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記事 808番  最新の記事 <前の記事 後の記事> 2024/11/25
家庭での作文の教え方11 全体の流れ as/808.html
森川林 2010/03/01 04:43 




全体の流れ



 家庭で作文指導をするときの全体の時間は、1時間から1時間半とします。


1、最初に暗唱のチェックをします。

 1週間の自習課題として300字又は900字の暗唱をさせておきます。(暗唱の手引のやり方を参考にしてください)

 最初にその暗唱のチェックをしますが、すぐにチェックをするのではなく、先に練習をさせてからチェックをします。

 300字の暗唱をしている子なら、暗唱用紙の10回分の部分を切り取り、300字を10回読む練習をさせます。

 900字の暗唱をしている子なら、暗唱用紙の4回分の部分を切り取り、900字を4回読む練習をさせます。

 暗唱の自習をほとんどしていないために300字の暗唱ができそうもない子については、暗唱用紙の30回分の部分を切り取り、100字を30回読む練習をさせます。

 300字の暗唱の場合は、1ヶ所のミスまでなら合格です。

 900字の暗唱の場合は、3ヶ所のミスまでなら合格です。

 いずれもそれ以上のミスがある場合は、次回も同じ範囲を暗唱の自習とします。合格した場合は、次の範囲を指示しておきます。


2、暗唱の自習が終ったら、その週の作文を書きます。

 学年別の課題は、課題の岩に載っています。(感想文課題の長文は生徒限定ですので、題名課題を参考にして書いてください)

 学年別の指導項目は、項目の苗に載っています。(説明の部分をクリックすると、くわしい説明が読めます)


3、作文が終ったら、残りの時間を見て読書をします。

 残り時間が60分で学年の100倍ページを読めるとして計算します。したがって、4年生ならば、60分で40ページ読めるので、残り時間が30分の場合は20ページ、残り時間が15分の場合は10ページなどと読むページ数を決めます。読書速度は個人差があるので、その子の大体の読書速度を見ておき、残り時間を見ながらその子供に合ったページ数を指示します。 読書は、読ませるだけでもかまいませんが、付箋を貼りながら読み、その付箋をもとに四行詩を書くという練習をさせることもできます。

 付箋の作り方と付箋読書の方法は、付箋の作り方というところで見ることができます。


4、全部の勉強が終ったら、次回の課題を指示して終了とします。


評価の仕方



 子供の書いた作文については、よいところを褒めて明るく励ますことを中心にします。

 直す指導は、1つの作文について1ヶ所かせいぜい2ヶ所にとどめるようにします。

 ただし、誤字や誤表記については、一応すべてに赤ペンを入れておきますが、それをことさらに直すための指導はしないということです。


 褒めるところは、項目指導でよくできたところが中心です。つまり、子供が意識的に努力してできたところを褒めるようにします。

 例えば、「会話を入れる」という項目があって、会話が書いてあれば、そこを褒めます。

 また、指導していないことでもいいところがあればどんどん褒めます。面白いところ、その子らしいところなど、褒めるところはいくつあってもかまいません。


 直すところは、指導の上で事前に説明したことが中心です。事前に何も言っていないことについて後から注意することはできるだけ避けます。注意する場合は、次の週の事前指導として説明したあとに注意するようにします。


 作文用紙には、あまり講評は書きません。よいところには◎をつけ傍線を引いておきます。間違えているところには△をつけて正しい字を書いておきます(同じ間違いがたくさんあるときは、正しい書き方は代表的なところ1ヶ所だけでかまいません)

 作文用紙にくわしい講評を書くと、講評を書くという事後的なことが指導の中身になってしまい、肝心の子供の指導をすることがおろそかになります。

 指導の中心は、作文を書く前に子供に直接口頭で話すことです。

 指導を充実させるために、作文用紙の講評は簡単にし(傍線を引いた箇所に数語の短いコメントを入れる程度)、そのかわり別の先生用のメモ用紙などに、口頭で指導する中身をメモしておくようにします。そのメモが指導の記録になります。


