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12月の森リン大賞(小1-小6) as/755.html
森川林 2010/01/27 07:00 


 12月の森リン大賞を発表します。
 これは、言葉の森の生徒が書いた12月の清書のうち、森リンで上位の点数をとった作品です。
 小1から小4までは、他の人の作品を見て参考にするよりも、自分なりに楽しく書いていくことが大事なので、上位の作品は表示していません。しかし、いずれも楽しく個性に満ちた作品ばかりでした。
 なお、得点が同点の場合は、表現点(語彙の多様性)の高い作品の方が上位になっています。


12月の森リン大賞と上位入賞者(小1の部61人中)
順位題名ペンネーム得点字数思考知識表現文体
1おにごっこきちね6024042435381
2ビックリドッキリマウンテンクリーム6042639495287
3ゆめのケーキパンダ6040342435286
4スパリゾートハワイアンズにいったことアリス6052237435096
5元気よく手をふってくれたサンタダイバーとらたいがくん6041838444996
6クリスマスかいおはなちゃん5966239435481
7たのしいたのしいクリスマスかいきとめ5931438435280
8ロボットきょうしつトム5936841435081



12月の森リン大賞と上位入賞者(小2の部95人中)

順位題名ペンネーム得点字数思考知識表現文体
1鉄道博物館タカ7479038918987
2チャレンジ走のれんしゅうきそお6538639466283
3学校でのクリスマス会きそひ6549237445890
4危ない。火事になるところだったあかりんご6551038455890
5「あはみ」たんけんたいはーちゃん6467938445887
6ひいおばあちゃんのおそうしきパルキア6439837455887
7来年がんばりたいことゆまちゃん6434844455890



12月の森リン大賞と上位入賞者(小3の部131人中)
順位題名ペンネーム得点字数思考知識表現文体
1ぼくとマイケル・フェルプスの集中力ダイヤモンド7154647567589
2キャ~!すいそばくだんだ~!メゾピアノ70102047477481
3大好き!美由貴ちゃんねいろ7083141516786
4かんさつしてこつがつかめたしゅわきち7049752526786
5私ととても仲のいい友だちスヌーピー7066742476586
6秘密話MANCHESTER U70115043586483
7ムシャムシャ海太郎6960339516884
8虫めがねでこがす色画用紙さやか6987739486683
9ひみつのモルモットなるちゃん6971238496289



12月の森リン大賞と上位入賞者(小4の部130人中)


順位題名ペンネーム得点字数思考知識表現文体
1ゴルフクラブでもらったカニーなぞのたびびと7675942627590
2ぼくがしているスポーツトレジャーハンター7679943637193
3努力の意味ビクトリア76121451576784
4大切な物ルイス7568748558290
5私の古い宝物枕草子7572142648273
6僕が大切にしているものコーカサウルス7586758506581
7ぼくの母さんは黄色いタオルネッシー7476448507883
8がんばる!水泳まーりん74100143497789
9三つぶの豆のゆくえリラックマ7497446507487



12月の森リン大賞と上位入賞者(小5の部142人中)

ハロウィンパーティー
ひろみ

 教室がまるで夢の国のようになっていた。魔法使いがいると思えば占い師もいるし、おばけみたいなのもいる。テーブルにはケーキがならんでいる。それらに変身しているのは五年三組の生徒達だった。私達はその日、ハロウィンパーティーをしていた。「仮装コンクール」をしたりケーキを作ったりするのだ。私は朝からケーキ作りを楽しみにしていた。

 完成したケーキを思いうかべながら、まず卵をわった。次に牛乳とさとうを入れてかきまぜる。そして、ホットケーキミックスという粉を入れる。この粉を入れるとどんなケーキでも簡単にできてしまうという魔法の粉なのだ。私は家でこれを使って、バナナケーキやチョコチップケーキやチーズ風ケーキを作ってみたことがあるがどれもはずれがなかった。さらにドライフルーツと手作りのかぼちゃを入れるのだ。最後に焼けば出来上がりだ。

 でも焼くのには時間がかかるので、その間に一限授業を受けなければならなかった。その授業の時はこころなしかみんな集中できていないような気がした。たった四十五分のことなのにゆっくりゆっくり時間が流れていくのだ。時間がとまっているかのようだった。

 「キーンコーンカーンコーン、キーンコーンカーンコーン」
 長かった授業もやっと終わった。私は急いで家庭科室へむかった。家庭科室に入るとケーキのこうばしいにおいがつうんと鼻をさした。気持ちがたかぶってきていた。そこに生クリームをそえて食べてみると顔が思わずほころんだ。みんな口をそろえて言った「おいしい」と。

 学校で食べるからひときわ美味しいのだと思う。ふだんとちがう点はもう一つあるのではないか。それは仮装をしている点だ。どことなく楽しいふいん気になるからではないだろうか。給食台の近くに行列ができていたので、何事かとのぞいてみたら・・・。その光景にはびっくりしてしまった。いくら生クリームが好きといっても・・・。私は、ボールについている生クリームを指ですくってなめるのは、遠慮しておこうと思った。

