「家庭でできる作文指導」ということを考えると、何度考えても出てくる結論は同じです。「家庭では、作文指導はしない方がいい」です。
作文は、他の教科よりも教える側の個性が強く出てきます。算数や数学で子供を教えていて、子供がなかなか理解しないのでつい怒ってしまったというようなことが一度でもある人は、作文の指導はまずしない方がいいと思います。
といっても、作文の指導は、最初の数回だけに限ればだれでも結構うまくできる面があります。
ちょっとしたアドバイス、例えば、「会話を入れる」「書き出しを工夫する」「擬声語や擬態語を使ってみる」「結びを工夫する」などテクニックを教えて、そのとおりに子供が書いてそれなりに上手に書けると、うまく教えられるように思います。
しかし、これが一ヶ月、二ヶ月と続くと、途中で教える側にも教わる側にも限界が出てきます。教える側は、新しいテクニックを教えることがなくなるので、次第に重箱の隅をつつくような「直す」アドバイスを始めるようになります。子供も、最初はものめずらしさで書いていたのが、次第に同じパターンに飽きてだんだんやる気がなくなってきます。その上に、「直す」指導ですから、そのうちに書くこと自体が嫌になってきます。
作文指導に熱心な先生に教わったクラスほど、作文嫌いの子が増えるという例があります。直す方は意気揚々と直すのですが、直される方はなぜ直されるのかわからない、そして、自分とは違う上手な子の作文ばかりが褒められる、となれば、やる気がなくならない方がおかしいのです。
では、家庭では何をしたらいいのでしょうか。
作文については、「教える」「直す」という発想で取り組むと、ほとんどの場合「教えすぎ」「直しすぎ」になり、教える方もくたびれ、教わる方も作文嫌いになります。
作文の力をつけるいちばん大事な方法は、「褒める」「読む力をつける」の二つなのです。
「褒める」はある意味で単純です。どんな文章を書いても、誤字があっても、ひたすらいいところを見て褒めてあげることです。実は、これが自分の子供になるとなかなか難しく、大体の親は、真っ先に間違いを直そうとします。間違いは、そんなに焦って直さなくていいのです。なぜ間違えたかというと、これまでの読む経験が浅いために間違って覚えているのですから、書いた結果を直すのではなく、読む経験を増やす方が先なのです。
作文は、植物で言えば「花」のようなものです。大人はつい「花」という結果だけを見て、その「花」をどうにかしたいと考えがちですが、実はその花が咲く前の葉の茂り方、根の張り方にいちばんの問題があるのです。
では、読む力をつけるためには、どうしたらいいのでしょうか。
一つは、読書です。毎日読書をしている子は、いざ作文を書くというときに、その読書で身につけた語彙や表現を自然に使うことができます。ですから、上達も早いのです。
小学校4年生までは、学校の宿題や塾の勉強などよりも優先して読書に取り組むことが必要です。読書によって読む力をつけた子は、勉強を始めるとその吸収力が違います。小学4年生までの勉強などは、読書力さえあればいつでも簡単に取り戻せます。
と言っても、読書の欠点は、あまりに読書というものの幅が広く、その結果にあてがないように見えることです。
そこで、読書と並行して行う家庭学習として、言葉の森では音読ということをすすめてきました。
ところが、この音読を学校などでも行うようになると、弊害がだんだんと出てきました。音読のいちばんの欠点は、子供が飽きるということです。音読は、同じものを繰り返し読むことに意義がありますが、子供が飽きないように、次々と新しい文章を音読させるようになると、結局ただ声を出して読んでいるだけで音読の効果は何もありません。それぐらいなら、黙読でたくさん読んだ方がずっといいのです。
そこで、言葉の森では音読ではなく暗唱をするようにしました。
暗唱は、音読と比べて達成感があります。しかし、これもやり方を工夫しないと、子供に負担を与えるだけの結果になります。暗唱のいちばんの問題点は、今の親や先生の世代が自分自身で子供時代に何かを暗唱したという経験がないために、子供に暗唱をさせようとすると見当違いの無理強いをしてしまうことがあることです。
(私の父はもう90近い年齢ですが、先日話のついでに、「今教室で子供たちに暗唱をさせているんだ」と言うと、「それはいい」というようなことを言っていました。たぶん、昔の人は、勉強の仕方の一つとして暗唱ということをごく自然に行っていたので、その仕方も無理がなかったのだと思います)
暗唱の方法は、言葉の森が考案した暗唱用紙を使う方法がいちばんやりやすいと思います。この方法ならば、紙1枚だけで簡単に暗唱の回数を数えることができます。1日10分の暗唱で、1ヶ月で1000字近い文章をすらすら暗唱できるようになります。
年齢でいうと、小学校2、3年生ぐらいまでは、文章を数十回音読するだけですぐに暗唱ができるようになります。小学校4、5年生になると、大人と同じように理屈で覚えようとするのでなかなかスムーズに暗唱できなくなります。しかし、それでも回数を繰り返すことでだれでもできるようになるというのが暗唱という勉強法の長所です。
子供に暗唱をさせる場合は、親も自分の好きな文章を選んで一緒に暗唱をしてみるといいと思います。大人が暗唱の勉強をすると、子供の暗唱とはまた違って、発想が豊かになってくる面があります。これは、実際に体験してみると実感できると思います。
さて、小学生までは、読書や暗唱を中心に読むことに力を入れていけばいいのですが、中学生や高校生になると、子供自身が作文を評価してほしくなると思います。
今の教育のいちばんの問題は、文章を書くことがいちばん要求される中学生、高校生のころに文章を書く勉強がなくなることです。その理由は、先生が文章を評価する時間がとれなくなるからです。試みに、高校生が何十人も一生懸命書いた文章を評価する仕事を想像してみるとわかると思います。とても日常的にそういう仕事はできないとわかるはずです。
では、どうしたらいいかというと、一つの鍵は、文章の自動採点ソフトを使う方法です。言葉の森が開発した作文小論文自動採点ソフト「森リン」は、小論文の上手さを数値で評価します。日本ではまだ文章採点ソフトを中学や高校の作文小論文指導に使っているところはないようですが、これからこういう勉強法がもっと取り入れられるようになると思います。
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9月から生徒の清書を自動採点ソフト「森リン」で採点して表示しています。
これは、父母アンケートで、「作文力がどのくらい向上しているか知りたい」というご要望があったためです。
11月の清書について、各学年の森リン点が1位の生徒(その生徒がまだ1回しか森リン点を出していない場合はその次の順位の生徒)の点数推移グラフを見てみました。
その結果、10人中9人の生徒の作文力が向上していました。また点数が低下していた生徒についても、9月から11月の成績に限って見てみると、やはり作文力が向上していました。