明るい指導



 子供は、明るい雰囲気が好きです。

 子供が教室に来たら、明るく楽しい雰囲気で声をかけましょう。

 勉強している間に、ときどき書いている様子を見て、じゃまにならない程度に声をかけて励ましてあげましょう。

 勉強が終わって作文を提出したら、いいところをたっぷり褒めてあげましょう。

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家庭で教える作文(55) 

記事 807番  最新の記事 <前の記事 後の記事> 2024/11/25
暗唱は覚えることが目的ではなく繰り返すことが目的(その2) as/807.html
森川林 2010/02/28 11:04 



 前回は、暗唱が、発想力や思考力という応用分野に生きてくることを説明しました。

 暗唱は、理解力や読解力にも役立ちますが、その説明の前に、暗唱の仕方を説明します。


 滑らかな暗唱は、どのようにしたらできるのでしょうか。

 暗唱は、繰り返せばだれでもできるようになります。繰り返しとは、1日に30分も40分もやることではありません。3日続けて10分ずつやることです。これで、何の苦労もなく暗唱ができます。

 暗唱が苦痛になるのは、毎日続けてやらずに、まとめてやろうとするからです。

 言葉の森の暗唱法は、1日10分の練習で、1ヶ月で900字の文章が暗唱できるようになる方法です。これは、暗唱の手引というページに書いてあるやり方です。

 この暗唱の練習は、できればお父さんやお母さんも試しに毎日10分、1ヶ月やってくださるとよいと思います。しかし、大人は、すぐに覚えようとしてしまうために、かえって虚心坦懐に音読を繰り返すことができないという傾向があります。これは、中学生や高校生も同じで、何度か音読を繰り返して覚えられそうになると、すぐに直接覚えようとしてしまうのです。覚えるのではなく、音読を続けるということが大事です。

 親が暗唱の仕方というものになじんでいないと、子供に対する暗唱の指導もどうしてもピントのはずれたものになりがちです。よくあるのが、口だけで「やりなさい」と言って、本人に任せるやり方です。これでできるのは、既に暗唱が軌道に乗っている子だけです。

 暗唱は、最初のうち、親がついて一緒にやることが大事です。しかし、これは決して親にとって負担のあるものではありません。

 例えば、朝起きたら、お母さんが食事の支度をしている間に、子供が食卓について10分間暗唱の練習をするという形です。日曜日であれば、昼食前や夕食前でも、このようなやり方でできます。親はほかのことをしているが、子供は近くで暗唱の練習をしている、というのが暗唱や音読の練習の理想の形です。

 いちばんよくないのは、子供部屋でやらせることや、親が、「時間のあるときにやっておきなさい」と口で言うだけで済ませてしまうことです。

 暗唱するための音読の仕方は、句読点で区切らずに、なるべく早口で、しかしはっきりと、どちらかと言えば棒読みで、比較的大きな声で読むことです。暗唱がすっかりできるようになったら、句読点で区切り、抑揚をつけて上手に読むこともできますが、覚えている最中は、早口で棒読みの方がいいのです。

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暗唱(121) 

記事 806番  最新の記事 <前の記事 後の記事> 2024/11/25
暗唱は覚えることが目的ではなく繰り返すことが目的(その1) as/806.html
森川林 2010/02/27 21:03 


 剣道や野球やテニスの素振りという練習がありますが、振り方を覚えることが目的ではありません。形などは、だれでもすぐに覚えられます。

 大事なことは、その形ができることではありません。その形が身につき、いつでもどこでも自然に必要な動きができるようになることです。

 形が身につくと、いくら繰り返しても疲れなくなり、動作が美しくなり、いつでも自然にその形が出せるようになります。ですから、暗唱も、「えーと」と考えなら思い出してやっと言えるようになっても、できたことにはなりません。

 水が流れるように、よどみなく滑らかにつっかえずに言えることが大事です。暗唱の目安は、滑らかに言えるようになるということです。覚えることを目安にするのではなく、無意識のうちに言葉が出てくるように言えることを目安にしていきます。そのために、同じ文章を繰り返し音読するのです。


 では、繰り返し音読をするという暗唱によってどういう効果があるのでしょうか。

 一般によく考えられているものは、覚えた文を自分の作文にそのまま使うという効果です。しかし、これは試験のときの暗記とあまり変わりません。覚えた表現を作文に使えるようになるということはもちろんありますが、それはごく一部の効果です。

