9月12日、13日と、パシフィコ横浜で、船井幸雄さんの話を聞いてきました。これから予想される生活恐慌を乗り越えて新しい世の中を作るためには、「天の理」で生きることが大切だという話でした。
この「天の理」は、今考えている「読書作文暗唱クラブ」の目指す方向と同じだと思いました。
読書作文暗唱クラブは、これからどんな不況が来ても、日本のすべての子供たちの完全な教育の機会を保障する教室にしていきたいと思っています。
「天の理」の第一は、単純化です。読書作文暗唱クラブの学習は、付箋読書、短作文、十分間暗唱と、だれでもできる全く単純な仕組みになっています。
第二は、自由化です。読書作文暗唱クラブの生徒には小中学生が多いので、全くの自由だとかえって子供たちは途方にくれてしまいます。しかし、方向は決めるが選択は自由という形にすれば、自立心旺盛な子供たちは更に意欲的に取り組めると思います。
第三は、質素化です。読書作文暗唱クラブの学習は、インターネットによる情報提供と、独自の指導ノウハウだけで運営しています。したがって、ある意味でコストはほぼゼロと考えていいと思います。
第四は、互助化です。読書作文は暗唱クラブは、地域で自分の子供の教育を真剣に考える人が中心になって生徒を募るという形が主になります。それをフランチャイズ方式で展開していく予定です。この運動の基本にある考えは、助け合いの精神です。
第五は、公開化です。読書作文暗唱クラブは、情報やノウハウの公開ともに、オープンソースで情報やノウハウそのものを発展させることを考えています。幸い、私が簡単なウェブ上のプログラムを作れるので、オープンソースの仕組みはすぐにできます。
第六は、万能化です。読書作文暗唱の学習は、国語力をつけます。その国語力は学力の基本なので、すべての教科の学力につながります。しかし、それだけでなく、具体的に英語の教材を追加すれば、英語の学力もつきます。数学の教材を追加すれば、数学の学力もつきます。それだけノウハウがシンプルで万能だということです。
「天の理」には、このほかに、ポジティブ化、ホ・オポノポノ化などもあります。いずれも、言葉の森の理念と共通しています。
今、港南台の教室で、付箋読書と四行詩、暗唱用紙を使った十分間暗唱、構成図を使った作文指導などを行っています。
今後、短作文の学習を取り入れるようになると、日本の子供たちだけでなく、外国人で日本語を学びたいという人たちにも門戸を開けるようになると思います。
(この文章は、構成図をもとにICレコーダーに録音した原稿を音声入力ソフトでテキスト化し編集したものです)
第4週の勉強は、読解問題(必須)、投稿(任意)、清書(任意)となります
幼稚園年長、年中の生徒は、これまでと同じように第4週も作文を書く練習です。
これまで、第4週の清書は、先生に送ってもらっていました。送られた清書の中から、学年別に入選作品が選ばれていました。
しかし、生徒数のわりに選ばれる入選作品が少ないという問題がありました。
そこで、これから、
手書きの清書は、先生には送らずに、直接コンクールや新聞などに投稿していただくようにします。
したがって、入選作品というものはなくなります。
一方、パソコン入力の清書の場合は、これまでと同じように「作文の丘」からインターネットで送信してください。
パソコンの清書から、自動採点ソフト森リンの点数をもとに、毎月の森リン大賞を選びます。この森リン大賞が、これまでの入選作品の代わりとなります。
なお、読解問題の時間がかかるため、投稿や清書の時間が取れない場合は、投稿や清書を省略してもかまいません。
清書の仕方
言葉の森に送る清書は、パソコン入力のものだけになります。このパソコン入力の清書から、その月の森リン大賞が選ばれます。
パソコン入力は、生徒が自分でできない場合は、お父さんかお母さんが代わりに入力してあげてください。
インターネットから送信する仕方は、「学習の手引」をごらんください。
https://www.mori7.net/mori/gate.php#129
(上記の#129は「学習の手引」の中の該当箇所で、2009年9月1日現在のものです)
送り方の簡単な手順は次のとおりです。
1、パソコンで作文を書きます。
2、書いた作文の文字画面をコピーします。
3、言葉の森のホームページの「作文の丘」に行き、生徒コードとパスワードを入れます。
4、本文のところにコピーしたテキストを貼り付けて送信します。
投稿のためのコンクール情報
▼第42回 音楽鑑賞教育振興 論文・作文募集
http://venture-plus.com/news/44531
テーマ:聴いてみつけた音楽の楽しみ
締切:2009年9月30日
対象:小・中・高校生
▼第23回 感動作文コンクール
http://www.rinri.or.jp/expressive_education02_23annai.html