 やっぱり料理を食べる時には楽しいふいんきが必要だと思った。少しばかり口にあわないものでもそれさえあれば美味しくなる。ふいんきは調味料だ。


順位題名ペンネーム得点字数思考知識表現文体
1ハロウィンパーティーひろみ8090443698786
2日本とアメリカの文化のちがいピロシ79115353638290
3すっぱい食感降参します……まかじろう781203437510387
4ぼくの好き嫌いかえるのぴょん7790141548286
5お弁当とお給食クローバー77106538567180
6おいしさのひみつゆうと7794346526686
7心がこもった手紙とはみいちゃん7794144576686
8イメージによってけん7691642567579


※ 小6の1位と2位の作品はそれぞれ優れていましたが、要約の部分も含まれていたので、代表作品としては掲載しませんでした。
 次回から、清書にする際は、要約は省略するか、自分の言葉に直して説明する形にしておいてください。

12月の森リン大賞と上位入賞者(小6の部147人中)

夢中になる程、好きなもの
マーブルチョコレート

 私が今、夢中になっているものは「読書」と「小説を書くこと」である。なぜなら、私の将来の夢が小説家で誰もが楽しめるような物語を書けたらいいなと思っているからである。私の場合だと、もしかしたら資源の鉱脈を発見できたのかもしれない。

 読書も、物語を書くのも、私は小さい頃から好きだった。年が増えていくごとに、私の趣味に対する夢中度も上がっていった。これらなら、食わず寝ずで二十四時間ずっと行い続けることが、出来そうな気がしてくる。みんなから、とても人気のある小説家さんや作家さんたちには、人をひきつけるような素敵な文章力がある。まだ、小六の私だが、自分だけの文章が書けるようになりたいと思っている。また、読書なら誰にも負けないと言い切れる自信がある。どんなに周りが騒がしくてうるさいとき

 でも、集中して読書をすることができる。なぜなら、私は読書に限らず集中しているときだと、勝手に耳が周りの声をシャットダウンしてくれているらしいからだ。こういうときには便利だが、それが反対の結果を示すときもある。学校があるときの朝には、いつも「読書の時間」というのがある。読書好きにはたまらない至福の時間のため、私は一ページでも多く読もうと集中して読書をしている読書の時間が終わり、

「読書をするのをやめてください。」

と先生に言われても、私の耳はシャットダウンしていてその声は聞こえない。だから、いつも友達に注意されてやっと気付くのである。

 ここ最近、CDの人気曲ナンバーワンを連続でとっているあの有名な歌手マイケル・ジャクソン。謎の死をとげたマイケル・ジャクソンは、ムーンウォークで世界中から天才だと誉めたたえられていた。しかし、本当はマイケル・ジャクソンは裏で必死にダンスや歌の練習をしていたらしい。なんと、その時間は十時間以上!そんな長い時間を費やして練習していたマイケル・ジャクソンはそれほど、ダンスや歌が好きで好きでたまらなかったのだろう。私はほんのお遊びでならダンスも歌も好きだが、マイケル・ジャクソンと同じように十時間以上もやっていると、体も頭も変になってしまうだろう。そんなマイケル・ジャクソンはやはり天才で、あんなに夢中になれるなんてすごいと思う。

 人にとって、夢中になれるものがあるということは、人生がもっと楽しくなるということである。小さいときから夢中になれるものを、ずっと続けていれば、それはかならず実をむすぶことになる。誰だって持っている「夢中になれるもの」。これを見つけて、人生に少し余裕を持って生きていけたらいいと思った。好きこそものの上手なれ、ということわざのように、みんなも好きなものがあるから、それを大切にしていけたらいいと思う。


順位題名ペンネーム得点字数思考知識表現文体
1性格と資質バービー85144452768186
2勉強とは?きちこ85107057748080
3夢中になる程、好きなものマーブルチョコレート84113151727487
4勉強の在り方ことのは84156559606889
5好きなもの、嫌いなものサッカー少年83111756567483
6自分だけのものsha hui83114949617089
7やればやるほど勉強は好きになるきらり82117554566783
8コーンスターチこんぺいとう8087746728487
9朝ねぼう麻衣8095143648083


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日本の未来は尊敬される老大国 as/754.html
森川林 2010/01/26 04:32 


 老大国とは、老人大国ではありません。確かに老人の数は多いでしょうが、単に量的なことではなく、質的に高度に洗練された老文化を頂点として社会のあらゆる文化、経済、政治が統合されている国ということです。

 老文化とは、老によって支えられている文化です。そこで描かれるイメージは、老人が深い知識と経験と哲学を持って多くの人から尊敬され、自ずから社会の精神的なリーダーとなって存在している姿です。

 国際社会における日本の未来像を考える場合、大事なことは日本に現在あり余っているものを活用し、日本に不足しているものを避けるという発想することです。足りないもの求め、余っているものを無駄に使うという発想をするべきではありません。日本に余っているものは、日本語、老人、歴史と文化などです。日本に足りないものは、若年人口とハングリー精神です。