 また、暗唱をしていると記憶力がつくというだけでもありません。記憶に自信がつくということはありますが、記憶する技術だけを考えれば、記憶術という方法を使った方がはるかに効果があります。


 では、暗唱によってどういう力がつくのでしょうか。

 暗唱によって本当に身につくのは、思考力、発想力、作文力という応用力の分野です。どのようなテーマが出ても、そのテーマに関連する考えが出てくるようになります。

 暗唱の練習をしている子は、作文の字数が増えるという調査結果が出ています。これは、暗唱によって発想力が豊かになり、書くことが次々と出てくるからです。

 このようになるのは、文章を丸ごと自分のものにすることによって、言葉が持つ関連性の手足が増えるからです。

 ある言葉、例えば、「桃」という言葉を思い浮かべたときに、ほかのどういう言葉を連想するでしょうか。普通は、「桃」「ピンク」「梅」「果物」「木」「八百屋」「甘い」「柔らかい」「種」など、桃の実体に関連した言葉だけでしょう。しかし、昔話の「桃太郎」を知っている子供は、「桃」という言葉から、「おじいさん」「山」「柴刈り」「おばあさん」「川」「洗濯」「犬」「猿」「キジ」「鬼」「島」なども連想します。「桃」という言葉が持つ関連性の手足が増えるのです。

 普通、文章は逐語的に理解していきます。「桃太郎」という昔話を1回読んだだけならば、桃が登場するのは、おばあさんが川で洗濯をしているときから、家に持ち帰って中から桃太郎が出てくるところまでですから、桃の役割はそれで終わりです。理解のための桃は、せいぜい「おばあさん」「川」「子供」という関連性の手足を持つだけです。しかも、そこには何も桃である必然性はないので、やがて時間がたつにつれて、桃太郎が生まれたという結論だけが残り、どこから生まれたのかという桃の存在は記憶から消えていきます。

 桃太郎の場合は、名前の上からも桃のイメージが強力なので記憶からは消えにくいのですが、ほとんどの物事の場合、そこで使われた言葉は単なる手段であり、理解のための道具としての役割を果たしたあとは、記憶には残らないのです。

 例えば、「おじいさんは山へ柴刈りに行きました」という場合の、「山」も「柴」も、「桃太郎」のその後の物語の展開に何の影響も与えていません。だから、「桃太郎」の話を1回読むだけでは、おじいさんがどこへ何をしに行ったのかということは、記憶されません。そういう細かいことまで記憶に残っていたのでは、日常生活の肝心なことがかえって思い出しにくくなって困るからです。

 しかし、「桃太郎」の話を何度も読んだり聞いたりして、文章が丸ごと頭に残っている場合はそうではありません。「むかし、むかし」という出だしの言葉を聞いただけで、「あるところに、おじいさんとおばあさんがおりました。おじいさんは山へ柴刈りに、おばあさんは川へ洗濯に行きました。すると、川上から……」という文章が一挙に想起されるのです。

 これは、テストに、「おじいさんの行った場所はどこで、そこでした仕事は何か」というものが出るから、「場所=山」「仕事=柴刈り」と記憶したのではありません。そういうテスト的な記憶ではなく、文章を丸ごと何度も読んだり聞いたりしたことで、その文章に書かれていることが一つの全体として丸ごと自分のものになったからできるようになったことなのです。

 暗唱も、同様です。ある文章を暗唱していると、その文章のどの言葉も、その文章全体との関連性を持ってきます。それは、「桃太郎」の最初に登場する「桃」が、物語の最後に登場する「鬼」と結びつけて考えることができるということと同じです。これが、言葉が関連性の手足を多く持つということです。

 関連性の手足を多く持つ言葉とは、会議でたくさんの発言する参加者と同じです。司会があることを聞くと、多くの参加者が次々と挙手をして発現する会議では議論は盛んになります。司会が指名してもなかなか話をしない参加者ばかりでは、会議は進みません。言葉も同じです。手足をたくさん持っている言葉は、次々と連想を広げていきます。