森リンの点数における作文力の向上は、全生徒を平均すると年間2ポイントぐらいですから、短期間ではなかなか文章力の上達を実感しにくいと思います。しかし、これらのグラフを見ていただくとわかるように、真面目に勉強している子は作文力が確実に向上しています。
特に作文力の向上と相関が高いのが素材語彙の点数です。
これは、作文に書く語彙の種類が増えていることを示しています。
※森リン(もりりん)は、言葉の森が開発した作文小論文の自動採点ソフトで、人間の評価との相関が高いことで知られています。
▽小1の4位の生徒(グラフの赤い折れ線が総合点。以下同じ)
▽小2の1位の生徒
▽小3の1位の生徒
▽小4の1位の生徒
▽小5の1位の生徒
▽小6の1位の生徒
▽中1の1位の生徒
▽中2の1位の生徒
▽中3の1位の生徒
▽高の1位の生徒
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昨日の記事の続きです。
11月の森リン大賞(中2の部79人中)
玉露の語り
おむふ
姿を変えぬものが世にあるであろうか。朝、露草に淡くついていたはかなげな玉露も昼になり、陽光が強く照る刻限となるとどうだろうか。澄んだ灯明のごとき玉露はその名残すら残さず今そこに構えているのは青々とした太陽の息吹である。空のおぼろ月も、香炉の霞のような香りもいずれにせよ美しいとされるものはおぼつかずはかなげである。さらには、人の織り成した産物などにおいてはもはや幼き文鳥のよう。いくら飛べたといえどももろくはかなきものであろう。流行もまた同様のものなのではなかろうか。ちょっとした苗からたちどころにあらわれ道化師のようにひょうきんに広がり世に新参する。関心という富をおそろしくたくわえたいわば関心の金満家。そうして実った流行という穂とてこれまたはかないものである。風に煽られそよぐうちに気づいたら朽ち果て滅んでゆく。後にあるのは夜気のようなむなしき気。元来からこの穂にはなかみなどなかったのだ。関心というかりそめの想いであろう。 これぞ流行の行く末である。幾度もこの流行は吹き上がり、燃えに燃え灰となったのだ。本といったものも同じなのであろうか。もちろんそうであるが一口にそうともいえないのだ。古典というものがある。
ドストエフスキー、ファーブルだれもが一度は必ず耳にしたことがあるだろう。こういった古典こそ良きものである。古典は古いものといった意味ではない。昔から多くの人からの人気を博し長い間したしまれてきたものである。それ故、中身が豊穣につまった珠玉のものである。流行が移り行く川ならば古典はそのかわの源泉の清水とでもいおうか。その上流行をおってばかりではならないだろう。こういった話がある。星新一のものだ。ある新しい物好きな男がいた。彼はたいへんな財産家でもあり新しいものが作り出されたとなるとすぐさまとびついていた。中に入れるテレビ、などなど次々に取り入れていたのだ。そしてその集めた新しいものを自慢するのがなによりの生きがいだったのだ。そんな中でも彼はある一つに飛びついた。人を冷凍保存することによりはるか未来までその人を保存することができるというものである。いずれ、時がたてばこの冷凍マシンから出してもらい当人にとっては未来へ来たようなもの。彼はこれまたすぐさま飛びつき早速そのマシンに入ったのだ。そしてはるか未来にたどりついたのだ。だがそこは文明もおそろしく進んでいる。彼の生きがいである自慢がなにひとつできないのだ。それから何日か未来文明を彼が少し知った後、自分の後に冷凍マシンに入った人たちが今目覚めたという一報を耳にした。彼らにならこの未来文明を知っているということを自慢できるだろう。そうたかをくくっていたがこれまた失敗である。彼の入った冷凍マシンは彼が入った後改良され記憶装置といったものがついたのだ。それは冷凍マシンに入った人が目覚めた後時代に立ち遅れないように随時文明や世界の動きを眠っている間にも脳に送り込むというものである。すなわち彼はこの世で最も遅れた人となってしまったわけだ。 ここにあるようにすぐさま流行に飛びつくというのもあまり良いことではない。
だがこういったことわざがある。流れる水は腐らぬ。あまりに古典にこだわっていては感受性が腐ってしまうであろう。流行のものにも多大な価値があるだろう。いわば古典はふるいしきたりである。あまりに良質なものを求めていては流行の新たな世界観に目を向けることはできないだろう。その上流行のものというのは人をつなぐ潤滑油ともなりえる。流行の話を元に会話が広がったりと共通の話題をもつことができるだろう。古典ではだれもが知っているというのもごくわずかである。流行なら時代時代に様々なことをつくりあげていけるのだ。
今古典と流行のものをどちらが読むに値するか考えている自分が急にあほらしく思われてきた。自分はどうかしていたのだろうか。古典にも、流行にも述べてきたように多くの良さがある。だが本来選択すべきは自分が気にいったものなのではなかろうか。流行にせよ古典にせよ自分の気に入ったものを読むのがなによりだろう。それこそが真に心の泉となるはずだ。
順位 | 題名 | ペンネーム | 得点 | 字数 | 思考 | 知識 | 表現 | 文体 |
---|
1位 | ●玉露の語り | おむふ | 93 | 1713 | 76 | 83 | 100 | 84 |
2位 | ●交話機能の使い方 | 音楽大好き少年 | 85 | 1297 | 53 | 64 | 75 | 89 |
3位 | ●人間の会話 | サニー | 84 | 1102 | 54 | 66 | 76 | 87 |
4位 | ●古典は新しい! | いちごサクラ | 82 | 1209 | 52 | 59 | 68 | 90 |
5位 | ●適切な保護や管理 | ハーマイオニー | 81 | 1447 | 51 | 100 | 95 | 80 |
6位 | ●存在するもののつながり | 嵐ちゃん | 81 | 1897 | 54 | 69 | 87 | 83 |
7位 | ●生活とのバランス | 夏みかん | 81 | 979 | 51 | 68 | 72 | 89 |
8位 | ●心の交流と本題 | ショウ | 81 | 1015 | 52 | 60 | 67 | 93 |
9位 | ●保護を適切に使用しよう。 | コーギー | 79 | 1116 | 43 | 65 | 82 | 83 |
10位 | ●言葉の役割 | ポンピー | 79 | 1512 | 39 | 56 | 76 | 92 |
11月の森リン大賞(中3の部43人中)
人生の先輩
マロン
昔話には類話というものがあり,類話の多様性は人生の問題の解決方法の多様性を示している。人によっていろいろな生き方があり,それはそれなりに面白いものだ,と昔話の知恵は我々に語りかけてくるのである。
