国語の勉強は、ほかの教科の勉強とは違い、易しいものをいくらたくさんやっても力はつきません。難しい教材をその生徒の力に応じてわかりやすくかみくだいて指導するところに言葉の森の指導の特徴があります。
生徒の作文のうち、よく書けたものは、本人の希望に基づいて朝日小学生新聞や毎日小学生新聞に送っています。これは子供たちの作文に発表の機会を与えるためのもので、決して入選を目的としたものではありません。しかし、それにもかかわらず、多くの生徒がこの作品欄に入選しています。
中学生の作文は、あまり発表の機会がありませんが、現在、言葉の森で勉強している中学生の一部は、すでに大学受験小論文にも対応できる力をつけています。
この記事に関するコメント
コメントフォームへ。
同じカテゴリーの記事
同じカテゴリーの記事は、こちらをごらんください。
言葉の森の勉強の目的は、作文を書くことを通して、個性・知性・感性を育てることです。したがって、私たちは、ただ点数を上げるためだけの勉強はしません。
しかし、それにもかかわらず、中学受験をした小学6年生の多くの生徒が、ほかの塾の勉強よりも言葉の森の勉強で国語の力がついたと言っています。
言葉の森の勉強は、点数を上げる勉強ではなく考える力をつける勉強です。このため、小学生時代から始めて、中学入学後も、高校入学後も、さらには大学に入学したあとも、言葉の森の学習に魅力を感じて継続している生徒が多いのです。
この記事に関するコメント
コメントフォームへ。
同じカテゴリーの記事
同じカテゴリーの記事は、こちらをごらんください。
中学受験や高校受験でも、文章力が評価される機会が増えてきました。それに伴い、学習塾などでも作文指導を行なうところが増えています。
言葉の森とほかの作文教室との違いは、その内容にあります。言葉の森の教材はすべてオリジナルで、小学生から高校生まで継続して勉強することを前提にして作られています。この長期間にわたる学習ができるかどうかが作文教室を評価するいちばん大きなポイントです。
言葉の森の受講生の保護者の中には、自身が学習塾を経営していたり、全国的にもトップクラスに入る塾や予備校の国語の教材製作部門を担当している方もいらっしゃいます。このことは、私たちの作文指導が他には見られない優れた内容のものであることを示しています。
この記事に関するコメント
コメントフォームへ。
同じカテゴリーの記事
同じカテゴリーの記事は、こちらをごらんください。
●書き出しの工夫 —会話・色・音・情景で書き出す —
書き出しに、会話、色、音、情景を入れて、読み手を引きつけるような効果を出します。
例:赤い夕日が西の空を染めている。やっと練習が終わった。
例:窓の外から広い公園が見える。私の部屋は二階にある。
● 予測問題の主題 —将来Aが問題になる—
社会問題の主題の練習をしたあと、それを更に発展させて考える練習です。 考え方としては、今の社会問題に対する対策が進むと逆に別の問題が起こってくるだろいう形です。
例:(日本人の島国意識は問題だという社会問題が課題になっている場合)しかし、この島国根性を捨ててグローバル化を目指すあまり、むしろ逆に日本人の根を見失う傾向が今後問題になってくるのではないだろうか」
社会問題の反対の予測問題がどうしても考えにくいときは、社会問題を発展させて考えてもよいとします。その場合は、社会問題の主題とほぼ同じ内容になりますが、できるだけ自分なりに新しい問題の要素を加味して考えていくようにします。
● 複数の対策一 —…の対策としては第一に—
● 複数の対策二 —…の対策としては第二に—
意見文の展開部分に対策を書きます。必ずしも具体的な対策である必要はなく、対策の方向を指示するだけで充分です。対策を考えるヒントは、自主、民主、公開、発明です。
例:(地球温暖化をどうするかという課題について) 外部の規制を待つのではなく、まず私たち一人ひとりが自分のできるところから小エネルギーの生活を作っていく必要がある。(自主)
既に工業化を達成した先進国のペースで考えるのではなく、発展途上国の意見も反映させて考えていく必要がある。(民主)
密室で論議するのではなく、まず、地球温暖化が現在どのぐらいのペースで進んでいるかということを正確に情報公開していく必要がある。(公開)
