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家庭での作文の教え方10 送り仮名のつけ方 as/805.html
森川林 2010/02/27 06:54 


 送り仮名のつけ方についてのくわしい説明は、前述の「必携用字用語辞典」(三省堂)に「昭和四八年内閣告示第二号『送り仮名の付け方」として載っています。

 送り仮名のつけ方は、4つに分けて考えます。


 第1に、「-ない」をつけて変わるところから送るという送り方です。活用語尾を送るということです。

 例えば、「みじかい→みじかくない」なので、「みじか」までが漢字で、そのあとが送り仮名になり、「短い」となります。

 同様に、憤る(いきどおる→いきどおらない) 承る(うけたまわる→うけたまわらない) 返す(かえす→かえさない)と考えます。

 これに関連して、「当たる」「落ちる」「終わる」「変わる」「集まる」「暮らす」などが、なぜ、「あたる→あたらない→当る」とならないかというと、それは同じ漢字を使った似た言葉があるからです。「当たる-当てる」「落ちる-落とす」「終わる-終える」「変わる-変える」「集まる-集める」「暮らす-暮れる」。ただし、「終る」と書いても間違いではありませんが、わかりにくくなるので「終わる」と書いた方がよいということです。


 第2は、「しい」「か」「やか」「らか」から送るという送り方です。

 例えば、「著しい」「惜しい」「悔しい」「恋しい」「珍しい」

「暖か」「温か」「静か」

「穏やか」「健やか」「和やか」

「明らか」「滑らか」「柔らか」

などという例です。

 例外が少しあります。「懐かしい-懐く」「恐ろしい-恐れる」「憎らしい-憎い」などは、同じ漢字を使った似た言葉があるので、送り仮名が多くなっています。


 第3は、わかりやすくするために、又は簡単にするために、どちらで送ってもよいという送り方です。

 例えば、「表す-表わす」「現れる-現われる」「行う-行なう」「断る-断わる」「賜る-賜わる」などです。「行った」というときに「いった」のか「おこなった」のかわかりにくなるので、「行(い)った」「行(おこ)なった」と書き分けるという考え方です。

 また、読み間違えるおそれのないものは省略することができるので、「問い合わせる-問合せる」「申し込む-申込む」「引き換える-引換える」「乗り換える-乗換える」などは、どちらも使えます。したがって、「申し込み書」となる場合も、「申込書」となる場合もあります。


 第4は、名詞には送り仮名をつけないが、動詞から名詞になった言葉には送り仮名をつけるものがある、ということです。ややこしい。

 「恋」「恥」「光」「話」「係」「隣」「志」「組」「印」などは、「恋い」「恥じ」「光り」「話し」「係り」「隣り」「志し」「組み」「印し」などとしないのが普通です。名詞としての意識が確立しているからです。

 しかし、「幸せ」「勢い」「後ろ」「便り」「情け」「気持ち」などは、送り仮名をつける方が一般的です。

 「問い」「答え」「晴れ」「曇り」「祭り」「仕組み」などは、送り仮名をつけることが多いのですが、「問」「答」などと送り仮名を省略する書き方もあります。

 これに関連して、よくある使い分けの混乱が、「話をしている」と「話している」の送り仮名です。「話をしている」は「話」が名詞なので送り仮名をつけませんが、「話している」の方は動詞なので「話し」と送り仮名をつけます。


 いろいろと複雑ですが、原則としては、活用する語尾から送るということだけを覚えておけばいいと思います。

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匿名 20100227  
たった今清書を送信しましたが、読解問題の入力ミスをしました。問1を2にしましたが、3に訂正したいです。 もし可能ならばご手配お願いします。 お手数をお掛けし、申し訳ありませんでした。


森川林 20100227  
 「作文の丘」の修正は、年月日のところ「 02/27 09:58 」をクリックするとできるようになっています。(こちらで直しましたが)


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家庭での作文の教え方9 ひらがなで書く字 as/804.html
森川林 2010/02/26 05:09 


 ひらがなで書いた方がよい字があります。
 漢字としての意味が弱い字はひらがなで書いて読みやすくするというのが原則です。

 よくあるのは、次のような例です。「事、所、物、為、様、位」などは、ひらがなで書くのが一般的です。

許可しないことがある(△事)
現在のところ差し支えない(△所)
正しいものと認める(△物)
そのために(△為)
そのようだ(△様)
それぐらい(△位)

 漢字とひらがなの使い分けの基本は、昭和56年10月「事務次官等会議申合せ」の「公用文における漢字使用などについて」に載っています。また、「常用漢字音訓表」で読み方が指示されていない漢字はひらがな書きになります。

 こういう文字の書き方を調べるのに便利な辞書は、「必携用字用語辞典 中型版」(三省堂)です。(アマゾンで見てみると、2010年2月現在、中型版はなく、一回り小さいサイズの縦15cm横8cm厚さ2cmのものが1050円でした)

 ひらがなで書いた方がよい字は、次のとおりです。(全部で約150字なので30回音読すると頭に入ります)

かなり ふと やはり よほど おって かつ 
したがって ただし ついては ところが ところで 
また ゆえに -ない -だけ -ほど -こと 
-とき -ところ -もの -とともに -ほか -ゆえ 
-わけ -とおり -がある -がいる -になる -ができる 
-てあげる -ていく -ていただく -ておく -てください 
-てくる -てしまう -てみる -がない -てよい 
-かもしれない -にすぎない -について -げ -ども -ぶる 
-み -め -ため -まで -よう -ぐらい

 原則として漢字で書いた方がよい字は、次のとおりです。(全部で約110字なので30回音読すると頭に入ります)

彼 何 僕 私 我々 必ず 少し 
既に 直ちに 甚だ 再び 全く 最も 
専ら 余り 至って 大いに 恐らく 必ずしも 
辛うじて 極めて 殊に 更に 少なくとも 絶えず 
互いに 例えば 次いで 努めて 常に 初めて 
果たして 割に 概して 実に 切に 大して 
特に 突然 我が 及び 並びに 又は 若しくは

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