私は昔話からいろいろなことを学べるような生き方をしたい。「かさこじぞう」という昔話がある。売れ残った傘をおじいさんが地蔵にかけてあげる話だが,これは思いやり,優しさの大切さを示している。このように昔話は,人生において必要なことをたくさん含んでいるのだ。
また,日本の昔話によく登場するお年寄りの話は,人生のヒントになるようなものばかりである。「亀の甲より年の功」というように長年の経験を尊び,昔話を生かしていきたい。
そのためには,まず昔話から人生の教訓を読み取るように心がけることが挙げられる。
昔話は小さな子どもが読む,幼稚なものだと思われがちであるが,実はそうではない。昔話は一つの教科書であると私は思う。私は,「桃太郎」では仲間の大切さを,「赤いくつ」では謙虚な気持ちの大切さを学んだ。このように私たちは物語を読んでいくことによって,知らず知らずのうちに道徳的なことが身についてくるのである。だから昔話はもっと見直されるべきである。
日本では最近,昔話を広める動きも見られる。例えば,テレビアニメやバラエティー番組でも昔話は取り上げられているし,お菓子のおまけで小さな絵本がついていたりもする。せっかくのこうした動きを無駄にするのではなく,子どもも大人もそれを生かしていくべきではないだろうか。
また,昔話だけでなく,価値がないと考えられがちの古いものにも多くの意味がある。やはり,日本の伝統や知恵を身につけることは日本人として生きていくうえでの基本であると思う。その地方でつくられたものを売る「道の駅」では,お年寄りの作った和菓子が人気である。海外で学んだパテシェの作るケーキもおいしいが,伝統のあるお団子は,懐かしい味がして食べると落ち着く気がする。私は,昔話から,またお年寄から学ぶことは大切であり,先の代まで受け継いでいくべきだと思った。
第ニの方法としては,昔話の文化をしっかり保存していくことが挙げられる。近年,日本は小家族化が進み,お年寄と一緒に暮らしていない若者が増えている。これでは伝統が伝わりづらい。だから,学校や社会が,昔のことを生かせるような仕組みを作っていくことが必要である。私の小学校には茶道や詩吟の先生が来て教えてくれたし,通っていた珠算教室では,休み時間に先生がお手玉やけんだまで一緒に遊んでくれた。このように学校や会社も文化,技術の継承を積極的に取り入れるべきである。
「古代への情熱」の著者であり,ドイツの考古学者のシュリーマンは,子どもの頃に絵本で読んだトロイ戦争を信じ,独力でトロイの都や遺跡を発掘した。私たちも子どもの頃読んだ昔話やそこから学んだことを忘れてはならない。
確かに現代の最新の知識や技術を生かすことは大事である。医学などはそうでないと全く進歩しないし,流行の本を読むことは楽しく,新しいものは合理的で便利である。しかし一つ一つの昔話,お年寄りの話にはそれぞれ伝統と昔ながらの知恵,メッセージが詰まっている。「読書は人間を豊かにし,討議は人間を役立つようにし,文章を書くことは人間を正確にする」という言葉があるように,私たちはもっと昔話から生き方を学んでいくべきではないだろうか。昔話は私たちの人生における先輩であり,昔話の数だけ人生があるのである。
順位 | 題名 | ペンネーム | 得点 | 字数 | 思考 | 知識 | 表現 | 文体 |
---|
1位 | ●人生の先輩 | マロン | 89 | 1464 | 59 | 79 | 85 | 90 |
2位 | ●環境を守る前に | ☆shooting st | 86 | 901 | 69 | 78 | 86 | 92 |
3位 | ●自分の生きる意味 | きへあ | 83 | 1102 | 53 | 63 | 69 | 90 |
4位 | ●デジタル的、アナログ的 | 野球小僧 | 81 | 1055 | 57 | 91 | 99 | 83 |
5位 | ●模倣 | ゆうちゃり~ | 81 | 1042 | 46 | 72 | 72 | 93 |
6位 | ●清書 | うずら | 79 | 1057 | 49 | 82 | 89 | 87 |
7位 | ●昔話は道徳の本 | ゆりん | 79 | 917 | 47 | 60 | 71 | 86 |
8位 | ●思い出の引き立て役 | とまと | 78 | 984 | 47 | 59 | 64 | 87 |
9位 | ●才能の数 | ちこちこ | 77 | 859 | 47 | 61 | 69 | 84 |
10位 | ●まね | ちな | 75 | 769 | 46 | 59 | 68 | 90 |
11月の森リン大賞(高1高2高3社の部120人中)
方法への抵抗
PINK
レイジ・アゲインスト・ザ・マシーンというバンドは、あらゆる権力や制度に対して抵抗することをメッセージとしている一軒古臭いロックの定義を持ち続けているロックバンドだ。戦う相手は権力の末端で起こる暴力や、組織化された内部の理不尽な事態であり、またそれらを「機械」と名づけているのだ。ヴァレリーは「方法」が支配し偉大な個性は不要になると書いている。「方法」は誰にとっても反復不可能なものであり、その「方法」さえ用いれば、同じような結果に辿り着くのだ。我々の細部まで浸透しきった機械が、我々から個性を剥奪する方法なのだ。我々は、方法に抵抗し個体性を持ち続けるべきだ。
そのための方法として第一に、いわゆるマニュアルに頼らないことだ。たいていどんな物にも事にも、「取扱説明書」或いは「見本」たる物がついてくる。しかし、その手本や見本に頼りすぎると、自由に発想を広げ、試していく応用力や創造力が養われなくなってしまう。勉強でも、教科書に書いてある通りの解法を使えば問題が解けるのは当たり前だが、自分の脳味噌をフルに使用し、捻りに捻って考え出した解き方を実践してみるほうが後々自分の力となり返ってくるに違いない。そもそも、とりあえず数学の公式を覚えて当てはめてみたら合っていた、などという思考自体が頼り過ぎている。社会に出れば、公式に当てはまることばかりではないのだ。時には自分で考えて行動したり、計画を立てなければならない場合もあるだろう。マニュアルはあってないようなもので、個々に合わせて応用して(あるいは変えて)いかなければならない。料理においても、レシピ本に載っていた通りに作れば確実な味は作り出せるかもしれないが、いつまでたってもその一つ上の段階へ進むことが出来ない。「我が家の味」であったり、コクがあるいつもと違った美味しさなど、自力で辿り着く味があるはずだ。今でこそ自分が考えたレシピをインターネット上で公開するサービス等も存在するが、「オリジナル」を作り出す努力も必要なのだ。お手本にもたれ掛ったままでは、いつまで経っても成長が見られないのは言うまでも無いだろう。