 しかし、会議でも、司会が上手にコントロールしないと発言ばかりが増えて混乱するように、言葉も関連性の手足をたくさん持つだけでは、次々と話題が広がって脱線していくことなります。会議をコントロールする強力な司会と同じものが、文章における構成力です。


 さて、暗唱によって言葉の持つ関連性が豊かになると、発想や思考が豊かになるだけではありません。言葉の関連性が豊かになることは、理解力、読解力を高めることにもつながっています。

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暗唱(121) 

記事 805番  最新の記事 <前の記事 後の記事> 2024/11/25
家庭での作文の教え方10 送り仮名のつけ方 as/805.html
森川林 2010/02/27 06:54 


 送り仮名のつけ方についてのくわしい説明は、前述の「必携用字用語辞典」(三省堂)に「昭和四八年内閣告示第二号『送り仮名の付け方」として載っています。

 送り仮名のつけ方は、4つに分けて考えます。


 第1に、「-ない」をつけて変わるところから送るという送り方です。活用語尾を送るということです。

 例えば、「みじかい→みじかくない」なので、「みじか」までが漢字で、そのあとが送り仮名になり、「短い」となります。

 同様に、憤る(いきどおる→いきどおらない) 承る(うけたまわる→うけたまわらない) 返す(かえす→かえさない)と考えます。

 これに関連して、「当たる」「落ちる」「終わる」「変わる」「集まる」「暮らす」などが、なぜ、「あたる→あたらない→当る」とならないかというと、それは同じ漢字を使った似た言葉があるからです。「当たる-当てる」「落ちる-落とす」「終わる-終える」「変わる-変える」「集まる-集める」「暮らす-暮れる」。ただし、「終る」と書いても間違いではありませんが、わかりにくくなるので「終わる」と書いた方がよいということです。


 第2は、「しい」「か」「やか」「らか」から送るという送り方です。

 例えば、「著しい」「惜しい」「悔しい」「恋しい」「珍しい」

「暖か」「温か」「静か」

「穏やか」「健やか」「和やか」

「明らか」「滑らか」「柔らか」

などという例です。

 例外が少しあります。「懐かしい-懐く」「恐ろしい-恐れる」「憎らしい-憎い」などは、同じ漢字を使った似た言葉があるので、送り仮名が多くなっています。


 第3は、わかりやすくするために、又は簡単にするために、どちらで送ってもよいという送り方です。

 例えば、「表す-表わす」「現れる-現われる」「行う-行なう」「断る-断わる」「賜る-賜わる」などです。「行った」というときに「いった」のか「おこなった」のかわかりにくなるので、「行(い)った」「行(おこ)なった」と書き分けるという考え方です。

 また、読み間違えるおそれのないものは省略することができるので、「問い合わせる-問合せる」「申し込む-申込む」「引き換える-引換える」「乗り換える-乗換える」などは、どちらも使えます。したがって、「申し込み書」となる場合も、「申込書」となる場合もあります。


 第4は、名詞には送り仮名をつけないが、動詞から名詞になった言葉には送り仮名をつけるものがある、ということです。ややこしい。

 「恋」「恥」「光」「話」「係」「隣」「志」「組」「印」などは、「恋い」「恥じ」「光り」「話し」「係り」「隣り」「志し」「組み」「印し」などとしないのが普通です。名詞としての意識が確立しているからです。

 しかし、「幸せ」「勢い」「後ろ」「便り」「情け」「気持ち」などは、送り仮名をつける方が一般的です。

 「問い」「答え」「晴れ」「曇り」「祭り」「仕組み」などは、送り仮名をつけることが多いのですが、「問」「答」などと送り仮名を省略する書き方もあります。

 これに関連して、よくある使い分けの混乱が、「話をしている」と「話している」の送り仮名です。「話をしている」は「話」が名詞なので送り仮名をつけませんが、「話している」の方は動詞なので「話し」と送り仮名をつけます。


 いろいろと複雑ですが、原則としては、活用する語尾から送るということだけを覚えておけばいいと思います。

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匿名 20100227  
たった今清書を送信しましたが、読解問題の入力ミスをしました。問1を2にしましたが、3に訂正したいです。 もし可能ならばご手配お願いします。 お手数をお掛けし、申し訳ありませんでした。


