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学校で国語、英語、社会などの暗唱の宿題が出たら as/660.html
森川林 2009/10/20 10:34 


 中学生の生徒から、学校で暗唱の宿題が出ているという話を何件か聞きました。英語の教科書を1ページを暗唱するとか、古文の一節を暗唱するとか、憲法の前文を暗唱するとかいう宿題だそうです。

 宿題というよりも、その暗唱ができたら成績をよくするという形で行われているようです。できない子も当然いるという前提で出されている宿題だと思います。


 これらの暗唱をするのに、言葉の森の暗唱の方法がそのまま使えます。


 まず時間を計ってひととおり全文を読みます。

 次に、10-20秒で読める範囲をいちばん小さいまとまりとして、句点などの切りのいいところで区切っておきます。この長さは、日本語でだいたい100字です。つまり400字の原稿を1分間で読むぐらいのスピードで読んで、100字約15秒がひとまとまりになるということです。英語の場合も同様に15秒ぐらいの長さを目安として区切っておきます。その区切りがわかるように、線などを引いておきます。

 この最小単位の100字の文章を暗唱用紙などを利用して30回読みます。これで大体10分です。翌日は次の100字をやはり30回読みます。3日目に次の100字を読みます。4日目5日目6日目は、300字を通して10回ずつ読みます。いずれも時間は10分程度です。

暗唱用紙を使った自習の仕方

暗唱用紙のサンプル


 300字の暗唱ができるようになったら、文の出だしをイメージを使って場所や身体に結びつけます。

イメージ記憶の仕方

イメージ記憶の例/日本語

イメージ記憶の例/英語

 次の300字も同じような要領で1週間で暗唱します。次の300字も同じように1週間で暗唱します。


 300字の文章を3つ覚えたら、次は900字を通して、イメージを思い浮かべながら1日4回暗唱します。こでも時間は10分程度です。900字4回の暗唱を続けていると、ほぼ1週間で900字全文が暗唱できるようになります。


 毎日10分間、週6日で1ヶ月暗唱すると、合計の時間はだいたい4時間です。もっと早く覚えられる人もいるはずですが、このぐらいの回数をやったほうが暗唱は長持ちします。

 貝原益軒は、100字の文章を100回読むという練習法を提唱しました。900字を100回読むと、やはり4時間弱です。単純に900字を100回暗唱するだけでも、文章は覚えることができますが、この方法だと暗唱ができるようになっているという感じがつかみにくいのです。暗唱は、途中まではなかなかできているような実感がわきませんが、後半になるにつれて、急速にできる感じがつかめるようになります。

 この回数を利用した暗唱で、英語でも古文でも憲法前文でも、何でも簡単に暗唱できるようになると思います。

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作文が苦手の子の勉強法 as/659.html
森川林 2009/10/19 18:28 


 言葉の森に問い合わせのある人の声で多いのが、「作文が苦手」「国語が苦手」というものです。

 作文も国語も、勉強のさせ方がわからないという共通点があるようです。国語や作文は、得意な子はなぜ得意なのかわからないが得意で、苦手な子はこれもなぜ苦手なのかわからないまま苦手であるということになっています。


 先日、あるお母さんから、「学校の宿題の作文を何日もかけてやっているので、親も子もくたびれてしまう」という話を聞きました。

 こういうときの対策は簡単です。子供に書かせようとするのではなく、親が全部作文に書くことを言ってあげてそれをそのまま書かせればいいのです。

 作文の勉強は、必ずしも自分の力だけで書くこととは限りません。自分で書く力をつけることが勉強ですから、その手段として筆写や聴写をするのは十分に意味あることです。

 自分で書かせようとして何日も書けるよりも、親の言ったとおりに書かせて、それで空いた時間を読書などにあてていく方がずっといいいのです。


 作文の力、国語の力をつける方法は、実は単純です。

 第一は、まず書くことです。それは、自分で作文を書くだけでなく、書き写しでもかまいません。頭と手が連動する練習をするということです。

 第二は、読むことです。読む力がつけば、必ず国語力も向上します。読む際の基本は、子供の好きな本を、たとえ大人からレベルが低いと思われるようなものであっても、好きなだけ読ませてあげることです。そして、その一方で、子供に読んでほしい本は、読み聞かせをしてあげるか、毎日ページ数を決めて勉強として読ませるようにします。

 第三は、模範になる文章を決めて暗唱することです。


 この、作文、読書、暗唱の三つをするときに大事なことは、どこまでやるかという基準を決めることです。「やれるところまで」とか「できるだけ」とかいうあいまいな目標ではなく、作文なら例えば150字、読書なら50ページ、暗唱なら100字を100回などと決めていくことです。

 ただし、現代の子供は、突然100字を100回の暗唱といってもなかなか実行できませんから、やりやすい字数と手順を考えてあげることも大切です。


 作文力、国語力は、小学校時代はなかなか上がりません。小学生のころは、勉強の時間以外に家庭で読んでいる本の量や対話の量が子供によって大きく違うので、毎日数十分勉強するようなことでその生活時間の差を逆転することはできません。しかし、小学校高学年から中学生、高校生になると、生活の中での読み書きよりも、勉強としての読み書きの時間の方が国語の成績を左右するようになります。

 国語という教科は、学年が上がるほど勉強によって力をつけやすくなる教科なのです。

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