第二の方法として、正しい結果よりも、そこに辿り着くまでの過程を重要視する社会を築くことだ。それが例え偶然であれ、結果が出ればそれで良しとする今までの社会の風潮を変えていかなければならない。世の中は結果を評価することに慣れすぎて、それまでの試行錯誤した過程を評価することにはなんら関心を抱いていない。競争化社会が当たり前の世の中はいわゆる「結果主義」なのである。大学受験でも、某有名国立大学に合格すれば賞賛され、失敗すれば慰められる。その「合格」という目標に向かって努力した姿勢は評価される割合が少ないのである。不合格は不合格で、いくらその人が「頑張りました」と言っても結果が変わってくるわけではない。だが、人間として大きく成長できたことに間違いは無いだろう。その成長を正当に受け止め、評価し合える社会にしていかなければならない。歴史に名を残す偉大な発明家エジソンは、「1+1はなぜ2になるのか」という疑問を持ったが、自分なりに考える生徒や若者を大事にする社会を作っていくことが必要なのだ。
確かに、今までの知識を活用していく事も効率を上げることに関しては重要かもしれない。結果を出すことも、企業や受験生らにとっては悩ましい問題でもあり目標でもあるだろう。しかし、我々は、ゴールに到達するために努力するのではなく、ゴールまでのプロセスにこそ真の目標があるのだ。(自作名言)方法に飲まれて個性を見失うくらいなら、自分らしさを大事にして生きていくほうがよっぽど人間らしい生き方なのだと私は思う。
順位 | 題名 | ペンネーム | 得点 | 字数 | 思考 | 知識 | 表現 | 文体 |
---|
1位 | ●方法への抵抗 | PINK | 91 | 1532 | 63 | 79 | 86 | 92 |
2位 | ●その広告は | ターミネーター | 88 | 1377 | 58 | 69 | 78 | 95 |
3位 | ●謙虚 | いすも | 87 | 1342 | 66 | 67 | 73 | 90 |
4位 | ●見せかけの道徳心 | キューピー | 86 | 1451 | 54 | 69 | 82 | 92 |
5位 | ●お家に仕えよ | カエル | 84 | 1059 | 62 | 61 | 74 | 96 |
6位 | ●古典と流行 | しんご | 83 | 1057 | 51 | 70 | 76 | 90 |
7位 | ●経験は最良の教師 | おめか | 82 | 1119 | 52 | 66 | 72 | 92 |
8位 | ●井から一歩飛び出せ | ピカチュウ | 80 | 923 | 49 | 74 | 79 | 84 |
9位 | ●昔話の研究を(感) | まいう | 79 | 1400 | 52 | 102 | 111 | 87 |
10位 | ●創造することば | コッペパン | 79 | 1006 | 48 | 59 | 68 | 87 |
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昨日の記事の続きです。
11月の森リン大賞(小1の部57人中)
順位 | 題名 | ペンネーム | 得点 | 字数 | 思考 | 知識 | 表現 | 文体 |
---|
1位 | ●やぎのほんやさん | みりんまりん | 61 | 477 | 39 | 43 | 50 | 100 |
2位 | ●おしゃれロボットのクッちゃん | きふゆ | 60 | 412 | 41 | 46 | 56 | 87 |
3位 | ●楽しかったどんぐりひろい | きとは | 60 | 335 | 38 | 43 | 54 | 89 |
4位 | ●ひみつきち | きほや | 60 | 255 | 39 | 43 | 53 | 89 |
5位 | ●鶴見緑地にえんそく | ききら | 60 | 331 | 39 | 46 | 52 | 86 |
6位 | ●ぶんかさい | おはなちゃん | 59 | 402 | 43 | 46 | 52 | 74 |
7位 | ●やっとみつかった私のだいじなサブバック | きとめ | 59 | 356 | 38 | 47 | 52 | 80 |
8位 | ●秋だ!うれしいな、ピョーン! | とらたいがくん | 59 | 439 | 39 | 46 | 49 | 79 |
9位 | ●がっこうであそんだこと | きたと | 59 | 329 | 42 | 43 | 48 | 81 |
10位 | ●くじらぐもの親子 | みるく | 59 | 524 | 38 | 47 | 48 | 87 |
11月の森リン大賞(小2の部94人中)
順位 | 題名 | ペンネーム | 得点 | 字数 | 思考 | 知識 | 表現 | 文体 |
---|
1位 | ●ハロウィンパーティー | パルキア | 68 | 473 | 44 | 55 | 64 | 90 |
2位 | ●山のぼりに行ったこと | アルセウス | 66 | 623 | 47 | 44 | 67 | 87 |
3位 | ●ぼくのコレクション | ともひ | 66 | 846 | 41 | 46 | 64 | 83 |
4位 | ●アンディが休んだこと | きけひ | 66 | 441 | 38 | 47 | 61 | 90 |
5位 | ●わたしとてつぼう | ひなた | 66 | 614 | 42 | 46 | 59 | 90 |
6位 | ●楽しかった全校遠足 | タカ | 65 | 767 | 41 | 50 | 66 | 80 |
7位 | ●おまつり | きそお | 65 | 460 | 38 | 46 | 63 | 90 |
8位 | ●じきゅう走大会の練習 | ぷっくりん | 65 | 397 | 41 | 47 | 61 | 80 |
9位 | ●みかこちゃん | おゆな | 65 | 633 | 42 | 44 | 59 | 89 |
10位 | ●楽しかった学芸会 | なかず | 65 | 399 | 42 | 47 | 58 | 90 |
11月の森リン大賞(小3の部129人中)
順位 | 題名 | ペンネーム | 得点 | 字数 | 思考 | 知識 | 表現 | 文体 |
---|
1位 | ●びっくりとドキドキの連続!緊張した宇宙飛行士体験 | ダイヤモンド | 78 | 801 | 46 | 81 | 88 | 93 |
2位 | ●おつかいに行ったよ | まめっち | 71 | 940 | 43 | 50 | 65 | 89 |
3位 | ●大切な中身 | ていへ | 70 | 758 | 48 | 48 | 55 | 95 |
4位 | ●プルプルたまごまき | しろみ | 69 | 781 | 38 | 45 | 76 | 84 |
5位 | ●私の先生はスーパーマン | スヌーピー | 69 | 690 | 46 | 51 | 64 | 79 |
6位 | ●買い物はおおさわぎ | パルキア | 69 | 1529 | 42 | 48 | 64 | 87 |
7位 | ●おもしろいたまごやき作り | なっち | 69 | 540 | 42 | 48 | 62 | 93 |
8位 | ●まい子を見つけたおかいもの | みゃんこ | 69 | 904 | 41 | 47 | 61 | 81 |