森川林 20100227  
 「作文の丘」の修正は、年月日のところ「 02/27 09:58 」をクリックするとできるようになっています。(こちらで直しましたが)


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家庭での作文の教え方9 ひらがなで書く字 as/804.html
森川林 2010/02/26 05:09 


 ひらがなで書いた方がよい字があります。
 漢字としての意味が弱い字はひらがなで書いて読みやすくするというのが原則です。

 よくあるのは、次のような例です。「事、所、物、為、様、位」などは、ひらがなで書くのが一般的です。

許可しないことがある(△事)
現在のところ差し支えない(△所)
正しいものと認める(△物)
そのために(△為)
そのようだ(△様)
それぐらい(△位)

 漢字とひらがなの使い分けの基本は、昭和56年10月「事務次官等会議申合せ」の「公用文における漢字使用などについて」に載っています。また、「常用漢字音訓表」で読み方が指示されていない漢字はひらがな書きになります。

 こういう文字の書き方を調べるのに便利な辞書は、「必携用字用語辞典 中型版」(三省堂)です。(アマゾンで見てみると、2010年2月現在、中型版はなく、一回り小さいサイズの縦15cm横8cm厚さ2cmのものが1050円でした)

 ひらがなで書いた方がよい字は、次のとおりです。(全部で約150字なので30回音読すると頭に入ります)

かなり ふと やはり よほど おって かつ 
したがって ただし ついては ところが ところで 
また ゆえに -ない -だけ -ほど -こと 
-とき -ところ -もの -とともに -ほか -ゆえ 
-わけ -とおり -がある -がいる -になる -ができる 
-てあげる -ていく -ていただく -ておく -てください 
-てくる -てしまう -てみる -がない -てよい 
-かもしれない -にすぎない -について -げ -ども -ぶる 
-み -め -ため -まで -よう -ぐらい

 原則として漢字で書いた方がよい字は、次のとおりです。(全部で約110字なので30回音読すると頭に入ります)

彼 何 僕 私 我々 必ず 少し 
既に 直ちに 甚だ 再び 全く 最も 
専ら 余り 至って 大いに 恐らく 必ずしも 
辛うじて 極めて 殊に 更に 少なくとも 絶えず 
互いに 例えば 次いで 努めて 常に 初めて 
果たして 割に 概して 実に 切に 大して 
特に 突然 我が 及び 並びに 又は 若しくは

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家庭で教える作文(55) 作文の書き方(108) 

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自習をしたとうそをつく子、宿題の答えを丸写しする子 as/803.html
森川林 2010/02/25 21:37 




◆自習をしたとうそをつく子


 小3の生徒の保護者から相談がありました。親が、「自習をした?」と聞くと、子供は、「うん」と言います。しかし、実際にはしていなかったというのです。

 これは、「自習をした?」と聞いていること自体に問題があります。そう聞かれれば、やっていない子も、「うん」と言わざるをえません。つまり、子供がうそをついたことが問題なのではなく、親がうそをつかせていることが問題なのです。

 うそをつかざるを得ない状況を作っているのに、うそをつくなと言っても効果はありません。うそをつかなくても済むような状態を実際に作っていくことが大事です。

 親の役割は、事後的に勉強をチェックするだけでなく、一緒について勉強をやらせることです。そういうことができるのは、大体小学4年生ぐらいまでなので、年数で言えばわずかの間です。


 一緒にやらせるということは、暗唱の自習も読書についても同様です。親が見ている前で、やらせて、そして褒めるという形が勉強の基本です。もちろん、親は近くにいるだけで、ほかのことをしていればいいのです。

 子供部屋で勉強をさせると、こういう形の勉強はできません。食卓や居間で勉強をさせて、親が近くでほかのことをしているという状態がいちばんいい勉強のスタイルだと思います。

 うそをついたかどうかと問う前に(それは、また別の問題になりますが)、うそをつく必要のない状態を作っておくのが親や先生の役割です。


◆宿題の答えを丸写しする子


 もう一つは、ほかのサイトで話題になっていた問題で、中学1年生の子供が塾の宿題を丸写ししていたという相談です。

 この相談に回答を書いた人の中には、答えを隠しておいたらいいとアドバイスした人もいましたが、それでは動物の調教とあまり変わりません。^^; 動物でも犬のように知恵のある動物は、自覚によって行動を改善します。強制は必ずしも必要ないのです。