排出権取引のように、資本主義の論理を利用して自然保護を図る仕組みを考案していく必要がある。(発明)
対策に正解はありません。自分のオリジナルな対策を考えていくこと自体が練習です。
● 体験実例 —自分らしい体験実例を書く—
対策を裏づける体験実例を書いてみましょう。
● ユーモア表現 —ユーモアのある表現(笑)—
読み手を笑わせるような表現を入れます。自分の失敗談を書いたり、物事を大袈裟に書いたりするとよいでしょう。
● 反対意見への理解 —確かにBもよいが、しかしAが—
四段落構成の結びの四段落目に、自分の意見とは反対の考えに対する理解を入れて書きます。 およそ意見というものは、どんなに正しいように見えても必ず反対の立場というものがあります。中学生や高校生のころはまだ視野が狭いので、自分が心から正しいと思っている意見を書くときは、反対意見を全面否定するような形になることが多いものです。 しかし、意見は一方的に書けば書くほど説得力を失う面があります。自分がどれほど正しいと思った意見でも、結びの段階で反対意見への理解に言及するようにすると、かえって説得力が増してきます。 反対理解を書くことは、意見文の鉄則です。 書き方で注意することは二つあります。 一つは、反対理解をじっくり書きすぎると、意見が分裂したような印象になることです。反対理解は必要最小限にとどめてさらりと書くことが必要です。 もう一つは、弱い反対理解を書いて済ませてしまう場合や、反対意見への理解ではなく反対事実の紹介で済ませてしまう場合があるということです。 例えば、弱い反対意見の理解の例としては、「(漫画はよいか悪いかで悪いという意見を述べたあと)確かにくだらない漫画を読みたくなる気持ちもわかるが……」というような書き方です。漫画がよいという積極的な意見への理解ではなく、消極的な意見への理解になっています。 反対事実の紹介の例としては、「(漫画はよいか悪いかで悪いという意見を述べたあと)確かにおもしろい漫画もあるが……」というような書き方です。 キーワードは、「確かに」ですが、ほかに「もちろん」「なるほど」「もっとも」なども考えられます。
● 自作名言 —…はAでなくBである —
自作名言とは、自分で作った名言です。本当は、これがいちばん大事なのですが、最初から「自分で名言を作る」と言ってもわかりにくいので、中学生のころは、名言集から名言の引用を行なって練習をしています。
名言は、「○○はAでなくBである。」というかたちの文です。名言集の多くの名言も、このようなスタイルを持っています。「出口のないトンネルはない」→「人生はトンネルのようにどんなに暗く見えようとも、行き止まりではなく、必ず出口がある」。「民主主義は教科書には書かれていない」→「民主主義は、教科書のように既にできあがったものではなく、自分たちで日々作っていくものだ」。
Aは世間で一般に思われている常識、Bは逆説に見える真理、という位置づけです。かたちだけ「○○はAでなくBである」と書いてあっても◎にしますが、「夏は、寒いのではなく、暑い」のように当たり前のことを書いている場合は、名言ではありません。
名言の効果が出るのは、文章の結びの5〜10行です。できるだけ結びの5行に、決めの言葉を書いていきましょう。
● 75分以内 —書き始めから書き終わりまで75分で—
長文を読む時間、構成メモを考える時間などは入れずに、書き始めから書き終わりまでを75分以内で書いていきます。 時間のかかる人は、全体で75分とだけ考えずに、段落ごとに途中経過時間の目安を決めておきましょう。
https://www.mori7.com/mine/nae.php?yama=nnga">ガジュマロの苗
この記事に関するコメント
コメントフォームへ。
同じカテゴリーの記事
同じカテゴリーの記事は、こちらをごらんください。
言葉の森では、小学1年生から、中学生、高校生、大学生、社会人まで幅広い年齢層の人が勉強をしています。学校や塾で今行なっている勉強の多くは、受験が終わればそれで終了してしまいます。文章を書く勉強は、学生時代に身につけた知識を基礎にして、その人の思考力の発達に応じて生涯向上していくものです。