9位 | ●いたずら大好き | ねいろ | 69 | 896 | 47 | 47 | 61 | 84 |
10位 | ●買い物楽しいな | みいこ | 69 | 799 | 41 | 48 | 60 | 89 |
11月の森リン大賞(小4の部129人中)
順位 | 題名 | ペンネーム | 得点 | 字数 | 思考 | 知識 | 表現 | 文体 |
---|
1位 | ●めずらしい都電 | アルセウス | 78 | 663 | 47 | 74 | 90 | 86 |
2位 | ●お母さんありがとう | ネッシー | 78 | 780 | 62 | 54 | 89 | 84 |
3位 | ●いつものバス | アンピッピ | 77 | 777 | 43 | 64 | 87 | 81 |
4位 | ●電車の旅 | くっちゃん | 76 | 681 | 42 | 65 | 88 | 90 |
5位 | ●夏の太陽の味 | リラックマ | 76 | 1143 | 42 | 49 | 81 | 95 |
6位 | ●ハプニングがよく起こるBBQ | シャーロック・ホームズ | 76 | 805 | 44 | 61 | 74 | 89 |
7位 | ●一人だけの日帰り旅行 | まーりん | 76 | 998 | 44 | 63 | 72 | 93 |
8位 | ●ジャポニカとインディカ | みっくまっく | 76 | 785 | 47 | 55 | 71 | 89 |
9位 | ●かしきりバスとろ線バス | かこちゃん | 75 | 898 | 41 | 51 | 77 | 92 |
10位 | ●お米ばんざい! | はなはな | 74 | 707 | 46 | 55 | 80 | 83 |
11月の森リン大賞(小5の部140人中)
親子の好きな本
けん道少年
読書はまず、学問にとっても必要である。本を読むことによって得られる利益は、自分自身では経験することのできない経験、それを教えられることである。例えばロビンソン・クルーソーのように、無人島で一人ぼっちになったとき、どういう気持ちになり、どういう行動をするのかがわかる。さらに、ワシントンの伝記を読めば、誠実に世の中のためにつくそうとした人の喜びと苦しみがわかる。
僕もこの話のように、好きな本がある。その本は、『ハリーポッター』である。その本は最初は自分が魔法使いだと何も知らなかったハリー・ポッターがホグワーツという魔法学校で魔法を学び、最後には自分の両親を殺したヴォルデモート卿(通称:例のあの人)を倒すという話である。この本で面白いのは、魔法使いの決闘で、呪文で戦うところだ。
『ハリー・ポッター』などのSF(サイエンスフィクションの略)作品で好きな作品は、『スターウォーズ』『ジュラッシクパーク』『20世紀少年』などである。『ハリーポッター』シリーズで面白かった作品は、『不死鳥の騎士団』だ。葦編三絶とはいかないが、もう5回以上はとっくに読んでいる。でも、一番面白いのは、やはり最新作『死の秘宝』である。買っておいてよかったと思う時は、発売のした日から数日たち、図書館に行って『死の秘宝』の予約リストを調べてみると、ズラ~と、途方もない人数がならんでいたのを見たときだ。本を買っていなければ、二ヶ月ぐらい待ち、一週間で返すというようなことになっていただろう。
僕が好きな本は、たいてい父が買ったか、図書館で借りてきたものである。その中に、『風のひみつ基地』もある。『20世紀少年』は、映画化したときに兄が、
「あれ、みんな読んでるで、買おうや。」
と言ったのが始まりで、とても面白く、今では13巻まで持っている。父はよく歴史の本を買ってくるので、父が好きな本は歴史かと思えば、「子どものなだめ方」という本も借りてくる。でも両方おなじなのは、ハリー・ポッターのようにぶ厚く、字が細かく読み応えのある本だということだ。だからそれがあてはまる本が、父は好きなのだと思う。(僕に借りてくる本もぶ厚い)
父と僕つまり親子では好きな本がだいたい同じということが分かった。好きな本を多く持っていれば、社会に役立つと思うので、図書館からいろいろ借りてこようと思う。
順位 | 題名 | ペンネーム | 得点 | 字数 | 思考 | 知識 | 表現 | 文体 |
---|
1位 | ●親子の好きな本 | けん道少年 | 79 | 981 | 47 | 81 | 87 | 86 |
2位 | ●科学的態度の出発点 | まかじろう | 79 | 1118 | 44 | 60 | 85 | 87 |
3位 | ●木肌にふれて遊ぶことの大切さ | サスケ | 79 | 973 | 46 | 58 | 74 | 86 |
4位 | ●私の生活に科学的態度を | みいちゃん | 79 | 984 | 46 | 59 | 70 | 90 |
5位 | ●科学的態度 | けん | 79 | 1089 | 51 | 58 | 70 | 87 |
6位 | ●とろける甘さ | しもん | 78 | 789 | 47 | 70 | 83 | 81 |
7位 | ●最高な気分 | あんこ | 78 | 1051 | 46 | 49 | 68 | 95 |
8位 | ●「科学的態度」を読んでの感想文 | ドレミ | 78 | 904 | 53 | 54 | 68 | 89 |
9位 | ●自分の好きな本とは | ゆうと | 77 | 841 | 46 | 63 | 72 | 95 |
10位 | ●登りぼうの思い出 | ふっくー | 77 | 975 | 46 | 52 | 71 | 81 |
11月の森リン大賞(小6の部144人中)
写真のいらないアルバム
闇の女帝
それは、うっすらと埃が積もっていた。ふう~と息を吐くとやっと表紙が読めた。どうやら、母が日本語を勉強する時に使用した辞典のようである。出版1974年。随分古いものである。紙は変色していて折り曲げた後が多数あった。匂いはちょっと黴臭くあまり好きになれない感じだった。中をパラパラとみてみると、日本語の横に中国語で意味と例文が記されてあり、いかにも私を使ってと訴えているようであった。背表紙はぼろぼろで、書いてある文字はもう薄れて何が書いてあったか分からないほどであった。しかし、この古ぼけた本の威厳はちっとも薄れておらず、むしろ逆に威厳が増しているような気がした。自分より年上の物と対面するのは案外感激するものであるが、この辞書だけは違った。自分の方がちっぽけに思えてくる。何というのだろうか、小さい辞書なのに手に乗せるとずっしりとした重みは、今まで私が送ってきた12年の人生の重みを遥かにしのぐものだった。様々な時代の中で使われたこの辞書の激動の人生を考えると、非常に自分が縮小してしまう。