テーマ:感動
締切:2009年10月2日
対象:小・中・高校生
▼日本語大賞
http://asiabiz.jp/newsasiabiz/2009/06/post_7253.html
テーマ:人と人とをつなぐ日本語
締切:2009年9月24日対象:小・中・高校生・一般
言葉の森では、音読や暗唱の自習をすすめています。
その根拠として、これまで、貝原益軒、塙保己一、シュリーマン、本多静六、湯川秀樹などの例を挙げてきました。
ところで、インターネットで「暗唱、暗写」と検索していると、ちょうどいい記事を見つけました。英語の暗唱の例ですが、同じことは当然日本語にも当てはまります。
以下の記事は、下記のページからの引用です。
http://www2.netwave.or.jp/~rikuta/text.html
====引用ここから。====
私が小学生の頃、近所にとても評判のいい個人の英語塾がありました。
そこは、決して有名な塾ではありませんでしたが、
先生が、1学年5人までしか生徒を受け付けない、という方針をとられていて、
「あそこに通っている子は、みんな英語がよくできる。」と噂されているようなところでした。
私は、中学生になったら英語の授業が始まるから、と、
母の勧めもあって、中学入学前から、その英語塾に通うことになったのですが、
緊張しながら、1回目のレッスンに行ってみると、
そこで、先生に「これから、毎回、次に来るときまでに、英語の教科書の暗唱をしてもらいます。」と言われ、
初日は、アルファベットの大文字と小文字を習って帰りました。
私は 英語教室というと、新しく出てきた単語やフレーズをみんなでリピートしたりするのを
想像していたので、その、まるで寺子屋のような雰囲気にどぎまぎしながらも、
さっそく家に帰って、中学1年生の英語の教科書を開いてみました。
が、教科書の挿し絵から、どんな内容かなんとなく推測することはできても、
アルファベットを覚えたばかりで、とても文字が読める状態ではありません。
教科書にそった音声テープも購入しました。
が、テープを聞いてみても、 何を言ってるのか全然分からないうえ、
少し長いセンテンスになると、途中で舌がまわらなくなり、
リピートすることさえできません。
そこで私は、これでは翌週までに暗唱なんて到底できそうにない、と思い、
宿題として指示されたページの単語を、全部英和辞書でひいて、
その単語のカタカナ読みを、歌詞カードのように紙に書き写し、
毎日、その自分で書いたカタカナのルビの羅列を声に出して読んで、
なんとか最初の週は、丸覚えしました。
また、学校が終わって、塾に行くまでの間に忘れてはいけないと思い、
教科書の暗唱箇所の英文全部に、うっすらカタカナのルビもふっておきました。
が、2回目のレッスンのときに、自分ではなんとか暗唱ができたと思ったものの、
すぐに、先生に英文全部にルビをふって、ルビ文を暗唱していたことがバレてしまったため、
3回目からは、泣く泣くテープの音声を小分けに聞きながら、1文ずつ音読して暗唱する方法に
向き合うことにしました。
その後もしばらくは、テープを小刻みに聞いて、
かなり時間をかけて、しぶしぶ音読しながら暗唱していったのですが、
それでも 3ヶ月ぐらいたった頃、
英語の音声に慣れたのか、暗唱のコツが分かったのか、
いつのまにかその教室に一緒に通う同級生5人とも、
最初に比べるとずいぶん楽に、暗唱できるようになっていました。
また、英語の文章全体の抑揚や発音もずいぶんよくなっていました。
ちなみに教室では、毎回、みんなの前で順番に教科書を伏せて暗唱し、
途中でつまずくと次の人に順番がうつり、
課題の暗唱が終わった人から、意味があいまいな単語を個々に英和辞書で調べて、
自分の単語ノートに書いていき、
最後に、その日暗唱した英文を、教科書を見ながらノートに書き写していきました。
(中学1年生の最初の頃は、教科書を見ながら書き写すのが精一杯でしたが、
じきに、書くスピードも速くなり、テキストを見ないで書ける(暗写できる)ようになっていき、
中学2年生ぐらいからは暗唱と暗写がセットで、家庭での宿題になりました。)
私も含めて、その教室に通っていた同級生の5人とも、教科書の暗唱と暗写がとても効果を発揮し、
学校での英語の授業は、とても余裕を持って受けることが出来ました。
教科書全部を暗唱し、暗写もしているので、
まさに、毎回毎回、授業全てが、「復習」をやっているのと同じです。
ちなみに、宿題として指示された暗唱の量は、
最初は、英語量が短いので1単元ごとでしたが、
長くなってくると、1単元を2~3回分に分けた分量(2~3ページぐらい)でした。
また、必ず、その単元を全部暗唱し終えたときには、
復習として、その単元を最初から全部通して暗唱と暗写をすることが宿題になり、
さらに、夏休み、冬休みには、教科書の最初から、それまで暗唱した単元まですべてが