言葉の森では、現在、言葉の森の卒業生を中心に、そのときどきの話題でディスカッションをするサークルを作っていく予定を立てています。具体的には、インターネットのメーリングリストなどを利用して、毎日、話し合いのできる場を設け、年に数回は一同に集まって話し合いをするというかたちのものです。
文章を書く勉強は、対話と結びつくことによって生涯続けられる勉強になっているのです。
この記事に関するコメント
コメントフォームへ。
同じカテゴリーの記事
同じカテゴリーの記事は、こちらをごらんください。
●書き出しの工夫 —会話・色・音・情景で書き出す —
書き出しに、会話、色、音、情景を入れて、読み手を引きつけるような効果を出します。
例:赤い夕日が西の空を染めている。やっと練習が終わった。
例:窓の外から広い公園が見える。私の部屋は二階にある。
● 社会問題の主題 —私はAが問題だと思う—
今日の社会の問題として主題を考えていくことです。書き方は、「……が問題だと思う」というような形になります。
「現代の」「日本の(自分が今住んでいるところの)」問題として考えていくと、問題意識が鮮明になります。「いつの時代かわからない」「よその国の」問題として考えずに、今の自分の問題として考えていきます。したがって、その問題も、他人事の問題として傍観者的に考えるのではなく、自分も当事者である現代社会の問題だと考えていく姿勢が必要になります。
● 複数の原因一 —…の原因としては第一に—
社会問題などを主題としたときの展開部分の書き方です。 原因の考え方は、横軸として社会的原因を、縦軸として歴史的原因を考えるようにするとバランスのよい展開になります。
例:(日本人はなぜ横並び意識が強いのかという問題について)第一の原因は、島国というところから来る同質集団の性格で、つい周囲の目が気になるということがあるのではないだろうか。例えば……。
● 複数の原因二 —…の原因としては第二に—
社会問題などを主題としたときの展開部分の書き方です。 原因の考え方は、横軸として社会的原因を、縦軸として歴史的原因を考えるようにするとバランスのよい展開になります。
例:(日本人はなぜ横並び意識が強いのかという問題について)第二の原因は、日本人が歴史的に農耕民族であったことによる。農耕は狩猟と異なり、集団で一斉に行動することを要求される場面が多い。例えば……。
● 体験実例 —自分らしい体験実例を書く—
原因を裏づける体験実例を書いてみましょう。
● ユーモア表現 —ユーモアのある表現(笑)—
読み手を笑わせるような表現を入れます。自分の失敗談を書いたり、物事を大袈裟に書いたりするとよいでしょう。
● 反対意見への理解 —確かにBもよいが、しかしAが—
四段落構成の結びの四段落目に、自分の意見とは反対の考えに対する理解を入れて書きます。 およそ意見というものは、どんなに正しいように見えても必ず反対の立場というものがあります。中学生や高校生のころはまだ視野が狭いので、自分が心から正しいと思っている意見を書くときは、反対意見を全面否定するような形になることが多いものです。 しかし、意見は一方的に書けば書くほど説得力を失う面があります。自分がどれほど正しいと思った意見でも、結びの段階で反対意見への理解に言及するようにすると、かえって説得力が増してきます。 反対理解を書くことは、意見文の鉄則です。 書き方で注意することは二つあります。 一つは、反対理解をじっくり書きすぎると、意見が分裂したような印象になることです。反対理解は必要最小限にとどめてさらりと書くことが必要です。 もう一つは、弱い反対理解を書いて済ませてしまう場合や、反対意見への理解ではなく反対事実の紹介で済ませてしまう場合があるということです。 例えば、弱い反対意見の理解の例としては、「(漫画はよいか悪いかで悪いという意見を述べたあと)確かにくだらない漫画を読みたくなる気持ちもわかるが……」というような書き方です。漫画がよいという積極的な意見への理解ではなく、消極的な意見への理解になっています。 反対事実の紹介の例としては、「(漫画はよいか悪いかで悪いという意見を述べたあと)確かにおもしろい漫画もあるが……」というような書き方です。 キーワードは、「確かに」ですが、ほかに「もちろん」「なるほど」「もっとも」なども考えられます。