 中学生のうそは、二つの方向で考える必要があります。

 ひとつは、小6から中1にかけては、物事をごまかしてうまくやれる自分を発見する時期なので、その発見を試してみたくなる時期だということです。ですから、ここでは、うそをつくことよりも正直であることの方が尊いということを、ふだんの生活の中で話しておくことが必要です。


 もう一つは、宿題の量が多すぎるという問題です。中学1、2年生のころは、先生や親に言うことに対して素直ではないが、かといって自分で行動をコントロールするほど自覚もできていない時期です。そのため、学校でも、塾でも、何しろ量の多い宿題を出すという傾向があるのです。そういうときの宿題は、無駄に多いという面があります。わかっている問題も、わからない問題も、一律に大量に解かせるような問題が多いのです。

 ですから、この場合は、確実にできる範囲に分量を絞り、自分がやってみてよくできなかった問題だけを繰り返して解くという勉強の仕方に切り替える必要があります。

 意味のない問題が大量に出ている宿題であれば、親の公認のもとに、答えを丸写しするという勉強をしてもいいのではないかと私は思います。そして、その分、意味のある勉強をじっくりしていけばいいのです。

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T.W 20141125  
とても良かったです!


森川林 20141127  
ありがとうございます。

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記事 802番  最新の記事 <前の記事 後の記事> 2024/11/25
家庭で教える作文8 読点の打ち方 as/802.html
森川林 2010/02/25 05:26 


 読点の打ち方は、規則として確立しているわけではありませんが、大体次のように考えておきます。

1、はのあと:「は」(主語)のあとに打つ(「は」や「も」のあとです。ただし、「が」のあとには打たないほうが自然です)
2、そしてのあと:「そして」(接続語)のあとに打つ(「そして」「しかし」「だが」などのあとです)
3、かいわのまえ:会話の前に打つ(新聞など、字数を節約する必要のある文章では打たないこともあります)
4、ときのあと:時を表す言葉のあとに打つ(「○○したとき」や「日曜日に」などのあとです)
5、とといったの間:「と、○○が言った」のように、「と」と「言った」の間に言葉が入るときに打つ(「と言った」とつながっているときには打ちません)
6、のでのあと:「のでたらからると」(条件を表す語句)のあとに打つ(「○○したので」「○○したら」「○○したから」「○○すると」などのあとです)

 「はそかととの」と覚えます。

 小学校低学年のころは、全部を説明すると難しくなるので、「『は』のあとには打つ、『が』『の』『を』のあとには打たない」ということだけを説明します。子供の理解に応じて、少しずつ説明を追加していきます。

 「はそかととの」ルールのとおりに全部打つと、読点が多すぎて読みにくくなることもあります。そのときは、「句点『。』1つに、読点『、』は1つか2つ」ということを目安にしていきます。

 声を出して読んでみて、自然に区切るところが読点です。

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家庭での作文の教え方7 段落のつけ方 as/801.html
森川林 2010/02/24 10:04 



 言葉の森では、小学4年生から段落の指導をします。

 その前段階として、小学3年生までに、「会話以外の行は全部続けて書く」という練習をします。

 更に、その前段階として、小学1年生のときに、会話にカギカッコをつけ、行を変えるという練習をします。

 学校では、低学年のころから一文ごとに改行して1マス空けるという書き方をしているようですが、言葉の森は反対で、低学年のころから行は全部続けて書くという書き方をしています。


 学年順にくわしく説明すると、

1、小学1年生で、会話にカギカッコをつける練習をします。

 カギカッコの開きには、1マス使います。カギを原稿用紙のマス目の線にそって書く子がいますが、マス目の真ん中に書くようにします。カギカッコの閉じにも、1マス使います。ひとつのマスの真ん中に句点(「。」)とカギカッコの閉じの両方を書きます。

 パソコンで書くと、句点とカギカッコの閉じは2文字になるので、2マスに分けて書く書き方をする場合もあります。また、中学生以上は、句点は省略してカギカッコの閉じだけを書くことが多くなります。

