ログイン ログアウト 登録
 Onlineスクール言葉の森/公式ホームページ
 
記事 711番  最新の記事 <前の記事 後の記事> 2024/11/21
11月の森リン大賞決まる as/711.html
森川林 2009/12/19 20:18 


 11月の清書の森リン大賞が決まりました。

 今回の「山のたより」には、小4までの生徒にはベストテンの作文の題名と得点だけを掲載しました。小5以上の生徒にはベストテンの題名と得点のほかに1位の作品を掲載しました。

 上位の作品の掲載を少なくしたかわりに、それぞれの生徒の自分自身の作文(パソコンで入力した清書)の過去10ヶ月分の得点と過去2か月分の清書を掲載するようにしました。


 どの学年の作品も力作でした。小学校低中学年の生徒の作品には、ほほえましいものが多く、この子供たちが大きくなって自分の小さいころの作文を読む機会があったら懐かしい思いがするだろうと思いました。

 例えば、小3の生徒の作品の中に、次のようなものがありました。

====▽(引用ここから)

(アインシュタインのように)えらい人になっても、小学生がまるで友だちのように親しくなるように、やさしくしたいです。
 でも、やっぱり、みんなも、お母さんも言っていました。
「やっぱりおしゃれして行かないと、はずかしいよね。へんな服で行くと、変な人だと、思われてしまうからいやだと思うよ。」
 と笑っていました。
 私の子どもも、アインシュタインのような心にしたいです。アインシュタインは、身なりにかまわず、はずかしがらず、えらくて、プリンストンの名物教授にもなれるくらい、頭がよくて、とても親切だという話を、私の子どもに、してあげたいと思います。

====△(引用ここまで)

 アインシュタインの話を読んでの感想文を清書にしたので、3年生では長く書くのが難しかったと思います。(3年生はまだ感想文を書くのは早すぎる学年ですが、言葉の森ではその後の学年の準備として感想文の指導をしています)

 今学期勉強した項目の中に、「聞いた話似た話」というものがあったためだと思いますが、お父さんやお母さんに取材して書いた部分があります。この「聞いた話」がごく自然で飾り気がなく、「やっぱりおしゃれしていかないと、はずかしいよね」というお母さんの会話の中に、普段からの楽しいコミュニケーションの様子が感じられました。

 この子は、きっと将来、この長文のアインシュタインのように謙虚で優しい人になることでしょう。


 中学生や高校生の上位の作品には、読書好きの子の書いたものが多かったようです。作文の中に書かれている語彙を見ると、その学年ではあまり使わないような難しいものが自分なりに消化されています。こういう子供たちが成長して、それぞれに自分の意見を書いていくということを考えると、とても頼もしい感じがしました。

 中学1年生で最高点の作文を書いた生徒は、自分で小説を書いているようです。与えられた課題をRPGの物語という個性的な実例で書いていました。

====▽(引用ここから)

 ダーウィンは、ミミズの研究に基づき、ミミズが有機土壌の形成に大きな貢献していると述べた。これは、ミミズが地中を絶え間なく動き回ることで土の中に穴が出来、水はけや空気の通りが良くなるなどの利点から言われている。また、有吉佐和子は小説、『複合汚染』を執筆し、人間が自然を痛めつけた結果、自分達にひどい影響が及んでいる現状を詳しく書いている。ロンドンではミミズを利用した生ゴミの処理を行おうとしている。
 小さい生物にもそれ相応の役割があり、また、なくてはならないものだと考える。
 よく、小説を書いていて思うことがある。登場人物の中でも、主要キャラ、準主要キャラ、そしてサブキャラと分けることが出来る。

(中略)

 RPG物の小説を書くと、このサブキャラがかなり重要になる。なぜなら、雑魚モンスターがいなければパーティーのレベルはあがらない。そもそも、その小説自体にスリルや緊迫感がなくなる。ラスボスが出てくるまで、ヤッホホトゥラララの世界といのはかなりほのぼのとした冒険小説である。雑魚モンスターがでてきて、
「うあー!!こいつ、何気につえええ!!!」
とか、
「うああああ!?戦闘不能?!回復魔法やって・・・!!」
とか
「ははっ弱いぜ!!大したことねえな、ふはははははは!!」
とか言っている所をフハハハ(とは言わない)とラスボスが出現するからこそ、RPG小説、あるいはゲームの面白さはある。