● 自作名言 —…はAでなくBである —
自作名言とは、自分で作った名言です。本当は、これがいちばん大事なのですが、最初から「自分で名言を作る」と言ってもわかりにくいので、中学生のころは、名言集から名言の引用を行なって練習をしています。
名言は、「○○はAでなくBである。」というかたちの文です。名言集の多くの名言も、このようなスタイルを持っています。「出口のないトンネルはない」→「人生はトンネルのようにどんなに暗く見えようとも、行き止まりではなく、必ず出口がある」。「民主主義は教科書には書かれていない」→「民主主義は、教科書のように既にできあがったものではなく、自分たちで日々作っていくものだ」。
Aは世間で一般に思われている常識、Bは逆説に見える真理、という位置づけです。かたちだけ「○○はAでなくBである」と書いてあっても◎にしますが、「夏は、寒いのではなく、暑い」のように当たり前のことを書いている場合は、名言ではありません。
名言の効果が出るのは、文章の結びの5〜10行です。できるだけ結びの5行に、決めの言葉を書いていきましょう。
● 75分以内 —書き始めから書き終わりまで75分で—
長文を読む時間、構成メモを考える時間などは入れずに、書き始めから書き終わりまでを75分以内で書いていきます。 時間のかかる人は、全体で75分とだけ考えずに、段落ごとに途中経過時間の目安を決めておきましょう。
https://www.mori7.com/mine/nae.php?yama=nnga">ガジュマロの苗
この記事に関するコメント
コメントフォームへ。
同じカテゴリーの記事
同じカテゴリーの記事は、こちらをごらんください。
●書き出しの工夫 —会話・色・音・情景で書き出す —
書き出しに、会話、色、音、情景を入れて、読み手を引きつけるような効果を出します。
例:赤い夕日が西の空を染めている。やっと練習が終わった。
例:窓の外から広い公園が見える。私の部屋は二階にある。
● 当為の主題 —私はAべきだと思う—
ものごとのあるべき姿を主題にして書く練習です。
例:日本の教育は、もっと個性を尊重すべきだと思う。
例:日本の教育は、もっと基礎を徹底すべきだと思う。
当為の主題のあとは、それを実現するための方法で展開する形が多くなります。
● 複数の方法一 —…の方法としては第一に—
生き方の主題や当為の主題の展開部分の書き方です。複数の方法の考え方は、第一は人間的・心構え的・心理的方法、第二は社会的・政治的・経済的・教育的方法というように対比していくとバランスの取れたものになります。
例:(高齢者が過ごしやすい社会を作るべきだという意見について)第一の方法としては、高齢者にとって過ごしやすい社会は私たち自身にとっても過ごしやすい社会であると考えることだ。例えば……。
● 複数の方法二 —…の方法としては第二に—
生き方の主題や当為の主題の展開部分の書き方です。複数の方法の考え方は、第一は人間的・心構え的・心理的方法、第二は社会的・政治的・経済的・教育的方法というように対比していくとバランスの取れたものになります。
例:(高齢者が過ごしやすい社会を作るべきだという意見について)第二の方法としては、高齢者が活躍できるようなバリアフリーの環境を作ることだ。例えば……。
● 体験実例 —自分らしい体験実例を書く—
方法を裏づける体験実例を書いてみましょう。
● ユーモア表現 —ユーモアのある表現(笑)—
読み手を笑わせるような表現を入れます。自分の失敗談を書いたり、物事を大袈裟に書いたりするとよいでしょう。
● 反対意見への理解 —確かにBもよいが、しかしAが—