 足りないもの求めることはわかりやすいので、多くの人がそこに未来を求めようとします。しかし、それは、大量の移民を受け入れたり、競争を激化させて活力を生む方向に日本の未来を持っていくことになります。

 未来は、単純な過去の延長にはありません。かつて日本が高度成長でなしとげたような工業の時代は歴史的に終わりつつあります。工業社会の代表である自動車産業も、すでに自動車が日常商品化する中で、かつてのような成長力を持つ分野ではなくなっています。それは、古い公共事業のように、すでに形成されている固定化した産業の裾野を潤すだけで、新たな乗数効果を生み出さないのです。

 しかし、工業の時代が終わったあとに来るのが金融の時代だというのではありません。金融の時代は、文化の蓄積のない社会が、あり余っているマネーに目を奪われて作り出した虚構の時代です。

 工業の時代のあとに来るのは、新しい創造のマーケットによって支えられる文化の時代です。それは、江戸時代に生まれたマーケットに似ています。お茶やお花の文化、和歌の文化、その他江戸時代に生まれた多くの洗練された文化は、実は老人、熟練者、ベテラン、年季の入った人々によって担われていた文化でした。

 日本が高齢化するのと同様に、アジアも急速に高齢化が進んでいます。日本はアジアより一足先に尊敬される老大国になればよいというのが日本の社会の大きな未来図なのです。


 経済の面から比較してみましょう。

 若者が、10時間働いて1万円の収入を得て、2万円の工業製品を作る社会があったとします。その若者が5人集まれば、10万円の工業製品ができます。しかし、この仕組みは、資本さえあれば誰でもできる仕組みであるため、常に激しい競争に置かれています。その工業製品によって生まれた裾野が広がりますが、その裾野もやはりコストと性能の面で常に競争に置かれています。

 それに対して、次のような社会もあります。老人が、1時間働いて、5万円の収入を得て10万円の茶碗を作るというような経済を持つ社会です。この仕組みは、老人の個性と熟練に依拠しているため、他の人は真似をすることができません。したがって、そこから広がる裾野もやはり個性と人的なつながりでできたもので、他人では代替することができません。

 もし、ある国の若者が10時間働いて1万円もらって2万円の工業製品を作るような世界で、ほかの国の裕福な若者が、5時間働いて2万円もらおうと思うような形で作る工業製品は、当然競争に負けていきます。かくして、裕福な国では機械化が進みますが、機械化は雇用を増やしません。だから、日本の若者は、工業製品で人件費の安い国に立ち向かうよりも、老文化の裾野を形成するような方向で働いていくべきなのです。

 その条件は、実は少子化です。少子化により日本には真の英才教育が可能になる社会が生まれています。そして、このような形で成長した若者は、いずれ年をとって新たな老文化の山頂を形成するでしょう。


 では、その老文化とは、現代にお茶やお花を復活させることなのでしょうか。そうではありません。21世紀にふさわしい老文化を創造的に作ることなのです。

 その文化は、叡智の文化というような言葉でも言い表せるものです。ドラッカーは、90代でなお未来の提言を行いました。貝原益軒もやはり80代で人間に関する深い洞察に満ちた書物を著しました。このような老人の叡智に若者は追いつくことができません。それが、知識産業の時代の特徴です。つまり、知恵と経験と知識の統合こそが老大国の文化となるのです。

 老人は自分の専門を深く究めていくことで新しい文化を創造します。そこには、手工芸の分野もあるでしょう。演劇の分野もあるでしょう。小説や絵画や音楽や彫刻や書道や剣道や弓道や動植物の飼育や、新しい感覚に訴える芸術の創造や、詩や短歌や漫画などの分野もあるでしょう。今はまだ生まれていないような新しい分野も含めて、百花繚乱の文化が咲き誇る尊敬される老大国が日本の将来の姿です。

 日本文化の特徴は、これらの多様な老文化がすべて道化(みちか)され哲学化され思想化されていくところにあります。つまり、単なる職人芸を究めるのではなく、その職人芸が一つの道として成り立つような文化となるのです。この道化(みちか)ということの中に日本文化の神髄があります。

 日本文化は、シンプルで、宇宙の叡智につながり、自然と共存し、無私の精神を持つという方向に進む傾向があります。これが、利害や得失や勝敗や強弱という現実的なところに収斂しがちな他国の文化との違いです。

 だから、日本文化を守るとは、守るような実体を持たない日本文化を探して固定化することではなく、日本文化を作ることなのです。日本文化とは、日本刀でも浮世絵でも和服でも日本料理でもありません。それらの実体を通してより高い境地を目指そうとする志です。

 日本文化とは、博物館のように物として守られるものではなく、志を生きることなのです。志を生きることとは、免状を手に入れることではなく、同じ志を生きる人の間にあって生きることです。だから、日本におけるリーダーは、単に最高点にいる人ではなく、最高点で志に生きている人でなければなりません。そこに老大国の尊敬の源泉があります。

 熟練し、かつ志に生きる老人がさまざまな文化の山頂を形成し、その裾野を英才教育によって育てられた優れた少子化の若者が支えていくというのが日本の社会の未来の姿になると思います。

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