暗唱の課題にされ、1学年が終わった春休みには、教科書1冊丸々暗唱と暗写をやりました。
これは、はたから見ると、とても大変なことのように感じるかもしれませんが、
当時中学生だったということと、
塾で暗唱し、さらに学校の授業でも細かく習ったあとの暗唱になるので、
その単元のイラストを思い出せば、するする英文が思い出されてきて、
さほど苦労することなく、暗唱することができました。
また、学校の英語の中間テストや期末テストなどの成績も、
その塾に通う5人全員ほとんどずっと満点で、
みんな、いつのまにか、暗唱のおかげでこんなに英語で楽をできるんだ、という意識が芽生え、
はりきって、暗唱という方法をとるようになっていきました。
その後、高校に入ってその教室をやめたあとも、
私は、英語の学習方法は、中学のときと同じようにやっていこうと思いました。
暗唱になれていたので、高校の教科書を見たときにも、
そんなに長いものに感じなかったのです。
具体的には、授業で習うより先に教科書にそったテープを聞き込んだあと、
意味が分からない単語を予め英和辞書で調べ、
暗唱したあと、最後に暗写で仕上げていく、という方法ですが、
それを繰り返しているうちに、
高校1年生頃には早くも、学校の英語の試験以外に、
暗唱によって英語力がついていることを実感することがおこりました。
1年生の夏から、アメリカの同い年の女の子と文通するようになり、
2週間に1度のペースで手紙を出し合うようになったのですが、
最初、英文レターの本を参考に、時間をかけて手紙を書いていたのに、
いつのまにか 思ったことを自分なりに英語で自由に書けるようになっていたのです。
====引用ここまで====
日本人が英語の暗唱や暗写で勉強できるとすれば、逆に、外国人が日本語を勉強するときに、日本語の暗唱や暗写という方法が使えます。
これは、帰国子女などで日本語が苦手な人にも使えますし、日本語が既に自由に使える人がより上手な日本語を身につける際にも使うことができます。
暗唱というと、これまでは方法論がなく、ただ覚えるまで根性で反復するようなやり方が主でした。
しかし、言葉の森の暗唱用紙を使う方法でやれば、だれでも楽に暗唱できるようになると思います。
作文の学習の問題は、時間がかかるということです。確かに、構成図を使えば7、8分で考えることができ、音声入力を使えば7,8分で書き上げることができますが、このやり方はまだ一般的とは言えません。
そこで、短作文という方法を考えました。これを、読書暗唱作文クラブでやっていく予定です。
短作文は、一段落、約三文、約150字の作文です。この一段落が、長い文章を構成する一つの基礎的なまとまりとなります。
一段落には、一つのテーマは含まれます。このテーマは、自由です。いわば、その日の日記のような位置づけで、各自が自由に書くことを決めてきます。
現在、言葉の森の小学3年生以上の課題は、与えられた題名や長文になっていますが、自由なテーマになると、テーマを発見する習慣もつきます。これは、ブログなどに記事を書くのと同じ効果があります。
なかなか書けないという生徒には、書きやすくするために、表現指導で文を引き出す練習をすることも考えられます。例えば、「もし……だったら」「どうして……」「たぶん……」などの表現項目です。このほか、「会話」「名前・数字」「□○□○」なども使えます。
しかし、あまり手助けをすると、観念的な言葉遊びになってしまうおそれもあります。基本になるものは、あくまでも本人によるテーマの発見で、表現項目指導は、補助的なものとして考えておきます。
創造的な活動は、制約がある方が創造性を発揮しやすくなるという面があります。短作文の制約は、三つ考えられます。
第一は、8行(150字前後)ぴったりにまとめるということです。これは、俳句や短歌と同じで、字数の制約があることによって創造性が引き出しやすくなるとともに、作品としての密度が高まります。
第二は、「たとえ」や「自作名言」をできるだけに入れるようにして書くということです。こういう表現項目があると、作品の完成度が高まります。
第三は、消しゴムを使わずに一挙に書き上げるということです。時間制限という制約があると、勉強の集中度が高まります。タイマーのようなものを使って、書き上げた時間を記録するようにしてもいいと思います。
これまでの普通の作文を仮に長作文と呼ぶと、この短作文と長作文の関連は次のようになります。
短作文が基礎作文力の練習で、長作文が構成作文力の練習です。
この短作文の評価は、基本的に誤字と誤表記のチェックだけです。先生の講評よりも、短作文を書いて発表すること自体が勉強の中身になります。
(この文章は、構成図をもとにICレコーダーに録音した原稿を音声入力ソフトでテキスト化し編集したものです)
マインドマップ風構成図
記事のもととなった構成図です。