四段落構成の結びの四段落目に、自分の意見とは反対の考えに対する理解を入れて書きます。 およそ意見というものは、どんなに正しいように見えても必ず反対の立場というものがあります。中学生や高校生のころはまだ視野が狭いので、自分が心から正しいと思っている意見を書くときは、反対意見を全面否定するような形になることが多いものです。 しかし、意見は一方的に書けば書くほど説得力を失う面があります。自分がどれほど正しいと思った意見でも、結びの段階で反対意見への理解に言及するようにすると、かえって説得力が増してきます。 反対理解を書くことは、意見文の鉄則です。 書き方で注意することは二つあります。 一つは、反対理解をじっくり書きすぎると、意見が分裂したような印象になることです。反対理解は必要最小限にとどめてさらりと書くことが必要です。 もう一つは、弱い反対理解を書いて済ませてしまう場合や、反対意見への理解ではなく反対事実の紹介で済ませてしまう場合があるということです。 例えば、弱い反対意見の理解の例としては、「(漫画はよいか悪いかで悪いという意見を述べたあと)確かにくだらない漫画を読みたくなる気持ちもわかるが……」というような書き方です。漫画がよいという積極的な意見への理解ではなく、消極的な意見への理解になっています。 反対事実の紹介の例としては、「(漫画はよいか悪いかで悪いという意見を述べたあと)確かにおもしろい漫画もあるが……」というような書き方です。 キーワードは、「確かに」ですが、ほかに「もちろん」「なるほど」「もっとも」なども考えられます。
● 自作名言 —…はAでなくBである —
自作名言とは、自分で作った名言です。本当は、これがいちばん大事なのですが、最初から「自分で名言を作る」と言ってもわかりにくいので、中学生のころは、名言集から名言の引用を行なって練習をしています。
名言は、「○○はAでなくBである。」というかたちの文です。名言集の多くの名言も、このようなスタイルを持っています。「出口のないトンネルはない」→「人生はトンネルのようにどんなに暗く見えようとも、行き止まりではなく、必ず出口がある」。「民主主義は教科書には書かれていない」→「民主主義は、教科書のように既にできあがったものではなく、自分たちで日々作っていくものだ」。
Aは世間で一般に思われている常識、Bは逆説に見える真理、という位置づけです。かたちだけ「○○はAでなくBである」と書いてあっても◎にしますが、「夏は、寒いのではなく、暑い」のように当たり前のことを書いている場合は、名言ではありません。
名言の効果が出るのは、文章の結びの5〜10行です。できるだけ結びの5行に、決めの言葉を書いていきましょう。
● 75分以内 —書き始めから書き終わりまで75分で—
長文を読む時間、構成メモを考える時間などは入れずに、書き始めから書き終わりまでを75分以内で書いていきます。 時間のかかる人は、全体で75分とだけ考えずに、段落ごとに途中経過時間の目安を決めておきましょう。
https://www.mori7.com/mine/nae.php?yama=wa">ワタスゲの苗
この記事に関するコメント
コメントフォームへ。
同じカテゴリーの記事
同じカテゴリーの記事は、こちらをごらんください。
入学試験で、作文・小論文を課す大学や学部が年々増えています。教科の試験は、ある程度短期間に成績を向上させることができますが、文章を読み取ったり書き表したりする力は、一朝一夕には身につきません。
小論文には、書いた人の思考力や感受性がはっきり表れてきます。教科の成績を見るよりも、小論文の内容を見る方がその生徒の実力がよくわかるとは、多くの大学人が共通して認めるところです。それにもかかわらず、小論文がこれまであまり試験科目に採用されなかったのは、採点に手間がかかるという単純に技術的な理由からでした。
しかし、今後、子供の数が減るにつれて、受験の際も本人の実力をじっくり見る余裕が出てくると、小論文や面接の試験を採用するところは、次第に増えてくると予想されます。
文章を書く力は、数ある勉強の中で、いちばん伸びるのに時間がかかるものだと言われています。それは、まず書く習慣そのものが日常生活の中で身につけにくいものだからです。友達に書く手紙や日記のようなものは自由に書けても、自分の意見を論理的に説明するような文章を書く機会は、子供たちの日常生活の中ではなかなかありません。
今、さまざまな情報が映像でわかりやすく手に入るようになっています。逆に、そういう時代だからこそ、自分で考えて文章を読み書きするという力が必要になっているのです。
この記事に関するコメント
コメントフォームへ。
同じカテゴリーの記事
同じカテゴリーの記事は、こちらをごらんください。