昔、中国ではとても貧しく辞書を買うお金もなかった、そのため、辞書は代々その家系に伝わる非常に重要なものだったのである。この辞書は、母方の祖父や祖母なども触れて、実際に使ったいわば宝だったのである。祖父や祖母から母へ受け継がれた辞書は、母に知恵を捧げ、母が日本で日本人とコミュニケーションをとれるようにしてくれた。そう思うと、辞書を抱きしめて頬ずりしたくなった。この辞書の匂いも折れているところもみんな好きになれた。そしてこの辞書の匂いも折れているところもみんな好きになった。そしてこの辞書はいずれ私の物になるだろう。今度、私が中国語を学ぶときに役立つであろう。この辞書は未来の先生である。大事にしなければと思った。
父にも古いものがある。学生時代につかった英語辞典である。父は英語を自由自在に操れるわけではないが、きっと学生時代は大いに役立ったに違いない、そして母と同じように知恵を授けたに違いない。私にも古いものがある。生まれたときに被った、生年月日がしるされている帽子である。今では私の小指と薬指しか入らないほど小さい。しかし、この帽子が私が生まれたという証なのである。
古いものは、あるときふっと現れると手に取った私たちにさまざまな思い出を思い出させてくれる。今回も母は辞書を見て懐かしがっていた。人間にとって、古いものは写真のないアルバムである。
もう一度、抱きしめて私は辞書を本棚に戻した。
順位 | 題名 | ペンネーム | 得点 | 字数 | 思考 | 知識 | 表現 | 文体 |
---|
1位 | ●写真のいらないアルバム | 闇の女帝 | 86 | 1050 | 64 | 70 | 83 | 86 |
2位 | ●自然と人間 | きちこ | 85 | 1025 | 62 | 76 | 89 | 83 |
3位 | ●自然の裏にご注意 | マーブルチョコレート | 81 | 1312 | 52 | 80 | 93 | 83 |
4位 | ●楽しい木登り | ゼウス | 81 | 1169 | 47 | 53 | 65 | 84 |
5位 | ●世界を救うには | あまぐり | 80 | 944 | 47 | 80 | 84 | 89 |
6位 | ●古い物のあり方 | なつみかん | 80 | 1499 | 49 | 60 | 79 | 81 |
7位 | ●わがままはおやめ!さもないと… | ことのは | 79 | 1639 | 51 | 88 | 105 | 92 |
8位 | ●自然の美しさ | サッカー少年 | 79 | 1156 | 42 | 75 | 94 | 90 |
9位 | ●里山からのメッセージ | こんぺいとう | 79 | 1131 | 47 | 62 | 93 | 86 |
10位 | ●登ってくつろぐ | ピルル | 79 | 1262 | 47 | 60 | 92 | 87 |
11月の森リン大賞(中1の部75人中)
ミミズがある生態系にを読んで
文鳥
ダーウィンは、ミミズの研究に基づき、ミミズが有機土壌の形成に大きな貢献していると述べた。これは、ミミズが地中を絶え間なく動き回ることで土の中に穴が出来、水はけや空気の通りが良くなるなどの利点から言われている。また、有吉佐和子は小説、『複合汚染』を執筆し、人間が自然を痛めつけた結果、自分達にひどい影響が及んでいる現状を詳しく書いている。ロンドンではミミズを利用した生ゴミの処理を行おうとしている。
小さい生物にもそれ相応の役割があり、また、なくてはならないものだと考える。
よく、小説を書いていて思うことがある。登場人物の中でも、主要キャラ、準主要キャラ、そしてサブキャラと分けることが出来る。主要キャラとは主人公、あるいは師弟愛のようなものを書くのなら主人公の師匠、というような設定になる。準主要キャラとは主人公のクラスメート、RPGのようなものならば主人公のパーティーのメンバー、あるいはラスボス(最後に出てくる強いモンスター、あるいはラストボスの略)といったところだろうか。そして、サブキャラとは過程で出てくる雑魚モンスターや村人Aといったような役である。RPG物の小説を書くと、このサブキャラがかなり重要になる。なぜなら、雑魚モンスターがいなければパーティーのレベルはあがらない。そもそも、その小説自体にスリルや緊迫感がなくなる。ラスボスが出てくるまで、ヤッホホトゥラララの世界といのはかなりほのぼのとした冒険小説である。雑魚モンスターがでてきて、
「うあー!!こいつ、何気につえええ!!!」
とか、
「うああああ!?戦闘不能?!回復魔法やって・・・!!」
とか
「ははっ弱いぜ!!大したことねえな、ふはははははは!!」
とか言っている所をフハハハ(とは言わない)とラスボスが出現するからこそ、RPG小説、あるいはゲームの面白さはある。村人Aもパーティーにヒントを与えてくれる重要な役職である。とどのつまり、どのキャラも大事な役であり、なくてはならない存在なのである。どんなに出るページが少なかろうが、セリフが少なかろうが、勇者に10秒で叩き切られるようなモンスターだろうが関係はない。全てが重要キャラである。その中の話の中心となるのが主要キャラというだけの話なのだ。
また、小さな変化がこれからの運命を大きく左右するターニングポイントになり得る事も多い。
地球の表面温度はこの100年間で摂氏およそ0.4℃から0.8度ち0.4℃上昇している。0.4℃という数値は、はっきり言ってそれほどたいした数値ではないと思う人もいるかもしれない。しかし、200年後には1.2℃、300年後には1.6℃・・・となる。おそらく今の地球は昔よりも温暖化の進行も早くなっているのでそれほど遠い未来でもないかもしれない。もしかしたら、私達が生きている間に地球は窮地に陥るかもしれない。そう考えると、小さな変化も無下にはできない。
確かに、主要キャラや人物はなくてはならない存在であり、いなければ物語は進まない。しかし、それを支えているのは出番が無いキャラの縁の下の力持ちだということを忘れてはいけない。国も、総理大臣だけでは成り立たない。それについてくる民、つまり国民がいなければ成り立たないのだ。
『雑草はまだその美点を発見されていない植物だ』という名言があるが、小さい者には小さい者なりの役割と価値があることを理解すべきだ。
小さい者は、物事に必要不可欠であると考える。
順位 | 題名 | ペンネーム | 得点 | 字数 | 思考 | 知識 | 表現 | 文体 |
---|
1位 | ●ミミズがある生態系にを読んで | 文鳥 | 91 | 1439 | 66 | 83 | 88 | 86 |
2位 | ●謎の宿題地口行灯 | なまず大使 | 89 | 1219 | 63 | 79 | 84 | 81 |
3位 | ●ミミズがある生態系に | ひよこ | 88 | 1191 | 61 | 70 | 82 | 83 |
4位 | ●地球を支える小さな肥料たち | きとみ | 87 | 1444 | 56 | 65 | 81 | 96 |
5位 | ●不透明な言葉 | hikari | 87 | 1309 | 72 | 68 | 79 | 83 |
6位 | ●自然の凄さ | ピプリー | 87 | 1252 | 59 | 65 | 78 | 86 |