 小学1年生は、会話にカギをつけるというときの、会話という言葉の意味がよくわかりません。「人の言ったこと」と説明しますが、それでもその内容がなかなか理解できません。しかし、すぐにわからせる必要はなく、気長に何度も教えていくようにします。大事なのは、楽しく書くことなので、会話にカギカッコが正しくつけられるかどうかということは些細なことだからです。

2、小学1年生で、会話にカギカッコをつけられるようになったあと、カギカッコのところで行を変える練習をします。

 これも、小学2年生になるころまでなかなかできない子がいますが、やはり楽しく書くことが大事なので、すぐにできるようにする必要はありません。

 会話を書いてしまったあと、改行に気づく場合がありますが、そのようなときは消しゴムなどを使わずに、「改行するつもりだった」ということがわかるような記号をつけておきます。

3、会話にカギカッコがつけられるようになり、会話のところで改行ができるようになったら、そのあと、「会話以外の行は全部続けて書く」という練習をします。

4、会話以外の行が全部続けて書けるようになったら、小学4年生から段落をつける練習をします。段落指導は、小学3年生の途中から始めてもかまいません。

 段落の練習は、最初は、「会話以外の『。』が3つ続いたら、行を変えて1マス空ける」という教え方をします。

5、「『。』3つで段落をつける」ということができるようになったあと、「内容の変わっているところで段落をつける」という練習をします。


 小学3年生までの段落のついていない作文をコンクールなどに出すときは、どうしたらよいのでしょうか。それは、先生又はお母さんが段落をつけてあげて、それを清書させるというやり方になります。この場合、どうしてそこに段落をつけるのかという説明は必要ありません。


 日本語には、もともと段落という概念が希薄です。欧米では、1パラグラフに1つの内容という考え方がはっきりしています。日本語では、読みやすくするために段落をつけるという考え方が主流です。

 段落の字数の平均値は、150字前後です。1文が約50字ですから、3文ぐらいで段落をつけているということになります。そこで、小学4年生の段落指導は、「会話の中の『。』は数えずに、会話以外の『。』が3つ続いたら段落をつける」という指導になります。

 実際に、子供の書いた作文を「。」3つで段落をつけてみると、不思議に内容が変わっているところで段落がつきます。

 最初は、内容があまり変わっていないように見えても、形の上だけで「。」が3つ続いたら段落をつけるというようにします。小学4年生の子供は、この教え方ですぐに段落の感じがつかめるようになります。


 現在、小学5年生で約半数の子が段落を正しくつけられないと言われています。正しくつけられないとは、全部続けて書く形か、1文ずつ段落にしてしまう形が多いということです。これは、段落を内容面から説明して教えるのでわかりにくくなっているためです。


 「『。』3つで段落をつける」という形で2、3回作文を書くと、すぐにその書き方ができるようになります。そのあと、「段落は、『。』1つでつけることもあるし、2つでつけることもあるし、4つでつけることもあるし、5つでつけることもある」という説明をします。

 これをいっぺんに指導すると、次のような言い方になります。

「会話の中の『。』を数えずに、会話の外の『。』が3つ続いたら行を変えて1マス空ける。しかし、『。』は1つでも2つでも3つでも4つでも5つでもかまわない」

 このように1回説明するだけで、多くの子は、すぐに段落のコツをのみこみます。

 しかし、最初のうち、子供は不安なので、「ここで段落をつけていいの」と確認のために聞いてきます。感じをつかむことが大事なので、教えるときはあまり複雑に考えたり理屈で説明したりしません。子供が「いいの」と聞いてきたら、返事は「いいよ」です。


 段落は、意味から説明して、子供に自分で考えさせて、結局できない子を増やすよりも、形だけ百パーセントできるようにさせたあと、意味を教えるという指導の仕方で教えていきます。

 何か、自動車教習所で、縦列駐車の仕方を教えてもらうときとちょっと似ています。

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MiOSC 20111004  
段落指導を読ませていただきました。今回大人の方に段落の説明をすることになったのですが、新聞や雑誌を見慣れていると段落の意味が泣かない伝わらなくて困ってしまい改めてネットで調べたところ森川林先生のHPがあり読ませていただきました。とても参考になりました。私の言葉でまた説明します。それと「子供がいいのと聞いてきたら、返事はいいよ」これは最高です!これもとても参考になりました。