====△(引用ここまで)

 作文を書くという勉強を自分なりに楽しんでいることがわかります。文章力のある子の作品は、一回一回がそれぞれ力作なので、書くたびに考えが成長していくという感じがします。

 ときどき大学生になった子が教室に来て、自分の中学生や高校生のころの作文を読む機会があると、「あのころの方がよく考えていたなあ」と言うときがあります。難しい文章を読んで自分なりに考えて書くという機会はやはりなかなかないのだと思います。

この記事に関するコメント
コメントフォームへ。

同じカテゴリーの記事
同じカテゴリーの記事は、こちらをごらんください。
森リン(103) 

記事 710番  最新の記事 <前の記事 後の記事> 2024/11/21
受験作文には、飛び切りの実例と表現で as/710.html
森川林 2009/12/17 09:46 


 受験の数ヶ月前になってから作文の試験のために受講するという方からよく聞かれます。「今からでも実力はつきますか」。答えは、もちろん「もう実力はつきません」。

 作文力が数ヶ月で上達するということはありません。これが数学などの教科であれば、一ヶ月みっちり勉強することで劇的に成績を上げることもできます。しかし、作文は、それまでの生活の中で積み重ねてきた経験や読書や考えたことの総合的な力ですから、短期間で実力が変わるということはないのです。

 しかし、「今持っている実力で最高の作文を書くようにすることはできます」ということも言います。本当は、大事なのは実力ですから、そういう裏技的なことはしたくないのですが、昔言葉の森の生徒だったという人などに、どうしてもと頼まれるとなかなか断れません。

 あるとき、やはりそういう生徒が来ました。昔言葉の森の生徒でその後海外に行き、今度帰国して大学入試で小論文の試験を受けるのだそうです。試しに作文を書いてもらうと、高校生レベルの文章が全然書けません。絶対に合格しない実力でしたが、指導を始めることにしました。

 出されそうなテーマで何本か作文を書いているうちに、いい体験実例がいくつか出てきました。そのうちの一つに絞り、「いいか。どんなテーマが出てもこの体験実例を書け」(笑)。更に何本か書いているうちに、いい表現といい感想も出てきました。これも同じく、「どんなテーマが出ても、この表現と感想を書け」。ほかのことを書くとボロが出てくるので、最高の実例と表現と意見だけで字数を埋めるようにしたのです。

 その後の練習は、いろいろなテーマを、同じ実例と表現と意見で書いていく練習です。その結果は、奇跡的に合格。試験の場で、その子の最もいい面だけを出してきたのです。もちろん入学後は苦労すると思うので、「これから本をしっかり読むんだよ」と言っておきました。

 以上は極端な例ですが、この書き方は、受験で作文を使う人には同じように当てはまります。作文試験のコツは、自分の最もいい面を文章として出していくことです。言葉の森新聞にも書きましたが、特に表現の工夫は今からでもできるので、自分なりの最高の表現を用意して試験に臨むようにしてください。

この記事に関するコメント
コメントフォームへ。

同じカテゴリーの記事
同じカテゴリーの記事は、こちらをごらんください。
受験作文小論文(89) 
コメント1~10件
読解問題の解き Wind
面白かった 10/11
記事 4027番
長文の暗唱のた たろー
この世で一番参考になる 9/30
記事 616番
「桃太郎」を例 匿名
役に立った 8/15
記事 1314番
日本人の対話と 森川林
ヨーロッパの対話は、正反合という弁証法の考え方を前提にしてい 8/6
記事 1226番
日本人の対話と よろしく
日本人は上に都合がよい対話と言う名のいいくるめ、現状維持、そ 8/5
記事 1226番
夢のない子供た 森川林
「宇宙戦艦ヤマトの真実」(豊田有恒)を読んだ。これは面白い。 7/17
記事 5099番
日本人の対話と 森川林
 ディベートは、役に立つと思います。  ただ、相手への共感 7/13
記事 1226番
日本人の対話と RIO
ディベートは方法論なので、それを学ぶ価値はあります。確かに、 7/11
記事 1226番
英語力よりも日 森川林
AIテクノロジーの時代には、英語も、中国語も、つまり外国語の 6/28
記事 5112番
創造発表クラス 森川林
単に、資料を調べて発表するだけの探究学習であれば、AIでもで 6/27
記事 5111番
……次のコメント