7位 | ●今を生きる事の大切さ | たけたけ | 86 | 1296 | 62 | 64 | 76 | 83 |
8位 | ●どんなものにも価値がある | 201系 | 86 | 1228 | 49 | 66 | 73 | 93 |
9位 | ●鼠のひと押し | まーくん | 85 | 1126 | 57 | 62 | 77 | 86 |
10位 | ●小さなものの大きな役割 | まりい | 81 | 977 | 51 | 79 | 79 | 86 |
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11月の清書の森リン大賞が決まりました。
今回の「山のたより」には、小4までの生徒にはベストテンの作文の題名と得点だけを掲載しました。小5以上の生徒にはベストテンの題名と得点のほかに1位の作品を掲載しました。
上位の作品の掲載を少なくしたかわりに、それぞれの生徒の自分自身の作文(パソコンで入力した清書)の過去10ヶ月分の得点と過去2か月分の清書を掲載するようにしました。
どの学年の作品も力作でした。小学校低中学年の生徒の作品には、ほほえましいものが多く、この子供たちが大きくなって自分の小さいころの作文を読む機会があったら懐かしい思いがするだろうと思いました。
例えば、小3の生徒の作品の中に、次のようなものがありました。
====▽(引用ここから)
(アインシュタインのように)えらい人になっても、小学生がまるで友だちのように親しくなるように、やさしくしたいです。
でも、やっぱり、みんなも、お母さんも言っていました。
「やっぱりおしゃれして行かないと、はずかしいよね。へんな服で行くと、変な人だと、思われてしまうからいやだと思うよ。」
と笑っていました。
私の子どもも、アインシュタインのような心にしたいです。アインシュタインは、身なりにかまわず、はずかしがらず、えらくて、プリンストンの名物教授にもなれるくらい、頭がよくて、とても親切だという話を、私の子どもに、してあげたいと思います。
====△(引用ここまで)
アインシュタインの話を読んでの感想文を清書にしたので、3年生では長く書くのが難しかったと思います。(3年生はまだ感想文を書くのは早すぎる学年ですが、言葉の森ではその後の学年の準備として感想文の指導をしています)
今学期勉強した項目の中に、「聞いた話似た話」というものがあったためだと思いますが、お父さんやお母さんに取材して書いた部分があります。この「聞いた話」がごく自然で飾り気がなく、「やっぱりおしゃれしていかないと、はずかしいよね」というお母さんの会話の中に、普段からの楽しいコミュニケーションの様子が感じられました。
この子は、きっと将来、この長文のアインシュタインのように謙虚で優しい人になることでしょう。
中学生や高校生の上位の作品には、読書好きの子の書いたものが多かったようです。作文の中に書かれている語彙を見ると、その学年ではあまり使わないような難しいものが自分なりに消化されています。こういう子供たちが成長して、それぞれに自分の意見を書いていくということを考えると、とても頼もしい感じがしました。
中学1年生で最高点の作文を書いた生徒は、自分で小説を書いているようです。与えられた課題をRPGの物語という個性的な実例で書いていました。
====▽(引用ここから)
ダーウィンは、ミミズの研究に基づき、ミミズが有機土壌の形成に大きな貢献していると述べた。これは、ミミズが地中を絶え間なく動き回ることで土の中に穴が出来、水はけや空気の通りが良くなるなどの利点から言われている。また、有吉佐和子は小説、『複合汚染』を執筆し、人間が自然を痛めつけた結果、自分達にひどい影響が及んでいる現状を詳しく書いている。ロンドンではミミズを利用した生ゴミの処理を行おうとしている。
小さい生物にもそれ相応の役割があり、また、なくてはならないものだと考える。
よく、小説を書いていて思うことがある。登場人物の中でも、主要キャラ、準主要キャラ、そしてサブキャラと分けることが出来る。
(中略)
RPG物の小説を書くと、このサブキャラがかなり重要になる。なぜなら、雑魚モンスターがいなければパーティーのレベルはあがらない。そもそも、その小説自体にスリルや緊迫感がなくなる。ラスボスが出てくるまで、ヤッホホトゥラララの世界といのはかなりほのぼのとした冒険小説である。雑魚モンスターがでてきて、
「うあー!!こいつ、何気につえええ!!!」
とか、
「うああああ!?戦闘不能?!回復魔法やって・・・!!」
とか
「ははっ弱いぜ!!大したことねえな、ふはははははは!!」
とか言っている所をフハハハ(とは言わない)とラスボスが出現するからこそ、RPG小説、あるいはゲームの面白さはある。
====△(引用ここまで)
作文を書くという勉強を自分なりに楽しんでいることがわかります。文章力のある子の作品は、一回一回がそれぞれ力作なので、書くたびに考えが成長していくという感じがします。
ときどき大学生になった子が教室に来て、自分の中学生や高校生のころの作文を読む機会があると、「あのころの方がよく考えていたなあ」と言うときがあります。難しい文章を読んで自分なりに考えて書くという機会はやはりなかなかないのだと思います。
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受験の数ヶ月前になってから作文の試験のために受講するという方からよく聞かれます。「今からでも実力はつきますか」。答えは、もちろん「もう実力はつきません」。
作文力が数ヶ月で上達するということはありません。これが数学などの教科であれば、一ヶ月みっちり勉強することで劇的に成績を上げることもできます。しかし、作文は、それまでの生活の中で積み重ねてきた経験や読書や考えたことの総合的な力ですから、短期間で実力が変わるということはないのです。
しかし、「今持っている実力で最高の作文を書くようにすることはできます」ということも言います。本当は、大事なのは実力ですから、そういう裏技的なことはしたくないのですが、昔言葉の森の生徒だったという人などに、どうしてもと頼まれるとなかなか断れません。
あるとき、やはりそういう生徒が来ました。昔言葉の森の生徒でその後海外に行き、今度帰国して大学入試で小論文の試験を受けるのだそうです。試しに作文を書いてもらうと、高校生レベルの文章が全然書けません。絶対に合格しない実力でしたが、指導を始めることにしました。
出されそうなテーマで何本か作文を書いているうちに、いい体験実例がいくつか出てきました。そのうちの一つに絞り、「いいか。どんなテーマが出てもこの体験実例を書け」(笑)。更に何本か書いているうちに、いい表現といい感想も出てきました。これも同じく、「どんなテーマが出ても、この表現と感想を書け」。ほかのことを書くとボロが出てくるので、最高の実例と表現と意見だけで字数を埋めるようにしたのです。