森川林 20111004  
 MiOSCさん、コメントありがとうございます。
 日本語の文章は、段落という意識があまり強くありません。1段落1内容と無理に考えるよりも、読みやすくするために150字ぐらいを目安に段落をつけると考えていくといいと思います。

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記事 5092番
国語力はテクニ 森川林
「国語力をつけるために、特に読書をする必要はない」という耳あ 6/6
記事 5091番
リアルな通学教 森川林
 未来の教育は、対話型の少人数オンラインクラスの教育になりま 6/5
記事 5090番
クリティカル・ 森川林
西洋には、批判を通して新しい考えが生まれるという弁証的な発想 6/4
記事 5089番
優しい母が減っ yori
私の母は、もう中学2年生なのに、スマホをもたせてくれません。 6/3
記事 979番
日本を復活させ 森川林
 日本を復活させる道筋は、創造教育文化国家を目指すこと。 6/1
記事 5081番
4月の森リン大 森川林
 大学生や社会人になった元生徒の子供たちが、自分が中学生だっ 5/31
記事 5085番
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掲示板の記事1~10件
標準新演習算数 あかそよ
3の1はできました。 2は、答えを見るとなんとか理解できま 11/23
算数数学掲示板
標準新演習算数 あかそよ
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算数数学掲示板
2024年11 森川林
●サーバー移転に伴うトラブル  本当に、いろいろご 11/22
森の掲示板
現在森リンベス 森川林
このあとの予定。 ・森リンベストを直す(直した) ・森リ 11/20
森川林日記
Re: 入会手 言葉の森事務局
 お世話になっております。  弟さんのみご入会が1週間 11/15
森の掲示板
入会手続きにつ やすひろ
お世話になっております。 個別掲示板を開けませんので、ここ 11/15
森の掲示板
Mr. 1
1 11/14
森の掲示板
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1 11/14
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Re: 項目の 1
> いつもありがとうございます。 > > こすほ 11/14
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手書きの作文と講評はここには掲載していません。続きは「作文の丘から」をごらんください。

主な記事リンク
 言葉の森がこれまでに掲載した主な記事のリンクです。
●小1から始める作文と読書
●本当の国語力は作文でつく
●志望校別の受験作文対策

●作文講師の資格を取るには
●国語の勉強法
●父母の声(1)

●学年別作文読書感想文の書き方
●受験作文コース(言葉の森新聞の記事より)
●国語の勉強法(言葉の森新聞の記事より)

●中学受験作文の解説集
●高校受験作文の解説集
●大学受験作文の解説集

●小1からの作文で親子の対話
●絵で見る言葉の森の勉強
●小学1年生の作文

●読書感想文の書き方
●作文教室 比較のための10の基準
●国語力読解力をつける作文の勉強法

●小1から始める楽しい作文――成績をよくするよりも頭をよくすることが勉強の基本
●中学受験国語対策
●父母の声(2)

●最も大事な子供時代の教育――どこに費用と時間をかけるか
●入試の作文・小論文対策
●父母の声(3)

●公立中高一貫校の作文合格対策
●電話通信だから密度濃い作文指導
●作文通信講座の比較―通学教室より続けやすい言葉の森の作文通信

●子や孫に教えられる作文講師資格
●作文教室、比較のための7つの基準
●国語力は低学年の勉強法で決まる

●言葉の森の作文で全教科の学力も
●帰国子女の日本語学習は作文から
●いろいろな質問に答えて

●大切なのは国語力 小学1年生からスタートできる作文と国語の通信教育
●作文教室言葉の森の批評記事を読んで
●父母の声

●言葉の森のオンライン教育関連記事
●作文の通信教育の教材比較 その1
●作文の勉強は毎週やることで力がつく

●国語力をつけるなら読解と作文の学習で
●中高一貫校の作文試験に対応
●作文の通信教育の教材比較 その2

●200字作文の受験作文対策
●受験作文コースの保護者アンケート
●森リンで10人中9人が作文力アップ

●コロナ休校対応 午前中クラス
●国語読解クラスの無料体験学習