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技術の教育から心の教育へ as/675.html
森川林 2009/11/08 21:15 


 作文指導は従来、主観的感覚的に行われている面が強くありました。例えば、指導や評価の方法でも、「自分らしく」「心をこめて」「深く考えて」などというあいまいな言葉がよく使われていました。

 それに対して言葉の森は、客観的合理的な作文指導を心がけててきました。その指導の技術が、一段落しつつある今、改めて心の教育に取り組む必要があると考えています。


 作文に限らずあらゆる教育に言えることですが、同じように教えても、生徒の出来不出来というものは常にあります。先生は、それをやむを得ないことと考えて点数をつけます。同じように教えても、90点の子もいれば、60点の子もいれば、30点の子もいます。

 教育を技術的なものと考えると、人間の能力には差があることは当然のように見えます。確かに、2、3年あるいは4、5年という短い期間で言えば、能力の差はすぐには埋まるようには思えません。


 しかし、20年、30年、あるいはもっと長い期間を考えてみると、どの子もいつか自分の人生で100点をつけられるようなときが来ます。小学生のときに30点しかとれなかったことも、その100点の一部になるような時期が来るのです。

 その可能性に確信を持つことが、心の教育です。それは、生徒が学ぶことを当然の前提として点数をつける教育ではなく、何のために学ぶのか、あるいは何のために教えるのかを常に自問する教育でもあると思います。

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国語力をつける問題集読書の方法 as/674.html
森川林 2009/11/07 21:27 


 よく「国語の成績を上げるにはどうすればいいのですか」と聞く人に、問題集の問題文を繰り返し読む問題集読書の方法を説明してきました。しかし、この方法を実行できる人はあまり多くいませんでした。単純すぎて物足りない勉強法だからです。また、成果が形として残らない勉強でもあるからです。
 やったあとが形に残らないので、始めてはみたものの結局しばらくやって飽きてしまい、続かなくなってしまいます。そして、問題集を解くような形に残る勉強をしてしまうのです。
 問題集を解く勉強がよくないわけではありません。しかし、解く勉強は時間がかかります。問題集を解く時間をただ読むだけの時間にあてれば、5倍から10倍も勉強がはかどります。

 そこで手順をもっとわかりやすくして、先生のチェックが入る方法にすれば、この問題集読書も実行しやすいのではないかと考えました。
 方法は、まず昨年の全国の入試問題集を買ってもらいます。国語という教科は英語、数学などの他の教科と違って、高校1年生でも大学入試の問題文を読むことができます。同様に、中学1年生でも高校入試の問題文を読むことができ、小学校5年生でも中学入試の問題文を読むことができます。
 用意した問題集をまずバラバラにします。これは1冊丸ごとのまま利用すると、結局問題集が重くて持ち運べないからです。その結果、問題集を家に置いていくことになります。すると、勉強の方法は本人任せになり、実行できなくなってしまいます。
 買ってきた問題集を1ページごとバラバラにして、それを3枚ぐらいにまとめてホッチキスなどでとじます。3枚の中には、だいたい2、3編の問題文が載っているので、全部黙読で読むと10分ぐらいかかります。毎日10分読んで1週間読んだ分を教室に持ってきます。(通信の場合は、別のやり方になります)。先生が検印を押して返却します。そして、1年間の間にどのページも4回以上繰り返して読むといいう仕組みにしていきます。(まとめるのは1日3枚でなく、1週間20枚という形でもかまいません)
 文章を読むときに大事なことは、面白いところ、よくわかったところに線を引くことです。
 そして、線を引きながら読むだけでなく、その読んだ文章の中の一つを選んで、4行で感想を書くという練習をすれば更に深い読み方ができます。通信の場合は、この4行の感想を提出するという形にすることができます。
 小学4年生までの生徒は、入試問題の問題集読書をするのではなく、普通の読書をしていきます。この読書は、付箋をはりながらの読書で、読み終えたあとにやはり4行で感想を書きます。先生には、その感想を提出するという形になります。
 現在、通信でも実行きる方法を考えているところです。

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