掲示板の記事1~10件
現在森リンベス 森川林
このあとの予定。 ・森リンベストを直す(直した) ・森リ 11/20
森川林日記
Re: 入会手 言葉の森事務局
 お世話になっております。  弟さんのみご入会が1週間 11/15
森の掲示板
入会手続きにつ やすひろ
お世話になっております。 個別掲示板を開けませんので、ここ 11/15
森の掲示板
Mr. 1
1 11/14
森の掲示板
Mr. 1
1 11/14
森の掲示板
Mr. 1
1 11/14
森の掲示板
Re: 項目の 1
> いつもありがとうございます。 > > こすほ 11/14
森の掲示板
Re: 項目の 1
> いつもありがとうございます。 > > こすほ 11/14
森の掲示板
Re: 項目の 1
> いつもありがとうございます。 > > こすほ 11/14
森の掲示板
Re: 項目の 1
> いつもありがとうございます。 > > こすほ 11/14
森の掲示板

RSS
RSSフィード

QRコード


小・中・高生の作文
小・中・高生の作文

主な記事リンク
主な記事リンク

通学できる作文教室
森林プロジェクトの
作文教室


リンク集
できた君の算数クラブ
代表プロフィール
Zoomサインイン






小学生、中学生、高校生の作文
小学1年生の作文(9) 小学2年生の作文(38) 小学3年生の作文(22) 小学4年生の作文(55)
小学5年生の作文(100) 小学6年生の作文(281) 中学1年生の作文(174) 中学2年生の作文(100)
中学3年生の作文(71) 高校1年生の作文(68) 高校2年生の作文(30) 高校3年生の作文(8)
手書きの作文と講評はここには掲載していません。続きは「作文の丘から」をごらんください。

主な記事リンク
 言葉の森がこれまでに掲載した主な記事のリンクです。
●小1から始める作文と読書
●本当の国語力は作文でつく
●志望校別の受験作文対策

●作文講師の資格を取るには
●国語の勉強法
●父母の声(1)

●学年別作文読書感想文の書き方
●受験作文コース(言葉の森新聞の記事より)
●国語の勉強法(言葉の森新聞の記事より)

●中学受験作文の解説集
●高校受験作文の解説集
●大学受験作文の解説集

●小1からの作文で親子の対話
●絵で見る言葉の森の勉強
●小学1年生の作文

●読書感想文の書き方
●作文教室 比較のための10の基準
●国語力読解力をつける作文の勉強法

●小1から始める楽しい作文――成績をよくするよりも頭をよくすることが勉強の基本
●中学受験国語対策
●父母の声(2)

●最も大事な子供時代の教育――どこに費用と時間をかけるか
●入試の作文・小論文対策
●父母の声(3)

●公立中高一貫校の作文合格対策
●電話通信だから密度濃い作文指導
●作文通信講座の比較―通学教室より続けやすい言葉の森の作文通信

●子や孫に教えられる作文講師資格
●作文教室、比較のための7つの基準
●国語力は低学年の勉強法で決まる

●言葉の森の作文で全教科の学力も
●帰国子女の日本語学習は作文から
●いろいろな質問に答えて

●大切なのは国語力 小学1年生からスタートできる作文と国語の通信教育
●作文教室言葉の森の批評記事を読んで
●父母の声

●言葉の森のオンライン教育関連記事
●作文の通信教育の教材比較 その1
●作文の勉強は毎週やることで力がつく

●国語力をつけるなら読解と作文の学習で
●中高一貫校の作文試験に対応
●作文の通信教育の教材比較 その2

●200字作文の受験作文対策
●受験作文コースの保護者アンケート
●森リンで10人中9人が作文力アップ

●コロナ休校対応 午前中クラス
●国語読解クラスの無料体験学習