その後の練習は、いろいろなテーマを、同じ実例と表現と意見で書いていく練習です。その結果は、奇跡的に合格。試験の場で、その子の最もいい面だけを出してきたのです。もちろん入学後は苦労すると思うので、「これから本をしっかり読むんだよ」と言っておきました。
以上は極端な例ですが、この書き方は、受験で作文を使う人には同じように当てはまります。作文試験のコツは、自分の最もいい面を文章として出していくことです。言葉の森新聞にも書きましたが、特に表現の工夫は今からでもできるので、自分なりの最高の表現を用意して試験に臨むようにしてください。
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例年、今ごろの時期になると、駆け込みで受験作文小論文の指導を頼まれます。本当は、受験で困っている人は全部引き受けたいのですが、臨時に指導できる人数は限られているので、大学入試であと数ヶ月というような場合はお断りせざるをえないことがほとんどです。
しかし、単に断るのではかわいそうなので、1回だけ書いたものを見て、今後の勉強の方向をアドバイスしてあげるということは極力するようにしています。
言葉の森の作文指導の特徴は、そのまま受験作文にもつながることです。しかし、言葉の森に小学校低中学年で来る人は、受験というものを意識しているわけではなく、趣味で作文を書きたいという人がほとんどです。
それらの子供たちは、小学校高学年になり受験するころになると、ちょうど作文の入試があったので使えたというケースが多いようです。中学受験だけでなく、高校入試でも、大学入試でも、作文小論文の試験があるところを受験することになったので、たまたま言葉の森に入っていてよかったというケースがかなりあります。
言葉の森の受験作文指導の特徴は、志望校の傾向や過去問にあわせた問題で作文を書くことです。その学校の傾向に合わせて10本ぐらい作文を書いておくと、そこで書いた主題や表現や実例が試験の本番でも使えます。
この場合、ただ書くだけでもよいのですが、言葉の森では、構成的に書くように指導しています。例えば、「こういうテーマの場合、第一段落はこうで、第二段落はこうで、第三段落はこうで、第四段落はこういう形で書くといい」といった説明です。
実際の試験では、もちろんこのようにきれいに書けるわけではありませんが、構成的に書く練習をしていると、試験のときも自然に全体の構造がしっかりした文章を書くことができます。作文の試験というと、普通は書きながら考えていくような人が多いのですが、言葉の森の生徒は最初に考えてから書くという書き方ができる人が多いようです。予備校などの小論文模試を受けると、言葉の森の生徒は構成力の点数が際立って高いという特徴があります。
さて、赤本などで大学入試の小論文の模範解答をときどき見ることがありますが、それらの模範解答は、合格ラインぎりぎりの文章だと思います。いずれも表面的に当たりさわりのないことを書いているので、欠点もないが長所もない文章になっています。受験生の多くがこういう文章を模範的な文章だと思って書いていると、採点するために読む方も大変です。
受験の小論文でよく「具体例を挙げて書きなさい」という指示がついているのは、受験生の中に模範解答と同じように理屈だけで書いている人が多いためだと思います。
森リン(言葉の森が開発した小論文自動採点ソフト)にこれらの文章をかけてみると、理屈だけで書いた文章は、語彙の多様性が低下していることが多いので、読んだ感じとして味気ない文章という感じが残ります。理屈だけで書いて、しかも語彙が多様である書き方ができるのは、かなり実力のある人だけです。
言葉の森では、文章には理屈の裏づけとしての実例をいつも入れるように指導しています。しかし、受験の場合はちょっとしたコツがあります。それは、特に大学入試の場合、体験実例を入れるとよほど文章力のある人でないかぎり、文章が幼稚に見えてしまうことがあるということです。
したがって、大学入試の場合、体験実例よりも社会実例を入れるような書き方を指導しています。しかし、本当は論説文であっても裏づけとなる実例に体験実例を入れた方がずっと面白い文章になることが多いのです。大学入試の問題を出す人は、「体験実例を入れて書きなさい」という指示をしてくれるといいのかもしれません。
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ときどき、国語の成績のことで相談を受けることがあります。先日も、子供の国語の成績が悪いというお母さんから、悪かったというテストのファクスを送ってもらいました。そのテストを分析して、電話でお母さんに話し始めると、「実は、私はまだその問題を読んでいないのです」という話でした。
このように、ほとんどのお母さんが、テストの点数だけを見て、中身を見ていないということがあります。模試などでは、分野別に漢字が何点、物語文が何点、説明文が何点などと分けて表示してくれるものもありますが、そういう表面上の分析よりも、まず親が中身を自分の目で見る必要があります。
これは、国語に限らずほかの教科についても言えることです。また、入試についても、模試の偏差値などよりもずっと確実にあてになるのは志望校の過去問の出来具合です。点数のように加工されたデータに左右されるのではなく、もともとの生のデータに直接当たってみることが大切なのです。
さて、ほかの教科はよくできているのに国語だけがおもわしくないという場合、意外と多いのが時間不足という原因です。前半がよくできているのに後半に×が多いという場合は、明らかに時間不足です。
国語力のある子は、問題文を気合いを入れて一回だけ読み、設問にも一発で答えるような解き方をします。国語力のない子は、何度も繰り返し読むような読み方をするので、どうしても時間が不足してくるのです。
問題文の読み方には、コツがあります。一つは傍線を引きながら読むことです。印象に残ったところに線を引いて読んでおくと、再読する必要があったとき必要な箇所がすぐに見つかります。
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速く読む力、共感して読む力は、国語の勉強によってではなく、読書の経験によって作られます。小学校の中学年までは、勉強よりも読書を優先した方がいいというのはこうした理由からです。
大学入試センター試験などでも、説明文の読み方と物語文の読み方はちょっと違います。説明文は、知的に理解して読んでいけばいいので、ある意味で内容を要約しながら読むような読み方で読んでいけます。
しかし、物語文はあらすじをまとめながら読むものではありません。その物語が描いている場面に入り込み、自分もその物語の中を生きているような感じで読むものです。そのような読み方をすると、登場人物の微妙な心情も手に取るようにわかってきます。そして、この読み方は、まさしく読書によって培われる読み方なのです。
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