうではありません。豊かな家庭でも、親が多忙ということもあるからです。だから、これは学力格差の要因の一部だと思います。
第三は、勉強以外の生活時間です。これが、昔と今とでは大きく違っているのです。小学生のころは、生活時間の大半が遊びです。勉強時間は全体から見れば限られています。だから、
小学生のころは、勉強によって頭脳が成長するのではなく、勉強も遊びも含めた生活時間全体の中で、頭脳も身体も成長していきます。
昔の貧しい子供は、勉強以外の時間を、友達と遊ぶか親の仕事を手伝うかという形で過ごしていました。そして、友達や親から離れてひとりでいるときは、することがないので本を読んでいました。しかも、本の数自体が少ないので、同じ本を何度も繰り返し読むような読み方をしていました。だから、貧しい家庭でも、子供は自然に成長していったのです。
しかし、今は、そうではありません。子供が友達や親から離れてひとりでいるときは、テレビもビデオもゲームもインターネットもマンガも携帯電話も豊富にあります。これらのメディアに比べると読書は全く魅力がありません。
勉強以外の時間の過ごし方が、今と昔では大きく違っています。これが、学力格差の原因になっていると思います。
では、どうしたらよいのでしょうか。
第一は、親子の対話の時間を増やすことです。親が子供に話しかけることは、子供にとっては読書と同じ効果があります。
第二は、テレビやビデオやゲームやインターネットやマンガや携帯電話を一定の制限のもとで行うようにコントロールすることです。時間の制限でも回数の制限でも曜日の制限でもいいと思います。
しかし、親は、自分が子供のころに経験したことには対処できますが、自分が子供のころに経験しなかったことにはなかなか対処できません。ほとんどの家庭は、コントロールということをせずに、子供が小さいときは全面禁止に頼ろうとします。
全面禁止にすると、親も子供も試行錯誤の中で軌道修正しながら成長するということがないので、やがて子供が大きくなると自由放任になってしまいます。全面禁止と自由放任は、同じことの両面なのです。教育費に余裕のある家庭は、家庭内でコントロールできない分を、塾や習い事などの外部の機関に頼ることができます。しかし、それはもちろん真の対応ではありません。
第三は、家庭での読書の時間を確保することです。今は図書館などを利用すればたくさんの本を読むことができますが、必ずしもたくさん読むのがいいというのではありません。むしろ、同じ本を何度も繰り返し読む方が、子供の頭脳の成長にとってはプラスになります。その点では、本の数が少ない家庭の方が学力が上がる可能性が高いのです。
第四は、新しい方法ですが、暗唱の練習をすることです。言葉の森のHPに書いてあるやり方で900字の暗唱を練習すると、対話や読書と同じ効果があります。また、暗唱には、それ以上の効果もあります。
以上の勉強法は、もちろん年収の多い家庭にもあてはまります。
要するに、工夫の仕方さえわかれば、学力と年収などは何も関係なくなるのです。
(この文章は、構成図をもとにICレコーダーに録音した原稿を音声入力ソフトでテキスト化し編集したものです)
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以前、言葉の森を体験学習だけをした小6の生徒のお母さん方から質問がありました。体験学習のときは、小6の子が、課題が難しくてよくわからないと不満を言ったので、そのままで終わってしまったそうです。
作文を書いているときにわからないことが出てきたら、すぐに教室にお電話をくだされば、追加の説明をできたと思います。
お母さんは、まだ言葉の森の勉強をさせたいと思っているそうです。というのは、
その小6の子が、算数の計算は中2のレベルまで進んでいるのですが、小5の文章題で解けないものがあるのだそうです。一度やると、答えは覚えてしまうのに、解き方がわからないというのです。
しかし、これは国語力の不足という程の大げさな話ではありません。そういう面ももちろんありますが、それよりも単に算数の考える問題ができていないというだけです。
中学生の勉強でいちばん差がつくのは数学です。そして、高校入試で差がつくのは、図形と文章題です。計算問題は、普通の計算力があれば十分です。しかし、
文章題が解けなければ、これから数学は苦手教科になってしまいます。
そこで、この小6の子の今後の勉強法をアドバイスしました。
まず、
教科書よりも少し難しいレベルの市販の問題集を1冊購入し、できなかった問題だけを反復して解くようにします。教科書の問題は易しすぎるので勉強になりません。
そして、その問題集のできなかった問題について、子供が自分で解法読んで理解します。解法を読んでも理解できなかったところだけ、親が一緒に解法を見て考えてあげます。
親が子供の勉強を見てあげるときに大事なことは、同じことを何度聞かれても決して怒らずに気長に同じように説明するということです。できなかった問題を一度で理解する子は、まずいません。
二度や三度ではなく、四度も五度も同じことを説明して初めてできるようになるのが普通です。
この、できなかったところの反復が数学の勉強の要ですが、この勉強は子供にとっては苦痛の多い勉強なので、なかなかひとりでは続きられません。そして塾でも、このような反復の勉強をするよりも、解ける問題と解けない問題を取り混ぜて次々と解いていく方が教えやすいので、子供ができなかった問題だけ反復するという勉強はなかなかしないのです。したがって、これは家庭でやっていく勉強になります。
英語の勉強については、教科書の暗唱です。1ページを20回から30回音読すると暗唱できるようになります。これも、家庭でなければなかなかできない勉強です。
国語については、高校入試の問題文を繰り返し読んでいくことです。これも、家庭でやる方が能率よくできる勉強です。
更に余裕があれば言葉の森で作文の勉強をしていくといいと思います。
つまり、中学生の勉強は、塾に行ってももちろんいいのですが、家庭で取り組む方がずっと密度濃く能率のよい勉強ができるのです。
この小6の子の下に小2の子がいるそうです。この子も今、算数の計算の勉強をしているそうです。
しかし、小学生で算数の先取りは不要です。その学年の算数が人並みにできていればそれで十分です。
その代わり、国語力だけは学年に関係なくつけておく必要があります。
国語力さえついていれば、数学や英語は、中学生や高校生になってやる気が出たときにいつでも上げることができるからです。
なぜこういうことが自信を持って言えるかというと、実際にそういう例をいくつも見ているからです。
小学校低学年から、算数の計算問題を学年より先取りしてやっている子供たちがいます。漢字の書き取りも学年より先にやっています。小学校高学年になると、英語の勉強も先取りします。
その一方、小学生のころは、本をよく読むだけで、算数は学校でだけ、漢字の書き取りも学校でだけ、英語はもちろんやらずに中学生になってから初めて教科書で勉強するという子供たちがいます。
その両者の子供たちを見ていると、小学生のころは勉強を先取りしている子供たちの方がよくできるように見えます。また、中学1年生の最初のころまでは英語を先取りしていた子の方が英語の成績が上です。しかし、中学2年生になる前に、英語の先取りの差はなくなってしまいます。そして、
高校生になると、勉強を先取りしていた子供たちよりも、読書が好きだった子供たちの方が、英語も数学も国語もぐんぐん成績が上がっていくのです。
小学生のころの勉強が無駄だというのではありません。小学生のときに勉強をすれば、そのときには確かに成果が上がります。しかし、その学力がそのまま中学、高校と自動的に続くわけではありません。
小学生のときに勉強の先取りしていた子供たちで、引き続き中学生や高校生になってもよくできる子がいます。しかし、それは、先取りしたからではなく、中学生や高校生になったときに努力したからです。
大事なのは先取りすることではなく、それぞれの学年でその学年にふさわしい勉強をすることです。そして、そのときに、いちばんの土台になるのが、対話と読書によってつけた国語力なのです。
(この文章は、構成図をもとにICレコーダーに録音した原稿を音声入力ソフトでテキスト化し編集したものです)
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